最後の勇者のレゾンデートル〜スキルなし判定された俺が隠しユニークスキル「ゲノムコントロール」で闇社会の覇王となるまで〜

陰陽@4作品商業化(コミカライズ他)

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第3章・血みどろの抗争編

第96話 初めての友だち①

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 俺たちはアスタロト王子の部屋に食事とテーブルを運んで貰い、全員で遅い朝食をとっていた。

 俺と恭司が隣同士、俺の向かいにアスタロト王子、その隣が英祐、足元にユニフェイがいる。恭司が自分のツラ見ながら飯食いたくねえ、と言った為だ。

 まあ、俺も自分の顔が目の前にあったら、それは気持ち悪いから分かる。

 これもミッフィーさんが作ってくれているらしい。晩餐会の時も思ったけど、メチャクチャ美味いな。
「古代魔法ってどうやったら使えんだ?」

「勝手に使えてたから分かんねえよ。」
 口の中に料理を頬張ったまま、アスタロト王子が答える。

「ステータス見る限りスキルじゃねんだよなあ……。」
 俺は首を傾げた。

「勝手に俺のを覗いたのか?
 ──エッチ。」

 アスタロト王子が冗談めかして、上半身を両手で覆いながら言うと、恭司と英祐が爆笑する。思わず英祐が口の中の物を吹き出してしまって、あっ、ゴメンゴメンと慌てる。笑い過ぎだろ。

「エッチじゃねえよ!ステータスだ!」
「でも勝手に見たんだろ?
 マナー違反だぜ。見れるスキル持ってても、見ねえのが普通だからな。」

 チッチッと立てた人差し指を横に振りながらアスタロト王子が言う。

「そうなのか?」
 アスタロト王子に疑問を投げかける。
「フツーはな。」
 とアスタロト王子が答える。

「まあ、そうらしいね。
 鑑定師も許可取ってやってたでしょ?」
「「ああ~~」」
 英祐が答え、俺と恭司が同時に納得する。

「代わりに俺もお前のを勝手に見るからな。古代魔法使えば一発だ。」
 アスタロト王子がニヤリと笑う。

「古代魔法にはそんなのもあんのか。
 別にいいけどよ。俺のスキルなんて見て面白えか?」

 たくさんあることに驚きはするだろうが。そんな人間俺くらいだしな。

「いや、そっちじゃねえ。」
「……?」
「古代魔法はな、──なんと透視が出来る魔法があるんだぜ。」

「へー、凄えな。
 ──って、何見る気だ!どっちがエッチだ!散々風呂でも見てたろうが!」

 ジロジロ見ながらにじり寄ってくるアスタロト王子に俺がドン引く様を、昨日散々恭司と英祐にからかわれていたのである。
「そっちの方が興奮するからな。」

 しれっと悪気なく言われる。まあ、俺も恭司も、好きな女の子の裸が覗けるスキルなんて持ってたら、使う自信しかねーけど。

「……なあ、俺にも古代魔法覚えられっかな?」
 言ってるそばから恭司の目が血眼になる。

「(透視)する気だろ。」
「(あっ)たりめえよ。」
 恭司はこれだから女子に引かれるのである。カッコ可愛い系で顔はいいのに。

 姿を奪う男が言っていたように、恭司はなかなかのイケメンなのだ。元々ハーフみたいな顔立ちで、学校のミスターコンくらいなら余裕で優勝出来る顔だ。

 モデルだかダンスグループだかに似た顔の奴がいて、中学と高校入学当初はかなり女子に騒がれていた。

 にも関わらず、同学年なんかの、恭司をよく知る子ほど、松岡恭司?ないわー、と言わせてしまう程、女子から彼氏の対象として外されてしまう。

 女子と本気で取っ組み合いの喧嘩をするし、言動がアレなので、男からは面白がられているが、女子は一律引いて見ている。

 侠気のあるイイヤツなのだが、あまりそこを彼氏には求めてないんだろうなあ。

 まだ俺のほうがモテるくらいだ。いかに恭司が日頃女子に引かれようとも、好きなように生きているのかがお分かりいただけると思う。

「俺生まれた時から使えたし、どうすりゃ使えるようになんのかまでは分かんねーんだよな。」

 頭の後ろで指を組んだ体勢で、椅子の前脚を浮かしてふんぞり返りながらアスタロト王子が言う。

「契約は血に受け継がれるって言うからね。祖先が神か精霊と契約したんだと思うよ?
 妖精はみんな生まれつき古代魔法が使えるんだ。」

 独自の魔法文化の発展をとげてるんだな。人間は魔法使える人が限られてるのに。

「妖精女王に会いに行くんでしょ?
 そこで神か精霊との契約方法を聞いてみたら?女王なら何か知ってるかも。

 それで契約出来たら、匡宏も恭司も古代魔法使えるんじゃないかな。
 恭司は特に神獣だし、神に近い存在でしょ?可能性はあるよね。」

「……なるほど。」

 古代魔法を操る神獣。確かに違和感はねえな。むしろ覚えてくれた方がこの姿のままで使える魔法が増えて俺も助かる。

「いいな、お前に付き合うだけのつもりでいたけど、楽しみが出来たわ。」
 恭司の鼻息が荒くなる。

 ……こんな邪な理由で契約してくれる神とか精霊なんていんのかな。

 そう考えると、鳥だからかも知れねえけど、恭司は好きなようにしてんのに、引かなかったサンディは凄いよなあ。

 毎日オッパイまさぐられて、怒るどころか笑ってたし、挙句の果てには、……あげてもいいなあ、とか言い出すし。

 ──鳥だぞ?百歩譲って神獣だとしても魔物だぞ?本気か?と当時思ったものだ。

 ただでさえ、セクシーな体の女の子がタイプの恭司からすると、サンディはドストライクなのだ。恭司が夢中になって壊れるのも無理ないんである。

 恭司の行動に引かないんなら、恭司は見た目はカッコいいわけだし、人間の姿なら、きっと今頃普通に付き合ってただろうに、ホントに戻らなくてもいいのかよ……なんて考えてしまうのだ。

 アスタロト王子を死なせたくもないし、恭司がいいというものを、無理にどうこう出来る訳でもないけど、人間の女の子にしか興味のない恭司が、この先誰かと結ばれるなんてことはないわけで。

 童貞のまま死にたい男なんていないだろ?
 ……俺だって江野沢が元に戻れなきゃそうなるわけで。他人ごとではないんである。

 この頃の俺たちは、恭司が童貞を失う日が来るなんてことも、そのことが原因で戦う羽目になるなんてことも、夢にも思っていなかった。

「──飯食ったらみんなで聖樹の実を食いにいかねーか?美味いんだぜ。」
 アスタロト王子がワクワクが止まらない表情で言う。

「そういや、こないだ食いそこなって気になってたんだよな。」
 俺がそれに同意すると、
「聖樹の実のこと、知ってんのか?」

 アスタロト王子が驚いた表情で俺に聞く。
「復活前のお前と一度食いに行ったんだ。
 けど、そこで襲われて、お前は死んだんだよ。……そう考えると危なくねえか?」

 腕組みしながら、うーん、と唸る俺に、
「別に平気じゃね?
 今度は俺らもいるんだしよ。」
 恭司がこともなげに言う。

「そうだね、触れられたら奪われるけど、隙をつかれなきゃいいわけでしょ?

 そんなに危ない相手でもないと思うな。
 なんならこの部屋に強制転送魔法陣の出口を敷いておけば、僕が逃せるしね。」

 なるほど、そうすれば俺たちは別に安全かも知れないな。俺もスキル奪う時は毎回苦労してたしな。

「けどよ、お前の姿に変わられて死なれでもしたら、記憶が飛ぶって問題はあんだろ?それはいいのか?」
 俺はそこが引っかかった。

「すぐ父上に復活して貰えば大した時間消える訳じゃねえし、消えたところで、今もそんな困ってねえしな。

 せっかくお前らと遊べんのに、ずっと部屋にこもってる方が冗談じゃねえっつの。」

「……まあ、お前がそれでいいなら、別にいいか。」
 と、俺は納得した。

「けどよ、城の中には魔法禁止の魔道具がたくさんあんだぜ?
 ──魔族の魔法、使えるのか?」
 アスタロト王子が疑問を投げかけた。

「あっ、そっか。さすがに無理かな。
 それ、一時的に外せる?」
 英祐がアスタロト王子を振り返る。

「いいぜ、この部屋の中だけなら、文句言わせねーしな。」

 アスタロト王子がニヤリと笑い、急いで残りの食事を口に頬張ると、部屋の中に仕掛けられた、魔法禁止の魔道具を停止した。

「さすがに魔法陣でも敷いてなきゃ、城の結界に阻まれて、この部屋に直接来れる存在はないからね、安心していいよ。」

 そう言うと、英祐が強制転送魔法陣の出口を部屋に展開させる。

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