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第三章 ― 筆頭勇者と無法者 ―
第77話 フィラディルフィアをお散歩 後編
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中央区の賑わいを堪能したら、次は本命である南区へ直行だ。
その途中で、俺は街の中心付近にそびえ立つ大きな西洋の城を見つける。どうして今まで気づかなかったのかと言いたくなるほど、城の背は高く、どの場所にいても建物の一部が見える。
その城が何なのかミカに質問したところ、城の名前は“アルーラ城”で、あれこそフィラディルフィアで最も重要な場所であり、法律や制度、予算案など、国の方針を決めるための話し合いが行われていると教えてくれた。
さらに付け加えて次のことも語ってくれた。
話し合いに最終決定を下す立場の者がいて、それが女王であると。女王こそ、異世界ウォールガイヤにおける最高権力者とのことで、現在はカトレアという名の女性が五代目女王の位に就いているらしい。
……つまり、カトレアとかいうヤツがアリーナ制度を認めたってことだよな。そんな女王にとても敬意を払おうとは思えないや。
さて、いよいよ中央区と南区を繋ぐトンネルの前までやってきたわけだが、通行する前に軽い手続きが必要となる。
「次の方どうぞ」
俺たちはトンネルの横で立っている騎士に呼ばれたので、その騎士の前まで移動する。
「身分証を提示していただけますか?」
騎士の言葉に従い、俺は三人分の身分証を、ジェニーも二人分、騎士に渡した。
「南区での滞在期間は何日間を予定しておりますか?」
「日帰りの予定なんで、今日のみで」
代表で俺が答える。
「わかりました。それでは『印』させていただきます」
『印』とは、魔法チートの一つで、自分の魔力を纏わせた相手の位置をどこにいても正確に感知できるという能力だ。
騎士が身分証を返すついでに話を続ける。
「続いて荷物の確認を『透視』で行いますので、男性の方はあちらへ、女性の方はあそこに座っている女の人に見てもらってください。荷物に問題が無ければ、入区審査は完了となります」
とまぁ、こんな感じに治安維持のため中央区以外の区に入る場合は審査を受けなきゃいけない。これは街の外から入る場合も同じだ。
*
南区へとやってきた俺たち。
ミカの案内をもとに街中を歩いていく間、ジェニーの目線が次々にいろんな飲食店をなぞっていく。
意外とジェニーって食い気あるよなあ。
しっかし、東区と南区で街の見た目が結構違うもんだな。東区は和風で二階建ての家屋が多かったけど、こっちはレンガ造りの平家がたくさんある。平屋ばかりだから、遠景を遮る障害物があまりなくて見晴らしがいい。
ん? 三、四階建てぐらいの家もあるけど、上の方が鉄骨が剥き出しで屋根も無い……洗濯物干してるし人が住んでないわけじゃないよな。
気になったのでミカに聞いてみると、建築途中の家々はエジプト人特有のものらしく、エジプトの人は一気に家を建てようとはせず、家族が新しく出来る度に増築するんだそうだ。
「面白い文化ですね、ショウマ様」
俺もマリンと同意見だ。
最近、他国の文化に触れる機会が増えて思うようになってきたが、日本以外の文化ってもう異世界だよな。
……あれ? 何だろう、今のマリンの発言何か違和感が……気のせいか?……まぁいいか。
そんな風に、初めて触れる国々の文化に意識がもっていかれている内に、ミカの家に到着した。俺の家と同じ長屋だ。確かに裕福な家庭ではないよう。
ミカが引き戸の前に立つ。緊張しているのか、顔が強張っている。
「すーっ、はーっ! ただいま!」
一度大きく深呼吸をしてから、ミカは引き戸を勢いよく開けた。
俺の家と同じ四畳半のスペース。そこで、一人の女性が編み物をしていた。女性は初め無気力な表情をしていたが、ミカの姿を見て一変した。
「ミカァ!」
女性は持っていた編み物を放り捨て、ミカへと一心不乱に向かい、その腕の中に強く抱きしめた。
「あぁ、ミカ……」
「お、お母さん。苦しいよ」
そう言うミカの声はとても嬉しそうだった。
「もう二度と会えないとばかり思っていたわ……」
「ショウマが――私の新しいご主人様が会わせてくれたんだ」
ミカの母親の視線が俺へ向けられる。
「娘のためにわざわざ来てくださって……何とお礼を申し上げたらいいか。本当にありがとうございます」
母親が深々と頭を下げる。
「いやいや、いいよ! そんなに畏まらないでくれよ。礼を言われるほどのことなんてしてないんだからさ」
「まぁ、謙虚ね。ミカ、素晴らしいご主人様と巡り会えたわね」
母親に頭を撫でられるミカ。彼女は俺の方を真っ直ぐ見て「うん!」と笑顔で答えた。
うむむ、直球で褒められるのはなんか照れくさいな。
「ミカ! ミカなのか!」
横から男が慌しくミカと母親の前に走り込んできた。
「お父さん!」
「おお! ミカだぁ!」
今にも泣きそうな声でミカにしがみつく。
「も、もうお父さん皆の前で恥ずかしいって!」
「ふふふ、お父さんもあなたのことを毎日心配してばかりいたのよ。だから今は大目にみてあげて」
「うーっ、わかったよぉ」
……父親か……やめやめ、感動の再会シーンにつまんねぇ考えはナシだ。
「うぐ……グスッ……」
「何だよ、メシュ泣いてるのか?」
「う、うるさい! こういう話は弱いんだ!」
ホント、ギャップの激しいヤツだな。
さて、親子の再会にこれ以上俺たちが立ち会う意味はないだろう。
「ミカ、両親と積もる話もあるだろ。俺たちはしばらく南区を観光してくる。また六時ぐらいに晩飯食ったら戻ってくるから、それまで家でゆっくりしろよ」
「うん、わかった。そうさせてもらう。ありがとね、ショウマ」
ミカの了承を得たのを確認した俺は、マリンたちに声をかけて歩き出そうとする。
「ショウマさん、でしたっけ?」
ミカの母親が呼び止めてきた。
「宜しければ、私たちの家でお食事を召し上がっていただけませんか? 大したものはお出しできませんが、ミカと共にいるあなた方のお話を聞きたいのです」
この提案を断る理由はどこにもない。俺はそれを了解した。
*
晩飯時になり、ミカ家に戻ると、髪形をサイドテールにしたミカが出迎えてくれた。
既に食事の準備が出来ているらしく、四人で囲う程度の大きさの四角い机の上には、鍋が用意されていた。鍋の蓋が尖がり帽子みたいになっているが……タジン鍋ってやつか。確か食材の水分だけを使って煮込むための鍋とかだったと記憶している。
俺たちは、ミカの家族と一緒にその鍋を食べ始める。
うん、脂っこくなくて食べやすいや。
野菜がたくさん入った鍋を箸でつつきながら、ミカの両親と会話する。ミカと今どのような暮らしをしているのか。どんな出会いだったのか。一つ一つ丁寧に話した。前の主人にされていたことだけは伏せて。
「ミカが元気に過ごしているようで安心しました」
「ああ、渡辺君が良い人で良かったよ。ところでミカ、美容師の勉強はちゃんと続けてるのか?」
「ウッ!」
父親の問いかけに動揺し、ミカが食べ物を喉に詰まらせたようで、胸を何回か叩く。
「もう、お父さんてば、その話は中学のときから言ってるじゃん。美容師はもういいって」
「何? ミカって美容師になりたかったのか?」
「昔の話だよ」
ミカはムスッとした表情で目線を横に流す。あまり触れられたくない話題っぽいな。
「小学生の頃はよくお父さんや私の髪を切ったりしていたんですよ……でも、やっぱりチート能力で仕事先が決まる世界ですからね……『曲芸』を持たないミカには厳しい夢なんですよ」
「厳しいからと言って諦める理由にはならん」
「あなたはまた……すみませんね。せっかくの食事の席で……」
「――俺もミカの親父さんと同意見だ。ミカ、夢を諦めるべきじゃない」
ミカは目を見開く。何を言ってるんだと言いたげな表情。
「俺自身あんまし夢とか持ったことないからアレだけど。これだけは言える。「チート能力がないから」。そのたった一言で諦められる夢ならそれは夢じゃない」
俺の言葉にミカは俯く。
「すみません。仰りたいことはわかりますが、だからと言って娘に夢を追わせるのを強要させるのは勝手じゃありませんか?」
娘を守るかのように母親が口を挟む。先程までの優しい口調はどこへいったのか、鋭さのある声で俺を刺してきた。
だが、俺は怯まずに言ってやる。
「決めるのはもちろん、ミカ次第さ。俺は失敗したっていいと思ってる。夢に挑戦してダメだったら、そん時はそん時! 後から考えればいい。いけないのは、挑戦もしないでただ逃げちまうことだと、そうは思わねぇか?」
無責任な発言だってのはわかってる。けど、それ以上に筋が通らないのが許せないんだ。
「私、ミカちゃんに髪整えてもらいたいな」
「おー、それいいねー。私もミカちゃんに髪切ってもらいたーい」
マリンとジェニーがミカを応援する。
その横で母親はハラハラした様子で、俯いたままの娘を見ていた。
「あー……よっしゃあぁ!」
ミカが両手をグッと握り締めて顔を上げた。
「美容師、目指す!」
ミカの瞳の中で燃え上がる意思。その感情を伝えるかのように親を含め、俺たちに一人一人に視線を向けた。
俺はそれに頷いて応える。
「ミカ……大丈夫なの?」
心配そうに母親が訊ねる。
「ショウマの話聞いて気づいたんだ。美容師になれないのは能力がないから。パートナーになっちゃって自分の時間がないから。っていろんな言い訳してたなって。けど、うん、ショウマの言うとおり挑戦もしないでそんなのダサイよね。大丈夫だよ、お母さん。これは私が自分で決めたことだから。例え上手くいかなくっても、夢を追いかけたこと後悔したりしないよ」
「ミカ……少し見ない間にたくましくなって……」
「それでこそ私の娘だ」
「えへへっ!」
娘を褒める父と母。
その光景をつい自分に差し替えてみてしまう。
バカだな……それこそ夢だっていうのに。
「よーし! そうと決まったら、ショウマの家に道具一式持って行かないとね」
「あっ」
ミカの言葉で、ここに来る前から言おうと思っていたことを思い出す。
「あのさ、ミカ。お前“ここ”にいたかったら残っていいんだぞ? 俺のパートナーだからって、俺のそばにいなきゃいけない理由もないだろ?」
「へっ」
呆気にとられた様子のミカ。マリン、ジェニー、メシュも予想外な発言だったのか驚いている。
「お……おお! それはありがたい! また三人で暮らせるじゃないか! なぁミカ!」
「……ヤダ……私、ショウマと……皆といたい」
「な、ミカ?!」
驚く父親同様、俺も少し意外に思っている。家に帰りたがっていたからてっきり……でも、そうか。俺たちといてくれるっていうんだな。
「そっか。なら、一緒に帰るか」
「もう酷いよショウマ! 置いていこうとするなんて!」
「ははは、悪かったよ」
ポカポカとミカが俺を叩いてくる。
「み、ミカ、父さんを嫌いになってしまったのか」
「あなた、そんなわけないでしょう。ショウマさん」
ミカの母親が座ったままの姿勢で俺の方に体を向けたかと思うと、深々と頭を下げた。腰の低い人だ。
「娘はお転婆なところもありますので迷惑も多々かけると思いますが、改めて娘のことをどうかよろしくお願いします」
「いやいや、さっきも言ったけど、そんなに畏まらなくていいって」
「ほら、あなたも」
「……渡辺君。君とはまだこの場でしか会話したことないが、少なくとも適当な男ではないと思った。だから娘のこともしっかり面倒を見てくれると思う。ただ……最後に渡辺君がミカをどう思っているのか聞かせてほしい」
*
終馬車を考えると、そろそろ東区へ向かわなければいけない時間となり、俺たちはミカ家を出る。
街は既に夜の景観になっていた。ただ、空はまだ遅れて、夕暮れに照らされた雲が青空の中に並んでいる。
ん? 空から何か光るものが落ちてくる。
キラキラと輝く粒に、それから伸びる光の帯。
それはまるで、流れ星のようだった。
その流星が俺たちのそばに落ちる。
手のひらに収まる光の粒が地面にぶつかると、音も無しに小さく花を咲かせるかのように弾けた。
それと同じ光がまた一つ、また一つと数を増やして落ちてくる。屋根に窓に店の看板に。
「わっ!」
一つが俺にぶつかって弾けるが、何の感触もなかった。ただ、目の前で広がった細かな光の粒がしばらく宙を漂っていたが、それもすぐ、空気に溶けるように消えて無くなった。
こりゃ、一体何だ?
「まぁ、マジックレインね。縁起がいいわ」
見送りに出てきていたミカの母親が言った。
「マジックレインって?」
「ああ、まだ転生してきたばかりですものね。マジックレインはウォールガイヤにある天気の一つで、魔力の雨のことを言うんです」
「魔力の雨……この光の粒全部が魔力の塊なのか?」
「はい。マジックレインの後は大地に魔力が満ちて自然やモンスターが活気づくんですよ」
「へぇー、すっげぇー」
ガッ!
え?
星のシャワーに目を奪われていると、ミカが俺の手首を掴んできた。
「ショウマ来て! 特等席につれてってあげる!」
「お、おい?!」
ミカに手を引っ張られて、俺は皆から少し離れた位置に立たされる。
「ミカ? 一体何をす――!」
突然、ミカが後ろから抱きついてきたので、ドキッとしてしまう。
「暴れないでジッとしててよー!」
ミカがそう言い切ったぐらいに、足から地面の感触が無くなった。
……って、ええぇ!!!!
お、俺、宙に浮いてるうぅ?!!!!
「いくよー!」
「ちょ、ちょっとタンマ! いくってど――こにいぃ?!?!!!!」
じ、地面がドンドン離れてく!
いや、それどころか建物も離れて!
ていうか! これってもしかして! もしかしなくても!
「空飛んでるううぅ!!!!」
南区全体が見渡せるほどの高さで、俺の絶叫があがった。
「はははっ! ショウマはリアクションが濃くて楽しいなぁ」
耳元でミカの声が聞こえる?! そういえば、ミカは俺に抱きついたままだが――!
後ろを振り返るとミカの顔がある。これはいい。さらにその後ろに見える白い翼は何?!
「み、ミカ。その翼って、まさかミカから生えてるのか?」
「そりゃね。ん? ひょっとしてショウマ、私が飛べる能力持ってること知らなかった?」
「全然知らなかった……」
「えー! 身分証に書いてあったじゃん!」
「いや、だって他人の身分証を見ていいような世界で育ってこなかったし……」
「ふーん。じゃあ今しっかり覚えといてよ。『能力向上』『氷魔法』『飛行』。以上、私は三つの能力を持ってます。オッケー?」
「お、オッケー」
「あ、ほらほら! 見て見て!」
ミカが俺から視線を外して前を見る。
今度は何だよと、俺も前を見る
「――ッ!」
俺は言葉を失った。
目の前に広がる景色。
黄昏に輝く雲。オレンジの空と紺色の空。青く染まった地上。その遥か先に見える地平線。それら全てが、天から舞い落ちる星々の光で彩られていた。
「ね、すごく綺麗でしょ?」
ミカに聞かれて、ようやく俺は口を開けることができた。
「……ああ、すげぇよ。たまげたとしか言いようがない……」
「マジックレインの日はさ、こうやって空から世界を眺めるのが好きなんだ。ショウマも気に入ってくれたみたいで嬉しいよ!」
俺は、ミカの父親に言った言葉を思い出す。
「ミカをどう思っているかか……一緒に過ごすようになってから一週間経つけど……そうだな、ミカはなんて言うかイタズラっぽくて困らせられることもあるけど、なんだかんだで人のことちゃんと考えられるヤツだって思ってる」
一瞬の回想。
そこから戻った俺は言う。
「……ミカ、改めて、これからよろしくな」
「へへっ! こっちこそよろしくぅ! ……あっ」
「ん? どうした?」
「重くなってきた……ショウマ落っことしそう」
「オイィ!!! こんな高さから落ちたら洒落にならねぇぞ!! 離すなよ! 絶対離すなよ!!」
「なははっ! 冗談だよ! 落とすわけないじゃん!」
「こ、こんのわんぱく少女めぇー!」
その途中で、俺は街の中心付近にそびえ立つ大きな西洋の城を見つける。どうして今まで気づかなかったのかと言いたくなるほど、城の背は高く、どの場所にいても建物の一部が見える。
その城が何なのかミカに質問したところ、城の名前は“アルーラ城”で、あれこそフィラディルフィアで最も重要な場所であり、法律や制度、予算案など、国の方針を決めるための話し合いが行われていると教えてくれた。
さらに付け加えて次のことも語ってくれた。
話し合いに最終決定を下す立場の者がいて、それが女王であると。女王こそ、異世界ウォールガイヤにおける最高権力者とのことで、現在はカトレアという名の女性が五代目女王の位に就いているらしい。
……つまり、カトレアとかいうヤツがアリーナ制度を認めたってことだよな。そんな女王にとても敬意を払おうとは思えないや。
さて、いよいよ中央区と南区を繋ぐトンネルの前までやってきたわけだが、通行する前に軽い手続きが必要となる。
「次の方どうぞ」
俺たちはトンネルの横で立っている騎士に呼ばれたので、その騎士の前まで移動する。
「身分証を提示していただけますか?」
騎士の言葉に従い、俺は三人分の身分証を、ジェニーも二人分、騎士に渡した。
「南区での滞在期間は何日間を予定しておりますか?」
「日帰りの予定なんで、今日のみで」
代表で俺が答える。
「わかりました。それでは『印』させていただきます」
『印』とは、魔法チートの一つで、自分の魔力を纏わせた相手の位置をどこにいても正確に感知できるという能力だ。
騎士が身分証を返すついでに話を続ける。
「続いて荷物の確認を『透視』で行いますので、男性の方はあちらへ、女性の方はあそこに座っている女の人に見てもらってください。荷物に問題が無ければ、入区審査は完了となります」
とまぁ、こんな感じに治安維持のため中央区以外の区に入る場合は審査を受けなきゃいけない。これは街の外から入る場合も同じだ。
*
南区へとやってきた俺たち。
ミカの案内をもとに街中を歩いていく間、ジェニーの目線が次々にいろんな飲食店をなぞっていく。
意外とジェニーって食い気あるよなあ。
しっかし、東区と南区で街の見た目が結構違うもんだな。東区は和風で二階建ての家屋が多かったけど、こっちはレンガ造りの平家がたくさんある。平屋ばかりだから、遠景を遮る障害物があまりなくて見晴らしがいい。
ん? 三、四階建てぐらいの家もあるけど、上の方が鉄骨が剥き出しで屋根も無い……洗濯物干してるし人が住んでないわけじゃないよな。
気になったのでミカに聞いてみると、建築途中の家々はエジプト人特有のものらしく、エジプトの人は一気に家を建てようとはせず、家族が新しく出来る度に増築するんだそうだ。
「面白い文化ですね、ショウマ様」
俺もマリンと同意見だ。
最近、他国の文化に触れる機会が増えて思うようになってきたが、日本以外の文化ってもう異世界だよな。
……あれ? 何だろう、今のマリンの発言何か違和感が……気のせいか?……まぁいいか。
そんな風に、初めて触れる国々の文化に意識がもっていかれている内に、ミカの家に到着した。俺の家と同じ長屋だ。確かに裕福な家庭ではないよう。
ミカが引き戸の前に立つ。緊張しているのか、顔が強張っている。
「すーっ、はーっ! ただいま!」
一度大きく深呼吸をしてから、ミカは引き戸を勢いよく開けた。
俺の家と同じ四畳半のスペース。そこで、一人の女性が編み物をしていた。女性は初め無気力な表情をしていたが、ミカの姿を見て一変した。
「ミカァ!」
女性は持っていた編み物を放り捨て、ミカへと一心不乱に向かい、その腕の中に強く抱きしめた。
「あぁ、ミカ……」
「お、お母さん。苦しいよ」
そう言うミカの声はとても嬉しそうだった。
「もう二度と会えないとばかり思っていたわ……」
「ショウマが――私の新しいご主人様が会わせてくれたんだ」
ミカの母親の視線が俺へ向けられる。
「娘のためにわざわざ来てくださって……何とお礼を申し上げたらいいか。本当にありがとうございます」
母親が深々と頭を下げる。
「いやいや、いいよ! そんなに畏まらないでくれよ。礼を言われるほどのことなんてしてないんだからさ」
「まぁ、謙虚ね。ミカ、素晴らしいご主人様と巡り会えたわね」
母親に頭を撫でられるミカ。彼女は俺の方を真っ直ぐ見て「うん!」と笑顔で答えた。
うむむ、直球で褒められるのはなんか照れくさいな。
「ミカ! ミカなのか!」
横から男が慌しくミカと母親の前に走り込んできた。
「お父さん!」
「おお! ミカだぁ!」
今にも泣きそうな声でミカにしがみつく。
「も、もうお父さん皆の前で恥ずかしいって!」
「ふふふ、お父さんもあなたのことを毎日心配してばかりいたのよ。だから今は大目にみてあげて」
「うーっ、わかったよぉ」
……父親か……やめやめ、感動の再会シーンにつまんねぇ考えはナシだ。
「うぐ……グスッ……」
「何だよ、メシュ泣いてるのか?」
「う、うるさい! こういう話は弱いんだ!」
ホント、ギャップの激しいヤツだな。
さて、親子の再会にこれ以上俺たちが立ち会う意味はないだろう。
「ミカ、両親と積もる話もあるだろ。俺たちはしばらく南区を観光してくる。また六時ぐらいに晩飯食ったら戻ってくるから、それまで家でゆっくりしろよ」
「うん、わかった。そうさせてもらう。ありがとね、ショウマ」
ミカの了承を得たのを確認した俺は、マリンたちに声をかけて歩き出そうとする。
「ショウマさん、でしたっけ?」
ミカの母親が呼び止めてきた。
「宜しければ、私たちの家でお食事を召し上がっていただけませんか? 大したものはお出しできませんが、ミカと共にいるあなた方のお話を聞きたいのです」
この提案を断る理由はどこにもない。俺はそれを了解した。
*
晩飯時になり、ミカ家に戻ると、髪形をサイドテールにしたミカが出迎えてくれた。
既に食事の準備が出来ているらしく、四人で囲う程度の大きさの四角い机の上には、鍋が用意されていた。鍋の蓋が尖がり帽子みたいになっているが……タジン鍋ってやつか。確か食材の水分だけを使って煮込むための鍋とかだったと記憶している。
俺たちは、ミカの家族と一緒にその鍋を食べ始める。
うん、脂っこくなくて食べやすいや。
野菜がたくさん入った鍋を箸でつつきながら、ミカの両親と会話する。ミカと今どのような暮らしをしているのか。どんな出会いだったのか。一つ一つ丁寧に話した。前の主人にされていたことだけは伏せて。
「ミカが元気に過ごしているようで安心しました」
「ああ、渡辺君が良い人で良かったよ。ところでミカ、美容師の勉強はちゃんと続けてるのか?」
「ウッ!」
父親の問いかけに動揺し、ミカが食べ物を喉に詰まらせたようで、胸を何回か叩く。
「もう、お父さんてば、その話は中学のときから言ってるじゃん。美容師はもういいって」
「何? ミカって美容師になりたかったのか?」
「昔の話だよ」
ミカはムスッとした表情で目線を横に流す。あまり触れられたくない話題っぽいな。
「小学生の頃はよくお父さんや私の髪を切ったりしていたんですよ……でも、やっぱりチート能力で仕事先が決まる世界ですからね……『曲芸』を持たないミカには厳しい夢なんですよ」
「厳しいからと言って諦める理由にはならん」
「あなたはまた……すみませんね。せっかくの食事の席で……」
「――俺もミカの親父さんと同意見だ。ミカ、夢を諦めるべきじゃない」
ミカは目を見開く。何を言ってるんだと言いたげな表情。
「俺自身あんまし夢とか持ったことないからアレだけど。これだけは言える。「チート能力がないから」。そのたった一言で諦められる夢ならそれは夢じゃない」
俺の言葉にミカは俯く。
「すみません。仰りたいことはわかりますが、だからと言って娘に夢を追わせるのを強要させるのは勝手じゃありませんか?」
娘を守るかのように母親が口を挟む。先程までの優しい口調はどこへいったのか、鋭さのある声で俺を刺してきた。
だが、俺は怯まずに言ってやる。
「決めるのはもちろん、ミカ次第さ。俺は失敗したっていいと思ってる。夢に挑戦してダメだったら、そん時はそん時! 後から考えればいい。いけないのは、挑戦もしないでただ逃げちまうことだと、そうは思わねぇか?」
無責任な発言だってのはわかってる。けど、それ以上に筋が通らないのが許せないんだ。
「私、ミカちゃんに髪整えてもらいたいな」
「おー、それいいねー。私もミカちゃんに髪切ってもらいたーい」
マリンとジェニーがミカを応援する。
その横で母親はハラハラした様子で、俯いたままの娘を見ていた。
「あー……よっしゃあぁ!」
ミカが両手をグッと握り締めて顔を上げた。
「美容師、目指す!」
ミカの瞳の中で燃え上がる意思。その感情を伝えるかのように親を含め、俺たちに一人一人に視線を向けた。
俺はそれに頷いて応える。
「ミカ……大丈夫なの?」
心配そうに母親が訊ねる。
「ショウマの話聞いて気づいたんだ。美容師になれないのは能力がないから。パートナーになっちゃって自分の時間がないから。っていろんな言い訳してたなって。けど、うん、ショウマの言うとおり挑戦もしないでそんなのダサイよね。大丈夫だよ、お母さん。これは私が自分で決めたことだから。例え上手くいかなくっても、夢を追いかけたこと後悔したりしないよ」
「ミカ……少し見ない間にたくましくなって……」
「それでこそ私の娘だ」
「えへへっ!」
娘を褒める父と母。
その光景をつい自分に差し替えてみてしまう。
バカだな……それこそ夢だっていうのに。
「よーし! そうと決まったら、ショウマの家に道具一式持って行かないとね」
「あっ」
ミカの言葉で、ここに来る前から言おうと思っていたことを思い出す。
「あのさ、ミカ。お前“ここ”にいたかったら残っていいんだぞ? 俺のパートナーだからって、俺のそばにいなきゃいけない理由もないだろ?」
「へっ」
呆気にとられた様子のミカ。マリン、ジェニー、メシュも予想外な発言だったのか驚いている。
「お……おお! それはありがたい! また三人で暮らせるじゃないか! なぁミカ!」
「……ヤダ……私、ショウマと……皆といたい」
「な、ミカ?!」
驚く父親同様、俺も少し意外に思っている。家に帰りたがっていたからてっきり……でも、そうか。俺たちといてくれるっていうんだな。
「そっか。なら、一緒に帰るか」
「もう酷いよショウマ! 置いていこうとするなんて!」
「ははは、悪かったよ」
ポカポカとミカが俺を叩いてくる。
「み、ミカ、父さんを嫌いになってしまったのか」
「あなた、そんなわけないでしょう。ショウマさん」
ミカの母親が座ったままの姿勢で俺の方に体を向けたかと思うと、深々と頭を下げた。腰の低い人だ。
「娘はお転婆なところもありますので迷惑も多々かけると思いますが、改めて娘のことをどうかよろしくお願いします」
「いやいや、さっきも言ったけど、そんなに畏まらなくていいって」
「ほら、あなたも」
「……渡辺君。君とはまだこの場でしか会話したことないが、少なくとも適当な男ではないと思った。だから娘のこともしっかり面倒を見てくれると思う。ただ……最後に渡辺君がミカをどう思っているのか聞かせてほしい」
*
終馬車を考えると、そろそろ東区へ向かわなければいけない時間となり、俺たちはミカ家を出る。
街は既に夜の景観になっていた。ただ、空はまだ遅れて、夕暮れに照らされた雲が青空の中に並んでいる。
ん? 空から何か光るものが落ちてくる。
キラキラと輝く粒に、それから伸びる光の帯。
それはまるで、流れ星のようだった。
その流星が俺たちのそばに落ちる。
手のひらに収まる光の粒が地面にぶつかると、音も無しに小さく花を咲かせるかのように弾けた。
それと同じ光がまた一つ、また一つと数を増やして落ちてくる。屋根に窓に店の看板に。
「わっ!」
一つが俺にぶつかって弾けるが、何の感触もなかった。ただ、目の前で広がった細かな光の粒がしばらく宙を漂っていたが、それもすぐ、空気に溶けるように消えて無くなった。
こりゃ、一体何だ?
「まぁ、マジックレインね。縁起がいいわ」
見送りに出てきていたミカの母親が言った。
「マジックレインって?」
「ああ、まだ転生してきたばかりですものね。マジックレインはウォールガイヤにある天気の一つで、魔力の雨のことを言うんです」
「魔力の雨……この光の粒全部が魔力の塊なのか?」
「はい。マジックレインの後は大地に魔力が満ちて自然やモンスターが活気づくんですよ」
「へぇー、すっげぇー」
ガッ!
え?
星のシャワーに目を奪われていると、ミカが俺の手首を掴んできた。
「ショウマ来て! 特等席につれてってあげる!」
「お、おい?!」
ミカに手を引っ張られて、俺は皆から少し離れた位置に立たされる。
「ミカ? 一体何をす――!」
突然、ミカが後ろから抱きついてきたので、ドキッとしてしまう。
「暴れないでジッとしててよー!」
ミカがそう言い切ったぐらいに、足から地面の感触が無くなった。
……って、ええぇ!!!!
お、俺、宙に浮いてるうぅ?!!!!
「いくよー!」
「ちょ、ちょっとタンマ! いくってど――こにいぃ?!?!!!!」
じ、地面がドンドン離れてく!
いや、それどころか建物も離れて!
ていうか! これってもしかして! もしかしなくても!
「空飛んでるううぅ!!!!」
南区全体が見渡せるほどの高さで、俺の絶叫があがった。
「はははっ! ショウマはリアクションが濃くて楽しいなぁ」
耳元でミカの声が聞こえる?! そういえば、ミカは俺に抱きついたままだが――!
後ろを振り返るとミカの顔がある。これはいい。さらにその後ろに見える白い翼は何?!
「み、ミカ。その翼って、まさかミカから生えてるのか?」
「そりゃね。ん? ひょっとしてショウマ、私が飛べる能力持ってること知らなかった?」
「全然知らなかった……」
「えー! 身分証に書いてあったじゃん!」
「いや、だって他人の身分証を見ていいような世界で育ってこなかったし……」
「ふーん。じゃあ今しっかり覚えといてよ。『能力向上』『氷魔法』『飛行』。以上、私は三つの能力を持ってます。オッケー?」
「お、オッケー」
「あ、ほらほら! 見て見て!」
ミカが俺から視線を外して前を見る。
今度は何だよと、俺も前を見る
「――ッ!」
俺は言葉を失った。
目の前に広がる景色。
黄昏に輝く雲。オレンジの空と紺色の空。青く染まった地上。その遥か先に見える地平線。それら全てが、天から舞い落ちる星々の光で彩られていた。
「ね、すごく綺麗でしょ?」
ミカに聞かれて、ようやく俺は口を開けることができた。
「……ああ、すげぇよ。たまげたとしか言いようがない……」
「マジックレインの日はさ、こうやって空から世界を眺めるのが好きなんだ。ショウマも気に入ってくれたみたいで嬉しいよ!」
俺は、ミカの父親に言った言葉を思い出す。
「ミカをどう思っているかか……一緒に過ごすようになってから一週間経つけど……そうだな、ミカはなんて言うかイタズラっぽくて困らせられることもあるけど、なんだかんだで人のことちゃんと考えられるヤツだって思ってる」
一瞬の回想。
そこから戻った俺は言う。
「……ミカ、改めて、これからよろしくな」
「へへっ! こっちこそよろしくぅ! ……あっ」
「ん? どうした?」
「重くなってきた……ショウマ落っことしそう」
「オイィ!!! こんな高さから落ちたら洒落にならねぇぞ!! 離すなよ! 絶対離すなよ!!」
「なははっ! 冗談だよ! 落とすわけないじゃん!」
「こ、こんのわんぱく少女めぇー!」
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