クラスごと異世界転移して好きな女の子と一緒に別行動していたら魔王に遭遇したんですけど...

がいとう

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第1章 俺もチートキャラになりたいんですけど…

20話 転移魔法

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「ふっ!」

 早朝。
 俺はまた片手剣を持って素振りしていた。
 魔力操作を覚えるまで怪我は出来ない。
 そのため、急所への一撃で倒す事がより重要になってくる。

「次は転移魔法を交えながらやってみるか。」

 俺の転移魔法は自分がテレポートをする場合を除き、基本的に視界に入っているところにしか効果がない。

 そうでなければ相手の体内に小石とかを転移させて倒すとか出来るチート魔法だったわけだが。

「転移魔法を使って移動すると動きにラグができるな。」

 転移魔法は使おうと思えば簡単に使えるのだが、相手との間合いを計り攻撃があたる瞬間に転移をしようとすると途端に難易度がグッとあがる。

「これが完璧に出来るようになれば凄い強いんだがなぁ。」

 転移魔法で相手の急所薄皮一枚の所に転移して最大火力で攻撃をする。
 目指す所はそれだが、今の俺ではで三メートル先でさえ、正確な地点にほぼ無意識で転移することができないし、転移魔法のベクトルのリセットの影響で硬直が生まれる。

 ベクトルのリセットは練習次第で限りなくゼロにできそうだが、今のままでは自分よりも格段に強い相手だと絶対に転移した直後に殺される。

 俺の攻撃があたるということは相手の攻撃も当然あたる。
 そんな決死の間合いでは硬直なんて赦されない。

「剣はステータスが上がって大分振りやすくなったけど、剣術とは言えないレベル出しなぁ。」
「おはよう風舞くん。朝から精が出るわね。」

 俺が休憩をしながら剣を片手に考え事をしていると、やって来た舞がタオルを手渡してくれた。
 一昨日のローズと同じセリフの気がする。

「ああ、おはよう舞。タオルありがとな。」
「このくらい大したことないわ。今日はローズちゃんが朝ごはんを作るのを手伝ってくれたのよ。準備ができたら食堂に来てね。」
「ああ、すぐ行くよ。」

 俺は汗を流して着替えてから食堂に向かった。
 因みにこの世界の洗濯は基本的に手洗いらしいが、ローズは水魔法で洗濯できるということなので昨日の訓練の合間、ローズに全員分の洗濯をしてもらった。

 舞も水魔法を使えるが、布を傷めないようにしつつ汚れを落とすとなると難しいらしい。
 大きな樽に水と石鹸を入れて下着を除く全員分の服をそこに入れて洗濯をしてもらう。
 もちろん下着は各自手洗いだ。

 ローズはめんどいと言ってパンツもそこに入れようとしていたが、舞ににっこりと微笑まれると渋々とい。った感じで自分で洗っていた。


 _______________________________________________



「お、いい臭いだな。」
「うむ。今日は妾も作ったのじゃ。光栄に思うとよいぞ。」

 食堂に行くとローズがドアの前で仁王立ちをして待っていた。
 ローズに早く早くとせかされて席についた俺は料理を見た。

 俺の分の皿には形のいい目玉焼きが乗っていたが、舞とローズの分は黄身が割れていたり焦げたりしている。
 横においてあるソーセージは全員の分が焦げていた。
 サラダも野菜の大きさがまちまちだ。

「さあ、食べるがよいぞ!」
「ああ、いただきます。」

 ローズにキラキラした目を向けられながいただきますを言った俺は取り敢えず、ソーセージを口に運んだ。

「どうじゃ、どうじゃ?」
「ああ、しっかり焼けていて美味いぞ!」
「おおそうか!何を隠そう、それは妾が作ったのじゃ!」
「そうだったのか。初めてでこれならローズは筋が良いな。」
「ふふん。そうじゃろう、そうじゃろう。」

 ローズが嬉しそうに胸を張る。
 俺は別に嘘は言っていない。
 ソーセージは元から味付けがされてあるから普通に美味しいし、目玉焼きも初めてであれなら上等だ。
 俺が小さいときは目玉焼きを作ろうとすると焦げたスクランブルエッグが出来たしな。

 そして、ソーセージを食べ終えた俺が目玉焼きに手をつけようとしたところで舞から声がかかった。

「その目玉焼きは私が作ったのよ。」

 やっぱり舞だったか。
 形がほぼ完璧な円状で黄身は半熟だが崩れていない。
 凄い上手な目玉焼きだ。
 俺ではこんなにうまく目玉焼きを作れない。

「ふふ。どうかしら?」
「ああ。完璧な目玉焼きだな。塩加減も抜群だ。」
「ふふん。そうでしょう、そうでしょうとも。」

 舞がローズの真似をして胸を張る。
 豊かな胸がたゆんと揺れた。
 その後も舞とローズのわはは、うふふといった笑い声を聞きながら俺は朝食を済ませた。
 騒がしい朝食だったな。


 準備を済ませて冒険者ギルドに向かう道中、俺達は今日の方針について話し合っていた。

「で、今日の方針はどうしようか。」
「そうね。引き続き第一階層でレベリングかしら。」
「いや、今日は第二階層を目指してみるかの。第一階層はホーンラビットしか出て来ん。お主らの相手には不足じゃろうよ。」
「なんだ。そうだったのか。じゃあマッピングをしながら第一階層をちゃっちゃと攻略したいな。」
「そうじゃな。ただ、フウマのマッピングはまだまだじゃから気張れよ。」
「ああ、頑張るよ。」

 前回のダンジョン探索後、俺達のマッピングした地図を冒険者ギルド製の地図と見比べてみると俺の担当した所は微妙に形が違っていた。
 同じ歩幅で歩くというのがここまで難しいとは思いもしなかった。
 一方の舞だが、彼女は日本舞踊を習っていたため同じ歩幅で歩くことになれているらしい。

 舞のマッピングは完璧だった。多才すぎだよ舞さん。



 _______________________________________________



 冒険者ギルドでミレイユさんから入場証を買った俺達はダンジョンの中に入った。
 今回は前回とは違うところからのスタートなのでマッピングは始めからだ。
 今日は俺が最初に戦闘で舞がマッピングだ。

 ローズはここらの魔物では経験値の足しにもならないので前回から戦闘には参加していない。
 ローズのレベルは2000を越えているそうだ。
 どんだけだよ。

 ホーンラビットを倒しながら進み、前回の感覚をつかんできたところで俺は今朝の転移魔法を使った戦闘を試してみることにした。
 ホーンラビットを視界内に捉えて剣を片手で上段に構える。

 そしてホーンラビットの真横に転移してから剣を降りおろした。
 今の俺では転移後に硬直があるためこの方法しかとれない。
 ホーンラビットは俺が現れたのにも気づかずに絶命した。

「な、何をしたの?風舞くん。全然見えなかったわ。」
「もしかして縮地か?いつの間に覚えたのじゃ?」
「ん?あれは転移魔法だぞ?」

 縮地なんてスキルあるのか。
 そんな格好良さげなスキル俺もほしいぞ。

「なんじゃと!?この前から薄々思っておったがお主の転移魔法発動が速すぎやしないか?」
「そうか?…ほら、こんなもんだ。」

 転移魔法は発動しようと思った後には発動しているが、手足を動かすようにほぼノータイムという訳ではない。
 俺は転移魔法でローズの前に転移した。

「きゃっ!?」
「ぬおっ!?は、速すぎじゃ。それに転移後の隙も異常に短いぞ。お主の魔力の循環速度の速さがここにも影響しているようじゃな。」
「そうなのか?でもこれってたぶん慣れたら簡単に対処できると思うぞ?」
「まあ、今のお主の戦闘力なら一度見た今なら妾でも止められるじゃろうが、初見では極度の集中状態じゃないと避けられんじゃろうな。」

 やっぱりか。
 俺の考えた技では未だローズには一度見ただけで防がれてしまうらしい。
 もっと精度を高めなくては。

「私は後ろから攻撃されることに慣れていないから、今の攻撃を確実に避けられる自信はないわ。それにしてもこの数日で必殺技を考えつくなんて凄いわ!風舞くん!」

 舞には避けられなさそうなのか、少し追いつけた気がして達成感を感じる。

「うむ。お主の他の技量やステータスが上がったら妾もほぼ避けられまい。まさに必殺技じゃな。」
「そうか。目標は攻撃をしながら転移魔法を使う事だから、もっと練習しないとな。」
「そんな事を戦闘中に頻繁にされてはまともに相手できるやつはほぼいなくなるじゃろうな。」 
「風舞くんはチート野郎ね!」

 舞ほどではないと思うが、今日言われた台詞の中で一番嬉しい言葉だった。
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