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ギルド結成

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 ミンジュンとカイラは先程の戦闘で疲れたのか、今日は店を休みにしてコーヒーを飲んで深いため息を吐き、グッタリしていたらカランカランとドアの開く音が耳に届くと彼らはアタシとメアリーへと目を向けた。

「ただいま戻りました~っ お客様を連れて来ましたよ。」

 メアリーの元気な声に反応していつものように立ち上がろうとする2人、しかし今日はその足取りが重い


「ちょっとメアリーさん! 今日はもう疲れたから休みにしたんですよ。ホラっ外に看板も出してるよね」

「そうじゃないのよ~ 領主さんがアタシ達と話がしたいって言うんで連れて来たのよ。」

「えっ領主様だって?」

 アタシの言葉を聞いた途端、カイラは急に立ち上がった。

「おおっカイラ息災であったか? おやっ隣にいるのはもしや勇者様かな? ハインツ団長から此度の戦いの御活躍は耳にしておりますぞ!」

 ノイエは笑顔でミンジュンに握手を求めた。

「始めまして領主様どうぞお座り下さい。すぐにお茶をお持ち致します」


 とりあえずテーブルに置かれた紅茶を飲みながらミンジュン達とお互いの知っている情報をすり合わせる。

 今回、魔法師団の連中はこの町にあるオーブを狙っていた。まずは邪魔な勇者を町の外で戦わせ、その隙に魔物供を町に侵入させて混乱に陥れ、その間にこっそりとオーブを奪い去り最後に盗賊供が来て何もかも奪い去っていくといった筋書きだったんだろうけどねでもアイツらには一つだけ誤算があったのよアタシ達の存在がね……
あと、盗賊供を誰が撃退させたのかって事なんだけどまあそれは本人が来た時にでも直接聞いてみるかしら?

「でも今回は何とかみんなの力で守りきる事が出来ました。だよねメアリーさん」

「ハイ、ミンジュンさん」

「だが犠牲者を出し過ぎた。結局これでは今の我々貴族の私兵と守備兵だけでは守りきれぬという事ではないか」


「かといって兵士を増やしても軍事費用が膨らむばかりだと思うわ。それならやっぱりこの町でギルド設立してこの町の周辺で活動してもらっていざとなれば戦える冒険者を増やす方がこの町にとって良いと思うのよ」


「冒険者か、確かに今回の件が原因でこの町に訪れる旅の商人の数は一気に減るであろうな、となるとこの町にある全ての店舗に影響が出てしまう
 しかし今後、冒険者達が魔物や野党供からこの町周辺の治安を維持してくれたら前以上の人の往来が可能になるのか」

「そうなると物資の供給も今まで以上にスムーズになり、この町ももっと発展する可能性がありますね」


 そうっ!モノが増えてドンドン売れれば市場価格も下がりそれに比例して消費者が一気に増えもっと経済が活発になる。ギルドが中心となってこの町の平和維持と生産性を向上させるのよ。

「そうだわ! あとギルドで冒険や戦い方の体験レッスンなんかしてみたらどうかしら今回町を守った勇者《ヒーロー》イ・ミンジュンの指導を受けられるのなら喜んで受けるかもよ」

「うーん、そうなると足らないのは人手ですね」


 ノイエが手を挙げた。

「冒険者ギルド設立に協力するのは構わないのだがそこで一つ頼みがあるのだが……」

「領主様からですか?」

「1人両親を亡くして何処も行く当てのない車椅子の少女を住み込みで……あと孤児院の者達を優先的に雇って貰えないだろうか?」

 ミンジュンとカイラは顔を見合わせる

「正直言って今の状況でもすでに人手が足りてないオレは忙しくて店になかなか行けないし実際、ミンジュンしか動ける人間がいないので常駐でいてくれるなら喉から手が出る程欲しい」


「ならOKでいいよねカイラ」


「おおっそうか、ありがとう助かるよ!
 しかし一体彼等はオーブを集めて何をしようとしているのだろうか?」

「次に会ったら聞いてみるといいわ」

「えっ次とはどういう意味だ?」

「多分また来ると思うけど」


「えっ!?」

「大丈夫よ任せなさい今度こそアタシがコテンパンにやっつけてやるんだから~っ!」


 あと、メアリーのいたカルロ村なんだけど
 取り壊した後しばらくは更地にする予定だったらしいのでアタシ達で村を再建する許可をもらっておいたわ。あそこにも宿舎を作っておくと冒険者達が遠方へ出るための中継点として活用できるだろうしね。
それにしても夜寝ている間、相変わらずアタシの耳元で「勇者を抹殺しろ!」って囁いてくるヤツがいるのよね困ったわ~
お前を抹殺したいわよ!


 朝、
 アタシとカイラは皆を2階の店に集めて、領主からギルド結成に関する承認のサインを貰った事を伝えた。まず初めるにあたって誰がリーダーになるのかという話なんだがとりあえずは貴族の子であるカイラが就任し3年で交代という事で話は収まった。

 それともう1人
 車椅子の少女=セシリアが新たにギルドに入ったので自己紹介をしてもらった。

「初めましてセシリア・ワレンシュタインと申します。私は今回の騒動で魔物に殺されそうになっていたところをメアリーさんに助けて頂きました。
 あの勇敢に魔物に向かっていく姿を見て感動し、私は絶対メアリーさんのようになると誓いギルドに入りました。」


「何?セシリアちゃんはメアリーちゃんの事随分と気に入ってくれてんのねーっ!」

「どうぞセシリーとお呼びください。
 違います気に入っているのではなく尊敬しています。メアリーさんこそ私の憧れであり、目指すべき目標です。」


 ちょっと~大丈夫なの?……
 この娘にはメアリーが一体どんな存在に見えたのかしらねぇ?
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