25 / 34
栞の過去
当たり前の距離感
しおりを挟む
予定はあっさり取り付けることができた。
こちらの条件も全部のんでもらえた。俺が同席することと、会うのは三日後の14時、場所は栞を送り届ける時に途中で見つけたファミレスにしておいた。
家に帰って風呂に入り、ベッドに横になると途端にドッと疲れが押し寄せてきた。最後に慣れないことをしたせいもあるけど、栞を探して走り回って、栞を家まで送って、普段運動不足の身体にはなかなかにヘビーな一日だった。でも栞のために頑張った結果だと思うと、その疲れすら心地良く感じてしまう。
そんな心地良さの中で、俺はあっという間に眠りに落ちた。
*
「うぅ……、あっつ……」
翌朝、暑さとじっとりとした不快感で目が覚めた。すでに日は高く登り、カーテンを閉めているとはいえ部屋の中は明るい。疲れた身体は正直で、どうやら寝すぎてしまったようだ。枕元の目覚まし時計を確認すると10時前だった。
冷房はかけていたのだが、寝ている間に身体を冷やしすぎないように設定温度を上げていたのが災いして、寝間着は汗でぐっしょり。上昇していく気温に冷房が追いついていないらしい。
とりあえず喉が渇いたので、リビングへ降りると母さんが迎えてくれた。
「あら、涼、おはよう。今日は随分ゆっくりじゃない」
「おはよ。昨日は色々あったから寝すぎたみたい」
冷蔵庫から作り置きのお茶を取り出して、グラスに注いで一気に飲み干す。よく冷えたお茶がスーッと身体の熱を下げてくれる。
「あんた汗だくじゃない。シャワーくらい浴びときなさいよ? 汗臭くしてると栞ちゃんに嫌われちゃうわよ?」
「言われなくても行くつもりだって。さすがにベタベタで気持ち悪いし」
「それならさっさと行ってきなさい。その間に朝ご飯準備しておいてあげるから」
「はいはい」
一度部屋に戻り、下着と部屋着のハーフパンツだけ掴んで浴室へ。シャワーの後は暑いので、とりあえず上は後でいいだろう。
ざっとシャワーを浴びると不快感とともに少しだけ残っていた眠気も流れていく気がする。
シャワーを浴びながら、またついつい栞のことを考えてしまう。
『また明日』と言っていたから、きっと栞は今日もうちに来るのだろう。来たら美紀さんとの約束のことも伝えとかないと。たぶんいつも通り午後になってすぐくらいに来るんだろう。伝えなきゃならない内容はちょっとアレだけど、栞に会えるのは待ち遠しい、そう思いながら脱衣所を出た時だ。
インターホンが鳴り、リビングから母さんの声が聞こえてくる。
「あら、栞ちゃんじゃない。ちょっと待っててね」
え? もう来たの? 連絡なんてなかったはずだけど……。いや、そういえば起きてからスマホ見てないや。
「涼? シャワーあがったなら栞ちゃんお出迎えしてあげて!」
「わかった!」
母さんの言葉にそう応えて玄関へ向かう。ドアを開けると、栞が恥ずかしげに少し俯いて立っていた。
「栞、おはよ」
「お、おはよう、涼。いつもより早いけど、来ちゃっ──」
挨拶とともに顔を上げた栞の言葉が途切れる。そしてみるみる顔が赤くなっていく。そして今度は完全に俯いて、俺から視線を外してしまった。
「栞……?」
「りょ、涼……? な、な、なんで上、服着てないのっ……?」
栞に言われてようやく今の状態に気付いた。下はハーフパンツを履いているけど、上半身が裸ということに。首からバスタオルはかけているけども。
これは完全に俺の落ち度だ。栞が来たことに浮かれて確認しなかったのが悪い。シャワーを浴びたところだというのに冷や汗が吹き出してくる。
「ご、ごめん! 着てくるからあがって待ってて!」
自分の部屋にすっ飛んでいってTシャツを着る、と同時にやってしまったという後悔がわいてくる。こんな醜態を晒して、穴があったら入りたい。このままウジウジしてても栞を待たせるだけなので出ていくのだけど。
驚いて栞が帰ってしまっていないか心配だったけど、リビングで待っててくれた。栞から話を聞いたであろう母さんの呆れた視線が痛いけど。
「涼……。あんた何やってるのよ……」
「い、いや、ほら……、暑いじゃん? だから……。ごめん、栞。朝からお見苦しいものを……」
「ううん……。見苦しくはないけど……。ちょっと、びっくりした、だけだから……」
栞の顔はまだ真っ赤なままだった。
「本当に気を付けなさいよ? それで栞ちゃんに嫌われても私は知らないからね?」
「いえ、それくらいじゃ嫌いには……」
「そうよねぇ。そのうち栞ちゃんに上から下まで見られることになるだろうし? これくらいじゃねぇ?」
「母さん何言ってんだよ!」「水希さん?!」
「そんなに必死にならなくてもいいじゃない。ちょっとした冗談よ。でもね、栞ちゃん?」
「は、はい。なんでしょう?」
「涼はちょーっと素直じゃなくて捻くれてるけど、根は真っ直ぐで基本的にはいい子だから、これからも仲良くしてあげてね?」
母さんの褒めてるとも貶してるともとれるフォローになんともいえない気分になる。そういうことは俺のいないところで言ってほしい。
「大丈夫ですよ。それは私もよく知ってますから」
栞の言葉には少しの恥ずかしさとともに嬉しくなった。ちゃんと見ててくれてるんだなって。
「ま、あんまり心配はしてないけどね。あなた達最近ずっとべったりだもん。というか、もう早く付き合っちゃいなさいよ」
「う、うるさいな。俺達にも色々あるんだよ。なぁ、栞?」
「う、うん。まだ友達になったばっかりだし、ね?」
友達になったばっかりというのは事実だけど、俺としてはそういうことじゃない。栞の問題が片付いてから、そう決めてるんだ。
「とにかく、栞にも話があるから俺の部屋行こう」
「ついに告白?!」
「違うって言ってるだろうが……」
今日の母さんはやたらとしつこい。どんだけ俺と栞をくっつけたいんだか。まだだって言ってるのに……。
「ほら、栞もこんなのほっといて行こう」
朝食は食べそこねたけど、このまま母さんにイジられ続けるよりはマシだ。
「う、うん。それじゃ水希さんまた後で」
「はいはーい。ごゆっくり~。あ、栞ちゃんのお昼ご飯も用意するから食べていきなさいね」
「あ……。すいません、気を遣わせてしまって」
「いいのいいの。栞ちゃんがいてくれたほうが涼も元気だし、私も楽しいから、ね?」
「はい、ありがとうございます」
「栞、早くー」
「あ、待ってよ、涼」
このままだとずっと母さんに捕まってそうな栞を急かして自室へと引っ込んだ。
◆黒羽栞◆
涼の部屋で二人きりになって、さっきの話の件を聞くことにした。だいたい予想はできてるけど。
「それで、話って?」
「うん、えっとね……」
話の予想はできてるけど、ちょっとだけ期待もしてしまう。水希さんに言われて涼は否定してたから違うのはわかってるんだけどね。
そんなに言いにくそうにしなくてもいいのに。私はもう、ちゃんと向き合うって決めてるんだから。それに涼がついてきてくれる、隣りにいてくれるって思ったら全然怖くないもの。
「例の件、決まったよ。明後日の14時からになった」
やっぱりそっちだよね。残念だけど、仕方がない。
「うん、わかった。ありがとう、涼」
「栞は平気?」
心配してくれるのは嬉しいけど、そんな顔をしないでほしい。これじゃ私よりも涼のほうが気にしてるみたいなんだもん。
「大丈夫だよ。ちゃんと覚悟したから。だからね、できればそれまではいつも通りにしててほしいな。一緒に宿題やって、次の遊ぶ予定でも考えよ?」
「栞がそう言うなら、わかった」
ようやく涼も力を抜いてくれた。やっぱりこっちの表情のほうがいい。こうやって穏やかで優しい顔をしてる涼に私は癒やされているのだから。
「で、遊ぶって栞は何か案があったりするの?」
「んー……。定番で言えば海とかプールとか……?」
自分で言っておいて全然考えてなくて、ありきたりなものしか出てこなかった。私は涼といられるだけで、それだけで満足しちゃってるんだもの。
「夏らしいといえばらしいけど、俺達からは縁遠い場所な気が……。それに俺の裸見て真っ赤になってたけど、そんなところ行って大丈夫?」
「それはっ……」
涼のバカ……。思い出しちゃったじゃない。
ヒョロっとしてるくせに、男の子なんだってわかる身体。肩はしっかりしてるし、贅肉がほとんどないせいでうっすらと浮いてる腹筋……。
ってダメダメ。こんなこと考えてたら涼の顔見れなくなっちゃう……。
「栞……?」
「さっきはビックリしただけだから! 平気だから! もうこの話はおしまい! 適当に本借りるからね!」
「栞から始めたのに……」
強がってしまった。たぶん……全然平気じゃない。でも涼とはそういうところも行ってみたい。たくさんたくさん楽しい思い出を作って、辛かったことを上書きしてほしい。
苦し紛れに言った通り、本棚から適当に本を取ってきて開く。もちろん涼の肩に身を寄せて。もうこの距離感が私にとっては当たり前な気がしてる。本の内容は全然頭に入ってこないし、顔は熱いけど、ドキドキと心臓は幸せなリズムを刻む。
涼もちょっとだけ苦笑いを浮かべながらも、それを受け入れてくれて。
やっぱり大好きだなぁ……。
水希さんからお昼ご飯に呼ばれるまで、そうやって涼のぬくもりを感じてすごした。この気持ちが少しでも伝わっていたらいいなって思いながら。
こちらの条件も全部のんでもらえた。俺が同席することと、会うのは三日後の14時、場所は栞を送り届ける時に途中で見つけたファミレスにしておいた。
家に帰って風呂に入り、ベッドに横になると途端にドッと疲れが押し寄せてきた。最後に慣れないことをしたせいもあるけど、栞を探して走り回って、栞を家まで送って、普段運動不足の身体にはなかなかにヘビーな一日だった。でも栞のために頑張った結果だと思うと、その疲れすら心地良く感じてしまう。
そんな心地良さの中で、俺はあっという間に眠りに落ちた。
*
「うぅ……、あっつ……」
翌朝、暑さとじっとりとした不快感で目が覚めた。すでに日は高く登り、カーテンを閉めているとはいえ部屋の中は明るい。疲れた身体は正直で、どうやら寝すぎてしまったようだ。枕元の目覚まし時計を確認すると10時前だった。
冷房はかけていたのだが、寝ている間に身体を冷やしすぎないように設定温度を上げていたのが災いして、寝間着は汗でぐっしょり。上昇していく気温に冷房が追いついていないらしい。
とりあえず喉が渇いたので、リビングへ降りると母さんが迎えてくれた。
「あら、涼、おはよう。今日は随分ゆっくりじゃない」
「おはよ。昨日は色々あったから寝すぎたみたい」
冷蔵庫から作り置きのお茶を取り出して、グラスに注いで一気に飲み干す。よく冷えたお茶がスーッと身体の熱を下げてくれる。
「あんた汗だくじゃない。シャワーくらい浴びときなさいよ? 汗臭くしてると栞ちゃんに嫌われちゃうわよ?」
「言われなくても行くつもりだって。さすがにベタベタで気持ち悪いし」
「それならさっさと行ってきなさい。その間に朝ご飯準備しておいてあげるから」
「はいはい」
一度部屋に戻り、下着と部屋着のハーフパンツだけ掴んで浴室へ。シャワーの後は暑いので、とりあえず上は後でいいだろう。
ざっとシャワーを浴びると不快感とともに少しだけ残っていた眠気も流れていく気がする。
シャワーを浴びながら、またついつい栞のことを考えてしまう。
『また明日』と言っていたから、きっと栞は今日もうちに来るのだろう。来たら美紀さんとの約束のことも伝えとかないと。たぶんいつも通り午後になってすぐくらいに来るんだろう。伝えなきゃならない内容はちょっとアレだけど、栞に会えるのは待ち遠しい、そう思いながら脱衣所を出た時だ。
インターホンが鳴り、リビングから母さんの声が聞こえてくる。
「あら、栞ちゃんじゃない。ちょっと待っててね」
え? もう来たの? 連絡なんてなかったはずだけど……。いや、そういえば起きてからスマホ見てないや。
「涼? シャワーあがったなら栞ちゃんお出迎えしてあげて!」
「わかった!」
母さんの言葉にそう応えて玄関へ向かう。ドアを開けると、栞が恥ずかしげに少し俯いて立っていた。
「栞、おはよ」
「お、おはよう、涼。いつもより早いけど、来ちゃっ──」
挨拶とともに顔を上げた栞の言葉が途切れる。そしてみるみる顔が赤くなっていく。そして今度は完全に俯いて、俺から視線を外してしまった。
「栞……?」
「りょ、涼……? な、な、なんで上、服着てないのっ……?」
栞に言われてようやく今の状態に気付いた。下はハーフパンツを履いているけど、上半身が裸ということに。首からバスタオルはかけているけども。
これは完全に俺の落ち度だ。栞が来たことに浮かれて確認しなかったのが悪い。シャワーを浴びたところだというのに冷や汗が吹き出してくる。
「ご、ごめん! 着てくるからあがって待ってて!」
自分の部屋にすっ飛んでいってTシャツを着る、と同時にやってしまったという後悔がわいてくる。こんな醜態を晒して、穴があったら入りたい。このままウジウジしてても栞を待たせるだけなので出ていくのだけど。
驚いて栞が帰ってしまっていないか心配だったけど、リビングで待っててくれた。栞から話を聞いたであろう母さんの呆れた視線が痛いけど。
「涼……。あんた何やってるのよ……」
「い、いや、ほら……、暑いじゃん? だから……。ごめん、栞。朝からお見苦しいものを……」
「ううん……。見苦しくはないけど……。ちょっと、びっくりした、だけだから……」
栞の顔はまだ真っ赤なままだった。
「本当に気を付けなさいよ? それで栞ちゃんに嫌われても私は知らないからね?」
「いえ、それくらいじゃ嫌いには……」
「そうよねぇ。そのうち栞ちゃんに上から下まで見られることになるだろうし? これくらいじゃねぇ?」
「母さん何言ってんだよ!」「水希さん?!」
「そんなに必死にならなくてもいいじゃない。ちょっとした冗談よ。でもね、栞ちゃん?」
「は、はい。なんでしょう?」
「涼はちょーっと素直じゃなくて捻くれてるけど、根は真っ直ぐで基本的にはいい子だから、これからも仲良くしてあげてね?」
母さんの褒めてるとも貶してるともとれるフォローになんともいえない気分になる。そういうことは俺のいないところで言ってほしい。
「大丈夫ですよ。それは私もよく知ってますから」
栞の言葉には少しの恥ずかしさとともに嬉しくなった。ちゃんと見ててくれてるんだなって。
「ま、あんまり心配はしてないけどね。あなた達最近ずっとべったりだもん。というか、もう早く付き合っちゃいなさいよ」
「う、うるさいな。俺達にも色々あるんだよ。なぁ、栞?」
「う、うん。まだ友達になったばっかりだし、ね?」
友達になったばっかりというのは事実だけど、俺としてはそういうことじゃない。栞の問題が片付いてから、そう決めてるんだ。
「とにかく、栞にも話があるから俺の部屋行こう」
「ついに告白?!」
「違うって言ってるだろうが……」
今日の母さんはやたらとしつこい。どんだけ俺と栞をくっつけたいんだか。まだだって言ってるのに……。
「ほら、栞もこんなのほっといて行こう」
朝食は食べそこねたけど、このまま母さんにイジられ続けるよりはマシだ。
「う、うん。それじゃ水希さんまた後で」
「はいはーい。ごゆっくり~。あ、栞ちゃんのお昼ご飯も用意するから食べていきなさいね」
「あ……。すいません、気を遣わせてしまって」
「いいのいいの。栞ちゃんがいてくれたほうが涼も元気だし、私も楽しいから、ね?」
「はい、ありがとうございます」
「栞、早くー」
「あ、待ってよ、涼」
このままだとずっと母さんに捕まってそうな栞を急かして自室へと引っ込んだ。
◆黒羽栞◆
涼の部屋で二人きりになって、さっきの話の件を聞くことにした。だいたい予想はできてるけど。
「それで、話って?」
「うん、えっとね……」
話の予想はできてるけど、ちょっとだけ期待もしてしまう。水希さんに言われて涼は否定してたから違うのはわかってるんだけどね。
そんなに言いにくそうにしなくてもいいのに。私はもう、ちゃんと向き合うって決めてるんだから。それに涼がついてきてくれる、隣りにいてくれるって思ったら全然怖くないもの。
「例の件、決まったよ。明後日の14時からになった」
やっぱりそっちだよね。残念だけど、仕方がない。
「うん、わかった。ありがとう、涼」
「栞は平気?」
心配してくれるのは嬉しいけど、そんな顔をしないでほしい。これじゃ私よりも涼のほうが気にしてるみたいなんだもん。
「大丈夫だよ。ちゃんと覚悟したから。だからね、できればそれまではいつも通りにしててほしいな。一緒に宿題やって、次の遊ぶ予定でも考えよ?」
「栞がそう言うなら、わかった」
ようやく涼も力を抜いてくれた。やっぱりこっちの表情のほうがいい。こうやって穏やかで優しい顔をしてる涼に私は癒やされているのだから。
「で、遊ぶって栞は何か案があったりするの?」
「んー……。定番で言えば海とかプールとか……?」
自分で言っておいて全然考えてなくて、ありきたりなものしか出てこなかった。私は涼といられるだけで、それだけで満足しちゃってるんだもの。
「夏らしいといえばらしいけど、俺達からは縁遠い場所な気が……。それに俺の裸見て真っ赤になってたけど、そんなところ行って大丈夫?」
「それはっ……」
涼のバカ……。思い出しちゃったじゃない。
ヒョロっとしてるくせに、男の子なんだってわかる身体。肩はしっかりしてるし、贅肉がほとんどないせいでうっすらと浮いてる腹筋……。
ってダメダメ。こんなこと考えてたら涼の顔見れなくなっちゃう……。
「栞……?」
「さっきはビックリしただけだから! 平気だから! もうこの話はおしまい! 適当に本借りるからね!」
「栞から始めたのに……」
強がってしまった。たぶん……全然平気じゃない。でも涼とはそういうところも行ってみたい。たくさんたくさん楽しい思い出を作って、辛かったことを上書きしてほしい。
苦し紛れに言った通り、本棚から適当に本を取ってきて開く。もちろん涼の肩に身を寄せて。もうこの距離感が私にとっては当たり前な気がしてる。本の内容は全然頭に入ってこないし、顔は熱いけど、ドキドキと心臓は幸せなリズムを刻む。
涼もちょっとだけ苦笑いを浮かべながらも、それを受け入れてくれて。
やっぱり大好きだなぁ……。
水希さんからお昼ご飯に呼ばれるまで、そうやって涼のぬくもりを感じてすごした。この気持ちが少しでも伝わっていたらいいなって思いながら。
0
あなたにおすすめの小説
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
女子ばっかりの中で孤軍奮闘のユウトくん
菊宮える
恋愛
高校生ユウトが始めたバイト、そこは女子ばかりの一見ハーレム?な店だったが、その中身は男子の思い描くモノとはぜ~んぜん違っていた?? その違いは読んで頂ければ、だんだん判ってきちゃうかもですよ~(*^-^*)
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる