395 / 453
第3章
第500話 スカーレット嬢をスカウト
しおりを挟む
スカーレット嬢が、契約魔法の書類にサインをして血判を押し、それを空中に放り投げると、それが青い炎をまとって消えた。
普段商人と取引してる鍛冶職人、かつ魔道具職人だけあって、契約魔法には驚かないみたいだね。みんな初めてで驚くんだけどな。
「──これで契約完了ですね。ではまず、僕の国、フルバティエにご案内いたします。」
「あ、あんたの国!?ねえ待って、さっきからどういうことなのか理解出来ない!」
「ここは人が来るかも知れませんし、移動先でゆっくりご説明しますので、まずは僕について来ていただけませんか?タンザビアさんと一緒ですので、ご安心ください。」
「う……、おじいちゃんも、一緒?」
「ああ、そうだ。だから安心して一緒に来るがいい。おじいちゃんが元龍神なことは、スカーレットもわかっているだろう?」
「おじいちゃんの強さは知ってるよ……。
わかった、一緒に行くよ……。ついたらちゃんと色々と説明してよね……。」
「はい、もちろんです。」
驚くスカーレット嬢とタンザビアさんを伴って、時空の扉を出し、魔道昇降でフルバティエに到着した。つくまでの間、スカーレット嬢はずっとキョロキョロしながら、タンザビアさんがまとうマントの裾を握っていた。
眉を下げてこわごわといった表情だったから、初めて見る時空の扉も、時空の海の中も怖かったんだろうな。そもそも契約魔法の件で、ちょっと不安がらせちゃったし。
まあ、僕も初めて時空の海の中に入った時は、凄くワクワクもしたけど、同時にちょっと怖かったしね。基本真っ暗で、アイテムボックスの扉だけが光ってる空間だし。
「──つきましたよ!
ここが僕の国、フルバティエです!
ここはなんと雲の上なんですよ!」
「く、雲の上ぇ!?」
「どうだ、驚いたろう。俺も初めて聞いた時は驚いたもんさ。ほらそこ、雲が動いているだろう?ここが雲の上って証拠さ。」
「ひえっ!?」
タンザビアさんが地面の脇で動く雲を指さして、楽しげに笑っている。スカーレット嬢を驚かせたいから、雲の上ってことは内緒にしてくれって言われてたんだよね。
タンザビアさんって、ひょっとして結構イタズラ好きの人なのかも?スカーレット嬢は魔道昇降の出口のすぐ脇で動く雲を見て、怯えたようにバッと後ろに飛び退いた。それを楽しそうに笑ってみているタンザビアさん。
「お、お、お前、そんなとこにいないで、もうちょっとこっち来いよ。風でも吹いたら、おっこっちまうかも知れねえだろ?」
「え?ああ、だいじょうぶですよ。ほら、見えませんけど、ここにシールドが張ってあるので、空に見えますけど、壁なんです。」
僕はシールドに手をついて、グッと押して見せたんだけど、スカーレット嬢は、ヒイイイイ!と悲鳴を上げて、ますます怖がった。
「そんな土の際っきわに張っているような、薄っぺらいもんなんて、な、なんかの拍子で割れちまうかも知れねえだろうが……。
あ、あたし高いとこ駄目なんだよ……。」
タンザビアさんの後ろに隠れるように、というか、捕まって落ちないようにしているみたいに、ギュッとマントにしがみついてる。
「ああ、すみません……。じゃあ、雲の下が見えるのも怖いですよね……。早速城に移動しましょうか。ここに足を乗せれば、地面が移動するので、すぐですので。」
「ひっ!ヒイイイイ!動いた!
地面が動いた!気持ち悪い!」
「すみません、慣れて下さい……。」
「なんだよ、楽しいだろ?」
怖がるスカーレット嬢とは正反対に、動く地面に毎回楽しそうなタンザビアさん。
どうやって動かしてるんだ?って気にしていたから、道具職人の血が騒ぐのかな。
お茶会の時に、タンザビアさんは、スカーレット嬢と同じく、鍛冶職人と道具職人のスキルを持っているって言ってたからね。
「これが魔道具だったらなあ。どうやって動かしているのか知りたいとこだったが。」
「すみません、僕のスキルで出したので、何で動いてるのかまではわからなくて……。」
「は?出した?スキルで?」
驚いた表情で、タンザビアさん越しに僕を見るスカーレット嬢。並び順は、スカーレット嬢、タンザビアさん、僕、って感じだ。
「ええ、僕のスキルが、こうした、特殊なものを生み出せるスキルだったので……。」
「だからって、雲の上に国や城を作るかね?
普通考えないだろ?そんなこと。」
まあ、考えたのはキリカなんだけど……。
「英雄候補たちを、他の国の干渉から守る為には、誰にも手出し出来ない、安全な場所に国を作る必要があったので。」
────────────────────
少しでも面白いと思ったら、エピソードごとのイイネ、または応援するを押していただけたら幸いです。
普段商人と取引してる鍛冶職人、かつ魔道具職人だけあって、契約魔法には驚かないみたいだね。みんな初めてで驚くんだけどな。
「──これで契約完了ですね。ではまず、僕の国、フルバティエにご案内いたします。」
「あ、あんたの国!?ねえ待って、さっきからどういうことなのか理解出来ない!」
「ここは人が来るかも知れませんし、移動先でゆっくりご説明しますので、まずは僕について来ていただけませんか?タンザビアさんと一緒ですので、ご安心ください。」
「う……、おじいちゃんも、一緒?」
「ああ、そうだ。だから安心して一緒に来るがいい。おじいちゃんが元龍神なことは、スカーレットもわかっているだろう?」
「おじいちゃんの強さは知ってるよ……。
わかった、一緒に行くよ……。ついたらちゃんと色々と説明してよね……。」
「はい、もちろんです。」
驚くスカーレット嬢とタンザビアさんを伴って、時空の扉を出し、魔道昇降でフルバティエに到着した。つくまでの間、スカーレット嬢はずっとキョロキョロしながら、タンザビアさんがまとうマントの裾を握っていた。
眉を下げてこわごわといった表情だったから、初めて見る時空の扉も、時空の海の中も怖かったんだろうな。そもそも契約魔法の件で、ちょっと不安がらせちゃったし。
まあ、僕も初めて時空の海の中に入った時は、凄くワクワクもしたけど、同時にちょっと怖かったしね。基本真っ暗で、アイテムボックスの扉だけが光ってる空間だし。
「──つきましたよ!
ここが僕の国、フルバティエです!
ここはなんと雲の上なんですよ!」
「く、雲の上ぇ!?」
「どうだ、驚いたろう。俺も初めて聞いた時は驚いたもんさ。ほらそこ、雲が動いているだろう?ここが雲の上って証拠さ。」
「ひえっ!?」
タンザビアさんが地面の脇で動く雲を指さして、楽しげに笑っている。スカーレット嬢を驚かせたいから、雲の上ってことは内緒にしてくれって言われてたんだよね。
タンザビアさんって、ひょっとして結構イタズラ好きの人なのかも?スカーレット嬢は魔道昇降の出口のすぐ脇で動く雲を見て、怯えたようにバッと後ろに飛び退いた。それを楽しそうに笑ってみているタンザビアさん。
「お、お、お前、そんなとこにいないで、もうちょっとこっち来いよ。風でも吹いたら、おっこっちまうかも知れねえだろ?」
「え?ああ、だいじょうぶですよ。ほら、見えませんけど、ここにシールドが張ってあるので、空に見えますけど、壁なんです。」
僕はシールドに手をついて、グッと押して見せたんだけど、スカーレット嬢は、ヒイイイイ!と悲鳴を上げて、ますます怖がった。
「そんな土の際っきわに張っているような、薄っぺらいもんなんて、な、なんかの拍子で割れちまうかも知れねえだろうが……。
あ、あたし高いとこ駄目なんだよ……。」
タンザビアさんの後ろに隠れるように、というか、捕まって落ちないようにしているみたいに、ギュッとマントにしがみついてる。
「ああ、すみません……。じゃあ、雲の下が見えるのも怖いですよね……。早速城に移動しましょうか。ここに足を乗せれば、地面が移動するので、すぐですので。」
「ひっ!ヒイイイイ!動いた!
地面が動いた!気持ち悪い!」
「すみません、慣れて下さい……。」
「なんだよ、楽しいだろ?」
怖がるスカーレット嬢とは正反対に、動く地面に毎回楽しそうなタンザビアさん。
どうやって動かしてるんだ?って気にしていたから、道具職人の血が騒ぐのかな。
お茶会の時に、タンザビアさんは、スカーレット嬢と同じく、鍛冶職人と道具職人のスキルを持っているって言ってたからね。
「これが魔道具だったらなあ。どうやって動かしているのか知りたいとこだったが。」
「すみません、僕のスキルで出したので、何で動いてるのかまではわからなくて……。」
「は?出した?スキルで?」
驚いた表情で、タンザビアさん越しに僕を見るスカーレット嬢。並び順は、スカーレット嬢、タンザビアさん、僕、って感じだ。
「ええ、僕のスキルが、こうした、特殊なものを生み出せるスキルだったので……。」
「だからって、雲の上に国や城を作るかね?
普通考えないだろ?そんなこと。」
まあ、考えたのはキリカなんだけど……。
「英雄候補たちを、他の国の干渉から守る為には、誰にも手出し出来ない、安全な場所に国を作る必要があったので。」
────────────────────
少しでも面白いと思ったら、エピソードごとのイイネ、または応援するを押していただけたら幸いです。
125
あなたにおすすめの小説
初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!
霜月雹花
ファンタジー
神の悪戯により死んでしまった主人公は、別の神の手により3つの便利なスキルを貰い異世界に転生する事になった。転生し、普通の人生を歩む筈が、又しても神の悪戯によってトラブルが起こり目が覚めると異世界で10歳の〝家無し名無し〟の状態になっていた。転生を勧めてくれた神からの手紙に代償として、希少な力を受け取った。
神によって人生を狂わされた主人公は、異世界で便利なスキルを使って生きて行くそんな物語。
書籍8巻11月24日発売します。
漫画版2巻まで発売中。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
《作者からのお知らせ!》
※2025/11月中旬、 辺境領主の3巻が刊行となります。
今回は3巻はほぼ全編を書き下ろしとなっています。
【貧乏貴族の領地の話や魔導車オーディションなど、】連載にはないストーリーが盛りだくさん!
※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
『スローライフどこ行った?!』追放された最強凡人は望まぬハーレムに困惑する?!
たらふくごん
ファンタジー
最強の凡人――追放され、転生した蘇我頼人。
新たな世界で、彼は『ライト・ガルデス』として再び生を受ける。
※※※※※
1億年の試練。
そして、神をもしのぐ力。
それでも俺の望みは――ただのスローライフだった。
すべての試練を終え、創世神にすら認められた俺。
だが、もはや生きることに飽きていた。
『違う選択肢もあるぞ?』
創世神の言葉に乗り気でなかった俺は、
その“策略”にまんまと引っかかる。
――『神しか飲めぬ最高級のお茶』。
確かに神は嘘をついていない。
けれど、あの流れは勘違いするだろうがっ!!
そして俺は、あまりにも非道な仕打ちの末、
神の娘ティアリーナが治める世界へと“追放転生”させられた。
記憶を失い、『ライト・ガルデス』として迎えた新しい日々。
それは、久しく感じたことのない“安心”と“愛”に満ちていた。
だが――5歳の洗礼の儀式を境に、運命は動き出す。
くどいようだが、俺の望みはスローライフ。
……のはずだったのに。
呪いのような“女難の相”が炸裂し、
気づけば婚約者たちに囲まれる毎日。
どうしてこうなった!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。