76 / 175
第2章・勇者召喚の秘密編
第52話 アプリティオ観光①
しおりを挟む
「──ハア!?
城に行かねえだあ!?
お前王女に会いてえんじゃなかったのか?
ここまで来ておいて何言ってやがんだ。」
エンリツィオが呆れたように俺に怒鳴る。当然だ。わざわざ挨拶回りの順番を、アプリティオを優先させ、船にまで乗せてくれたのだ。──全部、全部、俺の為。それは分かってる。けど。
「まあまあ、何か理由があるんでしょ?
頭ごなしに怒鳴ったところで、解決しないよ?」
アシルさんが優しく間に入ろうとしてくれる。
アプリティオは豪華なホテルのある国だった。ホテルの俺と恭司の部屋まで、エンリツィオとアシルさんが、昼飯に行こうぜと呼びに来た途端、俺がこの後の王宮訪問同行を拒絶した為、全員部屋を出れずに俺たちの部屋の中にいた。
「──行かねえったって、会える機会は一度だけだぞ?
やっぱ行きてえってなったって、ハイそうですかと会える相手じゃねえんだ。
それは分かってんだろ?」
エンリツィオが前髪をかきあげながら頭を押さえる。
それは分かる。分かってる。けど、怖い。男として性的敗北を喰らいそうな予感が、俺の足をすくませた。
「……王女の夫選びの話か……。」
エンリツィオは大きくため息をつくと、
「お前、ちょっと来い。
後にしようと思ってたが、先に観光に連れてってやる。
まだ城に行くまで時間があるんだ。
外に出りゃ、気分も変わるだろ。」
アシルさんがクスリと笑い、
「そうだね。
せっかくだし、先に観光しようか。
僕も久々だし、普段は仕事以外で街中を回るなんて、あんまりないからね。」
2人して気を使ってくれる。恭司も、行こうぜ、と、ベッドにしゃがんでいる俺の腰に羽を当てた。
外でヤってる奴らを気にしなければ、アプリティオはとてもきれいな国だった。というか、それだけが景観を損ねている。
アシルさんに馬車を使う?と聞かれたが、俺たちは馬車を使わずに、その辺をぶらぶら歩く事にした。
屋台で買い食いをしたり、ヌーディストビーチで、後ろで見守るエンリツィオとアシルさんを残し、恭司と2人で間近で女の子たちの裸を眺めたりもした。
当然というか、2人とも、隠密と消音行動つき。
男とは、2つのタイプに分かれるものだ。
──おっパブで、知り合いの前でオッパイを舐められる男と、舐められない男だ。
俺は恭司の前で以外は絶対に無理なので、どちらかというと後者に属する。
オッパイは見たいし舐めたいが、それをしているところを人に見られたくはない。そんな複雑なオトコゴコロ。
思春期だからというのもあると思うが、多分これは一生変わらない気もする。
皆川の時はオシオキだという意識と、相手に対する怒りがあったからこそ出来た事で、普段の俺なら絶対にあんな場所で、スカートの中を直接覗いたりなんてしない。
恭司は人に何を見られても、まったく気にしないタイプだが、初めて隠密を使って、2人で覗きをするように裸を見ることに、むしろテンションが上がっているようだった。
「──マンゾクしたのか?」
隠密をといて2人の前に現れた俺の鼻息の荒さに、エンリツィオがニヤニヤと笑いながら聞いてくる。
裸なんて見慣れたもんのお前と違って、こっちは初めて間近で、女の子の裸というものを明るいところで見たのだ。
テンションだっておかしくなるわ。
お前だって初めての時は、緊張したりテンション上がったろうがよ。
──と思ったが、なんかコイツは、最初っから落ち着き払っていたんじゃないかという気もする。
死んだ恋人の話をされる時以外で、女関連でコイツが動揺しているのを見たことがない。
歓迎式典で誘いをかけられた時の、あしらい方も堂に入ったもんで、明らかに普段から誘いを受け慣れてるって感じだったしな。
初めての相手も、教師とか、人妻とか、ヤバめの関係の、慣れた年上のオネーサマの方から、誘われてヤってそうだ。
決して同級生との爽やかな初恋の果てに、なんて青春をおくってきた奴の雰囲気じゃない。
「──そういや、これ、なんの花だ?
よく見かけるな。」
俺は沿道に生えた木に咲いた、白い花を指さして言う。
「ああ、これはね、スピリアって言って、この国の国花だよ。ホテルの部屋の中にも飾ってあったでしょ?
エンリツィオの部屋なんて、山盛りで飾ってあったからね。
別に珍しい花じゃないから、ニナンガでもナルガラでも、普通に見かけると思うよ?」
と、アシルさんが教えてくれる。
「──この花はちょっと特殊な性質を持っててな。それでこの国じゃ、国花にまでなってんだ。」
花を軽く見つめて撫でながら、エンリツィオが言う。
「へえ~。
どんな性質なんだ?」
「この花を持ちながら、相手のことを思い浮かべると、気持ちに応じて色が変わるんだよ。
取っても大丈夫だから、2人とも花を持ってごらん?」
そう言われて、俺と恭司は花を手折る。
「お互いを見つめて、相手のことを考えてごらん?
別に見つめなくても出来るけど、見たほうが早いかな。」
アシルさんが小首を傾げながら言った。
俺と恭司は、花を持ったまま、お互いを見つめる。するとお互いの持つ花の色が、次の瞬間、真っ青へと変わる。恭司の方が気持ち濃いかも知れない。
────────────────────
次世代ファンタジーカップエントリーしています。
応援よろしくお願いいたします。
少しでも面白いと思ったら、いいねをタップしていただけると幸いです。
城に行かねえだあ!?
お前王女に会いてえんじゃなかったのか?
ここまで来ておいて何言ってやがんだ。」
エンリツィオが呆れたように俺に怒鳴る。当然だ。わざわざ挨拶回りの順番を、アプリティオを優先させ、船にまで乗せてくれたのだ。──全部、全部、俺の為。それは分かってる。けど。
「まあまあ、何か理由があるんでしょ?
頭ごなしに怒鳴ったところで、解決しないよ?」
アシルさんが優しく間に入ろうとしてくれる。
アプリティオは豪華なホテルのある国だった。ホテルの俺と恭司の部屋まで、エンリツィオとアシルさんが、昼飯に行こうぜと呼びに来た途端、俺がこの後の王宮訪問同行を拒絶した為、全員部屋を出れずに俺たちの部屋の中にいた。
「──行かねえったって、会える機会は一度だけだぞ?
やっぱ行きてえってなったって、ハイそうですかと会える相手じゃねえんだ。
それは分かってんだろ?」
エンリツィオが前髪をかきあげながら頭を押さえる。
それは分かる。分かってる。けど、怖い。男として性的敗北を喰らいそうな予感が、俺の足をすくませた。
「……王女の夫選びの話か……。」
エンリツィオは大きくため息をつくと、
「お前、ちょっと来い。
後にしようと思ってたが、先に観光に連れてってやる。
まだ城に行くまで時間があるんだ。
外に出りゃ、気分も変わるだろ。」
アシルさんがクスリと笑い、
「そうだね。
せっかくだし、先に観光しようか。
僕も久々だし、普段は仕事以外で街中を回るなんて、あんまりないからね。」
2人して気を使ってくれる。恭司も、行こうぜ、と、ベッドにしゃがんでいる俺の腰に羽を当てた。
外でヤってる奴らを気にしなければ、アプリティオはとてもきれいな国だった。というか、それだけが景観を損ねている。
アシルさんに馬車を使う?と聞かれたが、俺たちは馬車を使わずに、その辺をぶらぶら歩く事にした。
屋台で買い食いをしたり、ヌーディストビーチで、後ろで見守るエンリツィオとアシルさんを残し、恭司と2人で間近で女の子たちの裸を眺めたりもした。
当然というか、2人とも、隠密と消音行動つき。
男とは、2つのタイプに分かれるものだ。
──おっパブで、知り合いの前でオッパイを舐められる男と、舐められない男だ。
俺は恭司の前で以外は絶対に無理なので、どちらかというと後者に属する。
オッパイは見たいし舐めたいが、それをしているところを人に見られたくはない。そんな複雑なオトコゴコロ。
思春期だからというのもあると思うが、多分これは一生変わらない気もする。
皆川の時はオシオキだという意識と、相手に対する怒りがあったからこそ出来た事で、普段の俺なら絶対にあんな場所で、スカートの中を直接覗いたりなんてしない。
恭司は人に何を見られても、まったく気にしないタイプだが、初めて隠密を使って、2人で覗きをするように裸を見ることに、むしろテンションが上がっているようだった。
「──マンゾクしたのか?」
隠密をといて2人の前に現れた俺の鼻息の荒さに、エンリツィオがニヤニヤと笑いながら聞いてくる。
裸なんて見慣れたもんのお前と違って、こっちは初めて間近で、女の子の裸というものを明るいところで見たのだ。
テンションだっておかしくなるわ。
お前だって初めての時は、緊張したりテンション上がったろうがよ。
──と思ったが、なんかコイツは、最初っから落ち着き払っていたんじゃないかという気もする。
死んだ恋人の話をされる時以外で、女関連でコイツが動揺しているのを見たことがない。
歓迎式典で誘いをかけられた時の、あしらい方も堂に入ったもんで、明らかに普段から誘いを受け慣れてるって感じだったしな。
初めての相手も、教師とか、人妻とか、ヤバめの関係の、慣れた年上のオネーサマの方から、誘われてヤってそうだ。
決して同級生との爽やかな初恋の果てに、なんて青春をおくってきた奴の雰囲気じゃない。
「──そういや、これ、なんの花だ?
よく見かけるな。」
俺は沿道に生えた木に咲いた、白い花を指さして言う。
「ああ、これはね、スピリアって言って、この国の国花だよ。ホテルの部屋の中にも飾ってあったでしょ?
エンリツィオの部屋なんて、山盛りで飾ってあったからね。
別に珍しい花じゃないから、ニナンガでもナルガラでも、普通に見かけると思うよ?」
と、アシルさんが教えてくれる。
「──この花はちょっと特殊な性質を持っててな。それでこの国じゃ、国花にまでなってんだ。」
花を軽く見つめて撫でながら、エンリツィオが言う。
「へえ~。
どんな性質なんだ?」
「この花を持ちながら、相手のことを思い浮かべると、気持ちに応じて色が変わるんだよ。
取っても大丈夫だから、2人とも花を持ってごらん?」
そう言われて、俺と恭司は花を手折る。
「お互いを見つめて、相手のことを考えてごらん?
別に見つめなくても出来るけど、見たほうが早いかな。」
アシルさんが小首を傾げながら言った。
俺と恭司は、花を持ったまま、お互いを見つめる。するとお互いの持つ花の色が、次の瞬間、真っ青へと変わる。恭司の方が気持ち濃いかも知れない。
────────────────────
次世代ファンタジーカップエントリーしています。
応援よろしくお願いいたします。
少しでも面白いと思ったら、いいねをタップしていただけると幸いです。
26
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる