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第4章
第543話 意外な能力
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「質問を……よろしいでしょうか、オフィーリアさま。」
「どうぞ。」
「我々が貴族ではない、というのは……?」
「フルバティエ王国には、貴族という制度がありません。ですので、そこに属するみなさまがたも、これからは貴族ではない、ということになります。そして領主はわたくし1人。ですのでみなさまは雇われの政務補佐官という立場になりますわね。」
「貴族ではないのに、領地をおさめろと!?」
「領地独自の税は今後撤廃し、これからは一律となります。雇われですからみなさまの収入も一律となりますが、館を存続する為の最低限の従者の賃金はフルバティエ王国より支払われますので、通常の平民よりはよい暮らしが出来るでしょう。」
オフィーリアが淡々と答える。
「ただ、貴族ではない、というだけです。今までのように頻繁にパーティーなどを開いたり、社交の為にパーティーごとにドレスを仕立てたり。そういったことがなくなるというだけのことです。」
「商人のように暮らせということですか!?」
「お嫌なら出ていっていただいて結構。今いる者たちの中から、新たな各地の雇われの政務補佐官を認定するというだけですわ。」
「やってられるか!そんなこと!オーウェンズ伯爵!あなたの娘だぞ!教育がなっていないんじゃないのか!?」
貴族であることの特権を諦められない男性が、そう言ってオーウェンズ伯爵に迫った。
「オ、オフィーリア、貴族解体はやり過ぎではないのかね?エザリス王国では、他国との国交がなされぬ間も、貴族は貴族として暮らしていたと聞く。」
オロオロとしながらオーウェンズ伯爵が言う。
「エザリス王国では、貴族を貴族たらしめるだけの収入が、国内だけで賄えたからこそ。フルバティエ王国の助けなくしては、今後食べ物1つ手に入らなくなるのですよ?その国が、貴族はなくせと言うのです。従う他ないでしょう。」
とマリアンヌがすげなく言った。
「私のところは穀倉地帯です。その条件には当てはまらない。」
と、1人の男性が言った。
「元皇太后さまがおっしゃるところの、収入源があるのです。これでも私は貴族としての対面を保てないと言うのでしょうか。」
「リシャーラ王国そのものがなくなったというのに、そして殆どの領地が今後フルバティエ王国との取引なくして税収を保てないというのに、あなた1人穀物を手に入れられるからと、特別扱いを望むのですか?」
「ですが……。」
「フルバティエ王国の助けをなくせば、食べ物がいずれ底をつき、真っ先に国民から狙われるのは、あなたの領地でしょう。あなたの私兵だけで、暴徒と化した国民をおさえられるとでも?──これは決定事項です。そのような大局も見据えられぬ者が、貴族の面子がどうのと片腹痛い。政務補佐官の任すら、与えなくともよいのですよ。」
男性が何も言えず、拳を握りしめた時だった。
「急ぎでお伝えしたいことがございます!」
1人の兵士が大広間に飛び込んできた。
「なんです、騒がしい。」
「崩れた城より、従魔師団の管理していた魔物たちが逃げ出したとの報告が!」
「──なんですって!?」
マリアンヌが顔色を変えた。
従魔師団は、父さまが勤めている騎士団の中でも、近接職ばかりの騎士団、父さま率いる魔法師団についで、テイマーたちを集めた組織のことだ。
基本は騎士団の中に組み込まれているけれど、テイマーしかなることが出来ない、独自の組織でもあるんだ。
昔リアムと一緒に父さまに騎士団を見学させてもらった時、騎士団の馬たちばかりか、魔物たちまでもがリアムに懐いてて、一緒に遊んで楽しかった思い出があるよ。
王宮の一部に魔物たちを集めた場所があって、そこで飼われてるんだけど、崩れた城を更に壊して、逃げ出したってことか。町に入り込んだら大事だよ!
「すぐに騎士団を全員派遣するのです!師団は問いません。民に危害なきよう、従魔をとらえなくてはなりません!」
マリアンヌにそう言われて、父さまとグリフィス元侯爵までもが飛び出して行った。
傍らで話を聞いていた僕も、思わず外に飛び出した。逃げ出した従魔はグリフォンのようだった。空高く羽ばたいて、どこかに向かって一心不乱に飛んで行く。
この先にあるものは……。僕の実家のある方向だ!!
パダじゃ走る速度と同じで追いつけない。僕は元キャベンディッシュ侯爵家方面だとあたりをつけて、時空の扉で家の近くに出た。
「わっ!?なに?ふふ。くすぐったいよ。」
聞き覚えのある声がして、元キャベンディッシュ侯爵家の庭で、グリフォンに懐かれている、リアムの姿を発見したのだった。
────────────────────
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「どうぞ。」
「我々が貴族ではない、というのは……?」
「フルバティエ王国には、貴族という制度がありません。ですので、そこに属するみなさまがたも、これからは貴族ではない、ということになります。そして領主はわたくし1人。ですのでみなさまは雇われの政務補佐官という立場になりますわね。」
「貴族ではないのに、領地をおさめろと!?」
「領地独自の税は今後撤廃し、これからは一律となります。雇われですからみなさまの収入も一律となりますが、館を存続する為の最低限の従者の賃金はフルバティエ王国より支払われますので、通常の平民よりはよい暮らしが出来るでしょう。」
オフィーリアが淡々と答える。
「ただ、貴族ではない、というだけです。今までのように頻繁にパーティーなどを開いたり、社交の為にパーティーごとにドレスを仕立てたり。そういったことがなくなるというだけのことです。」
「商人のように暮らせということですか!?」
「お嫌なら出ていっていただいて結構。今いる者たちの中から、新たな各地の雇われの政務補佐官を認定するというだけですわ。」
「やってられるか!そんなこと!オーウェンズ伯爵!あなたの娘だぞ!教育がなっていないんじゃないのか!?」
貴族であることの特権を諦められない男性が、そう言ってオーウェンズ伯爵に迫った。
「オ、オフィーリア、貴族解体はやり過ぎではないのかね?エザリス王国では、他国との国交がなされぬ間も、貴族は貴族として暮らしていたと聞く。」
オロオロとしながらオーウェンズ伯爵が言う。
「エザリス王国では、貴族を貴族たらしめるだけの収入が、国内だけで賄えたからこそ。フルバティエ王国の助けなくしては、今後食べ物1つ手に入らなくなるのですよ?その国が、貴族はなくせと言うのです。従う他ないでしょう。」
とマリアンヌがすげなく言った。
「私のところは穀倉地帯です。その条件には当てはまらない。」
と、1人の男性が言った。
「元皇太后さまがおっしゃるところの、収入源があるのです。これでも私は貴族としての対面を保てないと言うのでしょうか。」
「リシャーラ王国そのものがなくなったというのに、そして殆どの領地が今後フルバティエ王国との取引なくして税収を保てないというのに、あなた1人穀物を手に入れられるからと、特別扱いを望むのですか?」
「ですが……。」
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男性が何も言えず、拳を握りしめた時だった。
「急ぎでお伝えしたいことがございます!」
1人の兵士が大広間に飛び込んできた。
「なんです、騒がしい。」
「崩れた城より、従魔師団の管理していた魔物たちが逃げ出したとの報告が!」
「──なんですって!?」
マリアンヌが顔色を変えた。
従魔師団は、父さまが勤めている騎士団の中でも、近接職ばかりの騎士団、父さま率いる魔法師団についで、テイマーたちを集めた組織のことだ。
基本は騎士団の中に組み込まれているけれど、テイマーしかなることが出来ない、独自の組織でもあるんだ。
昔リアムと一緒に父さまに騎士団を見学させてもらった時、騎士団の馬たちばかりか、魔物たちまでもがリアムに懐いてて、一緒に遊んで楽しかった思い出があるよ。
王宮の一部に魔物たちを集めた場所があって、そこで飼われてるんだけど、崩れた城を更に壊して、逃げ出したってことか。町に入り込んだら大事だよ!
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マリアンヌにそう言われて、父さまとグリフィス元侯爵までもが飛び出して行った。
傍らで話を聞いていた僕も、思わず外に飛び出した。逃げ出した従魔はグリフォンのようだった。空高く羽ばたいて、どこかに向かって一心不乱に飛んで行く。
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