28 / 172
第二章 ― 争奪戦 ―
第25話 異世界生活スタート
しおりを挟む
遥か彼方の次元で一の罪が思う。
…………怒りだ。
怒りが血となって全身を巡っている。
あれからどれほどの時が経っただろう。
最早、自身が何に怒っているのかも曖昧になってきている。
しかし、これだけははっきりしている。
憎い。
世界が憎い。
ニセモノの世界が憎い。
だから、全てを殺す。
――――――
異界暦138年 9月
異世界ウォールガイヤに来てから一週間が経った。ここでの生活にも慣れ始め、ルーチンが出来上がりつつある。
朝、マリンに起こしてもらう。
起きたら歯を磨き顔を洗う。
朝食に目玉焼きとパンをマリンが用意してくれるので食べる。
外に出て、街を散策。その過程で幾つかお気に入りの飲食店を発見したので、そこで昼食をとることが多い。
この七日間、街を散策していくつかわかったことがある。一つは、街が多くのチート能力によって支えられているということ。さっき話した飲食店で使われている食材も、チート能力によって生産速度を上げていたり味の加工を行ったりしている。冷蔵庫、炊飯器、電気ポット、IHなどの電化製品もあり、これらは電気魔法で生み出された電力によって稼動しているそうだ。
それってもうほとんど現代と変わらなくね? って思ったそこのあんた、全くもってそのとおりで、外観やインフラが少し古臭いだけで、技術力は俺がいた2018年の地球に肉薄している。ここまでくると、もうスマホが出てきたって驚かない。
実は、自動車も何台か見かけている。軽トラックだけだが。あれもチート能力の賜物なんだろうか。
他にも、料理や風呂などで使う火も魔法が使われているし。洗濯も水と風魔法を巧みに操って行われていた。俺もその魔法洗濯をやってもらいたかったが、金がかかるので地道に洗濯版で洗うことにした。
外から帰ってきたら、後は晩飯を食い、銭湯に行き、寝るだけだ。
食って、散歩して、寝る。素晴らしい日々だ。学校にも行かなくていいし、スローライフって感じだ。
悠々自適の生活だが、不満なことが一つある。それは睡眠不足であること。睡眠時間は7時間と十分あるのに眠い。原因は一部始終を見てくれればわかる。
「おやすみ、マリン」
「はい、おやすみなさい。ショウマ様」
消灯し、それぞれの布団に身を包む俺とマリン。
それから時間が経つと、マリンの布団がもぞもぞと動き出す。
かと思えば、マリンが自分の布団から出てきて、俺の布団に入り込んできた。
ま、マリンのやつ今日もくるか!
マリンはとても寝相が悪かったのだ。
昨日も一昨日も、俺の布団に入り込み、両手で俺の片腕をホールドして、その豊満な胸を押し付けてきた。
童貞がそんなことされてまともな状態でいられるわけもなく、理性を保つのが精一杯でとても寝られたもんじゃない。
だがなマリン! 甘いぜ!
マリンとは逆方向に、体を横向きにする。
ふふふ、どうだ! これなら俺の背中が壁となって“当ててんのよ”が出来まい!
が、マリンは俺の予想を超える。
「んー、ショウマさまー」と、寝言を言いながら、なんと俺に馬乗りしてきたのだ。
はいいぃ?! なあ、マリン! もうこれワザとだよね! 絶対起きてるよね! 確信犯だよね!
馬乗りの状態からマリンは、上体を前に倒し、覆いかぶさってくる。
近い! 顔が近い! マリンの口と俺の耳がゼロ距離ってくらい近い! マリンの寝息が耳にダイレクトアタックしてるよ! こそばゆいよ! 髪の毛からも甘い香りが漂ってきて、理性がやばいよ!
うぅ……こんなときギャルゲーマニアである友達のA君、お前ならどうする?
「渡辺」「渡辺」と、本来聞こえるはずの無い友達のA君の声が聞こえてきた。
「お前はまだまだ未熟だな。確かに添い寝イベントは相手の好感度がかなり高くなければ起こらないであろうイベントではあるが、なーに使い古された演出だ。こう思っとけ、添い寝はギャルゲーの趣だってな」
趣だって? 言っていることが意味不明だよA君……。
幻聴と人肌の温かさの中、今夜も俺は眠れない。
…………怒りだ。
怒りが血となって全身を巡っている。
あれからどれほどの時が経っただろう。
最早、自身が何に怒っているのかも曖昧になってきている。
しかし、これだけははっきりしている。
憎い。
世界が憎い。
ニセモノの世界が憎い。
だから、全てを殺す。
――――――
異界暦138年 9月
異世界ウォールガイヤに来てから一週間が経った。ここでの生活にも慣れ始め、ルーチンが出来上がりつつある。
朝、マリンに起こしてもらう。
起きたら歯を磨き顔を洗う。
朝食に目玉焼きとパンをマリンが用意してくれるので食べる。
外に出て、街を散策。その過程で幾つかお気に入りの飲食店を発見したので、そこで昼食をとることが多い。
この七日間、街を散策していくつかわかったことがある。一つは、街が多くのチート能力によって支えられているということ。さっき話した飲食店で使われている食材も、チート能力によって生産速度を上げていたり味の加工を行ったりしている。冷蔵庫、炊飯器、電気ポット、IHなどの電化製品もあり、これらは電気魔法で生み出された電力によって稼動しているそうだ。
それってもうほとんど現代と変わらなくね? って思ったそこのあんた、全くもってそのとおりで、外観やインフラが少し古臭いだけで、技術力は俺がいた2018年の地球に肉薄している。ここまでくると、もうスマホが出てきたって驚かない。
実は、自動車も何台か見かけている。軽トラックだけだが。あれもチート能力の賜物なんだろうか。
他にも、料理や風呂などで使う火も魔法が使われているし。洗濯も水と風魔法を巧みに操って行われていた。俺もその魔法洗濯をやってもらいたかったが、金がかかるので地道に洗濯版で洗うことにした。
外から帰ってきたら、後は晩飯を食い、銭湯に行き、寝るだけだ。
食って、散歩して、寝る。素晴らしい日々だ。学校にも行かなくていいし、スローライフって感じだ。
悠々自適の生活だが、不満なことが一つある。それは睡眠不足であること。睡眠時間は7時間と十分あるのに眠い。原因は一部始終を見てくれればわかる。
「おやすみ、マリン」
「はい、おやすみなさい。ショウマ様」
消灯し、それぞれの布団に身を包む俺とマリン。
それから時間が経つと、マリンの布団がもぞもぞと動き出す。
かと思えば、マリンが自分の布団から出てきて、俺の布団に入り込んできた。
ま、マリンのやつ今日もくるか!
マリンはとても寝相が悪かったのだ。
昨日も一昨日も、俺の布団に入り込み、両手で俺の片腕をホールドして、その豊満な胸を押し付けてきた。
童貞がそんなことされてまともな状態でいられるわけもなく、理性を保つのが精一杯でとても寝られたもんじゃない。
だがなマリン! 甘いぜ!
マリンとは逆方向に、体を横向きにする。
ふふふ、どうだ! これなら俺の背中が壁となって“当ててんのよ”が出来まい!
が、マリンは俺の予想を超える。
「んー、ショウマさまー」と、寝言を言いながら、なんと俺に馬乗りしてきたのだ。
はいいぃ?! なあ、マリン! もうこれワザとだよね! 絶対起きてるよね! 確信犯だよね!
馬乗りの状態からマリンは、上体を前に倒し、覆いかぶさってくる。
近い! 顔が近い! マリンの口と俺の耳がゼロ距離ってくらい近い! マリンの寝息が耳にダイレクトアタックしてるよ! こそばゆいよ! 髪の毛からも甘い香りが漂ってきて、理性がやばいよ!
うぅ……こんなときギャルゲーマニアである友達のA君、お前ならどうする?
「渡辺」「渡辺」と、本来聞こえるはずの無い友達のA君の声が聞こえてきた。
「お前はまだまだ未熟だな。確かに添い寝イベントは相手の好感度がかなり高くなければ起こらないであろうイベントではあるが、なーに使い古された演出だ。こう思っとけ、添い寝はギャルゲーの趣だってな」
趣だって? 言っていることが意味不明だよA君……。
幻聴と人肌の温かさの中、今夜も俺は眠れない。
0
あなたにおすすめの小説
転生したら世界一の御曹司だった〜巨乳エルフメイド10人と美少女騎士に溺愛されています〜
まさき
青春
異世界転生した最強の金持ち嫡男、
専属エルフメイドと美少女騎士に囲まれて至福のハーレム生活
現代日本で「地味だが実は超大富豪」という特殊な人生を送っていた青年は、ある日事故で命を落とす。
しかし目を覚ますと、そこは魔法と様々な種族が存在する異世界だった。
彼は大陸一の富を誇る名門貴族――
ヴァン・バレンティン家の嫡男カイルとして転生していたのだ。
カイルに与えられたのは
・世界一とも言える圧倒的な財力
・財力に比例して増大する規格外の魔力
そして何より彼を驚かせたのは――
彼に仕える十人の専属メイド全員が、巨乳美少女だったことである。
献身的なエルフのメイド長リリア。
護衛騎士でありながら隙あらば誘惑してくる女騎士シルヴィア。
さらに個性豊かな巨乳メイドたち。
カイルは持ち前の財力で彼女たちの願いを叶え、最高級の装備や生活を与えていく。
すると彼女たちの忠誠心と愛情はどんどん加速していき――
「カイル様……今日は私が、お世話をさせてください」
領地を狙う貴族を金と魔力で圧倒し、
時にはメイドたちの愛が暴走して甘すぎる時間に巻き込まれながらも、
最強の御曹司カイルは
世界一幸せなハーレムを築いていく。
最後までお読みいただきありがとうございました。よろしければ応援をお願いいたします。
転生後はゆっくりと
衣更月
ファンタジー
貧しい集落で生まれたリリは、生まれた瞬間から前世の記憶があった。
日本人特有の”配慮”に徹した赤ん坊を演じていたことで、両親から距離を置かれた挙句、村人からも「不気味な子」として敬遠されることに…。
そして、5才の誕生日に遠くの町に捨てられた。
でも、リリは悲観しない。
前世の知識チートは出来ないけど、大人メンタルで堅実に。
目指すは憧れのスローライフが出来るほど、ほどほどの守銭奴としてリリは異世界人として順応していく。
全25話(予定)
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
傷物転生令嬢マグダリーナと原初の魔法使いエステラの幻想譚-女神とスライムの光とともに- (旧タイトル:ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
※他サイトでも掲載しています
※ちょいちょい手直ししていってます
2026.12.14 タイトル変更 旧タイトル:ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
御家騒動なんて真っ平ごめんです〜捨てられた双子の片割れは平凡な人生を歩みたい〜
伽羅
ファンタジー
【幼少期】
双子の弟に殺された…と思ったら、何故か赤ん坊に生まれ変わっていた。
ここはもしかして異世界か?
だが、そこでも双子だったため、後継者争いを懸念する親に孤児院の前に捨てられてしまう。
ようやく里親が見つかり、平和に暮らせると思っていたが…。
【学院期】
学院に通い出すとそこには双子の片割れのエドワード王子も通っていた。
周りに双子だとバレないように学院生活を送っていたが、何故かエドワード王子の影武者をする事になり…。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
『5階にトラック突撃!?ポンコツ女神の使役権と地球通販を得た医学生、辺境の村でワスプ薙刀と現代医療を駆使し最強防衛ライフを始める』
月神世一
ファンタジー
マンションの5階でカレーを作っていたら、なぜかトラックが突っ込んできた件。
外科医を目指す医学生・中村優太(24)は、特製の絶品バターチキンカレーを食べる寸前、マンションの「5階」に突撃してきた理不尽なトラックによって命を落としてしまう。
目を覚ますと、そこはコタツでカップ麺を啜るジャージ姿の駄女神・ルチアナの部屋だった。
「飲み会があるから定時で帰りたい」と適当な理由で異世界転移をさせられそうになる優太だったが、怒りのガラポン抽選でユニークスキル【地球ショッピング】と【女神ルチアナこき使い権】を引き当てる!
かくして、ポンコツ女神を強制連行して剣と魔法の世界『アナステシア』に降り立った優太。
しかし、彼にはただのチートスキルだけではない、元SEALs直伝の「CQB(近接戦闘術)」、有段者の「薙刀術」、そして何より「現代医療の知識」があった――!
降り立った辺境のポポロ村で彼を待っていたのは、クセが強すぎる住人たち。
キャルル: マッハの飛び蹴りを放つ、ファミレス大好きなウサ耳村長。
リーザ: タダ飯とポイ活に命を懸ける、図太すぎる地下アイドル人魚。
ルナ: 善意で市場や生態系を破壊する、歩く大災害の天然エルフ。
ルチアナ: 優太のポイントでソシャゲ課金と酒を目論む、労働拒否の駄女神。
優太は【地球ショッピング】で召喚した現代物資と、自身のサバイバル能力&薙刀術で野盗や魔物を無双! さらには特製のスパイスカレーで異世界人の胃袋を完全に掌握していく。
そして、村人に危機が迫った時。
優太の「絶対に命を救う」という善意の心が、奇跡の黄金ガチャを引き起こす……!
「俺は医者だ。この村の命も、平和な日常も、俺の戦術(スキル)で全部守り抜く!」
現代の【医療・戦術・料理】×【理不尽ギャグ】×【異世界サバイバル】!
凶悪な「ワスプ薙刀」を振るい、ヤバすぎる仲間たちと送る、最強医学生のドタバタ辺境防衛ライフが今始まる!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる