こんな世界、魔法があれば…

入り口

　カズは暇そうに大きくあくびをした。
何をやっても平均的な能力。特別特技もない…。毎日何となく授業を受けてはこうやって、ぼーっと窓を眺めてるのだろう。
　ちなみに現在高2。クラスはテスト前でピリピリとした空気。普段は賑やかな生徒も集中した眼差しで授業に取り組むのであった。
カズはそんな空気にすら気づかずにいただろう。
刺激のない毎日。
唯一の趣味はゲームだが、どれも同じような物ばかりで面白くない。カズは、ぼそっと呟いた。
「魔法でもあればなぁ…」
と、それからスーッと眠りについた。
　　…気づいたら夕方になっていた。どうやら寝てしまってたようだ。帰らなきゃと準備に焦るもカバンがない…。
そもそも教室じゃない…？。辺り一面、芝生が広がり風が心地いい。ここは学校ではないことだけは理解できた。これは夢だ。リアルな夢でも見るのだなと関心しながら二度寝を試るのだった。