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謎の海底神殿と青白い海猿?
しおりを挟むグシュ!!?
海猿が背後から何者かの攻撃を受け、痛みのあまり海の底に倒れ寝転がってもがき苦しんでいる。
うわぁアレは痛そうだねー! しっかり出血もしてるみたいだし……でもまぁおかげでコイツの手から逃れる事が出来たわね。危なかったわコイツの幻惑魔法っていうのですっかり騙されちゃって下手したらまたやられてたかもしれないじゃない?
周りを見渡すと1匹の骸骨が錆びた剣を持ちこちらを見ている。
あらっ確か骸骨騎士のアーヴァインだっけ彼が助けてくれたのね。まあ別にアタシ骨に興味はないけどね。
それにしてもアーヴァイン今のはナイスタイミングだったわ。グッジョブよーっ!
後ろからの不意打ちとはいえ骸骨からの攻撃でダメージを受けたのが屈辱なのかその表情は怒りにみちている。カラダを前にたおすと同時に、重心をかけた前足で海底を強くけり、勢いよくとび出してきた。カラダはななめのまま、低く走り出しそのままアーヴァインに襲いかかる。
(アーヴァイン!!)
その名を聞いた途端、骸骨は体の内側から輝きを放った。
( うおおぉぉーっ‼︎‼︎ そうだ……思い出したぞ! 我が名を………ヴァールシュタット王国の誇り高き騎士アーヴァイン・デナ・エッフェンガルドであるぞ。さぁ我が剣よ! そんな錆びなど落として真の輝きを我に見せてみせよ!!)
アーヴァインの放つ光が更に強くなり、右手に持っている錆びた剣を掲げて声にならない声でカクカクと叫ぶと剣の錆びが落ち、少しずつ形状を変えていき光が広がっていく…えっ何よ?…超まっ眩しいじゃないのーっ!
光がおさまるとそこには光り輝く金ピカの鎧を纏ったアーヴァインが妙に自信満々で立っていた。
(コレだ嗚呼っ素晴らしいーっ‼︎ ……コレこそが……この輝きこそが我が至高の剣と鎧であるぞ!)
昔の自分を取り戻して意気揚々なのね。
まぁでもなんかカッコいいからいっか~?
とそんな事を思っているとそこへ先程不意に斬りふせられた海猿が襲いかかって来たわね。
海猿が幻惑魔法を唱えるとヤツが数匹いる様に見えるのかアーヴァインが周りをキョロキョロし出した。あぁっまたあのアタシが引っかかった幻惑魔法かー でもどうやら敵一体にしかかけられない魔法みたいね。つーか何なのよーアタシは蚊帳の外なの?
海猿はの水かきの付いた手足で素早く背後に回り込み素早く銛で突くが、アーヴァインは全て紙一重でかわされている。
ちょっとーどういう事なのよ海の底にいて何であんなふうに動けるの? 何か特別な能力《スキル》でもあるのかしら?
どれっステータスオープン!
【ステータス】
名称 アーヴァイン・デナ・エッフェンガルド
種族 骸骨騎士
Lv37
HP500 MP480 SP490
攻撃430 防御489 速さ470
装備
鎧輝光剣
能力
再生Lv4、眷属召喚Lv4、念話Lv1、
神経強化Lv2、魂喰Lv2、衝撃無効Lv1、
危機察知Lv4、熱源感知Lv2、剣技Lv5、
水中適応Lv3、毒耐性Lv4、麻痺耐性Lv4、
石化耐性Lv4
進化:条件を満たしていません
す…数値がものすごく上昇してる……もしかして名前とともに生前の騎士だった頃の記憶も思い出したのかしらね?
海猿が距離をとり出しアーヴァインを睨みつける
本来の力を取り戻した彼の前に歯が立たないという事を悟って悔しがってんのかな?
あたりをキョロキョロと見回し口笛を吹くと先程の仲間達が駆けつけて来た。海猿3匹にマーマンが6匹ってコレはちょっと数多くねぇか?
それにしても海の底にいるのに口笛って……
でも正直言ってピンチよね今の状況は
ステータスを見る限り海猿よりもアーヴァインの方が間違いなく強い、でもこの数だとどうかしら?
アタシ達すでに囲まれてるし。
突然。紫色の霧が立ち込めて来た。コレってまさか……この状況でまたアイツが来るの?
霧の中からあの水竜が現れ、海猿やマーマン供はアタシ達の方に気を取られて反応が遅れたのかなす術なく食い荒らされ、わずかに生き残った奴らは必死で泳ぎ、この場を離れようとしている。奴らがいなくなると水竜は口を大きく開きながら勢いよくこちらに向かって来る。しかしアーヴァインが前に出て剣と盾で水竜の噛みつきを受け止める 。
おおぉぉっナイスよアーヴァイン!! でもこのままではアタシ達がコイツに食われるのも時間の問題
何か……何か……何か良い手はないのかしら??
丁度目の前に頭部を食い荒らされた海猿が横たわっている。確かコイツさっきアタシに発火能力使った奴よね?
胴体が残っているって事は魔石の方は無事なのかな?
よし、頂いちゃいましょ!
海猿の体の中にある魔石をとり出して吸収する。
《魔石を吸収した事により新たな能力『炎念力
』を獲得・・・を確認しました》
(ちょっと大変かもだけどそのまま押さえといてくれる? アタシちょっとコイツの口の中に入って来るわ)
(く…口の中に入るだと?……一体何をするつもりか知らんが長くは持たんぞ…… )
目の前にある大きな石の上に乗り、念力で石を動かしてアタシは勢いよく水竜の口の中に飛込み、猛スピードで駆ける。すぐに腹あたりに辿り着いた。
横たわっている甲殻類の死骸が胃酸でドロドロと溶かされて行く様を見てちょっと引いてしまった。
うぎゃあぁぁ! 足下がネチョネチョで気持ち悪いわね。原型とどめてないので蟹だか海老だか分からないけど硬い皮膚が胃酸でブヨブヨになっちゃってるし……でもコレは足が無くて正解だわ。もし人間の体でここに入ったら足の裏からジワジワと溶けていっちゃうわね。さてと覚えたての炎念力《パイロキネシス》いっきますかね?
アタシの能力でボアァァっと辺り一面が燃え盛る。
おおぉぉっ水竜の奴、身体の内側から燃やされてその激痛に耐え切れず激しく体を揺すったりして暴れ回り出したわね。
いいわね~もっと悶え苦しみなさいよ♪
(オイっ貴様まだか……流石にそろそろ限界だぞ)
(もうちょいーっ! 3…2…1…オッケーよ)
ザヴアァァッ!!
アーヴァインは勢いよく水竜の口から出て来たアタシをしばらく見つめている。
水竜はしばらくバタバタしていたがやがて動きが止まり生き絶えた。
コイツ……あの海猿の血の匂いを嗅ぎ分けて来たのかしらねーだとしたらとんでもない嗅覚ね!って事は今までずっと近くにいたって事なのかしら
そういえば残りの生き残った海猿供はもう逃げ帰っちゃったのかな?
(さっきの海猿供はいつのまにやらいなくなっちゃったのね)
(うむ、奴等この水竜が現れ仲間の頭が喰われた途端に逃げてしまいおった。仲間の仇を取ろうとは思わんのか?……うーむっ!!……それにしても全く!! 貴様という奴はまさか体の内側に入って燃やしてしまうとはな…… )
(別に……それくらいしか可能性なかったじゃないのよ。)
(では我はヴァールシュタット王国に帰るとする。たとえ10年いや20年時が経とうとも我が心はヴァールシュタット王国と共にあるのでな!)
(マジで!アンタその顔で帰るつもりなの?)
(当然だ!きっと妻も我の事を話せば理解してくれる。しかし何故我の名前を知っていた?まさか貴様は敵国であるエッフェンタール公国が放った間者か何かではあるまいな?)
( ハア? 違うわよ能力よ。アタシの持つ鑑定Lv3でアンタの過去もプライベートも全てお見通しよ!! )
(そうであったのか。それならば良いぞ!
うむ………では我はこれにてここを立ち去るとするか。貴様のおかげでこの記憶を取り戻す事が出来たのでこの借りはいずれまた会った時にでも返そうぞ!
……ではさらばだ。)
(ハイハイじゃーねー!)
アーヴァインはあっさりと去って行った。
さてさてアタシはこれからどうしようかしらねー 魚だから陸に上がることは出来ないし海中で恋人探しでもしょうかしら?
応援ありがとうございます!
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