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七章
Ⅰ
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「今、なんて?」
「魔導書を私にください」
やっぱり一言一句、さっきと同じことが返ってきた。それでも頭が働かない。この子が魔導書を要求する理由は皆無だから。
「どうして――」
「お願いします。早くください」
催促しているのか、両手を差しだしてきた。余計混乱する。
「それは、無理だ。散々説明しているだろう? これがどれだけ重要なものか。これまで何度も命を落としかけてきたじゃないか」
「だからこそです」
「そもそも、どうしてこれがほしいんだ?」
「ご主人様は、仰いました。なんでもいいと仰いました。ならば、その魔導書も対象に含まれるはずです。お願いです、ください」
「やっぱり、できない。これは仕事で取りにきたんだ。おまえがこれを必要とする理由はないだろう?」
「あります。ほしいのです」
「じゃあその理由を説明してくれ」
黙りこむ。てんで話しにならない。お手上げだ。なにがしかの理由や説明をしてくれることを期待してみたが、ルウにその気配すらないないらしい。
「貴様は、なに勝手なことをしているんだ」
背後からいきなり男の声がして、とっさに振り返った。入り口から、一人の男が死者の大軍を率いて、不遜に歩いてくる。徐々にその男の顔があらわになってきて、驚愕してしまう。
「エドガー! どうしてここにおまえがいる!?」
とっさに『紫炎』を発動させて、エドガーに向けてかまえる。やつに攻撃の意図はないみたいだが、なにをするつもりか不明だ。 どうしてここにいるのかも。
「おいおい、物騒なまねはよせよ。お友達がどうなってもいいのか?」
嫌悪感を伴う笑いをしながら、控えていた死者が、ひきずっていたなにかをエドガーの隣に放り捨てた。
シエナだ。騎士の装束さえボロボロ、全身傷だらけの血塗れ。わずかに呼吸をしていると確認できる程度にぐったりとしている。いつものように爽やかさはかけらもない。
「おまえ、シエナになにをした!」
「ひひ、これからするんだよ。こいつは僕を散々追いかけ回していて目障りだったし、それに、人質にも使えるだろう?」
シエナの頭に、足をのっけてそのままぐぐぐ、と力をこめる。意識があるのかないのか、シエナが小さい悲鳴をあげた。今すぐあいつをぶっ飛ばしてやりたいが、仕方なしに『紫炎』を解除する。
「そうだ、それでいい。ひひ。まだ、おまえも殺したくないからな」
まだ、か。いずれは殺すけど、今はそのときじゃないってことだろう。シエナが俺に対して人質に使える、それは俺たちが親しいということを知ったからだ。やつの目的も不明だし、情報収集はするに超したことはない。
「どんな汚い手で、シエナを倒した? おまえなんかがシエナに勝てるわけがないだろう。俺みたいな素人に負けそうになるくらいなんだからな」
「ひひ、 ずいぶんとほざくじゃねぇか。あ? 騎士風情と仲良くしやがって。とことん呆れたぞ」
騎士という言い方が憎々しげだった。きっと自分を追って捕らえようとしていたからじゃない。エドガーにとっての敵は、もう貴族や特権階級達。自分を追っていた、貴族出身の騎士、そしてそれと仲良くしている俺は、そのくくりに入れられてしまった。迷惑な話だ。
いよいよ見境がなくなってきている。もはやあらゆる存在が自分に利するかそうじゃないかでしか判断できないのか。
「まぁいい。魔導書を渡せ。そうすればおまえは助けてやる。こいつも、命は奪わないでおいてやる」
「・・・・・・おまえがこの魔導書を要求するのも意味がわからん。こいつに興味があるのか?」
「今更大魔道士の遺した物なんかに興味なんかあるか。金だよ。金。前に話しただろう? この遺跡のことだ。大魔道士の、研究資料を二人で手に入れようって誘おうとしたんだよ。他国に売ればそれこそ貴族並みの暮らしができる。その金で俺は復讐の足がかりにしようとしているんだよ」
「売るだと? これをか?」
こんな貴重な、世界に二つとない魔導書を売ってしまうつもりなのか? 信じられない。魔法士であれば、誰だってどれだけの宝か理解できるはず。まともなら売るなんてこと、口が裂けても出てこない。
「これの研究が、解明が、どれだけ重要なものか! 魔法の発展と歴史に関わる大切なものなんだぞ!」
「そんなことに時間をかけるつもりはない。研究? そんなもので腹が膨れるか。飢えないものか。復讐すらはたせない」
「金なんかじゃ変えられない貴重な資料だ! 文字通り宝だ!」
「おまえみたいに研究一辺倒の魔法馬鹿にはわからない。それを必要としている奴らがいる。それを渡せば俺も得する」
「個人的な理由といっときの事情で!」
「そもそもそれの中身を解き明かしてなんになる! 出世できるのか! 金持ちになれるのか!」
堂々巡りの議論をしながら、実感していってしまう。ああ、変わっていない。あのときと同じだ。学生時代、俺の眼を奪ったとき。自分のために、他人を傷つける。自分のことしか頭にない。交わらない。俺たちはもうまったく違う価値観で違う方向へ進んでしまっている現実が、エドガーへの情を一切、無にした。
「お前、今までどこにいたんだ? どこに隠れていた」
一瞬、なにを聞くんだって不審な顔をしたけど、有利を確信しているのか、喜色ばんだ笑みを浮かべた。
「スラム街だ」
あそこは俺たちがおこした騒動の後、捜査が入った。まだ大量の逃亡奴隷と犯罪者たちもいた。一斉に検挙された後は誰も立ち入らない。
まさか騎士団は自分たちが捜査して一人も漏れなく逮捕した場所に、犯罪者が隠れ場所に使うようになったなんて想像だにしていなかっただろう。
「売るっていったな。こんなもの、誰が買い取ってくれるってんだ?」
これ以上いくら言い合っても意味はない。適当に切り上げて話題を変える。まずは、シエナを救出することが最優先。なんとかしてすきをつくって引き離す。エドガーは以前から、戦い方が下手だった。死者達が問題だが、ここは森ではない。万が一全力で魔法をぶっ放しても、被害はない。
「しれたこと! 共和国だ。あそこはこの国と今和平を結んでいるが、水面下では次の争いの準備をしている。いずれまた戦争がおこる。この魔導書を売れば、戦争に役立てられるから喜んで大金を払ってくれるだろうぜ」
「おまえみたいなやつが、共和国にいきなり行って大魔道士の魔導書だと言っても信じるわけないだろ」
話をしながら、情報を引き出す。同時に警戒を装い距離をとる。こっそりと後ろ手に小型の『炎獣』を創り、俺が影となって祭壇から移動させる。
挑発して、注意を俺に向けさせながら、やつが対処できない距離になったところで『炎獣』で攻撃させる。場合によっては他の魔法をぶつけるのもいいだろう。
話すことに夢中で、そんなことに気づく素振りすらない。
「たしかに、そうだろう。だが、つてがある。この数年、知り合いになったやつも大勢いる」
「どうせろくでもないうさんくさいやつらだろ。酒場ででも知り合ったのか? 酔っ払いの戯言を真に受けているのか?」
「う、ぐ・・・・・・・・・」
シエナが目を覚ましたらしい。まだ意識が定まっていないのか、ぼんやりとしている。エドガーはいらいらした様子で、エドガーの顔を蹴り飛ばす。奥歯が砕け折れるほど強く噛みしめ、なんとか耐える。すぐに助ける。だから、待っていてくれ。
「ユーグ・・・・・・は・・・・・・れろ・・・・・・・・・」
そして、エドガーが完全にシエナに気を取られてた。すぐに『炎獣』が襲いかか――
「馬鹿者・・・・・・その奴隷から離れろ、ユーグウウウ!」
シエナの絶叫と後ろからの強烈な衝撃のせいで、『炎獣』がエドガーに飛びかからんとした刹那、淡いシルエットそのままに消失した。俺は地面に転がりながら、痛みにうめいている。
立ち上がったところで、また誰かからの攻撃を受ける。強烈な掌底があご、拳が鼻へと連続でたたきこまれ、視界が閃光で眩む。続けざまに拳が連続で鳩尾に突きいれられ、酸素が全部出てしまった。前のめりになった途端、屈んだ状態の低い態勢でそのまま横からの回転蹴り放ち、俺のすねを払い、倒れる前にもう一度回転しながらかかとを顔面にたたきこんできた。階段を転げ落ちながら、しこたま打ちつける。
きっと数秒もたってない、つかの間。雷のように鋭く素早い攻撃に、まったく反応できなかった。体中のダメージは、尋常ではない。なんとか立ち上がろうとするが、体を動かすだけでそこかしこから痛覚が悲鳴を発する。
急になにがおこったのか。まさかエドガーの協力者だというやつがどこからともなく現れやがって襲ったのか。
「え?」
信じられなかった。そこには敵なんていない。さっきまで俺を攻撃していたやつの姿なんてどこにもない。見渡す限り、俺たち四人しかいない。透明になっているやつがいる? それともなんらかの方法で隠れ潜んでいるのか?
ルウが、ゆっくりとした歩みで階段を降りてくる。手には魔導書と二つの鞄。俺を通り過ぎてエドガーの元へ。
「どうぞ」
「おお、よくやったな」
エドガーは意気揚々と魔導書をめくりながら中身を吟味している。ルウはただ静かに、俺が落とした荷物を渡し、そのまま隣でたたずんでいる。意味がわからない。一体なにがどうなっているのか。ルウはなにをしているのか。
「ば、馬鹿、だから言っただろう。その女は、君を裏切り続けていたんだ・・・・・・!」
「『炎獣』だったか? それと『天啓』か。使用者の意志を離れて自動で活動する魔法とはおそれいる。それも発動させなければ意味ないがな。おお、これはなんだ?」
「あの人が作られました。これを使えば多少は動きやすくなるのではないでしょうか」
荷物から出した俺の義肢を興味深く吟味しながら、説明を受けるエドガーは、上半身を脱いで肩にそのままはめた。
ギギギギ、という微妙な間接音がしながらあらゆる駆動をする。自分の作った魔導具をよりによってエドガーが使っているという屈辱より、目の前の光景は衝撃的すぎて、放心するしかない。
「その女は、数日前僕を呼びだした。ユーグが、エドガーのことについて伝えたいことがあると。付いていった先に、こいつが、エドガーがいたんだ! ずっと前からこいつらはつながっていたんだよ!」
頭の中が真っ白だった。シエナの言葉は半分も入っていない。つながっていた。ルウが? どうして? ありえない。
魔導書の内容をぶつぶつと暗唱していたエドガーが、不敵にほくそ笑み、シエナに暴行を加え始めた。
「はっはっはっは! 駄目じゃないか! おまえはユーグの親友なんだろう!? そんなかわいそうな事実を教えてしまうなんて、はっはっはっはっは!」
笑いながら暴行しているエドガーは、言動も相まって、狂気じみている。
「はああああ・・・・・・しょうがない。おしえてやろうか。今この騎士が言ったとおり。この奴隷は、ずっと以前から俺に協力していた」
うそだ。なにを言っている。こいつは口から出任せを言っているにすぎない。けど。
「おまえの工房にあった素材や材料を、俺に提供していたんだよ! そして、おまえが作った魔法、魔導書の内容、全部俺に教えてくれた! おかげで対抗策もばっちりさ! おまえ達がこの遺跡に行くということもな! ちょうど騎士をなんとかしたいって思ってたから呼びだせと命じたら、従ってくれたぜ! こいつは疑いもせず俺の命令を実行し続けてくれた、忠実な奴隷だよ! はっはっはっはっは! ざまぁみやがれ!」
「以前、昼間に誰かが訪れていると言ってたろ!? こいつは騙していたんだよ! ユーグがそいつに惚れてるから信じてるのを利用して! こいつと会っていたんだよ! それしかない!」
「ははは! 『隷属の首輪』をちゃんと使っていないからそうなるんだぜ!?」
うそだ。ルウがそんなことするはずがない。けど、シエナが嘘を言うわけない。だってルウは俺の奴隷で、シエナは俺の親友で、そして彼女は俺の好きな子で・・・・・・。
「こいつが見返りになにを求めたと思う?! はっはっはっはっは!」
きっとエドガーは俺をだまそうとしている。ルウだってエドガーに操られている。それか脅されているんだ。だって理由が、ルウがエドガーなんかに協力する理由が。
「復讐だよ復讐! この奴隷はおおまえへの復讐をしたがっていた! そして、おまえの奴隷から解放されたい、自由になりたいとさ! ひゃっはっはっはっは! この女のことありだったんだろ!? ひゃひゃゃひゃひゃ! それで、最後にはユーグを殺してくれってさ!」
復讐。かつて抱いていた暗い感情。やっぱりうそだ。ルウが俺に復讐することなんて。理由も思い当たらない。
うそだ。そんなこと。けど。まさか。うそだ。ありえない。けど。矛盾した問いかけが頭の中でぐるぐるしっぱなしでどうにかなりそうだった。
「ご主人様」
ルウ。俺の好きな子。ルウが、いつもと同じ能面で、感情が一切ない人形の顔が、俺を見下ろしている。残酷な真実をありありと伝えてくる予感に対しても、うそだ、と願い続ける。君の口から言ってくれ。全部うそだって、でまかせだって。
「あなたのことがずっと嫌いでした」
シンプルな答えに、呆然。徐々に水が布に沁み渡るように、俺の中に入ってくる。
「あなたの奴隷でいることがずっと苦痛でした。あなたとの暮らしが、ずっと苦しかったです。あなたが戦争に行ったと知って、憎むようにもなりました。私の村と家族を奪った軍に所属していたあなたが、憎くなりました。私のすべてを奪って奴隷にした原因は、あなたにもあります。あなたたち軍が、兵士が、村を襲わなければ私は家族と一緒にいられました。だから私は復讐決意しました。エドガー様に自らすすんで協力していました」
ずっとルウと一緒だったから、わかってしまう。これがルウの本心だと。真実を語っているんだって、納得してしまう。きっと、今俺は心が死んでいっている。体の中身が一瞬でからっぽになって、熱とか感情とかが急速に消えている。全身が震えて、力が抜けていき、体勢を維持できない。絶望ってこんなかんじなのか。
「おお、そうだ。ちょうどこいつの効果を試そう」
エドガーが、魔導書を片手に呪文を詠唱する。言語から察するに魔導書に書かれているものだったんだろう。ルウに巻かれていた、『隷属の首輪』が見る影もなく完璧に消失してしまった。
無理にでも壊して、外そうとしたら命を奪う。そんな危険なものが、なんの予兆も感動も余韻もなく、一瞬で消えた。なんらかの副作用か、花弁が大量にまき散らされ、地面に落ちていく。俺とルウをつないでいたものが、なにもなくなってしまった。
「ありがとうございます」
首元を擦って、消えたことをたしかめて、ルウが恭しく頭をさげてお礼を述べている。
「おお、本当にすごいなこれは! 金は想定していた倍以上になるぞ!」
「それでは私はこれで失礼いたします」
「ん? ああ、どこへなりとも消え失せろ」
ルウのほうを見ずに追い払うように手を動かす。そんな雑な対応になにも反応することもなく、ルウがそのまま出口へと行ってしまう。
「ルウ!」
我慢できず、叫んでしまった。けど、ルウは止まらず、そのまま歩いていく。そんな彼女が、本当に俺は嫌われていたんだと、もう一緒にはいられない現実をひしひしと訴えてくる。
裏切れていたということは、ショックだ。ルウに嫌われていて、憎まれていたというのも。けど、それよりつらいことがある。
「ごめんな、ルウ!」
非難するつもりはない。憎くはない。ただ伝えたかった。
「ごめん、俺はおまえを好きになる資格なんて、なかったんだな。俺は、ルウのことをわかったつもりでいた、けどなんにもわかってなかった。俺はおまえを好きだとおもっていた! 勝手に理解していたつもりでいた! けど、でもそれは全部俺のエゴでしかなかった! おまえの本心を、知ろうともしないで勝手に自分の都合の良いように解釈していた! 本当にごめんな!」
死者達の隙間を軽快に進んで、入り口から出て行ってしまう。姿がわからないほど、暗闇に溶けていく。ただ後悔と罪悪感だけが残っている。謝罪をただぶつけることしかなかった。
「こんなこと、今更俺が言えた義理じゃないだろう。だから、せめて幸せになってくれ」
どれだけ見苦しくても、どれだけ自分勝手でも、やっぱりそれだけは変えられなかった。裏切られても嫌われていても、たとえ復讐の対象であっても、ルウが好きなのは変わらない。
もう俺はルウを好きでいる資格なんてない。それでも、好きだ。好きな子の、幸せを、最後に願いたかった。
願いは涙とともに静寂な空間に響いて、やんだ。
「魔導書を私にください」
やっぱり一言一句、さっきと同じことが返ってきた。それでも頭が働かない。この子が魔導書を要求する理由は皆無だから。
「どうして――」
「お願いします。早くください」
催促しているのか、両手を差しだしてきた。余計混乱する。
「それは、無理だ。散々説明しているだろう? これがどれだけ重要なものか。これまで何度も命を落としかけてきたじゃないか」
「だからこそです」
「そもそも、どうしてこれがほしいんだ?」
「ご主人様は、仰いました。なんでもいいと仰いました。ならば、その魔導書も対象に含まれるはずです。お願いです、ください」
「やっぱり、できない。これは仕事で取りにきたんだ。おまえがこれを必要とする理由はないだろう?」
「あります。ほしいのです」
「じゃあその理由を説明してくれ」
黙りこむ。てんで話しにならない。お手上げだ。なにがしかの理由や説明をしてくれることを期待してみたが、ルウにその気配すらないないらしい。
「貴様は、なに勝手なことをしているんだ」
背後からいきなり男の声がして、とっさに振り返った。入り口から、一人の男が死者の大軍を率いて、不遜に歩いてくる。徐々にその男の顔があらわになってきて、驚愕してしまう。
「エドガー! どうしてここにおまえがいる!?」
とっさに『紫炎』を発動させて、エドガーに向けてかまえる。やつに攻撃の意図はないみたいだが、なにをするつもりか不明だ。 どうしてここにいるのかも。
「おいおい、物騒なまねはよせよ。お友達がどうなってもいいのか?」
嫌悪感を伴う笑いをしながら、控えていた死者が、ひきずっていたなにかをエドガーの隣に放り捨てた。
シエナだ。騎士の装束さえボロボロ、全身傷だらけの血塗れ。わずかに呼吸をしていると確認できる程度にぐったりとしている。いつものように爽やかさはかけらもない。
「おまえ、シエナになにをした!」
「ひひ、これからするんだよ。こいつは僕を散々追いかけ回していて目障りだったし、それに、人質にも使えるだろう?」
シエナの頭に、足をのっけてそのままぐぐぐ、と力をこめる。意識があるのかないのか、シエナが小さい悲鳴をあげた。今すぐあいつをぶっ飛ばしてやりたいが、仕方なしに『紫炎』を解除する。
「そうだ、それでいい。ひひ。まだ、おまえも殺したくないからな」
まだ、か。いずれは殺すけど、今はそのときじゃないってことだろう。シエナが俺に対して人質に使える、それは俺たちが親しいということを知ったからだ。やつの目的も不明だし、情報収集はするに超したことはない。
「どんな汚い手で、シエナを倒した? おまえなんかがシエナに勝てるわけがないだろう。俺みたいな素人に負けそうになるくらいなんだからな」
「ひひ、 ずいぶんとほざくじゃねぇか。あ? 騎士風情と仲良くしやがって。とことん呆れたぞ」
騎士という言い方が憎々しげだった。きっと自分を追って捕らえようとしていたからじゃない。エドガーにとっての敵は、もう貴族や特権階級達。自分を追っていた、貴族出身の騎士、そしてそれと仲良くしている俺は、そのくくりに入れられてしまった。迷惑な話だ。
いよいよ見境がなくなってきている。もはやあらゆる存在が自分に利するかそうじゃないかでしか判断できないのか。
「まぁいい。魔導書を渡せ。そうすればおまえは助けてやる。こいつも、命は奪わないでおいてやる」
「・・・・・・おまえがこの魔導書を要求するのも意味がわからん。こいつに興味があるのか?」
「今更大魔道士の遺した物なんかに興味なんかあるか。金だよ。金。前に話しただろう? この遺跡のことだ。大魔道士の、研究資料を二人で手に入れようって誘おうとしたんだよ。他国に売ればそれこそ貴族並みの暮らしができる。その金で俺は復讐の足がかりにしようとしているんだよ」
「売るだと? これをか?」
こんな貴重な、世界に二つとない魔導書を売ってしまうつもりなのか? 信じられない。魔法士であれば、誰だってどれだけの宝か理解できるはず。まともなら売るなんてこと、口が裂けても出てこない。
「これの研究が、解明が、どれだけ重要なものか! 魔法の発展と歴史に関わる大切なものなんだぞ!」
「そんなことに時間をかけるつもりはない。研究? そんなもので腹が膨れるか。飢えないものか。復讐すらはたせない」
「金なんかじゃ変えられない貴重な資料だ! 文字通り宝だ!」
「おまえみたいに研究一辺倒の魔法馬鹿にはわからない。それを必要としている奴らがいる。それを渡せば俺も得する」
「個人的な理由といっときの事情で!」
「そもそもそれの中身を解き明かしてなんになる! 出世できるのか! 金持ちになれるのか!」
堂々巡りの議論をしながら、実感していってしまう。ああ、変わっていない。あのときと同じだ。学生時代、俺の眼を奪ったとき。自分のために、他人を傷つける。自分のことしか頭にない。交わらない。俺たちはもうまったく違う価値観で違う方向へ進んでしまっている現実が、エドガーへの情を一切、無にした。
「お前、今までどこにいたんだ? どこに隠れていた」
一瞬、なにを聞くんだって不審な顔をしたけど、有利を確信しているのか、喜色ばんだ笑みを浮かべた。
「スラム街だ」
あそこは俺たちがおこした騒動の後、捜査が入った。まだ大量の逃亡奴隷と犯罪者たちもいた。一斉に検挙された後は誰も立ち入らない。
まさか騎士団は自分たちが捜査して一人も漏れなく逮捕した場所に、犯罪者が隠れ場所に使うようになったなんて想像だにしていなかっただろう。
「売るっていったな。こんなもの、誰が買い取ってくれるってんだ?」
これ以上いくら言い合っても意味はない。適当に切り上げて話題を変える。まずは、シエナを救出することが最優先。なんとかしてすきをつくって引き離す。エドガーは以前から、戦い方が下手だった。死者達が問題だが、ここは森ではない。万が一全力で魔法をぶっ放しても、被害はない。
「しれたこと! 共和国だ。あそこはこの国と今和平を結んでいるが、水面下では次の争いの準備をしている。いずれまた戦争がおこる。この魔導書を売れば、戦争に役立てられるから喜んで大金を払ってくれるだろうぜ」
「おまえみたいなやつが、共和国にいきなり行って大魔道士の魔導書だと言っても信じるわけないだろ」
話をしながら、情報を引き出す。同時に警戒を装い距離をとる。こっそりと後ろ手に小型の『炎獣』を創り、俺が影となって祭壇から移動させる。
挑発して、注意を俺に向けさせながら、やつが対処できない距離になったところで『炎獣』で攻撃させる。場合によっては他の魔法をぶつけるのもいいだろう。
話すことに夢中で、そんなことに気づく素振りすらない。
「たしかに、そうだろう。だが、つてがある。この数年、知り合いになったやつも大勢いる」
「どうせろくでもないうさんくさいやつらだろ。酒場ででも知り合ったのか? 酔っ払いの戯言を真に受けているのか?」
「う、ぐ・・・・・・・・・」
シエナが目を覚ましたらしい。まだ意識が定まっていないのか、ぼんやりとしている。エドガーはいらいらした様子で、エドガーの顔を蹴り飛ばす。奥歯が砕け折れるほど強く噛みしめ、なんとか耐える。すぐに助ける。だから、待っていてくれ。
「ユーグ・・・・・・は・・・・・・れろ・・・・・・・・・」
そして、エドガーが完全にシエナに気を取られてた。すぐに『炎獣』が襲いかか――
「馬鹿者・・・・・・その奴隷から離れろ、ユーグウウウ!」
シエナの絶叫と後ろからの強烈な衝撃のせいで、『炎獣』がエドガーに飛びかからんとした刹那、淡いシルエットそのままに消失した。俺は地面に転がりながら、痛みにうめいている。
立ち上がったところで、また誰かからの攻撃を受ける。強烈な掌底があご、拳が鼻へと連続でたたきこまれ、視界が閃光で眩む。続けざまに拳が連続で鳩尾に突きいれられ、酸素が全部出てしまった。前のめりになった途端、屈んだ状態の低い態勢でそのまま横からの回転蹴り放ち、俺のすねを払い、倒れる前にもう一度回転しながらかかとを顔面にたたきこんできた。階段を転げ落ちながら、しこたま打ちつける。
きっと数秒もたってない、つかの間。雷のように鋭く素早い攻撃に、まったく反応できなかった。体中のダメージは、尋常ではない。なんとか立ち上がろうとするが、体を動かすだけでそこかしこから痛覚が悲鳴を発する。
急になにがおこったのか。まさかエドガーの協力者だというやつがどこからともなく現れやがって襲ったのか。
「え?」
信じられなかった。そこには敵なんていない。さっきまで俺を攻撃していたやつの姿なんてどこにもない。見渡す限り、俺たち四人しかいない。透明になっているやつがいる? それともなんらかの方法で隠れ潜んでいるのか?
ルウが、ゆっくりとした歩みで階段を降りてくる。手には魔導書と二つの鞄。俺を通り過ぎてエドガーの元へ。
「どうぞ」
「おお、よくやったな」
エドガーは意気揚々と魔導書をめくりながら中身を吟味している。ルウはただ静かに、俺が落とした荷物を渡し、そのまま隣でたたずんでいる。意味がわからない。一体なにがどうなっているのか。ルウはなにをしているのか。
「ば、馬鹿、だから言っただろう。その女は、君を裏切り続けていたんだ・・・・・・!」
「『炎獣』だったか? それと『天啓』か。使用者の意志を離れて自動で活動する魔法とはおそれいる。それも発動させなければ意味ないがな。おお、これはなんだ?」
「あの人が作られました。これを使えば多少は動きやすくなるのではないでしょうか」
荷物から出した俺の義肢を興味深く吟味しながら、説明を受けるエドガーは、上半身を脱いで肩にそのままはめた。
ギギギギ、という微妙な間接音がしながらあらゆる駆動をする。自分の作った魔導具をよりによってエドガーが使っているという屈辱より、目の前の光景は衝撃的すぎて、放心するしかない。
「その女は、数日前僕を呼びだした。ユーグが、エドガーのことについて伝えたいことがあると。付いていった先に、こいつが、エドガーがいたんだ! ずっと前からこいつらはつながっていたんだよ!」
頭の中が真っ白だった。シエナの言葉は半分も入っていない。つながっていた。ルウが? どうして? ありえない。
魔導書の内容をぶつぶつと暗唱していたエドガーが、不敵にほくそ笑み、シエナに暴行を加え始めた。
「はっはっはっは! 駄目じゃないか! おまえはユーグの親友なんだろう!? そんなかわいそうな事実を教えてしまうなんて、はっはっはっはっは!」
笑いながら暴行しているエドガーは、言動も相まって、狂気じみている。
「はああああ・・・・・・しょうがない。おしえてやろうか。今この騎士が言ったとおり。この奴隷は、ずっと以前から俺に協力していた」
うそだ。なにを言っている。こいつは口から出任せを言っているにすぎない。けど。
「おまえの工房にあった素材や材料を、俺に提供していたんだよ! そして、おまえが作った魔法、魔導書の内容、全部俺に教えてくれた! おかげで対抗策もばっちりさ! おまえ達がこの遺跡に行くということもな! ちょうど騎士をなんとかしたいって思ってたから呼びだせと命じたら、従ってくれたぜ! こいつは疑いもせず俺の命令を実行し続けてくれた、忠実な奴隷だよ! はっはっはっはっは! ざまぁみやがれ!」
「以前、昼間に誰かが訪れていると言ってたろ!? こいつは騙していたんだよ! ユーグがそいつに惚れてるから信じてるのを利用して! こいつと会っていたんだよ! それしかない!」
「ははは! 『隷属の首輪』をちゃんと使っていないからそうなるんだぜ!?」
うそだ。ルウがそんなことするはずがない。けど、シエナが嘘を言うわけない。だってルウは俺の奴隷で、シエナは俺の親友で、そして彼女は俺の好きな子で・・・・・・。
「こいつが見返りになにを求めたと思う?! はっはっはっはっは!」
きっとエドガーは俺をだまそうとしている。ルウだってエドガーに操られている。それか脅されているんだ。だって理由が、ルウがエドガーなんかに協力する理由が。
「復讐だよ復讐! この奴隷はおおまえへの復讐をしたがっていた! そして、おまえの奴隷から解放されたい、自由になりたいとさ! ひゃっはっはっはっは! この女のことありだったんだろ!? ひゃひゃゃひゃひゃ! それで、最後にはユーグを殺してくれってさ!」
復讐。かつて抱いていた暗い感情。やっぱりうそだ。ルウが俺に復讐することなんて。理由も思い当たらない。
うそだ。そんなこと。けど。まさか。うそだ。ありえない。けど。矛盾した問いかけが頭の中でぐるぐるしっぱなしでどうにかなりそうだった。
「ご主人様」
ルウ。俺の好きな子。ルウが、いつもと同じ能面で、感情が一切ない人形の顔が、俺を見下ろしている。残酷な真実をありありと伝えてくる予感に対しても、うそだ、と願い続ける。君の口から言ってくれ。全部うそだって、でまかせだって。
「あなたのことがずっと嫌いでした」
シンプルな答えに、呆然。徐々に水が布に沁み渡るように、俺の中に入ってくる。
「あなたの奴隷でいることがずっと苦痛でした。あなたとの暮らしが、ずっと苦しかったです。あなたが戦争に行ったと知って、憎むようにもなりました。私の村と家族を奪った軍に所属していたあなたが、憎くなりました。私のすべてを奪って奴隷にした原因は、あなたにもあります。あなたたち軍が、兵士が、村を襲わなければ私は家族と一緒にいられました。だから私は復讐決意しました。エドガー様に自らすすんで協力していました」
ずっとルウと一緒だったから、わかってしまう。これがルウの本心だと。真実を語っているんだって、納得してしまう。きっと、今俺は心が死んでいっている。体の中身が一瞬でからっぽになって、熱とか感情とかが急速に消えている。全身が震えて、力が抜けていき、体勢を維持できない。絶望ってこんなかんじなのか。
「おお、そうだ。ちょうどこいつの効果を試そう」
エドガーが、魔導書を片手に呪文を詠唱する。言語から察するに魔導書に書かれているものだったんだろう。ルウに巻かれていた、『隷属の首輪』が見る影もなく完璧に消失してしまった。
無理にでも壊して、外そうとしたら命を奪う。そんな危険なものが、なんの予兆も感動も余韻もなく、一瞬で消えた。なんらかの副作用か、花弁が大量にまき散らされ、地面に落ちていく。俺とルウをつないでいたものが、なにもなくなってしまった。
「ありがとうございます」
首元を擦って、消えたことをたしかめて、ルウが恭しく頭をさげてお礼を述べている。
「おお、本当にすごいなこれは! 金は想定していた倍以上になるぞ!」
「それでは私はこれで失礼いたします」
「ん? ああ、どこへなりとも消え失せろ」
ルウのほうを見ずに追い払うように手を動かす。そんな雑な対応になにも反応することもなく、ルウがそのまま出口へと行ってしまう。
「ルウ!」
我慢できず、叫んでしまった。けど、ルウは止まらず、そのまま歩いていく。そんな彼女が、本当に俺は嫌われていたんだと、もう一緒にはいられない現実をひしひしと訴えてくる。
裏切れていたということは、ショックだ。ルウに嫌われていて、憎まれていたというのも。けど、それよりつらいことがある。
「ごめんな、ルウ!」
非難するつもりはない。憎くはない。ただ伝えたかった。
「ごめん、俺はおまえを好きになる資格なんて、なかったんだな。俺は、ルウのことをわかったつもりでいた、けどなんにもわかってなかった。俺はおまえを好きだとおもっていた! 勝手に理解していたつもりでいた! けど、でもそれは全部俺のエゴでしかなかった! おまえの本心を、知ろうともしないで勝手に自分の都合の良いように解釈していた! 本当にごめんな!」
死者達の隙間を軽快に進んで、入り口から出て行ってしまう。姿がわからないほど、暗闇に溶けていく。ただ後悔と罪悪感だけが残っている。謝罪をただぶつけることしかなかった。
「こんなこと、今更俺が言えた義理じゃないだろう。だから、せめて幸せになってくれ」
どれだけ見苦しくても、どれだけ自分勝手でも、やっぱりそれだけは変えられなかった。裏切られても嫌われていても、たとえ復讐の対象であっても、ルウが好きなのは変わらない。
もう俺はルウを好きでいる資格なんてない。それでも、好きだ。好きな子の、幸せを、最後に願いたかった。
願いは涙とともに静寂な空間に響いて、やんだ。
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