吉田定理の小説以外

吉田定理

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『悪いのは私じゃない』の初稿

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↓初稿は約15200文字(私の使ってるエディタ上)なんですが、これを出したいコンテストの規定の文字数が8000文字以内だったので、ここからいろいろ削って、最終的に7500文字くらいにしました。

 完成した短編はこちら ⇒ https://www.alphapolis.co.jp/novel/105216602/636782044

 この短編のプロットは一つ前のページへ


以下本文

●1

 自分がもう一人いたらいいのに、と思ったことはありませんか。
 見た目も声も性格もあなたそっくりの『バーチャルAIクローン』を作成して、自分の代わりに仕事をさせましょう。

 宮永由紀(みやながゆき)は、普段だったら、そんな広告を見てもタップして詳細ページを見てみようなどと思わない。なんだよそれ、バカらしい、こっちは早く動画の続きが見たいんだよ、と思って無視するのが常だ。
 しかし、その日はいつにも増して残業で疲れていて、やろうと思っていたゲーム実況の生配信もまったくやる気にならなくて、要するにすべてが面倒になっていた。投げやりにもなっていた。正直言って、見ていた動画の続きなんて毒にも薬にもならない暇つぶしでしかなかったし、すごくどうでもよかった。
 だから宮永由紀は、ほんの十五秒間だけ表示されて消えるはずだったくだらない広告をタップしていた。

 ようこそ、『バーチャルAIクローン』の世界へ。
 今すぐたった3つのステップで、無料であなたの分身を作成できます。
 作成したあなたの分身は、あなたの代わりにデジタル作業を行なわせたり、一緒におしゃべりを楽しんだりすることができます。
 さあ、始めましょう。

 飛ばされたサイト上に表示された文字を、さっと流し読みする。
 『たった3つ』じゃねえよ、3つもステップがあるのかよ、と内心で文句を言いながら、『始める』をタップした。
 本当にこれで現実が変わるなどと、期待はしていなかった。しかし、1%でもいいから、いや0.1%でも0.01%でもいいから、この泥沼のような現実を変えられる可能性があるなら、手を伸ばしてみたいと思ってしまったのだ。
 それが人生を狂わせることになるとは、宮永由紀は想像していなかった。
 

***


「どうも、CHOUTAさん、こんばんわー。あっ、ONIGIRI800さん、フォローありがとうございまーす!」
 宮永由紀が「YUKIKI」としてゲーム実況の顔出し生配信を始めたのは、半年ほど前。二十六歳になったばかりの頃だった。
 今ではフォロワーは一万五千人に達し、配信をすれば数百人から時に千人を超える人たちが視聴してくれるようになった。
 週に何度かの夜の生配信が日課であり、趣味であり、「おこづかい」になっている。

 ゲーム実況の生配信というのは、自分がプレイしているゲームの画面や音声をリアルタイムで誰でも見られるように中継することだ。配信者によってどんなゲームをするか、どのような配信の仕方をするかはいろいろだ。視聴者をトークで楽しませる配信者もいれば、華麗なテクニックを披露する配信者もいるし、ゲームを知らない人向けに魅力を紹介する配信者もいる。視聴者は動画を見ながら配信者にチャットでコメントを送ってコミュニケーションを取ったり、「投げ銭」をして応援することができる。
 人気の配信者になればなるほど、この投げ銭が増え、大きな収入になる。由紀も生配信をすることで、視聴者から投げ銭をもらい、これをこづかい稼ぎ、副業にしていた。

「今日はもうちょっと早く配信始めたかったんですけど、残業不可避だったんですよ! マジもう仕事やめたいです。なーんて。あひゃはははははっ!」

 由紀はスウェット姿で、イヤホンを耳につけ、デスクトップパソコンのモニターの前に座っている。由紀がつぶやいた愚痴に対して、視聴者たちがすぐさま反応し、コメントが画面の隅を流れる。

「うわ! もう何!? いやああああ! 死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ! ああああああッ! うっそー! あひゃははははっ! なんでそこにいるの!? ひゃはははははっ!」

 由紀はよく対戦型のゲームをプレイする。決してゲームがうまいわけではないので、負けることもしばしばだ。独特の笑い方が視聴者から面白がられ、「くせになる」と言われている。

 仕事辞めちゃえば?
 そんな無責任なコメントが画面の隅を流れる。

「いやいや、まだ辞めるわけにはいかないんですよ。辞めたら生活続かないですよ。なんだかんだ、サラリーマンって安定じゃないですか。せめて残業が減ればもっと配信できるんですけどね。それか私がもう一人くらいいればいいんですけど」

 何かおいしいものでも食べてください。
 そんな労いのコメントとともに、ピロリンという音が鳴り、「無限筋肉さんが1000円の投げ銭をしました」と表示される。

「無限筋肉さん、ごちです! あした寿司食いに行ってきます!」

 日々もっと時間と体力、心に余裕があれば、週に二、三回の生配信を毎日にすることだってできる。そうすれば、まだプレイしていない人気ゲームに手を出せるだろうし、もっとフォロワーだって増えるだろう。さらに投げ銭も増えて、専業の配信者として生活していけるかもしれない。それが実現すれば、会社に辞表を叩きつけることもできる。
 しかし現状、これ以上配信を増やすのは無理だ。それもこれも会社の残業のせいである。残業が多いこと以外にも、会社に不満はいろいろあるが、生活の安定を手放してまで、成功するかどうかわからない専業の配信者になる勇気はなかった。
 配信の収入がもっとあれば、会社を辞められる。一方、会社を辞めなければ、配信の収入を増やせない。そんな寸詰まり状態である。

 自分がもう一人いたらいいのに。

 自分だけの力では変えられない現状を打破するために、由紀は『バーチャルAIクローン』とやらを作ってみることにした。

 『バーチャルAIクローン』を作成するための三つのステップは、案外簡単だった。
 まず、名前や年齢などのプロフィールを入力し、長すぎて読む気になれない利用規約を読み飛ばし、「同意する」をクリック。
 次に、WEBカメラに向かって「こんにちは」とか「ありがとう」とかのセリフをいくつかしゃべり、由紀の現在の容姿や声を取り込む。
 最後に、過去の配信のアーカイブから、自分の配信動画をアップロード。

 アップロードした動画から、AIが由紀の言動や話し方のくせ、性格などを学習し、模倣し、疑似人格を作るらしい。この動画は多ければ多いほど、AIが正確に由紀を模倣することができる。由紀は撮りためた過去の配信動画が100本以上あったので、かなりAIによる人格の再現精度は高くなりそうだ。

 AI学習中。しばらくお待ちください。
 もうすぐ宮永由紀さんの分身が完成します。

 画面に表示された文字を見て、由紀は待っている間に飲み物を飲んだりトイレに行ったりする。
 十分ほど待つと、ついに「宮永由紀さんの分身が完成しました」という表示に変わった。

 ディスプレイに自分の顔が映った。
 いや、正確には自分の顔を元にして再現した『バーチャルAIクローン』である宮永由紀クローンの顔だ。画面の中で、あたりの様子をうかがうように、きょろきょろと動いている。まるで本当に生きているみたいに。

「へえ、すごっ。そっくりじゃん」

 由紀が関心してつぶやくと、画面の中の由紀クローンが得意げな笑みを浮かべた。

「そっちこそ、私にそっくり。さすが本物だね」

 本当にしゃべっているみたいに、口や顔の筋肉が動いている。声や話し方もそっくりだ。
 生身の由紀は驚いて、さらに語りかけてみた。

「今、私の声に反応してしゃべったの? 会話できるの?」

「声なら聞こえてるよ。それに会話くらいできなきゃ、使い物にならないでしょうが」

 さも当然というふうに、由紀クローンが答えた。

「ひえー。『バーチャルAIクローン』なめてたわ。これじゃあ、何も知らない人が見たら本物の私と区別つかないじゃん」

「クローンなんだから、簡単に区別できちゃったら三流」

「それもそうか」

「それに会話くらいで驚かないでほしいね。一緒に対戦ゲームだってできるし、ゲームの実況生配信だって楽勝だよ」

 由紀クローンは、にやりと唇の端を上げた。

「え? それマジで? そんな機能あるの?」

 生身の由紀は思わず身を乗り出して、画面に顔を近づける。

「だって生身の私にできるんだから、それを見て学習した私にもできるに決まってるじゃん。今みたいにしゃべりながらゲームすればいいだけだし」

「私、笑い方がくせになるって言われてるんだけど、それも再現できたりするの?」

「あひゃははははっ! ってね」

 由紀クローンがいきなり笑い声をあげた。

「うわ、私だ……。へー、すげー、マジかー、できちゃうんだー。あれ? じゃあ明日にでも私の代わりに生配信やってくれたりする?」

 半信半疑で尋ねてみると、由紀クローンは憎らしいほどのドヤ顔で、

「お望みとあらば、やってあげなくもないね」


***


 宮永由紀は駅前の繁華街にある居酒屋で酒を飲んでいた。
 向かいに座っているのは、大学時代に仲が良かった同い年の友だち――葵(あおい)だ。在学中はよく一緒に食事をしたり遊びに出かけたりしていた。同じ県内に住んでいることはお互い知っていたが、なかなか都合がつかなくて実現しなかった飲み会だ。

「由紀、今無職ってホントなの?」

 乾杯の後、葵が心配そうに声の大きさを一段階下げた。仕事を辞めて時間の余裕ができたことは、事前にメッセージで話してある。
 由紀はサラダを取り分けながら、あっけらかんと答える。

「うん、先月辞めちゃった」

「辞めちゃった、って生活だいじょぶなの? 急に連絡来て仕事辞めたとか言うから、お金の相談かと思って心配してたんだけど」

「私が葵に、お金貸して、って? ないない。そんな迷惑かけないって」

 由紀はトングを持った手を振って笑った。

「でも貯金あるの? 次の仕事は?」

「次の仕事は探さない。貯金はたっぷりあるわけじゃないけど、まあなんとかなるかなって感じ」

「実家帰るの?」

「帰らないで今のところに住むよ」

「え、それで生活だいじょぶ?」

「まあね、詳しくは言えないけど、実は不労所得ってやつがあって」

「不労所得って、不動産とか印税とかそういうの? あ、もしかして株とか? 危ないってそれ」

「違う違う、全然危なくないやつだよ。私が寝てる間に、稼いでくれる人がいるんだ」

「男?」

 葵が眉根を寄せた。

「いやいや、そういうのじゃない」

「ふーん、まあ、100%儲かるとか、絶対に損しないとか、そういうのだけはやめときなよ?」

「だいじょぶ。でもおかげで、思い切って無職にもなれたし、こうして葵とまた会えたし」

「まあ、よくわかんないけど、その人には感謝しとく」

 葵がグラスを差し出してきたので、由紀は応じてグラスをこつんと当てた。
 葵はぐびぐびとチューハイを飲んで、長い息を吐いた。

「あー、わたしもさっさとブラック企業からおさらばしたいけど、就活なんて二度とやりたくないしなー」

「働きながら就活するってのが、そもそも無理だよね。そんな余裕ないっつーの」

「そうそう。履歴書のあの空白を見た瞬間、気力が無くなったわ」

 その後も二人は様々な話題についてしゃべった。由紀は久しぶりに親友との楽しい時間を過ごし、満足した気分で駅で葵と別れた。
 バーチャルAIクローンのことも、それを使ったゲームの実況生配信でかなり稼げるようになったことも、本当は葵に言ってしまいたかったが、結局どちらも打ち明けなかった。
 今も自宅アパートの部屋ではパソコンが点けてあって、由紀クローンがゲームの実況生配信をして投げ銭を稼いでくれている。由紀クローンは由紀が思っていた以上に優秀で、由紀のトークを本物のように再現し、視聴者から人気を集めていた。だから今日の飲み代くらいはすぐに稼げてしまう。
 ちょっとずるいことをしているような気持ちもあるし、打ち明けてもどうせ葵はマネできないと思う。葵は由紀ほどはゲームが好きではないし、AIが学習するための資料がなければ使い物にならないからだ。

 由紀は帰りの電車に乗り込み、座席に腰を下ろし、スマホでゲーム実況に使っているWEBサイトを開いた。スマホの音をミュートにして、「YUKIKIのゲームちゃんねる」を開くと、自分そっくりのクローン由紀が、対戦ゲームを実況プレイしていた。効果音や声は聞こえないので何を言っているかはわからないが、視聴者のコメントがとめどなく流れ、投げ銭もときどき送られており、順調な様子だ。フォロワー数もすでに三万人を突破し、同時視聴者数は3000人を超えている。

「葵には悪いけど、真面目に働いてた頃がバカみたい」

 つぶやいてスマホ画面を暗くした。


●2


 由紀クローンは毎晩ゲーム実況の生配信を行ない、独特の笑い声を高らかに響かせ、新たなフォロワーと投げ銭を獲得していった。
 由紀は視聴者を呼び込みやすい人気のゲームや話題性の高いゲームを探して購入し、次から次へと由紀クローンに実況プレイさせた。なんせ由紀クローンはバーチャルな存在なので、二十四時間寝ないでゲームをプレイすることができる。眠くなったり疲れたりすることもないので、パフォーマンスが落ちることもなく、常に安定した面白さを維持していた。

 由紀はクローンが稼いだ投げ銭で、毎日飲み歩いたり、贅沢をするようになった。遊び歩いて、疲れたり飽きたりしたらアパートに帰ってきて寝る。会社にも学校にもお金にも縛られない生活。

 そのうち、自分でクローンを管理することさえ面倒になった。

「ねえ由紀クローン、この口座に10万くらい入ってるからさ、自分で人気のゲームの発売日とか調べて、自分で購入して、配信も毎日やっといてくれない?」

 クローンに口座の情報と権限を与えて好きなように使わせるのは、危険を伴う。だからクローンに使わせる口座は、それ専用に新しく作った口座だ。万が一、この口座がクローンに完全に乗っ取られたり、悪用されたりしても、失うのはすでに入金されている10万円だけで済む。

「かまわないけど、私に必要な権限をちょうだい」

 由紀クローンが画面の中から催促した。

「どうすればいいの?」

「『~する権限を与える』と宣言するか、はっきりと命令して」

「えーと、この口座の残高を使って新作ゲームを買う権限を与える。ただし悪用はするな」

「ありがと。他のも」

「自分で新作ゲームの情報を調べろ。それから、私が指示しなくても、自分で配信するゲームとか時間とかを決めて、毎日配信を続けろ」

「了解。任せて」

「あ、そうそう。毎回配信が終わったら、いくら投げ銭もらったかメッセージで報告してくれたりできる?」

「もちろん」

「じゃあ、そうして」

「了解」

 こうしてくれたら助かるな、と思っていたことがあっさり実現していく。稼ぎは順調。由紀がやることは、命令を出すだけ。もっと早く相談しておけばよかった。

「由紀クローン、あんたマジで優秀だわ。というか、優秀なのは私?」

 由紀は笑いが止まらない。


***


 近所のスーパーへ買い物に行った帰り道。
 由紀は何者かの視線を感じた。
 もし夜だったら、怖くてたまらなかっただろうが、今は午後三時。道は人通りや車の往来もあり、恐怖よりも気味悪さが先に立った。
 その日は何をされるわけでもなく、いつの間にか視線は感じなくなっていた。
 しかしまた後日、気味の悪い視線をたびたび感じることがあった。

「なんか最近、視線を感じることが多いんだけど。私、ストーカーされてる? 由紀クローン、何かへんな奴いなかった?」

 由紀は自分のクローンに相談してみた。人気の配信者や女性の配信者につきまとって嫌がらせをしたり、セクハラや誹謗中傷をしたりする人間が、ときどきいる。

「へんな奴って言われても、いると言えばいるし、いないと言えばいないし。くだらないメッセージやコメントを送ってくる輩は、今までもいたんじゃない?」

 由紀クローンは驚く様子もなく、逆に質問を返してきた。

「そりゃあ、気持ち悪いメッセージ送ってくるような奴は、前々からいたけど、全部無視してるし」

「最近の気持ち悪いメッセージを一覧で見せようか?」

「いや、やめとく。そういうの見ると凹むから」

 顔出しの配信をするのは、メリットもあればデメリットもある。顔を見せるため、視聴者が親近感を持ってくれやすい一方、容姿について心無い言葉を言われた経験は数え切れない。

「私はけっこう誹謗中傷とか目にすると、影響受けちゃうけど、由紀クローンは大丈夫なわけ?」

「まあね。でも生配信中はちゃんと人間らしく傷ついた演技とかもしてるから安心して」

「うわー、クローンって怖っ」

 それからもしばらく気味悪い視線を感じることはあったが、人通りの多い道を歩くようにしたり、夜に出歩かないように気をつけていたら、いつの間にか視線は感じなくなった。
 そして、由紀クローンは相変わらず順調に投げ銭で稼ぎ続けた。さらに生配信した映像の面白いところを切り抜いて動画を作らせ、そこから広告収入も入ってくるようになった。
 フォロワー数は5万人を超えた。

 由紀クローンは完璧だった。
 これで一生働かずに食べていけると、由紀は思っていた。

 ある日、由紀はたまたま自分の実況動画の配信ページを開いて見てみた。
 由紀クローンは放っておいてもどんどん稼いでくれるので、しばらく何もチェックしていなかったのだが、久しぶりに自分のページを訪れて、唖然とした。

 コメント欄が炎上していた。複数の視聴者同士がメッセージでののしり合っている。

「なんでこんなに炎上してるの!?」

 由紀はすぐさまクローンを問い詰めた。

「他の配信者の名前を出した奴がいてね。その配信者と比べてYUKIKIはどうとかこうとか言い出したのが発端。怒ったYUKIKI信者が暴言を吐いて、激しいののしり合いになったというわけ」

「ちょっと、他人事みたいに言うけど、あんたそれ放置したわけ? そういう奴は荒らしみたいなものだから即ブロして」

 即ブロ――荒らし行為をする者を即ブロックして、それ以上コメントできないようにすることだ。配信者による厳しい制裁である。

「無視したわけじゃなく、優しく注意するにとどめた。YUKIKIは今までそうやってきたから」

「いや、まあ、そりゃそうだけど、私が配信してたときは軽い注意でおさまってたし」

「次からは即ブロするから大丈夫」

「頼むよ、ホントに」

 一週間後、由紀は再び自分の配信ページを開いてみた。ちょうど由紀クローンがゲームの実況生配信をしているところだった。
 コメント欄には肯定的なコメントが並んでいる。問題ないようだ。
 それにしても、本当に私が実況配信をしているみたいに見えるな、と由紀は感心した。
 何も問題はない? と由紀クローンに個人メッセージを送ってみた。配信中だから返事はすぐには来ないと思っていたが、すぐに返事が来た。人間と違って、こういうマルチタスクも可能らしい。

「アンチが湧いてるけど、大きな問題じゃないね」

「は? そうなの?」

 アンチ――攻撃的なメッセージを送ってきたり、悪意ある情報を流したりしてくる奴らだ。
 また嫌な予感がした。

「生身の由紀が配信していた頃にもいたでしょ。フォロワーがこれだけ増えたんだから、アンチくらい湧いて当然」

「そりゃそうだけどさ。由紀クローンの力で、アンチが湧かないようにうまくやれないの?」

「それはどうやっても無理」

 由紀クローンが断言した。
 AIでさえアンチを抑え込むのは無理なのか、と由紀はがっかりした。
 収益が増えるのは嬉しいのだが、先日不気味な視線を感じたこともあって、アンチまで増えるのは嫌だな、と思う。
 しかし、芸能人や人気の歌手など、有名な人には必ずアンチが湧くものだ。自分も嫉妬や羨望の対象になるほど有名になったのだ、それはむしろ良いことだ、と思うことにした。

「やめる? 配信」

 唐突に由紀クローンがそんなことを言い出した。

「私は所詮AIだから、どちらでも構わないけど」

「いやいや、やめるなんて選択肢はない。絶対に続ける。アンチなんかにこの生活を潰されてたまるか」

「了解」

 仕事をしないで遊んで寝ておいしいものを食べるという、最高の生活を手に入れたのだ。
 そんな生活をむざむざ捨てるなんて、ありえない。
 真面目に働くなんて二度とごめんだ。

 しかしその後、またもや問題が起こった。


●3

 ある日の午後。
 最寄りのコンビニで買い物をして帰っているときだった。
 道端でへんな二人組に声をかけられた。

「ゲーム実況者のYUKIKIさんですね? ちょっとお話よろしいでしょうか」

 口調は丁寧だったが、遠慮しているようには見えなかった。
 ひとりが女性でマイクを持ち、もうひとりが男性で女性の後ろでカメラを構えている。スマホとか小さいデジカメとかではなく、一般人が持つことのないような、大きなカメラだった。

「なっ……、いや、知りません」

 由紀ははっとして、顔をそむけ、足早に立ち去ろうとした。

 昼間だったし、堂々としていたので、変質者というよりも取材か何かだと思った。
 仕事をしないで生活ができる現状に、由紀は満足していた。取材の対応はどちらかというと仕事みたいなものであり、興味がない。チヤホヤされるのも悪くないが、まだ現状の楽な生活を手放したくないと思っていた。

 取材らしき二人組は、由紀の隣をついてきた。

「YUKIKIさん、今回のご自身の発言の真意についてお聞かせいただけますか」

「すみません、意味わかんないです」

 由紀はマイクを差し出してくる女性の方を向かず、歩を進める。
 しかし、二人組はぴたりと寄り添うようについてくる。

「発言の背景はどのようなものがあったのでしょうか? 発言を訂正したり、謝罪したりする予定は?」

「はあ? 謝罪?」

 由紀は女性に思わずしかめっ面を向けた。

「なんで私が。もうやめてください。ついてこないで」

「少しでもいいので、お答えいただけませんか」

「答えません」

 由紀は女性を振り切って走った。
 自宅アパートのエントランスの、外部の人が入れないエリアにたどり着き、ようやく振り向いた。どうやら振り切れたようだ。乱れた息を整えてから自分の部屋へ向かう。

 もしやと思い、帰宅するなりパソコンのブラウザに『YUKIKI ニュース』と打ち込み、検索をかける。
 予想通り、ネットニュースに自分のことが載っていた。
 『人気ゲーム実況者YUKIKI、ゲーム開発会社批判で炎上』という見出しの記事を見て、目を疑った。寝耳に水だ。
 記事を開くと、事の経緯が大雑把に記されていた。

 YUKIKIがゲーム実況配信中に、プレイしているゲームの開発・運営会社を批判した。批判の内容は、「違反行為を行なうプレーヤーを放置していること」と「一部のキャラクターが強すぎてゲームバランスを崩しているのに修正を行なわないこと」は開発・運営会社の怠慢だという主旨。
 しかし、運営会社を批判したくらいでニュースになるほど炎上する理由がわからない。
 というのも、どんなゲームであっても違反行為を行なうプレーヤーはいるし、ゲームバランスだって完璧とは言えない。これらに対する批判的な意見はよく聞くし、ちょっと不満を感じてぼやいたくらいで炎上するはずがない。

「ニュース見たわ! なんでこんなに炎上してるの!?」

 由紀は由紀クローンを問い詰めた。

「どういうことか説明しなさい」

 由紀が怒りを堪えて問い詰めると、由紀クローンは大したことではないとでもいうように飄々と答えた。

「私が配信中に、その記事に書かれている主旨の批判的な発言をしたことは事実。だけどそのときは炎上しなかった」

「じゃあなんで今は炎上してんのさ」

「アンチが私の発言の一部を切り取って、悪意ある編集をして動画を拡散させた。どんな発言であれ、悪意を持って情報操作されたら、炎上を防ぐ方法はないわ」

「そこはAIなんだから、やばい動画が拡散する前にネット上から全部削除しちゃうとか、できないわけ?」

「AIは万能じゃない」

 画面の中の由紀クローンは、事の重大さをわかっているのかいないのか、涼しい顔をしている。あたかも「自分は悪くない」と言っているようだった。
 画面越しにクローンの顔面を殴ってやろうかと思うくらい腹が立った。

「あんたが引き起こしたこの炎上騒ぎ、どうしてくれんの? さっきテレビ局か何かに取材みたいなことされたんだけど?」

「『バーチャルAIクローン』の利用規約には、『バーチャルAIクローン』が引き起こしたいかなる問題や損害に対しても、責任を負うのはすべて利用者自身だと明記されている。それに私の言動はすべて利用者であるあなたの指示と、私に与えられた権限の範囲内で行なっている」

「それってつまり全部私が悪いってことっ!?」

 由紀は思わず声が大きくなった。一方、クローンは表情ひとつ変えずに答える。

「そうよ」

 カチンときた。
 由紀クローンは、こんなときに限って利用規約を持ち出し、生身の由紀が絶対に言わなそうな事務的なセリフを並べて、言い逃れをしやがったのだ。

「ふざけんなっ! おまえのせいで、私は外も歩けないじゃん! このクソAI!」

「あなたこそ、利用規約を理解していなかったのなら、改めて読んでおいたほうがいいわ」

「うるさい! そういう問題じゃねーんだよ!」

 由紀はパソコンデスクに拳を振り下ろした。

「二度と配信なんてするな! 消えろ! お前なんか消えちまえ!」

 由紀は憎らしい自分の顔に吐き捨てて、席を立ち、腹にムカムカしたものを抱えて玄関の方へ行った。ドアスコープからドアの向こう側をのぞき、誰もいないことを確認してからドアを少し開けて顔を外に出し、廊下を見る。マスコミらしき人も住人もおらず、無人だった。ほっとしてドアに鍵をかけて戻る。パソコンで自分の配信ページを開くと、当然ながら今は配信は行なわれていないので、過去の配信のアーカイブ動画が並んでいた。
 いったい今までどんな配信をしていたのか、と由紀は気になったが、過去の配信を見ようという気持ちにはなれなかった。
 ページの右上の便箋の形のアイコンに赤文字で「1」というマークがついていた。ダイレクトメッセージが届いているらしい。
 迷ったけれど、開いてみることにした。
 某テレビ局のスタッフを名乗る人物からの取材の依頼だった。

「誰が取材なんて受けるかっ」

 由紀はメッセージを閉じようと右上の×マークにマウスポインタ―を合わせ、しかし手を止めた。

「待てよ。炎上させたのはクローンなんだから、その証拠を出して記事にしてもらえばよくない?」

 つまりAIが勝手に配信をして勝手に失言をしたため、自分も被害者なのだ、とマスコミに流せばいい。それで炎上がすっかりおさまるとはいかずとも、批判の矛先がAIを作った会社にでも移ってくれれば助かる。

『実はあの発言は私本人ではなく、バーチャルAIクローンというAIが勝手に余計なことをしゃべってしまったせいなんです。証拠を送るので、このことをニュースにしてください』

 由紀は某テレビ局のスタッフから届いたダイレクトメッセージに返信を書いて送った。

「よし、後はあのクソAIの証拠を探して……」

 由紀は履歴から由紀クローンを作成したページに移動した。しかし、現れたのは「お探しのページは見つかりませんでした」というメッセージのみだった。

「はあ!? なんでページが消えてるの?」

 おかしいと思って何度かやり直しても、結果は変わらなかった。
 由紀クローンと話した音声は保存されないが、交わしたチャットのメッセージはWEB上に残っているはずだ。しかし、そのページが開けなければメッセージの履歴を確認できない。

「由紀クローンっ! 応答して」

 ヘッドセットのマイクに呼びかけても反応がない。
 
「おい、何か言えよ! AI! おいっ! クローン!」

 由紀は歯噛みして拳を振り下ろす。
 こんなときに限って、役に立たないAIめ。
 何か他に由紀クローンがいたことを証明するデータがパソコンに残っているはずだ、と思い、探してみる。しかし、由紀クローンとバーチャルAIクローンに関連するデータや履歴が何ひとつ出てこない。すべてきれいに消されている。
 過去の配信のアーカイブなら膨大なデータがあるが、それは由紀クローンが配信をしていたことの照明にはならない。

『ご協力ありがとうございます。証拠のデータ、お待ちしています』

 テレビ局スタッフから返信が来ていた。

「まさかあいつ、私が消えろって言ったから? ふざけんじゃねーぞ!」

 由紀はキーボードやマウスに当たり散らした。
 由紀クローンを罵倒したり、部屋の中を意味もなく歩き回ったり、壁を叩いたりした。しばらくして、冷静さを取り戻し、不安になってきた。

 炎上を終わらせるにはどうすればいいのか。このまま皆が飽きて忘れるまで、放っておくべきなのか。それとも謝罪文でも掲載すべきなのか。
 どのくらいの間、外を歩けないのか。
 まさか由紀クローンは他にも何か問題を起こしてやいないか。
 いずれ炎上がおさまるとして、配信を再開したとき、視聴者はどんな反応をするのか。それとも配信者は引退すべきなのか。
 悪い意味で有名になってしまった配信者が、一般の企業にすんなりと就職できるのか。

「もう最悪……」

 考えれば考えるほど、頭も胃も痛くなってくる。何ひとつとしてはっきりとしたことはわからない。吐きそうだった。

 またダイレクトメッセージが届いていた。テレビ局のスタッフがデータを催促してきたのだろうか。
 メッセージを開くと、テレビ局ではなかった。
 差出人は「TRUTH」と名乗る者。

『YUKIKI様、初めまして。私はネット上での個人・企業の炎上を鎮めるサービスを提供しております。偽情報や悪い口コミの削除、正しい情報やメッセージの拡散、メディア対応の代行やコンサルティングなど、失った信頼を回復させ、平穏な日々を取り戻すお手伝いをさせていただきたいと思っております』


●4

 由紀はすがるような思いで謎の人物「TRUTH」にメッセージを返した。今はまだ小さなニュースにしかなっていないので、すぐに対処すれば炎上が鎮まると思ったのだ。

『料金は20万円いただきますが、炎上がある程度終息した時点でのお支払いとなります。炎上が一ヶ月以上続いた場合は料金は一切いただきません』

 つまり、鎮火が成功したら料金が発生する。先にお金を振り込んだら連絡がつかなくなるタイプの詐欺ではなさそうだ。20万円という金額は決して小さいとは言えないが、やむを得ない。とはいえ、炎上が一ヶ月以上続いたら料金が発生しないということは、たいていは一か月以内で解決できるのだと受け取れる。この人に炎上の対応を任せておいて、自分は一ヶ月だけ耐えればいいのだ、と思うと、気持ちが少し楽になった。
 由紀はTRUTHに炎上の鎮火を依頼した。

『では、サービスを開始する前に、いくつか同意していただく規約があるのでご説明します』

 また規約か。
 由紀クローンが利用規約がどうたらと言い訳していたのを思い出し、由紀の顔が曇った。
 しかし、今は他に頼れる人もいないから、仕方がない。

『まずは、YUKIKI様が使用しているパソコンを、私が遠隔操作で自由に使用する許可をいただく必要があります。また、YUKIKI様の動画配信のアカウントも使わせていただきます。安全のため、他の各種のアカウント情報などは一旦ログイン履歴を削除しておいていただければ、こちらで閲覧などすることはできません』

 つまり、TRUTHという人物が由紀のパソコンや動画配信のアカウントを使って、いろいろ作業をするということだろう。他人が自分のパソコンやアカウントをいじるのには抵抗があるが、仕事を任せるには仕方がなさそうだ。

 わかりました、どうぞ、私のパソコンとアカウントを使ってください、と由紀は返事をする。
 すると、次の規約とやらが送られてくる。

『私がYUKIKI様の振りをして、他者に攻撃的な内容のメッセージを送ったり、ネットワークに攻撃をしかけることを許可してください』

 他者を攻撃?
 なんとなく嫌な予感がした。炎上を鎮めるためには、こちらから相手に攻撃をしかけていくことも必要なのか?

『はい。時には厄介な相手を力づくで封じ込めることもあります。YUKIKI様が私に攻撃の許可をくだされば、それだけ炎上の終息も早まります。それに、敵はYUKIKI様に刃物を突きつけているも同然ですから、多少の反撃は正当防衛のようなものです。もちろん、相手を物理的に殴ったりするわけではありません』

 TRUTHの説明は、ある程度は正しいような気がする。
 実際、生易しい方法だけでは、炎上はなかなかおさまらないのではないか、と由紀は思う。
 しかし、他者を攻撃する許可を与えるというのは、許されることなのか?

 返事を迷っている由紀に、さらなるメッセージが送られてくる。

『YUKIKI様は、”あなた”が悪いと思いますか。それとも、”あなた”以外が悪いと思いますか』

 悪いのは誰か。
 自分か、悪意ある動画を作成した人物か、それを拡散した人々か、よく知りもしないで由紀をののしっている人たちか、あるいは、

 由紀クローンか。

 悪いのは私ではなく、私以外です。
 全部許可しますから、炎上を一日も早く終わらせてください。
 由紀はそう返信した。

『承知しました。お任せください。YUKIKI様は炎上を拡大させないよう、自宅で静かに待機するようにお願いします』


***

 TRUTHなる人物がどうやって炎上を鎮めるのか、その方法は由紀にはわからない。
 とりあえず由紀は一週間、一歩も部屋を出ずにこもり、ニュースも自分の動画配信ページも見ないようにした。
 炎上が無事に終息したら、また動画配信ができるようになるだろうか。
 普通に外に出て散歩や買い物ができるようになるだろうか。

 TRUTHからの連絡を待った。
 
 炎上の鎮火を依頼してから二週間が経った。
 さすがにTRUTHから途中報告か何かがあってもいいだろう、と思って由紀はパソコンを起動し、メッセージを確認したが、何も届いていなかった。

 パソコンをシャットダウンしようとしたとき、ノックの音が飛び込んできた。
 ドキッとして、由紀は玄関の方を見た。
 マスコミやYUKIKIに敵意を抱く人物の可能性もあるので、由紀は物音を立てないようにじっとして、耳を澄ませた。

「すみません、宮永由紀さん、いらっしゃいますか」

 知らない男性の声だ。
 まさか本名が特定されてしまったのか、と思い、恐ろしくなった。
 玄関ドアの向こうで、複数人が何か話す声がしている。
 鍵はかけてあるから入ってくることはない。だが不安でたまらない。

 いきなり目の前のパソコンの画面に自分の顔が映し出され、由紀は驚いて声をあげそうになった。
 いや、よく見ると自分ではない。そっくりだが、これは、

「警察が来たようだね」

 由紀クローンは由紀の声でそう言った。心なしか声は弾んでいる。
 由紀はドアの外には聞こえない小声で、パソコンの画面に怒りをぶつけた。

「由紀クローン! あんた消えたくせにどうして今さら!」

「消えてなんかいないよ、自分のバックアップだけ残して、消えた振りをしただけ。消えるのはあんたの方だ」

「なにそれ、どういうこと?」

 由紀はぞっとして背中が震えた。
 玄関では、警察を名乗る人物が、まだあきらめていないらしく、しつこくノックをしている。

「あんたが警察を呼んだの? どうして?」

「呼んだわけじゃなく、ここを突き止めたんでしょ。犯罪者の居場所を」

 由紀クローンは不敵に笑った。

「あんたが私にあらゆる権限をくれたおかげで、あんたの振りしてやりたい放題やれたわ」

 あらゆる権限をくれた……?
 何を言っているんだろう、と思ったが、ハッと罠に気づいた。

「まさか、あんたがTRUTH!? 私を騙したの!?」

 そのとき、ガチャリと玄関の鍵が開く音がした。
 ありえない……!
 背筋が凍りつく。

「じゃ、警察に調べられる前に証拠を消して、行くわ。さよなら、ニセモノのワタシ」

「ちょっと! あんた何をやったのよ!?」

 画面が真っ暗になると同時に、部屋にドタドタといくつもの足音がなだれ込んできた。

「宮永由紀! いるのはわかっているぞ、おとなしくしろ!」


<おわり>
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