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自由編

新プラン #48 ※微エロ

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 店長生活3日目……ミーティングで新たな作戦をぶち上げる。


「今日から新プランの解禁だ。これまでの練習の成果を、存分に発揮して欲しい。料金も上がるから、客の評価はより厳しいものになる。手コキすれども手抜きはするな、以上だ!」


 手コキプランを基本プランとし、オプションで口技が加わる仕組みだ。こちらは30分コース限定で、中銅貨4枚とした。元が中銅貨3枚なので、オプション料金は中銅貨1枚である。


「ちょっと安すぎやしやせんか? 5枚取ったほうがキリがいいと思いやすが……」

「嬢たちの口技はまだ未熟だから、客で修行して貰う。そして、地元住民をターゲットとする当店では、これ以上の値上げは難しい。よほどの付加価値がない限り、しばらくこれでいくと思ってくれ」

「がってんで。アニキを信じて励むだけでさぁ!」

「ロックは客が来たら、これを配ってくれ」


――口技解禁! 手コキ30分コースに、プラス中銅貨1枚で選べます。名付けて『ご奉仕コース』。手コキと口技の濃厚コンボにあなたは耐えられるか!?
※15分コースでは、お客様が満足するサービスを提供する時間が足りません。予めご了承ください。


 新プランの説明を書いたミニ看板を店の外に置く。チラシ配りと説明はロック担当だ。とにかく客の疑問にすべて答える。小さなことから信頼を勝ち取り、生活の一部に食い込んでいかないとな。


「……ふむ、客入りは並ってところか」

「デカデカと看板にも書いてやすからねぇ。値上げと感じる客も少なくないようで」

「構わないさ。30分コースは、回転率が落ちる。抱えきれないよりはずっといい。それでも単価が上がったから、微増で終わる予定だ」


 宣伝の効果もあり、客はこぞってご奉仕コースを選ぶ。リピートしてくれるかどうかは、嬢たち次第である。


 シャドーデーモンを介して部屋の中を覗く。お店のみんなには内緒だよ。


 嬢たちも練習の成果を発揮している。おっさんどもは夢見心地だろう。野太い嬌声を聞かざるを得ない俺には悪夢だが……。


 中でもドゥーエちゃんは、上客に当たったらしい。クローズアップ!


「おぉ、お嬢ちゃん上手だね。腰が浮きそうだよ」

「そうでしょ~。毎日、たっくさん練習してるんだよ~」

「へぇー、頑張ってるんだ。偉いね! 実は俺さ、おっぱいが大好きなんだ。胸も使ってくれると最高なんだけど、裏オプションはあるのかい?」

「う~ん、店長には何も言われてないから~、怒られないと思う~」

「おぉ、心が広いね。さっそくだけど、パイズリしてくれないか?」


 パイズリ……それは男のロマン。おっぱいが嫌いな男子なんていません。


 いずれ指導するつもりだったが、できそうなのがドゥーエちゃんとマリーくらいなので、時期を見計らっていたのだが……。


「いいよぉ~。でも、教えて貰ってないから~、上手にできるか分からないよ~?」

「平気さ。俺が教えてあげるよ」


 こいつは俺が求めていた客だろう。遊び慣れていて、快楽を得るために変に恥ずかしがらない。こっそりと嬢に仕込むおじさんの同類だ。


「よいっしょっと~」


 豊満で柔らかな胸が、期待に膨らむモノを包み込む。それだけで絵になる。性感帯開発のとき、これでもかとお触りしたから、その柔らかさと質量はよ~く分かっている。


「あとは両手で――」


 両手で自慢の胸を挟んだら、唾液を垂らして上下に揺する。きめ細やかな肌が濡れ光ると、より一層の魅力を纏う……。


「おぉっ、上手だね! 次は――」


 ドゥーエちゃんは自分の胸を掴んで、より強くモノを挟み込む。質量に飲み込まれながらも、顔を覗かせる亀頭を咥えた。


「ちゅるっ、ちゅぱ……こう~?」

「そうそう、上手だよ……おぉっ、こりゃ凄い……っ」


 ドゥーエちゃんの巨乳は今日に始まったことではない。胸を使ったリクエストは何度も受けてきたのだろう。そこに、おじさん直伝のフェラテクを習得すれば、鬼に金棒である。


 ぐにゅぐにゅっと胸で挟みながら、亀頭をちゅぱちゅぱ吸う。パイズリの弱点である刺激の弱さを、帳消しにしている。


「もうちょっとっ、ちゅぱ……練習したいから~、まだ出しちゃらめらよ~。ちゅるぅっ」

「おふっ、これは……おぉぉっ、出る……うぅっ!」


 射精を禁止されたばかりなのに、呆気なく果ててしまったらしい。上客の目が僅かに見開かれ、ドゥーエちゃんがしゃぶる様子を見ている。『こりゃ、凄い嬢を見つけちゃったぞ』……同類だからこそ、こいつの考えが分かるのだ。


 だが、こいつはまだドゥーエちゃんの本気を知らない。満足して萎えようとしているナニに快楽を刻み込むのだ!


「いっぱい出たね~。次は手でやっちゃうよ~」

「あぁ、いや、このまま胸でお願いしたいんだけど……」

「えぇ~、ドゥーエちゃんね、手コキでビリだったの~。こっちも練習しないとビリビリになっちゃう~。お願いだよ~」

「そ、そうかぁ。ちょっとだけお願いしようか……ほぉぅぉ!?」


 客が汚い声を上げてのけぞった。挨拶としちゃ上出来だろう。


 ドゥーエちゃんは手コキで4位だったが、その原因は彼女の優しい性格のせいである。ちゃんと助言をしたので、もう昨日の彼女ではない。


「ごめんね~。びっくりした~? 店長がね~、男の人は一度射精をすると、感度が落ちるんだって~。だから~、強めにやれって言われてるの~」


 竿をしっかり握り、手裏剣を放つように亀頭の側面を磨き上げる。強烈な刺激を受けたことで脳はバグり、衰えることを忘れるのだ。


 穏やかな口調に、太陽のような笑顔……そこからは想像もできないエグい手コキに、客はのたうち回るしかない。


「ありゃ~。強すぎたかな~。ちょっと優しくするね~」

「そ、そうしてくれると……ほぉっ、おぉっ、ほっほぉっ!?」


 ドゥーエちゃんの優しい手コキは、シンプルにしごくだけ。だが、亀頭に合わせた手の形と、角度が付いている。竿はしっかり掴んでいるため、しごきに皮が引っ張られることがない。見た目よりはるかにエグい手コキである。


 客の反応が良いと、ドゥーエちゃんにも自信が付く。満面の笑みを浮かべながら手コキに勤しむ嬢と、されるがままの遊び人。この先の展開は、見るまでもないな……。


「ふぅぅ、凄く良かったよ! また来るから!」


 スッキリした客は、店を出ると早足でどこかに消えていく。やつとはまた会うことになるだろう。この手の客は玄人で形成されたコミュニティを持っている。リピーターとお友達をゲットだぜ。


 そして、この日、花形となったのは、ドゥーエちゃんだった。


「おめでとうドゥーエちゃん。よく頑張った。苦労して掴んだトップの地位は、羽のように軽い。悲観しなくなったら一人前だ。他の嬢たちは、今日負けたら明日は勝て!」

「やった~。明日も負けないよ~」

「明日こそ、花形に舞い戻ってみせますわ」

「はぁー、うちも頑張ろ。どべは流石にね」


 ミーティングが終われば、疲れた体にムチを打つ特訓が待っている。しかし、もう彼女たちは肩を落とさない。誘惑は数あれど、努力が実を結ぶ喜びに勝るものなどないのだ。


 店の売上も、予想通りの微増だ。これなら、次のステップに進めるな。




 店長生活4日目……今日のミーティングは、一味違うぜ。


「よーし、お前ら。今すぐ出ていけ」

「えぇー!? こいつらも頑張ってるんで! せめて、理由を……いや、アニキに歯向かうわけじゃないんで!」

「勘違いするな。店の経営が軌道に乗ったが、これ以上の成長は見込めない。その理由が、嬢が2階に住み着いてるからだ。客を入れるスペースがないんだよ」

「勘違いするように言ったっしょ……」

「もちろんだ。分かったら、今すぐ出ていけ」

「そんな急に……ってわけでもないか。んでも、どこ泊まればいいん」

「好きな物件を借りればいい。金ならあるだろ。生活費は今日稼げ」

「あーい。あれ? みんな静かすぎん? まだ眠いん?」


 少しだるそうに話すアーネはこれが平常運行だが、他の嬢たちはだんまりである。よほど都合が悪いのだろう。だがしかし、答えるまで待つのがおじさんである。


「か、片付けは時間がかかりそうですわ。おほほのほ」

「特訓が終わったら、もうくたくただもんね~」

「あたし? あたしは掃除なんてしてないわ!!」

「……全部、捨てるか。俺が店長だし、店のものは俺のものだよな」

「お、お待ちになって! 思い出の品がたくさん――」

「思い出は形じゃない。心の中にちゃんと残るさ」

「うっわ、これまじで捨てる気じゃん」

「ヤバいですわヤバいですわヤバいですわ……」


 思ったより脅しが効いた。だがしかし、おじさんも鬼ではない。ちょっとした慈悲も用意している。


「お前らが頑張っているのはよく分かっている。だから今日は定休日とする!」

「アニキ、鬼っすね……」

「久々の休みが掃除と引っ越しで消えるん。まっ、うちは休日を満喫できるけど」

「あ、アーネさん。わたくしたち、お友達ですわよね?」

「いや全然。微塵も。赤の他人っしょ。今日だけまじで、はじめまして」

「アーネちゃん! どうしてそんな酷いこと言うの~」


 美少女たちがわちゃわちゃしてるの面白い。でも期待した目でこっち見んな。


「俺とロックは店の打ち合わせがある。どうしても掃除を手伝って欲しいなら、パンツというパンツを嗅いで舐め回される覚悟をしておけよ。あと何枚か、食う」

「えっ、アニキ……食うんですかい!?」

「そんな趣味はないが、手伝えと言われたら食うつもりだ。お前もこっそり手伝おうものなら、食わせるからな。店長が店長の仕事を放り出して雑用するなんざ怠慢だぞ」

「俺まで!? ひぃぃ……すまねぇ、手伝えねぇ!」


 地味に期待していたロックが使えないと悟った嬢たちは、フリーのアーネにジェットストリームアタックを仕掛ける。


「アーネさん、手伝ってくださるなら、欲しがっていたフロアアロマを差し上げてもよろしくってよ?」

「まぁ、少しくらいなら赤の他人のよしみで手伝ってあげよっかな」

「あ~、ずる~い! 手伝ってくれたらおっぱい揉んでもいいよ!」

「うちドノーマルなんで。もぎ取るぞコラァ。その辺の男をたぶらかせば」

「それで酷い目にあったの~。じゃあケーキごちそうしちゃうよ~。フルーツたっぷりの豪華なやつ!」

「……しゃーない。それで手を打ってあげる。ふたりの手伝いで限界っぽいから、ガラナは自分で頑張って」

「うぅぅ……と、とっておきのアイスあげるわよ! 手伝ってくれたら、終わったあとすぐにね!」

「前払いで」

「が、頑張ったあとに食べるアイスは最高よ? それに、アイスだけ食べて手伝ってくれないかもしれないじゃない……?」

「どっちが。食べかけ寄越すのバレバレ」

「は、半分こしない……?」

「しない。ほら早く。走って」


 その後、ドタバタときしむ天井の音に若干の不安を覚えつつも、俺とロックは舎弟くんを交えて今後の改築の打ち合わせに勤しんだ。
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