最後の勇者のレゾンデートル〜スキルなし判定された俺が隠しユニークスキル「ゲノムコントロール」で闇社会の覇王となるまで〜

陰陽@4作品商業化(コミカライズ他)

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第2章・勇者召喚の秘密編

第71話 神獣転生の理由①

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「──それでここが、ドメール王子の収監されてる独房だよ。
 仮にも王子だからね。

 一応離れたところにおいてるみたい。
 でも、そこに行くまでに扉が3つ。
 これを突破しなくちゃならない。」

 俺たちはエンリツィオの部屋で、アシルさんからドメール王子が収監されているという、ラダナン刑務所の内部の地図を見せられながら、潜入ルートのレクチャーを受けていた。

「最後の扉だけ、人がいないんですね。」
「うん。
 けど、代わりに特殊錠になってる。外からは鍵穴があるけど、内側からはドアノブも鍵穴もなくて開けられない。

 必ず2人以上で行動して、中に人が入ったら一度鍵をしめるのさ。中に入った人の合図で外の人が鍵をまたあける。

 ──こいつは看守が直接鍵を持ってないんだ。
 持っているのは、副看守長以上の人間が鍵を持ってる、専用の鍵入れの中だ。

 これを手に入れない事には先へは進めないよ。他の2つは扉の前の看守が持ってるから、どうとでもしようがあると思うけどね。」

「──特殊錠の見本てありますか?
 あと扉の素材が分かると有難いです。」
「取り寄せさせようか?早くて夕方、遅くて明日の朝には届くと思うよ。」

「鍵と扉の材質が分かったからって、どうにか出来るもんなのか?」
 恭司が俺に聞いてくる。

「実際見本を見て、試してみてからじゃないと、なんとも言えねえけど、材質次第でどうにか出来っかもしんねえ。」
 そう言う俺に、

「──ほう?
 ラダナン刑務所と言えば、脱出不可能で知られる刑務所の1つだ。

 そいつをオマエが簡単に破れるってんなら、俺の部下もついでに救い出す算段をしたいとこだな。」
 とエンリツィオが言ってくる。

「今回はあくまでも、ドメール王子に会いにいくのが目的だけど、確かに、鍵を手に入れるんじゃなく、錠そのものがどうにか出来るのであれば、次に行く時までに、救出の準備を整えたいね。」

 アシルさんも同意する。

「魔法感知スキル持ちにだけ対応出来る手段があれば、中は監視カメラとか当然ないわけだし、錠がどうにか出来る素材であれば、それは可能だと思います。」
 俺はうなずきながら答えた。

「──なら、部下を救うついでに、中にいる奴らのスキルも根こそぎ奪う。
 あそこはこの国唯一の刑務所だ。

 アプリティオ中の犯罪者が集まってる。
 当然、レベルの高い魔法スキル持ちも大量にな。

 レベルの高い魔法使いは、魔法師団か、冒険者か、犯罪者のいずれかにしかいねえ。
 ──この国の3分の1の魔法スキルを、ご
っそりいただくチャンスだ。」

「ちなみに何人くらいいるんだ?」
「ざっと見積もっても、200人以上はいるよ。それ全部一度に奪える?」
 エンリツィオに対する質問に、アシルさんが答える。

「……普通に逃がすことは出来ても、そいつらのスキルをその場でいちいち全部奪ってたら、俺が囲まれると思います。

 戦えば逃げられるけど、それじゃ目立っちまう。スキルを奪ってる人間がいることは最悪知られたとしても、それを俺がやってると知られたくはない。」

「──管轄祭司か。」
 エンリツィオが鋭い目つきで俺を見る。
 俺はうなずきながら、

「エンリツィオを狙ってるって言うそいつは、スキルのレベルや本人のレベル次第で、殺した時に得られる経験値が高くなるから、貴重なレベル7の魔法スキルを2つも持ってるお前を執拗に狙ってるわけだろ?

 そんな奴からしたら、……俺以上に殺した時の経験値のウマい人間はいないと思う。だから、知られたくはない。」

「……確かに。知られてなおかつ僕らが匿ってることを知られたら、スキルを集める点においても、僕らに対する執拗さが増すって点においても、ちょっと面倒だね。」

 そうか、エンリツィオだけが狙われてる訳じゃないのか。アシルさんだって、レベル7の土魔法とレベル6の回復魔法を持っているのだ。

「なら、一度中にいる奴らを、部下たちに引き渡して、どこかに匿っておいてから、順繰りにスキルを奪ったほうが安全だね。」

「──はい。
 それと、そんなにたくさんスキルを奪うのなら、スキルが合成されちゃう前に、いくつか他の人に渡したいです。

 レベルアップしてから渡してもいいけど、今レベル6の魔法スキルを持ってる人のスキルを一度奪って合成して、レベルアップしてから戻した方がいいと思う。

 奪う相手が誰かどんなスキルを持ってるのか、現時点じゃ分からないし、いくらなんでも、レベル8以上のスキルを、エンリツィオの部下に渡すのなんて変でしょ?」

 エンリツィオが、俺がアシルさんに向けた言葉にピクッとする。

「……確かにね。
 火の女神の加護で実際の火力は上とはいえ、他のスキルのレベルがエンリツィオを超えちゃうのは、ちょっと組織のバランス的にも、今はまずいかな。」
 アシルさんがうなずきながら言う。

「じゃあ、どの魔法スキルを持ってる部下を呼べばいい?
 今いる中から、君が渡したいスキルのレベル6の奴らを連れて来るよ。」

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