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二十三章
Ⅰ
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魔法士達が集められたのは、魔法学院の講堂に似ている。教壇と黒板を周囲からぐるりと取り囲み見下ろすような机と椅子の配置が懐かしい。
素直に感傷にひたれず、試験とは別の緊張感を維持しているのは、すぐ後ろに控えているルウが厳しく睨んでいるからだ。さっきの貴族と揉めそうになったおかげで受ける前に不合格になりかけた。
なんとか温情で許してもらえたけど、待合室にて周囲の視線も憚らず正座で抑揚のない罵倒と説教を受け続ける憂き目にあった。今までに類をみない折檻は魔法氏達からの悪い関心を寄せてしまい、移動するまで終わらなかった。
一重に俺を重んじての行為だし、それも俺への愛だと認識していたから耐えられた。
頭に血が上っていたための暴走で自業自得だけど。それでもルウを馬鹿にされたっていう自分なりの正義があったから恥じることはなかったけど。
けど、悪影響は今も残っている。俺の左右には人が座っておらず、触れてはいけない物だという認識が、講堂にいる魔法士達全員に空気として支配している。
――――――溜息をするのは幸せでないということの証ですよ――――――
お前はもう喋るなという背後から無言の圧力もあって、しょぼついていたけど『念話』によるコミュニケーションは残っていた。試しにしてみたけど、ルウもそれなら、と許してくれた。
でも、周りにこれだけたくさん人がいるのに俺とルウしかできない魔法を使えて心を通わせられるなんて、幸せだな。二人だけの秘密っていうか、二人だけに許された特別なやりとりみたいで。
――――――私としてはもうご勘弁願いたいです。だってご主人様が無言でニヤニヤしていると周りの人達もひそひそ話をしているのですよ。明らかにおかしい人扱いされてるではないですか――――――
それは『念話』ができない、もしくは大好きな女性がいなくて俺の幸せが理解できないかわいそうな人達だからだよ。おおらかな広い心で接してあげよう。
―――――――はぁ、もうお好きにどうぞ―――――――――
『念話』が少し落ち着いて、そういえばと周囲を見渡す。探していた人物は、少し離れたところにいた。修道女然とした少女。さっき俺と貴族の諍いを強制的にとめたあの子は、引き連れていた魔物達とさすがに引き離されて手を組んで静かに目を閉じている。
あの魔物達は、あの子の魔法で制御されていたんだろうか? 意志を操る魔法は種族によって違いはあるけど、概ね有効だ。けど、魔物にはきかない。
軍や王族、様々な場所で魔物を利用しているけど、それは幼い頃から飼育し、調教された魔物で魔法的処置は施されていない。
普通なら人の指示になど絶対に従わせられない、危険で凶暴な魔物に言い聞かせて外で待たせている。どれほど強力な魔法なのだろうかという恐怖心。
あの子の柔和で人の良さそうな柔和な表情と神聖ささえある立ち振る舞い。そしてなによりも自分の裾を踏んで転んだり壁に頭や肩をぶつけるということをここまでに五回も目撃している身としては、凄まじいギャップをかんじずにはいられない。
底が知れない危険性を、俺は彼女に抱いている。
それと、教壇を挟んで少女の反対側にいる、例の貴族。きっと俺と同年代くらいのあいつは今も尊大そうにしている。従者か奴隷が宥めるためか話をしているけど、ぶすっとした面持ちで周囲とは一線を画している。
貴族にも魔法士はいる。それでもあからさますぎる権力者としての態度と体勢は周囲の者達も触らぬ神に祟りなしを地で実践するほど。
視線が交差した。それだけでむかっ腹がたつ。お互いに敵意と悪感情を隠さずぶつける。どちらからともなく逸らす。まだ怒りはおさまらない。あいつには一回謝ってもらいたい。
けど、あいつは、あのときどんな魔法を発動しようとしたんだろう。
勢いよく入り口が開け放たれ、厳かな張りつめた空気に変る。誰かに肩を貸してもらいながら試験官であろう人物が入室した。
骨が浮きでるほど痩せ細り、ぜぇぜぇと悪い呼吸をしている。足どりはよろついていて、見るだけで心細い。それでも、そんな試験官がどんな魔道士なのかって心当たりを探す。
「っ!?」
叫びだし、立ち上がらなかった自分が不思議だ。試験官が誰かわかったからじゃない。試験官に肩を貸している誰かに、衝撃を受けた。
アコ―ロン。かつて魔道士モーガンの弟子で、研究室の再建をしていたはずの彼だ。ルウも同じだったんだろう。『念話』で心の動揺が聞こえた。
「え~~~・・・・・・静粛に。ゴホ、ゴホ・・・・・・」
教壇の前に立ち、腕で支えるようにして立つ彼は、今にも倒れそうだ。アコ―ロンは『隷属の首輪』を嵌められていたけど、もしかしてあの試験官の奴隷になっているんだろうか?
「私が皆さんの試験を担当する・・・・・・・・・ゴホゴホ・・・・・・。オスティンです・・・・・・これより試験の説明を・・・・・・させ・・・・・・・・ゴフォォォッ!」
先決が試験官、オスティンの口から噴出した。ポタポタと今もなお巻き散らかされている血は、咳の飛沫に混じって周囲を染めている。
さっきまでの緊張は消えて、別の意味を持つ静けさ。俺だけじゃなく、皆ドン引きしているんだろう。
「え~~。ゴホ、ゴホ、ちょ、アコ―ロン君椅子持ってきて・・・・・・。腕がまた疲労骨折する・・・・・・」
また? よくするの? 上体を支えてるだけだよ?
「あ、痛たた・・・・・・腎臓が。ゴホゴホ・・・・・・試験は全部で四つおこない・・・・・・・・・ぐ、うぅ・・・・・・心臓が、歩いちゃったから・・・・・・」
「私が代わりに説明します」
どうしてこの人が試験官になったんだっていう全員の気持ちなんてものともしないで、アコ―ロンが朗々と語りだした。
「試験は全部で四つおこないます。筆記試験、実技試験、魔導書の吟味。それぞれの試験で合格と見做した魔法士達にだけ最後の試験を受けていただきます」
ざわめきはおきなかった。代わりにどういうことだ? と一斉に怪訝がった。俺もそうだ。
「本日は筆記、実技、魔導書の吟味をおこないます。最後の試験については別日ということで改めて合格者達に通達します」
それからも説明は続く。時間や場所についての簡単なものだけど、だからこそさっきの発言について深く考えざるをえない。今までは、試験は三つだった。それなのに一つ増えた。
しかも、どんな内容なのかもわからない。それでは対策のしようがない。
「はい、質問してもよろしいでしょうか」
「どうぞ」
「なぜ今年になって通達もなく試験科目が増えたのでしょうか。それについて事前に通達もありませんでしたが」
きっと彼が聞かずとも、誰かが聞いただろう当たり前の質問。だけど聞いていいのかどうか、躊躇われた。
「回答の前に少しお願いしたいことが」
「なんでしょうか」
「もう少し声を落としてください」
「は?」
「この講堂は防音のために特殊な材質でできています。音もこもりやすく反響しやすい。それによって試験官の耳の鼓膜が破れます」
「はぁ?」
んなアホな、と誰もが試験官に注目する。本当に耳から血が出ていた。えええええ!? と気遣いのどよめきではなく、んなあほな!? というツッコミを含んだどよめき。
「まず質問についてですが。以前魔道士が国を裏切るという事件がありました。それによって試験の大幅な見直しがおこなわれたのです」
自らの主の顛末を語る。忠誠心があるアコーロンにとってはどれだけの屈辱なのだろう。粛々と感情もださずにいるのは『隷属の首輪』によるものか、それともあの新しい主、オスティンによるものか。
「今後魔道士と認められるのは、ただ魔法を極められるか、立場に必要な知識と実績を残せるかだけではなく、件の魔道士に続く魔道士が現われないか。吟味するため設けられたのです。今まで通知しなかったのは、最後の試験の内容に関する問題なので。あえて通知しなかったのです」
「どこでいつやるか。どのような試験かもここでは説明されないのでしょうか」
「それは――――」
「通知していたら意味がない。私がそう判断した」
よろよろと立ち上がり、アコ―ロンを控えさせた。頼りなさ、心細さは変っていないはずなのに、どことなく威厳と真剣さがある。
「魔道士とは、ただ徒に魔法を創れればいいわけではない。熱意と情熱を持っていられるかではない。学力と知識がどれだけあるかでもない。土壇場に陥ったとき、意図しない状況に陥った場合、自らの能力によってどこまでできるか。それも一つの才能でありなくてはならない資質だとおもっている」
「件の魔道士は、その資質を備えていなかった。だからこそ暴走したと個人的におもっている。ただ単に学院のテストと同じく、与えられた情報で、過去からの積み重ねを駆使して、良い点をとれたとしても。それは君達が優れているわけではない。三つの試験は、基準でしかない。最後の試験にこそ、魔道士としての真価が各々に備わっているかどうか吟味するためのもの。そう覚悟してもらいたい」
「これは、一つの試練だとおもってもらいたい。諸君の奮闘を期待している」
背中に一本木が通っているような凜々しい姿勢に、熱のこもった弁説。さっきまで死にかけていた試験官のものではなく、本物の魔道士でしか持ちえない経験則と裏打ちされた自信にあふれていた。
きっとここにいる誰もが心におもっただろう。
やってやる、と。
「それでは、まず筆記試験をはじめます。あまり物音はたてないよう。心臓が弱いため心臓発作をおこしかねません。それから呼吸器も悪いのであまり走らせたり急がせたりして呼ばないこと。筋肉も弱いのでぶつからないように気を付つけること。以上の点を守って試験を受けてください」
試験の注意事項じゃなくて試験官の注意事項になってるじゃねぇか。
さっきまでのカッカカッカとしたやる気と熱意は、良い具合に抜けてしまった。それでも、絶対に合格してやるという熱さを持って臨めそうだ。
素直に感傷にひたれず、試験とは別の緊張感を維持しているのは、すぐ後ろに控えているルウが厳しく睨んでいるからだ。さっきの貴族と揉めそうになったおかげで受ける前に不合格になりかけた。
なんとか温情で許してもらえたけど、待合室にて周囲の視線も憚らず正座で抑揚のない罵倒と説教を受け続ける憂き目にあった。今までに類をみない折檻は魔法氏達からの悪い関心を寄せてしまい、移動するまで終わらなかった。
一重に俺を重んじての行為だし、それも俺への愛だと認識していたから耐えられた。
頭に血が上っていたための暴走で自業自得だけど。それでもルウを馬鹿にされたっていう自分なりの正義があったから恥じることはなかったけど。
けど、悪影響は今も残っている。俺の左右には人が座っておらず、触れてはいけない物だという認識が、講堂にいる魔法士達全員に空気として支配している。
――――――溜息をするのは幸せでないということの証ですよ――――――
お前はもう喋るなという背後から無言の圧力もあって、しょぼついていたけど『念話』によるコミュニケーションは残っていた。試しにしてみたけど、ルウもそれなら、と許してくれた。
でも、周りにこれだけたくさん人がいるのに俺とルウしかできない魔法を使えて心を通わせられるなんて、幸せだな。二人だけの秘密っていうか、二人だけに許された特別なやりとりみたいで。
――――――私としてはもうご勘弁願いたいです。だってご主人様が無言でニヤニヤしていると周りの人達もひそひそ話をしているのですよ。明らかにおかしい人扱いされてるではないですか――――――
それは『念話』ができない、もしくは大好きな女性がいなくて俺の幸せが理解できないかわいそうな人達だからだよ。おおらかな広い心で接してあげよう。
―――――――はぁ、もうお好きにどうぞ―――――――――
『念話』が少し落ち着いて、そういえばと周囲を見渡す。探していた人物は、少し離れたところにいた。修道女然とした少女。さっき俺と貴族の諍いを強制的にとめたあの子は、引き連れていた魔物達とさすがに引き離されて手を組んで静かに目を閉じている。
あの魔物達は、あの子の魔法で制御されていたんだろうか? 意志を操る魔法は種族によって違いはあるけど、概ね有効だ。けど、魔物にはきかない。
軍や王族、様々な場所で魔物を利用しているけど、それは幼い頃から飼育し、調教された魔物で魔法的処置は施されていない。
普通なら人の指示になど絶対に従わせられない、危険で凶暴な魔物に言い聞かせて外で待たせている。どれほど強力な魔法なのだろうかという恐怖心。
あの子の柔和で人の良さそうな柔和な表情と神聖ささえある立ち振る舞い。そしてなによりも自分の裾を踏んで転んだり壁に頭や肩をぶつけるということをここまでに五回も目撃している身としては、凄まじいギャップをかんじずにはいられない。
底が知れない危険性を、俺は彼女に抱いている。
それと、教壇を挟んで少女の反対側にいる、例の貴族。きっと俺と同年代くらいのあいつは今も尊大そうにしている。従者か奴隷が宥めるためか話をしているけど、ぶすっとした面持ちで周囲とは一線を画している。
貴族にも魔法士はいる。それでもあからさますぎる権力者としての態度と体勢は周囲の者達も触らぬ神に祟りなしを地で実践するほど。
視線が交差した。それだけでむかっ腹がたつ。お互いに敵意と悪感情を隠さずぶつける。どちらからともなく逸らす。まだ怒りはおさまらない。あいつには一回謝ってもらいたい。
けど、あいつは、あのときどんな魔法を発動しようとしたんだろう。
勢いよく入り口が開け放たれ、厳かな張りつめた空気に変る。誰かに肩を貸してもらいながら試験官であろう人物が入室した。
骨が浮きでるほど痩せ細り、ぜぇぜぇと悪い呼吸をしている。足どりはよろついていて、見るだけで心細い。それでも、そんな試験官がどんな魔道士なのかって心当たりを探す。
「っ!?」
叫びだし、立ち上がらなかった自分が不思議だ。試験官が誰かわかったからじゃない。試験官に肩を貸している誰かに、衝撃を受けた。
アコ―ロン。かつて魔道士モーガンの弟子で、研究室の再建をしていたはずの彼だ。ルウも同じだったんだろう。『念話』で心の動揺が聞こえた。
「え~~~・・・・・・静粛に。ゴホ、ゴホ・・・・・・」
教壇の前に立ち、腕で支えるようにして立つ彼は、今にも倒れそうだ。アコ―ロンは『隷属の首輪』を嵌められていたけど、もしかしてあの試験官の奴隷になっているんだろうか?
「私が皆さんの試験を担当する・・・・・・・・・ゴホゴホ・・・・・・。オスティンです・・・・・・これより試験の説明を・・・・・・させ・・・・・・・・ゴフォォォッ!」
先決が試験官、オスティンの口から噴出した。ポタポタと今もなお巻き散らかされている血は、咳の飛沫に混じって周囲を染めている。
さっきまでの緊張は消えて、別の意味を持つ静けさ。俺だけじゃなく、皆ドン引きしているんだろう。
「え~~。ゴホ、ゴホ、ちょ、アコ―ロン君椅子持ってきて・・・・・・。腕がまた疲労骨折する・・・・・・」
また? よくするの? 上体を支えてるだけだよ?
「あ、痛たた・・・・・・腎臓が。ゴホゴホ・・・・・・試験は全部で四つおこない・・・・・・・・・ぐ、うぅ・・・・・・心臓が、歩いちゃったから・・・・・・」
「私が代わりに説明します」
どうしてこの人が試験官になったんだっていう全員の気持ちなんてものともしないで、アコ―ロンが朗々と語りだした。
「試験は全部で四つおこないます。筆記試験、実技試験、魔導書の吟味。それぞれの試験で合格と見做した魔法士達にだけ最後の試験を受けていただきます」
ざわめきはおきなかった。代わりにどういうことだ? と一斉に怪訝がった。俺もそうだ。
「本日は筆記、実技、魔導書の吟味をおこないます。最後の試験については別日ということで改めて合格者達に通達します」
それからも説明は続く。時間や場所についての簡単なものだけど、だからこそさっきの発言について深く考えざるをえない。今までは、試験は三つだった。それなのに一つ増えた。
しかも、どんな内容なのかもわからない。それでは対策のしようがない。
「はい、質問してもよろしいでしょうか」
「どうぞ」
「なぜ今年になって通達もなく試験科目が増えたのでしょうか。それについて事前に通達もありませんでしたが」
きっと彼が聞かずとも、誰かが聞いただろう当たり前の質問。だけど聞いていいのかどうか、躊躇われた。
「回答の前に少しお願いしたいことが」
「なんでしょうか」
「もう少し声を落としてください」
「は?」
「この講堂は防音のために特殊な材質でできています。音もこもりやすく反響しやすい。それによって試験官の耳の鼓膜が破れます」
「はぁ?」
んなアホな、と誰もが試験官に注目する。本当に耳から血が出ていた。えええええ!? と気遣いのどよめきではなく、んなあほな!? というツッコミを含んだどよめき。
「まず質問についてですが。以前魔道士が国を裏切るという事件がありました。それによって試験の大幅な見直しがおこなわれたのです」
自らの主の顛末を語る。忠誠心があるアコーロンにとってはどれだけの屈辱なのだろう。粛々と感情もださずにいるのは『隷属の首輪』によるものか、それともあの新しい主、オスティンによるものか。
「今後魔道士と認められるのは、ただ魔法を極められるか、立場に必要な知識と実績を残せるかだけではなく、件の魔道士に続く魔道士が現われないか。吟味するため設けられたのです。今まで通知しなかったのは、最後の試験の内容に関する問題なので。あえて通知しなかったのです」
「どこでいつやるか。どのような試験かもここでは説明されないのでしょうか」
「それは――――」
「通知していたら意味がない。私がそう判断した」
よろよろと立ち上がり、アコ―ロンを控えさせた。頼りなさ、心細さは変っていないはずなのに、どことなく威厳と真剣さがある。
「魔道士とは、ただ徒に魔法を創れればいいわけではない。熱意と情熱を持っていられるかではない。学力と知識がどれだけあるかでもない。土壇場に陥ったとき、意図しない状況に陥った場合、自らの能力によってどこまでできるか。それも一つの才能でありなくてはならない資質だとおもっている」
「件の魔道士は、その資質を備えていなかった。だからこそ暴走したと個人的におもっている。ただ単に学院のテストと同じく、与えられた情報で、過去からの積み重ねを駆使して、良い点をとれたとしても。それは君達が優れているわけではない。三つの試験は、基準でしかない。最後の試験にこそ、魔道士としての真価が各々に備わっているかどうか吟味するためのもの。そう覚悟してもらいたい」
「これは、一つの試練だとおもってもらいたい。諸君の奮闘を期待している」
背中に一本木が通っているような凜々しい姿勢に、熱のこもった弁説。さっきまで死にかけていた試験官のものではなく、本物の魔道士でしか持ちえない経験則と裏打ちされた自信にあふれていた。
きっとここにいる誰もが心におもっただろう。
やってやる、と。
「それでは、まず筆記試験をはじめます。あまり物音はたてないよう。心臓が弱いため心臓発作をおこしかねません。それから呼吸器も悪いのであまり走らせたり急がせたりして呼ばないこと。筋肉も弱いのでぶつからないように気を付つけること。以上の点を守って試験を受けてください」
試験の注意事項じゃなくて試験官の注意事項になってるじゃねぇか。
さっきまでのカッカカッカとしたやる気と熱意は、良い具合に抜けてしまった。それでも、絶対に合格してやるという熱さを持って臨めそうだ。
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