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第3章
第434話 ヒルデへのプロポーズ
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「えっと……。それで話って何?」
僕はミーティアでヒルデに連絡を取って、合う約束を取り付けていた。
大切な話があるから、急いで時間を作って欲しいとお願いしたんだ。その時に同伴者がいることも伝えておいたんだ。
だからミーニャがいることはわかっていたわけだけど、どうしてミーニャを連れて来たのかがわからないみたいで、さっきからヒルデはミーニャのことをチラチラと見ていた。
今は時空の扉でアタモの町に向かって、ヒルデが寝泊まりしている宿を、ミーニャと共に尋ねていた。
ヒルデの自宅は隣接するホドナ辺境伯の領区にあるから、アタモの町に来るにも、ルカリア学園に通うにも不便だから、らしい。
ちなみにホドナ辺境伯の領区にも、当然冒険者ギルドはあるんだけど、ホドナ辺境伯の持っている騎士団が強過ぎて、魔物が出ればすぐに騎士団が狩ってしまうから、あんまり冒険者の出番がない地域なんだって。
隣国との戦争が避けられているのは、ホドナ辺境伯の力が強いからと言われるくらい、我が国の軍事力に大きな影響を与えている。
ちなみにリシャーラ王国は他の国に囲まれた国だから、辺境伯は他に3人いる。東西南北すべてに辺境伯がいるんだ。その中でも1番強いと言われるのがホドナ辺境伯だね。
だから採取が中心のクエスト依頼ばかりらしくて、稼ぎたい冒険者は、ヒルデのように他の地域の宿屋に寝泊まりして、その地域のクエストを受けることになるのだそう。
「荒唐無稽な話だから驚くと思うけど、ヒルデ、僕と結婚して欲しいんだ。」
「──は!?」
ヒルデは真っ赤になった後で、ミーニャに視線を移して、
「……その話と、彼女は、なんの関係があって連れて来たの?」
と僕に尋ねた。
「あ、うん。
彼女はミーニャ。僕の婚約者なんだ。」
「初めまして。ミーニャです。」
「あ、はい……初めまして……。
え?私今、プロポーズされたのよね?どうしてあんたの婚約者がここにいるの?」
と訝しげな目線を向けてきた。
「うん、彼女を第1夫人に、ヒルデを第2夫人にって考えていて、第1夫人の許可を得ていることを、ヒルデに直接自分の口から伝えたいってことで、連れて来たんだ。」
「……は?」
僕がそう言った途端、ヒルデは眉間にシワを寄せて僕を睨んだ。
「私をあんたのハーレムに入れようっての?
馬鹿にしないでよ。」
「違うんだ、話を聞いて!ヒルデ!」
興奮して立ち上がったヒルデに、僕も慌てて諌めるように立ち上がる。
「とりあえず落ち着いて話を聞いてよ。」
「アレックス、事情を先に話したほうがいいわ。どうしてそういう考えに至ったのかがわからなければ、ヒルデさんだって納得しないと思うの。これはヒルデさんの為だって。」
「私の……為?」
まだ眉間にシワを寄せて、ミーニャのことも睨みながらも、冷静に微笑むミーニャの姿に、ヒルデは改めて椅子に座ってくれた。
「いったいどういうことよ?」
「それがね……。」
僕はかいつまんで、ルーデンス王太子たちの計画をヒルデに説明した。
「なめてくれたものね……。」
ヒルデは親指の爪を噛みながら、いらだたしげに目線を床に落とした。
「僕のスキルを使って、自分の国を作るつもりなんだ。そこでミーニャを第1夫人に、ヒルデを第2夫人にすえたら、ヒルデには後ろ盾があるから、手を出せなくなるでしょ?」
「まあ、確かに、他国の王妃に手を出す馬鹿はいないでしょうね。
うちのひいおばあちゃんの時みたく、いつまでも追いかけられることになるもの。」
「うん。ヒルデに好きな人がいたら申し訳ないし、ことが落ち着いたら開放するからさ。
それまで我慢してくれたら嬉しいな。」
「我慢って……。」
ヒルデがムッとしたように口をとがらせると、僕のことを恨めしそうに睨んできた。
「別に嫌だなんて、誰が言ったのよ。」
「え?でも……。ヒルデだって、いつかは好きな人と結婚したいでしょ?」
「そりゃあ……。
──だから嬉しかったのに……。」
ヒルデがボソボソとつぶやく。
「え?なに?もう一回言って?」
「もう言わないわよ!
聞こえなかったら別にいいわ。」
ぷいっとソッポを向いてしまうヒルデ。
「ヒルデさん、ここは素直になったほうがいいと思うの。そうしないと、伝わらない人だから、アレックスは。」
そう言ってミーニャがニッコリとヒルデに微笑んでみせる。
「好きなんでしょう?アレックスのこと。」
「ばっ……!誰がそんなこと言ったのよ!」
ヒルデが真っ赤になって椅子から立ち上がると、怒ったように僕を睨んでくる。
ミーニャ、やっぱり間違ってない?
────────────────────
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僕はミーティアでヒルデに連絡を取って、合う約束を取り付けていた。
大切な話があるから、急いで時間を作って欲しいとお願いしたんだ。その時に同伴者がいることも伝えておいたんだ。
だからミーニャがいることはわかっていたわけだけど、どうしてミーニャを連れて来たのかがわからないみたいで、さっきからヒルデはミーニャのことをチラチラと見ていた。
今は時空の扉でアタモの町に向かって、ヒルデが寝泊まりしている宿を、ミーニャと共に尋ねていた。
ヒルデの自宅は隣接するホドナ辺境伯の領区にあるから、アタモの町に来るにも、ルカリア学園に通うにも不便だから、らしい。
ちなみにホドナ辺境伯の領区にも、当然冒険者ギルドはあるんだけど、ホドナ辺境伯の持っている騎士団が強過ぎて、魔物が出ればすぐに騎士団が狩ってしまうから、あんまり冒険者の出番がない地域なんだって。
隣国との戦争が避けられているのは、ホドナ辺境伯の力が強いからと言われるくらい、我が国の軍事力に大きな影響を与えている。
ちなみにリシャーラ王国は他の国に囲まれた国だから、辺境伯は他に3人いる。東西南北すべてに辺境伯がいるんだ。その中でも1番強いと言われるのがホドナ辺境伯だね。
だから採取が中心のクエスト依頼ばかりらしくて、稼ぎたい冒険者は、ヒルデのように他の地域の宿屋に寝泊まりして、その地域のクエストを受けることになるのだそう。
「荒唐無稽な話だから驚くと思うけど、ヒルデ、僕と結婚して欲しいんだ。」
「──は!?」
ヒルデは真っ赤になった後で、ミーニャに視線を移して、
「……その話と、彼女は、なんの関係があって連れて来たの?」
と僕に尋ねた。
「あ、うん。
彼女はミーニャ。僕の婚約者なんだ。」
「初めまして。ミーニャです。」
「あ、はい……初めまして……。
え?私今、プロポーズされたのよね?どうしてあんたの婚約者がここにいるの?」
と訝しげな目線を向けてきた。
「うん、彼女を第1夫人に、ヒルデを第2夫人にって考えていて、第1夫人の許可を得ていることを、ヒルデに直接自分の口から伝えたいってことで、連れて来たんだ。」
「……は?」
僕がそう言った途端、ヒルデは眉間にシワを寄せて僕を睨んだ。
「私をあんたのハーレムに入れようっての?
馬鹿にしないでよ。」
「違うんだ、話を聞いて!ヒルデ!」
興奮して立ち上がったヒルデに、僕も慌てて諌めるように立ち上がる。
「とりあえず落ち着いて話を聞いてよ。」
「アレックス、事情を先に話したほうがいいわ。どうしてそういう考えに至ったのかがわからなければ、ヒルデさんだって納得しないと思うの。これはヒルデさんの為だって。」
「私の……為?」
まだ眉間にシワを寄せて、ミーニャのことも睨みながらも、冷静に微笑むミーニャの姿に、ヒルデは改めて椅子に座ってくれた。
「いったいどういうことよ?」
「それがね……。」
僕はかいつまんで、ルーデンス王太子たちの計画をヒルデに説明した。
「なめてくれたものね……。」
ヒルデは親指の爪を噛みながら、いらだたしげに目線を床に落とした。
「僕のスキルを使って、自分の国を作るつもりなんだ。そこでミーニャを第1夫人に、ヒルデを第2夫人にすえたら、ヒルデには後ろ盾があるから、手を出せなくなるでしょ?」
「まあ、確かに、他国の王妃に手を出す馬鹿はいないでしょうね。
うちのひいおばあちゃんの時みたく、いつまでも追いかけられることになるもの。」
「うん。ヒルデに好きな人がいたら申し訳ないし、ことが落ち着いたら開放するからさ。
それまで我慢してくれたら嬉しいな。」
「我慢って……。」
ヒルデがムッとしたように口をとがらせると、僕のことを恨めしそうに睨んできた。
「別に嫌だなんて、誰が言ったのよ。」
「え?でも……。ヒルデだって、いつかは好きな人と結婚したいでしょ?」
「そりゃあ……。
──だから嬉しかったのに……。」
ヒルデがボソボソとつぶやく。
「え?なに?もう一回言って?」
「もう言わないわよ!
聞こえなかったら別にいいわ。」
ぷいっとソッポを向いてしまうヒルデ。
「ヒルデさん、ここは素直になったほうがいいと思うの。そうしないと、伝わらない人だから、アレックスは。」
そう言ってミーニャがニッコリとヒルデに微笑んでみせる。
「好きなんでしょう?アレックスのこと。」
「ばっ……!誰がそんなこと言ったのよ!」
ヒルデが真っ赤になって椅子から立ち上がると、怒ったように僕を睨んでくる。
ミーニャ、やっぱり間違ってない?
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