魔道士(予定)と奴隷ちゃん

マサタカ

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四章

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 以前とは違う意味で、二人きりの空間が耐えられない。せっかく彼女が用意してくれた朝食を味わうことでごまかそうとする。

 ・・・・・・・・・・・・無理だ。噛みすぎてもうなんの味もしない。というか俺めっちゃ恥ずかしいことしちゃったじゃん。抱きしめて・・・・・・そのあと結局寝落ちしたけど抱きしめたままだったし。忘れられない。顔から火が出そう。

「ご主人様、本日ご予定などはございますか?」
「ン~? んん~」 

 ルウから珍しく話題をふられて嬉しいけど、まともな反応すら返せない。俺はそんな状態なのにルウは・・・・・・・・・・・・うん、変化はない。いつもどおり感情がないみたい。昨日の寝る前のことなんてなかったみたい。やっぱり元通り、というか昨日のことは俺の幻だったんじゃないだろうかってくらいの普通っぷり。勝手に恥ずかしがってるこっちが馬鹿みたいだ。

「あ~、でも買い物行こうかな。食材もうほとんどないし」

 といっても、きっと金銭的にまともに買えるかどうか。俺は水と塩で十分だけど。

「それでは、今日はこの後お買い物に出掛けるということでですね。市場ですか?」

 ・・・・・・なんだ? この子のほうから話を進めていくってかなり久しぶりじゃないか。

「うん、そのつもり。なにか必要なものでもあるのか? だったら俺がついでに買ってくるよ」
「いえ。私もご主人様とご一緒するので」
「そうか、俺と一緒にか」

 それなら仕方ないな。すぐに――

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・今なんてった?


「ご主人様とご一緒すると申したのですが」
 よっぽど俺は間抜けな表情だったに違いない。実際に口に出していないのに、もう一度繰り返してくれたんだから。

「あ~、あ。あれか。荷物持ちが必要だからとか市場への道がまだ覚えられてないからとかか」
「いえ、別にそのようなわけではないです」

 ええ~? じゃあなんで? 

「ご迷惑でしょうか? でしたら私一人で――」
「迷惑なわけあるか!」

 もう悩んでいる暇も訝しむときも惜しい。ルウと買い物。よくよく考えれば幸せなことじゃないか。残っている食事をマッハで口に突っ込んでいく。時間が惜しくてそのまま飲み込もうとするが詰まりそうになって水で流していく。急いで着替えて歯磨きや身だしなみ等々を整える。

「さぁ準備万端だ!」

 ここまでで、まだ十分もたっていない。ルウを待たせるなんてことありえない。愛しい人と一緒に出掛けられる時間が俺のせいで減ったら後悔してもしきれないから。

「ほこりが舞うので走り回らないでください食事に混じってしまいます」

 ルウはまだゆっくりと食事を堪能していて、そして騒々しさをたしなめてきた。マイペースなところも、いとおしいなぁ・・・・・・。

 彼女が食べ終わって食器を片付け終わるまで、三十分くらいかかった。今か今かと常にそわそわしっぱなしだったけど、ルウの尻尾がリズムを刻むように振られているのを観察して、なんとか抑えた。ルウも楽しみにしてくれてるんじゃないかって、期待ができるから。
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