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記憶
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勢いよく飛び出たルイの背中は、どこか寂しいそうだった。カズは、追いかけようとするもユキに止められ、自分達の過去について話してくれた。
3人は幼なじみだった。もう1人ケンという男がいたらしい。ケンは落ち着いた性格でいつもみんなのまとめ役だった。いつも4人で行動していた。当時は、毎日が楽しくていつまでもこんな日々が続くのだとばかりユキは思ってた。しかし、ある日を境に関係は壊れていった。
それは、新メンバー加入だった。そいつはロイスと名乗った。ユキ、ハナ、ルイは歓迎したがケンは唯一反対していた。そいつは、少々身勝手な男ですぐ、単独で動こうとするような傲慢な男であった。その時皆気づかずにいたが、ケンはわかってたのかも知れない。
そして、ある日事件が起きた。宿屋で目覚めたルイは、ケンの姿がいない事に気づいた。ロイスもそこにはいない…。
みんなで貯めたお金も全く無くなっていた。嫌な予感がしたルイはユキ達と共に探した。 探し回り、ついに見つけたルイだったがそこにはケンとロイスが言い争っている状況だった。どうやらロイスがお金をもって行方をくらまそうとしたらしい。それに気がついたケンが追いついて…という状況らしい。ルイは飛び出してケンに声を掛けた。ケンが振り返った時、ロイスは隙をついて大剣でケンを切りつけた。ルイの目の前には血しぶきで一瞬ロイスが見えなくなった。
「ケンッッ!!」
ルイはケンの元へ走っていった。ロイスの走って逃げる姿が見えたがそれどころではなかった。涙をこぼしながら声を掛けた。ケンは息が荒くなりながらも
「これを…」
そう伝え、自分の刀をルイに渡した。笑顔を見せ、そのまま静かに息を引き取った。涙が止まらなかった。あの時、ロイスを仲間に入れてなければ。ロイスの行動に気づいていれば。声を掛けてなければ。
その日からルイは言葉数が少なくなってきた。あの日ケンから貰った刀を身につけ…。
カズは言葉を失った。自分がルイの立場なら、見知らぬ相手を仲間として受け入れるだろうか?ダンの紹介とはいえ、信用はしない。いや、出来ないだろう。カズはなにも言えなかった。
沈黙が続く店内。なにか話題を振ろうとハナが口を開こうとした時、急に外が騒がしくなった。カズ達は様子を見に店を出た…。
3人は幼なじみだった。もう1人ケンという男がいたらしい。ケンは落ち着いた性格でいつもみんなのまとめ役だった。いつも4人で行動していた。当時は、毎日が楽しくていつまでもこんな日々が続くのだとばかりユキは思ってた。しかし、ある日を境に関係は壊れていった。
それは、新メンバー加入だった。そいつはロイスと名乗った。ユキ、ハナ、ルイは歓迎したがケンは唯一反対していた。そいつは、少々身勝手な男ですぐ、単独で動こうとするような傲慢な男であった。その時皆気づかずにいたが、ケンはわかってたのかも知れない。
そして、ある日事件が起きた。宿屋で目覚めたルイは、ケンの姿がいない事に気づいた。ロイスもそこにはいない…。
みんなで貯めたお金も全く無くなっていた。嫌な予感がしたルイはユキ達と共に探した。 探し回り、ついに見つけたルイだったがそこにはケンとロイスが言い争っている状況だった。どうやらロイスがお金をもって行方をくらまそうとしたらしい。それに気がついたケンが追いついて…という状況らしい。ルイは飛び出してケンに声を掛けた。ケンが振り返った時、ロイスは隙をついて大剣でケンを切りつけた。ルイの目の前には血しぶきで一瞬ロイスが見えなくなった。
「ケンッッ!!」
ルイはケンの元へ走っていった。ロイスの走って逃げる姿が見えたがそれどころではなかった。涙をこぼしながら声を掛けた。ケンは息が荒くなりながらも
「これを…」
そう伝え、自分の刀をルイに渡した。笑顔を見せ、そのまま静かに息を引き取った。涙が止まらなかった。あの時、ロイスを仲間に入れてなければ。ロイスの行動に気づいていれば。声を掛けてなければ。
その日からルイは言葉数が少なくなってきた。あの日ケンから貰った刀を身につけ…。
カズは言葉を失った。自分がルイの立場なら、見知らぬ相手を仲間として受け入れるだろうか?ダンの紹介とはいえ、信用はしない。いや、出来ないだろう。カズはなにも言えなかった。
沈黙が続く店内。なにか話題を振ろうとハナが口を開こうとした時、急に外が騒がしくなった。カズ達は様子を見に店を出た…。
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