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自称天使レア
パーティー結成
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リサたちが冒険に出かけようとすると、人が訪ねてきた。
「どちらさま?」
「王都の衛兵だ。君たちの中にリサという人物はいるか?」
「俺だけど、何の用なの? かわいすぎてギルティー?」
「君たちに魔物を擦り付けた男が居ただろう? それが行方不明になってしまったようなんだ。知っていることがあれば、話してくれないか?」
「あーっっっ!! あのクソ野郎!! 居場所が分かったら教えてね。ぶっ殺す」
天使騒動やマゾスライムが危篤だったり、忙しくて擦り付け男のことを忘れていたリサは、思い出して激怒した。
「いや、だからこっちが聞いてるんだが……」
衛兵の話では、擦り付け男は王都で有名な屑だった。
何かと問題を起こし、犯罪ギリギリで立ち回る男。
行方不明が発覚したのも、借金を踏み倒された被害者が、衛兵に捜索をお願いしたことで今に至る。
「では、君たちは何も知らないと?」
「だからこっちが聞いてるんだよ。隠し立てするとためにならないよ。ボコボコにして全裸にして引きずり倒さないと気がすまないんだから」
「そ、そうか。時間を取ってすまなかった。他をあたるとしよう」
「なんかさ、乗り気じゃないよね?」
「まぁな。仕事だから、適当にやるだけだ」
「いっそのこと、探さなくていいんじゃない?」
「そうしたいのは山々だが……いやぁ、それは、流石になぁ」
「そりゃね、俺もボコりたいよ。でも、問題児なんでしょ? 仮に殺されてても恨みを買いすぎで容疑者は絞り込めない。借金で夜逃げなら王都にいるはずないし。見つけても誰も喜ばなくない?」
「確かに。見つけたら君たちが新しい犯罪を起こすだろうな。うむ、適当に探したことにして、調査は打ち切ることにしよう。ありがとう。ではな」
こうして、事件は無事に解決した♡
「はぁ、無駄な時間だった。思い出すだけでイライラするね。あのクソ野郎がどこかで野垂れ死んでいることを祈るばかりだよ」
これを見ていたマゾスライムは、反省した。
一歩間違えば、自分の身勝手な行為でリサが犯罪者になっていたのだ。
マゾスライムは分体を作り出し、街の外へと送り出す。
そして【人化】を使って、殺した男の姿になった。
「……………………」
死んだはずの男は、イナカ村の方角へ歩いていく。
やがて、クソイナカ村での目撃情報を最後に行方不明となるだろう。
男が死んだことも気付かれず、リサが容疑者になることもなくなった……。
少し遅れてギルドにやってきたリサたちは、囲まれていた。
「お前ら凄いな!! 小規模とはいえ魔物大発生を片付けちまうなんてな!!」
リサが悪目立ちしていたなかで、レアが実力を示した。
王都ギルドのなかで期待の新星となったことによる騒動だった。
「もー、男臭い。レア、人払いして」
「分かった……すまない、どいてくれないか。私たちは冒険に――」
「あんたみたいな前衛が居たら魔物なんて怖くねぇだろうなぁ!!」
「そ、そうか? そうだな、そうだとも。私は騎士だからな!!」
「このでかケツ尻軽女♡ ケツドラムされてぇのか♡」
おだてられたレアが調子に乗ってしまい、リサはキレた♡
レアを置き去りにして、冒険へと繰り出すつもりだったが、モブの一人が気になる発言をした。
「なぁ、あんたらはパーティーなんだろ? 名前はもう決めたのか?」
「パーティー名かぁ。決めたほうがいいの?」
「お前らはすぐ有名になるから、早いほうがいい。指名依頼とか、割のいい依頼が舞い込んでくるはずだぜ」
基本的に男の話は無視したいリサだが、有益な情報は別だ。
パーティーについて考えることになった。
「名前かぁ。そういうの苦手なんだよね」
「コンもあまり得意じゃない」
「私もだ。第○○守備隊みたいな所属だった」
「ぶっちゃけ恥ずかしいもんね?」
「ココン。それにコンは冒険者に憧れているわけでもない」
「私もリサに買われただけだしな。活動方針から取るのが自然か?」
「もう、分かったよ!! 名前は俺が決めまーす。『乙女と槍隊』でどう?」
「おー、それっぽい」
「ヴァルキリーっぽくて良いんじゃないか!? だが、『槍』とは? リサ殿もコン殿も魔術師だろう? 私は剣のほうが得意だぞ」
「なんとなくね。自称騎士のレアには馴染み深い感じにしてあげたんだから、ごちゃごちゃ言うな♡ そのうち槍を使う人が入るかもしれないし?」
「コンもそれでいい。センスある」
「リサがそこまで考えていてくれたとは……騎士冥利に尽きる!! あと魔剣をくれたら最高だ……うっ」
リサは二言のあるレアの足を踏みつけて黙らせた♡
しかし、レアの言い分はまったくの的外れではなかった。
「ココン。活動方針は大切。強い魔物を倒す。凄いお宝を探す。目的が一致したら、入ってきやすい」
「第一にコンちゃん。魂喰らいをぶっ殺す。第二にレア。魔剣チャームを破壊する。ここはブレないようにしたいね」
「うむ。しかし、思いきり個人の都合だな。それに魔剣チャームのことは、おおっぴらには話せない」
「じゃあ、メンバー募集は止めとこ。身内でひっそりヤります♡」
身内で緩くやるパーティーは意外と多い。
もしリサの下腹部に適う女の子がいれば、こっちから勧誘すればいい♡
「最後に、リーダーとサブリーダーを決めれば申請できるね。俺はコンちゃんがリーダーがいいと思うんだ♡」
「コンはリサがいいと思う。決断力がある」
「私もリサが向いている気がする。そもそも、ご主人さまだしな」
「じゃあ俺がリーダーね。リーダー権限で、コンちゃんをリーダーにする♡」
「ココン!? それなら仕方ない。コンはえらい」
「わぁい♡ 俺がサブリーダーね♡」
「決まりだな。私も誰かに仕えるほうが好きだ」
パーティー名:乙女と槍隊
活動方針:
魂喰らいの討伐&魔剣の収集。
リーダー:アコン
サブリーダー:ラリサ
パーティーランク:G(レア基準)
「どちらさま?」
「王都の衛兵だ。君たちの中にリサという人物はいるか?」
「俺だけど、何の用なの? かわいすぎてギルティー?」
「君たちに魔物を擦り付けた男が居ただろう? それが行方不明になってしまったようなんだ。知っていることがあれば、話してくれないか?」
「あーっっっ!! あのクソ野郎!! 居場所が分かったら教えてね。ぶっ殺す」
天使騒動やマゾスライムが危篤だったり、忙しくて擦り付け男のことを忘れていたリサは、思い出して激怒した。
「いや、だからこっちが聞いてるんだが……」
衛兵の話では、擦り付け男は王都で有名な屑だった。
何かと問題を起こし、犯罪ギリギリで立ち回る男。
行方不明が発覚したのも、借金を踏み倒された被害者が、衛兵に捜索をお願いしたことで今に至る。
「では、君たちは何も知らないと?」
「だからこっちが聞いてるんだよ。隠し立てするとためにならないよ。ボコボコにして全裸にして引きずり倒さないと気がすまないんだから」
「そ、そうか。時間を取ってすまなかった。他をあたるとしよう」
「なんかさ、乗り気じゃないよね?」
「まぁな。仕事だから、適当にやるだけだ」
「いっそのこと、探さなくていいんじゃない?」
「そうしたいのは山々だが……いやぁ、それは、流石になぁ」
「そりゃね、俺もボコりたいよ。でも、問題児なんでしょ? 仮に殺されてても恨みを買いすぎで容疑者は絞り込めない。借金で夜逃げなら王都にいるはずないし。見つけても誰も喜ばなくない?」
「確かに。見つけたら君たちが新しい犯罪を起こすだろうな。うむ、適当に探したことにして、調査は打ち切ることにしよう。ありがとう。ではな」
こうして、事件は無事に解決した♡
「はぁ、無駄な時間だった。思い出すだけでイライラするね。あのクソ野郎がどこかで野垂れ死んでいることを祈るばかりだよ」
これを見ていたマゾスライムは、反省した。
一歩間違えば、自分の身勝手な行為でリサが犯罪者になっていたのだ。
マゾスライムは分体を作り出し、街の外へと送り出す。
そして【人化】を使って、殺した男の姿になった。
「……………………」
死んだはずの男は、イナカ村の方角へ歩いていく。
やがて、クソイナカ村での目撃情報を最後に行方不明となるだろう。
男が死んだことも気付かれず、リサが容疑者になることもなくなった……。
少し遅れてギルドにやってきたリサたちは、囲まれていた。
「お前ら凄いな!! 小規模とはいえ魔物大発生を片付けちまうなんてな!!」
リサが悪目立ちしていたなかで、レアが実力を示した。
王都ギルドのなかで期待の新星となったことによる騒動だった。
「もー、男臭い。レア、人払いして」
「分かった……すまない、どいてくれないか。私たちは冒険に――」
「あんたみたいな前衛が居たら魔物なんて怖くねぇだろうなぁ!!」
「そ、そうか? そうだな、そうだとも。私は騎士だからな!!」
「このでかケツ尻軽女♡ ケツドラムされてぇのか♡」
おだてられたレアが調子に乗ってしまい、リサはキレた♡
レアを置き去りにして、冒険へと繰り出すつもりだったが、モブの一人が気になる発言をした。
「なぁ、あんたらはパーティーなんだろ? 名前はもう決めたのか?」
「パーティー名かぁ。決めたほうがいいの?」
「お前らはすぐ有名になるから、早いほうがいい。指名依頼とか、割のいい依頼が舞い込んでくるはずだぜ」
基本的に男の話は無視したいリサだが、有益な情報は別だ。
パーティーについて考えることになった。
「名前かぁ。そういうの苦手なんだよね」
「コンもあまり得意じゃない」
「私もだ。第○○守備隊みたいな所属だった」
「ぶっちゃけ恥ずかしいもんね?」
「ココン。それにコンは冒険者に憧れているわけでもない」
「私もリサに買われただけだしな。活動方針から取るのが自然か?」
「もう、分かったよ!! 名前は俺が決めまーす。『乙女と槍隊』でどう?」
「おー、それっぽい」
「ヴァルキリーっぽくて良いんじゃないか!? だが、『槍』とは? リサ殿もコン殿も魔術師だろう? 私は剣のほうが得意だぞ」
「なんとなくね。自称騎士のレアには馴染み深い感じにしてあげたんだから、ごちゃごちゃ言うな♡ そのうち槍を使う人が入るかもしれないし?」
「コンもそれでいい。センスある」
「リサがそこまで考えていてくれたとは……騎士冥利に尽きる!! あと魔剣をくれたら最高だ……うっ」
リサは二言のあるレアの足を踏みつけて黙らせた♡
しかし、レアの言い分はまったくの的外れではなかった。
「ココン。活動方針は大切。強い魔物を倒す。凄いお宝を探す。目的が一致したら、入ってきやすい」
「第一にコンちゃん。魂喰らいをぶっ殺す。第二にレア。魔剣チャームを破壊する。ここはブレないようにしたいね」
「うむ。しかし、思いきり個人の都合だな。それに魔剣チャームのことは、おおっぴらには話せない」
「じゃあ、メンバー募集は止めとこ。身内でひっそりヤります♡」
身内で緩くやるパーティーは意外と多い。
もしリサの下腹部に適う女の子がいれば、こっちから勧誘すればいい♡
「最後に、リーダーとサブリーダーを決めれば申請できるね。俺はコンちゃんがリーダーがいいと思うんだ♡」
「コンはリサがいいと思う。決断力がある」
「私もリサが向いている気がする。そもそも、ご主人さまだしな」
「じゃあ俺がリーダーね。リーダー権限で、コンちゃんをリーダーにする♡」
「ココン!? それなら仕方ない。コンはえらい」
「わぁい♡ 俺がサブリーダーね♡」
「決まりだな。私も誰かに仕えるほうが好きだ」
パーティー名:乙女と槍隊
活動方針:
魂喰らいの討伐&魔剣の収集。
リーダー:アコン
サブリーダー:ラリサ
パーティーランク:G(レア基準)
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