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絆編
テレサちゃん開発その2 ※微エロ?
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ひとまず行為が落ち着いたが、服も床もテレサちゃんの清水でびっしょりである。俺たちの後片付けはこれからだ!! しかし、ここは異世界。なんと魔法が使えるんだ。
生活魔法で水をぶちまけて、開け放った扉から捨てるだけ。とっても簡単なお掃除であった。始めは鉄板の馬車で護送されるなんて、あまり良い気分ではなかったが、こうなってしまえば掃除がしやすい快適空間。住めば都だな。
ちなみに、壁に『助けて』と血で書かれた跡があったが、消しておいた。書いた本人としても、弱気になった部分を見られるのは恥ずかしいだろう。この話は酒の席でウケそうだ。まさに鉄板ジョーク。
掃除の様子を執事に見られたときはヒヤリとしたが、妙に関心された。何か誤解をしているようだが、都合がいいので何も言わなかった。
そうして、また馬車が走り出す。冷たかったはずの光景も、今となってはこれから起こることを想像するだけで体が熱くなるというものだ。
「ねぇ……今日もするの?」
「えっ? ひょっとして嫌なのか?」
嫌がる女の子に無理やりするのも好きだ。テレサちゃんもおじさん心が分かってきたじゃないか。
「嫌じゃないけど……昨日みたいにされると……切ないわ」
何だそっちか。がっかりさせやがって。これはおしおきが必要だ。
「はいはい座って。防具脱いで」
「うぅ~、分かったわよっ」
顕になった……インナー姿。つまり健全。服の上から体の特定部位をくすぐるだけなので、圧倒的に健全。
「スリスリ……あー、楽しい」
「まったく……こんなの何がそんなに楽しっ、んっ!」
「おやおやぁ? 昨日の今日でもう出来上がっちゃったのかな?」
「~~~っ! 違うわよっ」
「まぁどっちでも良いよ。どうせ続けるからな」
ふてくされてまた背を向けたテレサちゃん。向き合ってするより、こっちのほうが乳首を触りやすいので助かる。もちろん、本人にそのつもりはないのだろうが。
「はぁ……はぁ……んぅっ」
触れば触るほど、テレサちゃんの呼吸は早くなり、小さな吐息が大きくなっていく。通常の前戯なら、同じ場所を触る時間はそう長くはない。高まりを感じ、とどまるところを知らない感覚は、良い焦燥感を与えるはずだ。
昨日は早々にギブアップして、本番をねだってきたが、今日はまだ耐えているようだ。大変よろしい。そのほうが開発している実感が湧くというものだ。
「んっ、あぁっ……フーッ、ふーっ」
声を抑えようとするほど、漏れる吐息が増えていく。それは本人が一番分かっているだろう。熱い吐息と甘ったるい声がはっきりと聞こえるようになった頃、テレサちゃんは俺に向き直った。
「……………………っ」
何かを言おうと口を開くが、すぐに閉じた。代わりにじっと見つめてくる。早い吐息が俺の顔をくすぐり、『乳首を触られるのは気持ち良いです』と語りかけてくるようだ。
「はぁ……もういいわ。あたしの負けよ。ほら、見なさいよ……っ」
立ち上がったテレサちゃんは、いきなり自分のパンティを膝まで下ろした。テレサちゃんの秘所を優しく包み込むはずのクロッチ部分は、かなり濡れていた。
指でそれを掬ってみれば、ねっとりと淫らな糸を引く。そしてとても温かい。乳首を触られて感じ続けた結果の、本気汁だった……。
「あんたに触られて、こんなになっちゃったわよ」
「そっかー。じゃあ続けるぞ」
「認めるから……乳首を触られるの……気持ちいいからっ。むず痒いけど、体がどんどん熱くなるの。感じっぱなしだって言ってるのっ! でももう我慢できないわ。思いっきり、抱いて欲しいのよっ!」
はたから見れば地味な行為も、確実に本人をメスにするべく蝕んでいた。わずか2日にして、乳首の快楽に堕ちてしまったテレサちゃん……。
しかし、あくまで自己申告であり、俺はまだまだ認めない。いつものように微笑んで流すつもりが、今日のテレサちゃんは一味違った。
インナーをたくし上げると、唇で咥えて固定する。半脱ぎ状態のまま、一歩踏み出してきた。くびれのある腰に、ふっくらとしたお腹が視界を埋め尽くす。
俺は強烈な誘惑に負けまいと、視線を逸らす。上に逃げればまだ小さいながらも固く充血した乳首に吸い寄せられ、下を向けば秘所を見下ろすことになる。内ももまで垂れ流しになった愛液には吸い付きたくなるし、それがたっぷりと染み込んでいるクロッチには、しゃぶりつきたくなる。
「あたしの気持ち、分かったでしょ……っ」
それは俺を好きだと言うことか、あるいは焦らされる切なさか。恐らくは両方だろう。確かにこれは辛いが、やりようはある。目を閉じればそれで済む話しで――。
「ダメよ。逃げないでよ。あたしは、逃げてないわ。恥ずかしくても、ちゃんと自分の気持ちを態度に出してるもん……ほら、もっと……見てよ……っ」
まさかの壁ドン。目の前にはテレサちゃんの胸しかない。他のものは何も見えない。やや尖った乳首が、目と鼻の先にある。年相応の美乳に顔を埋め、乳首に吸い付きたい。強烈な葛藤が生まれ、心が震えた。
それでも、ここで飲まれてはいけない。こんな鉄臭く、冷たい場所で本番をするなどもったいない。男と女が心と身体を交えるのなら、温かく、柔らかな空間でしたほうが良いに決まっている。
これは屁理屈でも安いこだわりでもない。我慢という媚薬をキメ込み、足腰が立たなくなるまで相手を貪りたいのだ。だからこの場は相応しくない。
ぎゅっと目を閉じると、性的な興奮は少し薄れた。だが、鉄の匂いに混ざって、テレサちゃんの匂いを嗅ぎ取ってしまった。汗に混ざる甘ったるい女の子の香り……そして、ほんの少し、かつてプレゼントした香水の匂いがした……。
「……もういいわよ。あたしは、あんたのように人ができてないのよ。我慢できなくなったの。ひとりで勝手にするから、見るなり無視するなり勝手にしなさいよ」
壁ドンを止め、自らの秘所に手を伸ばそうとする。俺はその手首を掴み、力いっぱい引き寄せる。
「いけないなぁ、勝手にオナニーしては」
「はぁ? オナニーまであんたの許可が必要なわけ? どうしたら許可してくれ……ぶちゅぅっ」
饒舌な口は濃厚なキスで塞ぐ。まだ自由だった反対の手首も掴んで引き寄せると、テレサちゃんは何の抵抗もせず、ストンと膝の上に座った。
「ちゅぅ……ぴちゃ……ちゅるぅ……っ」
直前までご立腹だったのに、すぐに舌を絡めて吸い付いてくる。抱きついてくるどころか、壁に押し付けられそうな勢いだ。
「どうせしないんでしょ……?」
体を揺すってやると、いとも簡単に果ててしまう。焦らされ続けて落ち着きがなくなったテレサちゃんをなだめてあげただけだというのに。まぁ、嘘だけど。
その翌日も、同じことをした。乳首をくすぐり、あそこは触らず、本番をしない。健全かつ清らかな行為を続けているうちに、あっという間に馬車の旅は終わった……。
「旅も終わりか。よーし、俺たちの冒険はこれからだ!」
鉄臭い馬車から降りると、溶けかかった雪を踏んで滑ってしまい、頭を強く打って死んだ……と、思ったが、生きていた。
「だ、大自然の洗礼を受けたぞ……」
頭を擦っていると、執事に『こいつ本当に大丈夫か?』そんな目で見られた。もちろん、俺に任せて良いのだろうか……ネガティブな方である。他に人が居ないんだから諦めろ。
「お連れのアイン……テレサ様は大丈夫ですかな? 息が荒いようですが?」
「ただの馬車酔いだ。誰かさんがチキって、護送車なんて乗り心地の悪いものに詰め込んでくれたおかげでね」
とりあえず人のせいにしといた。詮索されても面倒だからね。仕方ないね。それに、負い目を感じてくれたほうが自分の意見は通りやすくなるものだ。
「ここがスノーウッドの森か? ただの冬枯れの森にしか見えないが」
「スノーウッドの森は、この先でございます。入用でしたら、今この場で申し付けてくだされば、明日にもまたここに届けましょう」
「必要なものは持ってきた。スノーウッドの森に入るのは、しばらく待ってくれ。近くで観察をする。その間、誰も近づけさせるな。邪魔になる。遅くとも7日後には入るから、安心してくれ」
「そういうことでしたら、かしこまりました。我々は後方よりお二人の活躍を祈るばかりでございます……では!」
馬車に乗り込む執事は、それはもう嬉しそうだった。物騒な人と場所からおさらばできると、背中が語っていた。もう少し若かったらスキップしてたことだろう。
「さーて、俺たちも行くぞ。油断するなよ」
「ちょっと! 何勝手に前を歩いてるのよ! レンジャーに任せなさいよ」
「おや、すっかり元気になっちゃって。しおらしいテレサちゃん可愛かったなぁ~」
「う、うるさいわね。危険な場所に行くんだもん。切り替えくらいできるわよ。あたしが先を歩くから、あんたは付いてきなさい」
先を歩き始めたテレサちゃんだったが、実は二番手である。シャドーデーモンに先行させているが、気づかれていないらしい。そうなると、やはりレンジャーの索敵能力も万能ではない。
道中はそれらしい魔物の姿はなかった。そもそも生物を見なかった。両肩に乗せた鳥たちも縮こまっている。あのお貴族様の誇張であれば良かったのだが、ネロの言う通り、この先には得体のしれない化け物が居るのだろう……。
白い森が見えたとき、俺たちは足を止めた。正確には、見惚れてしまったと言うべきか。地面に散らばる溶けかけた雪と違い、純白の雪を積もらせた森はとても幻想的だった。
しかし、あれは死の森。美しさに惹かれて入り込めば、命はない。生きて帰るためには、先人たちが見落としたであろう何かを見つけなければ……。
「まずはテントを張る。手伝ってくれ」
両手と背中に抱えた大荷物は飾りじゃない。本気で必要だと思う物だけを持ってきたのだ。そのひとつがテントである。
「はい、これ骨組みな。地面にぶっ刺してくれ」
「別にいいけど、多くない? あたしの知ってるテントと違うわ」
テレサちゃんがぼやくのも無理はない。通常、テントの骨組みは、シートを張って雨風を凌ぐためにあり、簡素なものなら数本で済む。
「魔物の攻撃を防ぐから、数が多いんだとさ。まぁ、今回は役に立たないだろうな」
今回のテントは、冒険者が遠征で使うガチなテントである。骨組みは上質な鋼で作られており、先端は鋭利だ。いざというときに武器としても使える設計らしい。場所が違えば有効だろう。
「ふーん、できたわよ。さっさとシート被せてよね」
「へい監督。そっち持って」
「もうあたしがやるわ。あんたは休んでなさい」
せっかくの家族とのキャンプみたいなものなのに、パパ良いところ見せられなかったよ。子の成長は早いものだなぁ。
出来上がったキャンプは、存在感がある。沢山の骨組みにより、強風くらいではびくともしないだろう。張ったシートは、緑の鱗模様が威圧感あるね。入り口の部分には、赤く大きな鱗がある。これが龍の逆鱗だ。
魔物にも最低限の知能がある。生き残るためには、喧嘩を売ってはいけない相手を知っている。つまりこのテントの中には、赤龍を討伐する実力者の存在を知らしめているのである。その実力者とは、もちろん俺のことだな☆ミ。
「せっかくテントが出来上がったんだ。入った入った!」
「えぇ……あたし、周囲の探索をしようと思ってるんだけど?」
「うるせぇ。入るぞ」
「きゃっ、ちょっとっ、驚かせないでよっ」
後ろから抱きついて持ち上げると、肩に担いでテントに入る。入り口の閉じたら、テレサちゃんの生足を撫で回してから下ろしてやった。
「ふふふ、どうだ。テントと侮るなかれ。快適広々空間……だろ?」
「あー、はいはい。凄いわ。それじゃ、あたしは探索に――」
「そっけないなぁ。何のためにテント張ったと思ってるんだ」
「腰を据えて周囲を調べるための拠点でしょ?」
「違うぞ。テレサちゃんとエッチするために張ったんだ。執事には釘を差したし、堅牢なテントとなれば魔物の邪魔も入らない。さぁ、ヤるぞ!」
「えっ、今から……? 探索しなくていいの……?」
「そんなものは後回しでいい。別にエッチしたくないなら――」
「するに決まってるじゃないっ」
おじさん、またしても壁ドンされてしまう。今の今まで平常心だったテレサちゃんは、息も荒く完全にスイッチが入っている。馬車の中で焦らしたかいがあったなぁ……。
生活魔法で水をぶちまけて、開け放った扉から捨てるだけ。とっても簡単なお掃除であった。始めは鉄板の馬車で護送されるなんて、あまり良い気分ではなかったが、こうなってしまえば掃除がしやすい快適空間。住めば都だな。
ちなみに、壁に『助けて』と血で書かれた跡があったが、消しておいた。書いた本人としても、弱気になった部分を見られるのは恥ずかしいだろう。この話は酒の席でウケそうだ。まさに鉄板ジョーク。
掃除の様子を執事に見られたときはヒヤリとしたが、妙に関心された。何か誤解をしているようだが、都合がいいので何も言わなかった。
そうして、また馬車が走り出す。冷たかったはずの光景も、今となってはこれから起こることを想像するだけで体が熱くなるというものだ。
「ねぇ……今日もするの?」
「えっ? ひょっとして嫌なのか?」
嫌がる女の子に無理やりするのも好きだ。テレサちゃんもおじさん心が分かってきたじゃないか。
「嫌じゃないけど……昨日みたいにされると……切ないわ」
何だそっちか。がっかりさせやがって。これはおしおきが必要だ。
「はいはい座って。防具脱いで」
「うぅ~、分かったわよっ」
顕になった……インナー姿。つまり健全。服の上から体の特定部位をくすぐるだけなので、圧倒的に健全。
「スリスリ……あー、楽しい」
「まったく……こんなの何がそんなに楽しっ、んっ!」
「おやおやぁ? 昨日の今日でもう出来上がっちゃったのかな?」
「~~~っ! 違うわよっ」
「まぁどっちでも良いよ。どうせ続けるからな」
ふてくされてまた背を向けたテレサちゃん。向き合ってするより、こっちのほうが乳首を触りやすいので助かる。もちろん、本人にそのつもりはないのだろうが。
「はぁ……はぁ……んぅっ」
触れば触るほど、テレサちゃんの呼吸は早くなり、小さな吐息が大きくなっていく。通常の前戯なら、同じ場所を触る時間はそう長くはない。高まりを感じ、とどまるところを知らない感覚は、良い焦燥感を与えるはずだ。
昨日は早々にギブアップして、本番をねだってきたが、今日はまだ耐えているようだ。大変よろしい。そのほうが開発している実感が湧くというものだ。
「んっ、あぁっ……フーッ、ふーっ」
声を抑えようとするほど、漏れる吐息が増えていく。それは本人が一番分かっているだろう。熱い吐息と甘ったるい声がはっきりと聞こえるようになった頃、テレサちゃんは俺に向き直った。
「……………………っ」
何かを言おうと口を開くが、すぐに閉じた。代わりにじっと見つめてくる。早い吐息が俺の顔をくすぐり、『乳首を触られるのは気持ち良いです』と語りかけてくるようだ。
「はぁ……もういいわ。あたしの負けよ。ほら、見なさいよ……っ」
立ち上がったテレサちゃんは、いきなり自分のパンティを膝まで下ろした。テレサちゃんの秘所を優しく包み込むはずのクロッチ部分は、かなり濡れていた。
指でそれを掬ってみれば、ねっとりと淫らな糸を引く。そしてとても温かい。乳首を触られて感じ続けた結果の、本気汁だった……。
「あんたに触られて、こんなになっちゃったわよ」
「そっかー。じゃあ続けるぞ」
「認めるから……乳首を触られるの……気持ちいいからっ。むず痒いけど、体がどんどん熱くなるの。感じっぱなしだって言ってるのっ! でももう我慢できないわ。思いっきり、抱いて欲しいのよっ!」
はたから見れば地味な行為も、確実に本人をメスにするべく蝕んでいた。わずか2日にして、乳首の快楽に堕ちてしまったテレサちゃん……。
しかし、あくまで自己申告であり、俺はまだまだ認めない。いつものように微笑んで流すつもりが、今日のテレサちゃんは一味違った。
インナーをたくし上げると、唇で咥えて固定する。半脱ぎ状態のまま、一歩踏み出してきた。くびれのある腰に、ふっくらとしたお腹が視界を埋め尽くす。
俺は強烈な誘惑に負けまいと、視線を逸らす。上に逃げればまだ小さいながらも固く充血した乳首に吸い寄せられ、下を向けば秘所を見下ろすことになる。内ももまで垂れ流しになった愛液には吸い付きたくなるし、それがたっぷりと染み込んでいるクロッチには、しゃぶりつきたくなる。
「あたしの気持ち、分かったでしょ……っ」
それは俺を好きだと言うことか、あるいは焦らされる切なさか。恐らくは両方だろう。確かにこれは辛いが、やりようはある。目を閉じればそれで済む話しで――。
「ダメよ。逃げないでよ。あたしは、逃げてないわ。恥ずかしくても、ちゃんと自分の気持ちを態度に出してるもん……ほら、もっと……見てよ……っ」
まさかの壁ドン。目の前にはテレサちゃんの胸しかない。他のものは何も見えない。やや尖った乳首が、目と鼻の先にある。年相応の美乳に顔を埋め、乳首に吸い付きたい。強烈な葛藤が生まれ、心が震えた。
それでも、ここで飲まれてはいけない。こんな鉄臭く、冷たい場所で本番をするなどもったいない。男と女が心と身体を交えるのなら、温かく、柔らかな空間でしたほうが良いに決まっている。
これは屁理屈でも安いこだわりでもない。我慢という媚薬をキメ込み、足腰が立たなくなるまで相手を貪りたいのだ。だからこの場は相応しくない。
ぎゅっと目を閉じると、性的な興奮は少し薄れた。だが、鉄の匂いに混ざって、テレサちゃんの匂いを嗅ぎ取ってしまった。汗に混ざる甘ったるい女の子の香り……そして、ほんの少し、かつてプレゼントした香水の匂いがした……。
「……もういいわよ。あたしは、あんたのように人ができてないのよ。我慢できなくなったの。ひとりで勝手にするから、見るなり無視するなり勝手にしなさいよ」
壁ドンを止め、自らの秘所に手を伸ばそうとする。俺はその手首を掴み、力いっぱい引き寄せる。
「いけないなぁ、勝手にオナニーしては」
「はぁ? オナニーまであんたの許可が必要なわけ? どうしたら許可してくれ……ぶちゅぅっ」
饒舌な口は濃厚なキスで塞ぐ。まだ自由だった反対の手首も掴んで引き寄せると、テレサちゃんは何の抵抗もせず、ストンと膝の上に座った。
「ちゅぅ……ぴちゃ……ちゅるぅ……っ」
直前までご立腹だったのに、すぐに舌を絡めて吸い付いてくる。抱きついてくるどころか、壁に押し付けられそうな勢いだ。
「どうせしないんでしょ……?」
体を揺すってやると、いとも簡単に果ててしまう。焦らされ続けて落ち着きがなくなったテレサちゃんをなだめてあげただけだというのに。まぁ、嘘だけど。
その翌日も、同じことをした。乳首をくすぐり、あそこは触らず、本番をしない。健全かつ清らかな行為を続けているうちに、あっという間に馬車の旅は終わった……。
「旅も終わりか。よーし、俺たちの冒険はこれからだ!」
鉄臭い馬車から降りると、溶けかかった雪を踏んで滑ってしまい、頭を強く打って死んだ……と、思ったが、生きていた。
「だ、大自然の洗礼を受けたぞ……」
頭を擦っていると、執事に『こいつ本当に大丈夫か?』そんな目で見られた。もちろん、俺に任せて良いのだろうか……ネガティブな方である。他に人が居ないんだから諦めろ。
「お連れのアイン……テレサ様は大丈夫ですかな? 息が荒いようですが?」
「ただの馬車酔いだ。誰かさんがチキって、護送車なんて乗り心地の悪いものに詰め込んでくれたおかげでね」
とりあえず人のせいにしといた。詮索されても面倒だからね。仕方ないね。それに、負い目を感じてくれたほうが自分の意見は通りやすくなるものだ。
「ここがスノーウッドの森か? ただの冬枯れの森にしか見えないが」
「スノーウッドの森は、この先でございます。入用でしたら、今この場で申し付けてくだされば、明日にもまたここに届けましょう」
「必要なものは持ってきた。スノーウッドの森に入るのは、しばらく待ってくれ。近くで観察をする。その間、誰も近づけさせるな。邪魔になる。遅くとも7日後には入るから、安心してくれ」
「そういうことでしたら、かしこまりました。我々は後方よりお二人の活躍を祈るばかりでございます……では!」
馬車に乗り込む執事は、それはもう嬉しそうだった。物騒な人と場所からおさらばできると、背中が語っていた。もう少し若かったらスキップしてたことだろう。
「さーて、俺たちも行くぞ。油断するなよ」
「ちょっと! 何勝手に前を歩いてるのよ! レンジャーに任せなさいよ」
「おや、すっかり元気になっちゃって。しおらしいテレサちゃん可愛かったなぁ~」
「う、うるさいわね。危険な場所に行くんだもん。切り替えくらいできるわよ。あたしが先を歩くから、あんたは付いてきなさい」
先を歩き始めたテレサちゃんだったが、実は二番手である。シャドーデーモンに先行させているが、気づかれていないらしい。そうなると、やはりレンジャーの索敵能力も万能ではない。
道中はそれらしい魔物の姿はなかった。そもそも生物を見なかった。両肩に乗せた鳥たちも縮こまっている。あのお貴族様の誇張であれば良かったのだが、ネロの言う通り、この先には得体のしれない化け物が居るのだろう……。
白い森が見えたとき、俺たちは足を止めた。正確には、見惚れてしまったと言うべきか。地面に散らばる溶けかけた雪と違い、純白の雪を積もらせた森はとても幻想的だった。
しかし、あれは死の森。美しさに惹かれて入り込めば、命はない。生きて帰るためには、先人たちが見落としたであろう何かを見つけなければ……。
「まずはテントを張る。手伝ってくれ」
両手と背中に抱えた大荷物は飾りじゃない。本気で必要だと思う物だけを持ってきたのだ。そのひとつがテントである。
「はい、これ骨組みな。地面にぶっ刺してくれ」
「別にいいけど、多くない? あたしの知ってるテントと違うわ」
テレサちゃんがぼやくのも無理はない。通常、テントの骨組みは、シートを張って雨風を凌ぐためにあり、簡素なものなら数本で済む。
「魔物の攻撃を防ぐから、数が多いんだとさ。まぁ、今回は役に立たないだろうな」
今回のテントは、冒険者が遠征で使うガチなテントである。骨組みは上質な鋼で作られており、先端は鋭利だ。いざというときに武器としても使える設計らしい。場所が違えば有効だろう。
「ふーん、できたわよ。さっさとシート被せてよね」
「へい監督。そっち持って」
「もうあたしがやるわ。あんたは休んでなさい」
せっかくの家族とのキャンプみたいなものなのに、パパ良いところ見せられなかったよ。子の成長は早いものだなぁ。
出来上がったキャンプは、存在感がある。沢山の骨組みにより、強風くらいではびくともしないだろう。張ったシートは、緑の鱗模様が威圧感あるね。入り口の部分には、赤く大きな鱗がある。これが龍の逆鱗だ。
魔物にも最低限の知能がある。生き残るためには、喧嘩を売ってはいけない相手を知っている。つまりこのテントの中には、赤龍を討伐する実力者の存在を知らしめているのである。その実力者とは、もちろん俺のことだな☆ミ。
「せっかくテントが出来上がったんだ。入った入った!」
「えぇ……あたし、周囲の探索をしようと思ってるんだけど?」
「うるせぇ。入るぞ」
「きゃっ、ちょっとっ、驚かせないでよっ」
後ろから抱きついて持ち上げると、肩に担いでテントに入る。入り口の閉じたら、テレサちゃんの生足を撫で回してから下ろしてやった。
「ふふふ、どうだ。テントと侮るなかれ。快適広々空間……だろ?」
「あー、はいはい。凄いわ。それじゃ、あたしは探索に――」
「そっけないなぁ。何のためにテント張ったと思ってるんだ」
「腰を据えて周囲を調べるための拠点でしょ?」
「違うぞ。テレサちゃんとエッチするために張ったんだ。執事には釘を差したし、堅牢なテントとなれば魔物の邪魔も入らない。さぁ、ヤるぞ!」
「えっ、今から……? 探索しなくていいの……?」
「そんなものは後回しでいい。別にエッチしたくないなら――」
「するに決まってるじゃないっ」
おじさん、またしても壁ドンされてしまう。今の今まで平常心だったテレサちゃんは、息も荒く完全にスイッチが入っている。馬車の中で焦らしたかいがあったなぁ……。
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