転生したら美少女になったからオナニー極めつつレズパーティー作る(仮)

さむお

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半龍人シャロン

半龍人シャロン

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 血の気の多い箱入り娘と、リサが真っ向勝負なんてするはずもない。
 自分の性別を活かし、絡みついて説得だ。


「俺たちはね、シャロンの捜索を引き受けたけど、乗り気じゃないんだよね」
「あら、まぁ、そうですの。記念に戦ってくださらない?」
「無理だよ♡ 傷つけるわけにはいかないの♡ 何に怒ってるか知らないけど、サンドバッグが欲しいなら、そこで伸びてる男にトドメをさせばいいと思うよ♡」
「あなた、なかなか話が分かりますわね」


 リサは女の子の味方だ。もちろん下心しかないが。
 リサののらりくらりとした態度に当てられ、バイオレンスお嬢様も落ち着きを取り戻した。
 そして、こうなった事情を話し始めた……。


「わたくしは、蝶よ花よと育てられましたわ。穏やかで幸せな日々が続くと思っていましたの。それが14歳のとき、婚約者の存在を知らされましたの」


 始めは乗り気だった。なにせ可憐な乙女なのだから、物語に出てくるようなイケメンを脳内で作り出すのは自然なことだ。


「けれど、紹介されたのはフーゴ。大商人フーゴ。醜く太ったブタのような男。見た目通りの、色欲の塊のブタ野郎でしたの。わたくし、ブタ小屋に済むつもりはなくってよ」


 少女の幻想は砕け散った。
 三日三晩みっかみばんも寝込んだあと、内なる本能が強まり、悟りを開いた。


 少女はぬいぐるみを捨て、ガントレットを身に着けた。
 ペットと庭を駆け回るのを止め、坂道を走り込んだ。
 花を摘むのを止め、大地を割り、大木を砕く拳を手に入れたのだ。


「なんと極端なやつだ……うぐっ」
「レアはちょっと黙ってろ♡」


 リサは二言のある騎士の足を踏みつけて黙らせた♡


「それでお嬢様は、何を求めているのかな?」
「……自由を。何事にも縛られない自由が欲しいのですわ」
「借金があるのも分かってるんだよね? だから王都から逃げてない」
「えぇ、その通りですわ。わたくしのわがままだってことくらい、自分が一番分かっていますのよ」
「うーん、俺はお嬢の気持ち、分かるなぁ。嫌なものは嫌だよね~」
「……わがままは終わりですわね。最後にあなたのような理解者に会えて良かったですわ」
「えー、諦めちゃうの? 自由になりたいんでしょ? 今から一緒に、ブタ野郎に断りに行こうよ♡」


 思ったより細い腕を引いて、路地裏から飛び出したリサたちは、お嬢様の案内されて、依頼主の屋敷を訪れた。


「……おぉ、シャロン!! 息災そくさいか。気持ちは固まったか!!」


 太ったおっさんは、それはもう嬉しそうに出迎えてくれた。
 先ほどまでは威勢のいいお嬢様が、このおっさんを前にすると言葉を出せない。
 こういうとき、空気を読まないリサが役に立つのだ。


「その話だけど、なかったことにしてくれない? おじょーは、あんたと結婚したくないんだってさ」
「ん? 貴様は……また会ったな」
「俺は知らないけど? あっ、ナンパか。帰れブタ野郎♡」
「ここはわしの家だ。覚えておらんか? オークション会場で会っただろう。そこの女騎士を譲ってやったじゃろうが」
「えー? あんたってフーゴでしょ? 俺が話したのは、ドスケベスキーだったっけ? もっと終わってる名前の人だったような……」
「どちらもわしじゃよ。商売が絡めばフーゴと名乗り、外ではドスケベスキー伯爵を名乗っておる」


 大商人フーゴ。彼はドインカ農耕国のうこうこく生まれの、ドインカ農耕国のうこうこく育ち。
 若くして異常な性欲を内に抱えた彼は、理想的などすけべライフを送るためには金持ちになるしかないと気づき、商売の道を歩んだ。

 辛いとき、苦しいとき……いつもすけべが彼を支えた。
 ドインカ農耕国のうこうこくの流通のすべてに関わるトップ・オブ・ザ・トップ。
 その功績が認められ、伯爵の地位を勝ち取り、世界有数ゆうすうの権力者となった。
 おっさんになった今もその性欲は衰えを知らず、より”高み”へと登っている。

 ぶっちゃけ超絶有能ちょうぜつゆうのうかつ、リサの大恩人だいおんじんなのだ。


「あちゃー。俺の恩人かぁ。高くついちゃったなぁ」
「そういうことだ。シャロンを連れてきてくれたことは感謝する。お前たちに指名依頼を出して正解じゃった。他の連中は、シャロンに返り討ちにされてな」


 これまでリサは、空気を読まないふりをして、ずけずけ言うつもりだった。
 それがレアを譲られた恩人となれば、強くは出られない。
 フーゴの商人の手腕の片鱗へんりんを見た気がしたリサだったが……。


「それはそれ♡ これはこれ♡」


 まったく気にしなかった!!


「面の皮が厚いやつだ。まぁよいわ。しかしだ、シャロンとわしの結婚は、正式な契約が結ばれておる。このわしを相手に、踏み倒せると思うのか?」
「借金を返済するって言ってもだめ?」
「3億アドをか。まぁ、お前なら払えるから面倒だ」
「エリクサー30本で勘弁してくれない? 来月なら一括で払うよ。信じてもらえないかもしれないけど」
「お前がエリクサーを作れるのは知っておる。あれを【鑑定】したのは、わしじゃぞ。買い取らせた男の子は、わしの弟子だ。チケットもわしが譲ったものだ」
「えっ、えぇ……エッチ!!」


 これまでリサとフーゴが微妙に会話が噛み合わない理由は、リサは何も知らず、フーゴはリサのすべてを知っているからだった。
 すけべな称号まで筒抜けと気づいたリサは、初めて女の子らしい態度を取った。


「何を今更いまさら。わしはドスケベスキー伯爵じゃからな」
「慰謝料を払え♡ シャロンを自由にしろ♡ 借金は俺が払うからお願い♡」
「シャロンに支援をしたときは苦しかったが、今となっては金に困っておらん」
「でも結婚は嫌だってさ。ほらー、あんたが怖くておじょーが引っ込んでるじゃん」
「ふぅむ……シャロンよ。どうすればわしと結婚してくれる? 望みを言え。わしにできる範囲で、叶えると約束しよう」


 フーゴという男は、シャロンが赤子のときから気にかけていた。
 当時のフーゴはまだ駆け出しで、今ほどの余裕はなかったのに、大金を惜しげもなくシャロンの家に与えたのだ。
 それを聞いたリサは、わざとらしく首を傾げた。


「ねぇ、あんた超金持ちなんでしょ? シャロンにそこまでこだわらなくて良くない? あのときのブーメランってわけじゃないけどさ」
「何だ、知らんのか。シャロンのスカートをめくってみろ」
「喜んで♡」


 リサが手のひらドリルスピンでフーゴに従ったふりをして、欲望のままにシャロンのスカートをめくる♡
 すると、立派な尻尾しっぽが生えていた!!
 赤色の鱗が規則正しく並び、ひやりと冷たかった。


「えっ、尻尾ある!! 鱗がある!? 何これ!?」
「わたくし、半龍人ドラゴニュートですの。隠していてごめんなさいね」


 おったまげるリサに、シャロンが申し訳なさそうに言った……。
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