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第三章 ― 筆頭勇者と無法者 ―
第94話 希望に咲くマリーゴールド
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次の日。
案の定、肌がヒリヒリしている。日焼け止めクリームは一応塗っていたんだがな。
さて、昨日は散々はしゃいだおかげで、皆グッタリしていたわけだが、俺たちはまた炎天下の砂浜に足を運んでいた。しかも、今日は昨日よりも人が倍以上いる。明らかに熱中症で倒れてもおかしくない場所に、こうして訪れている理由はミカだ。
『みんなー! 今日は暑い中集まってくれてありがとー!』
わあぁぁ! きゃあぁ!と、歓声があがる。
ミカも負けじと黄色い声を上げる。
舞台で多くの人々の視線を集めている二人の女性――片方は東洋人の可愛らしい容姿で、もう一人は鼻が高くふっくらした唇の西洋人の顔立ち。彼女たちは異世界ウォールガイヤで有名なユニット、イーウェスタンだ。
前にフィラディルフィアの中央区で、イーウェスタンがバミューダで野外ライブを行うという宣伝ポスターを見かけたが、実はその日程が今日と明日の2日間だったのだ。
前に行きたがっていたミカは、これを見逃すわけもなく、会場に俺たちを連れてきたのだ。
「おい、本当に大丈夫か?」
俺は小声で隣にいた市川に聞く。
大きな音が苦手な市川が、こんな騒がしい場所にいたら気分が悪くなってしまうんじゃないか心配だった。一応、止めはしたのだが「皆が行くなら私も行く」と言ってついてきたのだ。
「――――」
市川が口をパクパク動かして何かしゃべっているのだが、聞こえない。市川の小さな声は、周りの物音や人声で完全に消されてしまっている。
俺が市川に耳を近づけると、聞こえなかったことを察した市川が、今度は俺の耳に余計な音が入らないよう、両手でカバーしながら耳元で囁いた。
「最初から大きな音が出るってわかってれば、平気だと思う」
弱々しい声に混ざって、吐息が当たる。ちょっとくすぐったい。
「うーん、少しでも気持ち悪くなったら、さっき買ってきた耳栓しろよ」
「うん」
ライブが始まる。
バミューダ全体に聞こえてるんじゃないかってくらいの大音量で、二人のアーティストの声が響き渡り、陸海空と俺の身体を振動させる。
市川が肩を震わせたかと思うと、俺の裾をぎゅっと摘んできた。
やっぱりビビっちゃうか。
俺もA君に音ゲーの曲のライブに連れてこられたことがあったが、あの時も圧倒されたもんだ。ステージの照明の点滅とか人々の熱狂とか、何よりも全力で歌う人の姿。
気づけば勝手に体が動いてきて、知らない曲でもだいたいのリズムがわかってくると、ノッてくる。
今流れている曲は、どうやら親友の仲である二人の女の子が同じ男の子を好きになってしまった恋の歌のようだ。
自分の気持ちや友達の気持ちに対して、互いに切なく思う二人の女の子を、二人の歌手がそれぞれを演じるようにして歌っている。
面白いのは、その二つの歌詞が思いっ切りかぶさっているところだろうか。まるで別の曲に別の曲をくっつけたみたい。しかし、大事な部分では歌詞の内容が同じになり、決めるところではしっかり決めてくる。
声量もあって力強い。うん、ミカがハマるのも頷ける。
どれ、市川は……って、市川も俺の裾を掴んでる手とは逆の手を挙げて小刻みに揺らしてるじゃないか。
その後に流れた曲もいいものばかりだったし、トークも楽しいものだった。
ライブも終盤に差し掛かった時には、まさかの新曲が発表された。
「うっひゃー! 聞いた聞いた?! 新曲だってー!」
「イタイイタイ!」
先程まで完全燃焼してクタクタだったはずのミカが新曲発表という言葉に再点火され、全力で俺の肩を叩きながら、マフラータオルを振り回していた。
ライブが終わった後は、アチコチのフード屋台を見て回る。
かき氷、りんご飴、チョコバナナなど、日本のお祭りで定番の品々が並んでいる他、サンドウィッチやピザもある。
屋台がある場所はビーチだけじゃなく、街の大通りにもあって、とても一日だけでは回れないほどの数がある。
ミカの話では、今日と明日の夜には花火も上がるらしい。
それを聞いて俺が、「浴衣でも着て日本の祭り気分でも味わいたいもんだな」と言ったら、ミカが浴衣着てみたいと言って目を輝かせてきた。
ミカはもともと浴衣をいつか着てみたいと思っていたのだが、貧乏故にその機会にこれまで恵まれなかったそうだ。
自分で言っといてなんだが、昨日水着を買ったばかりだというのに、さらに浴衣となると、流石に我が家の財政状況が不安になるというもの。
俺がその旨を伝えると、ミカは「ケチー」と顔をブーブー膨らませた。ミカはすぐ人をケチ呼ばわりする。
「欲しいなら俺が買ってやろう。全員分な」
と、オルガからとんでもない一言が放たれた。
おいおい、本気かよ。全員って結構な値になるぞ。
俺がオルガの財布を心配して言ってやると、オルガは高らかに笑って言った。
「ワハハハ! ナベウマ、大人がイイって言ってるんだ。子どものお前さんは素直に甘えておけ」
「甘える……ねぇ……」
つい最近、それを意識し始めたばかりの俺には、難易度の高い注文だった。
*
宿に戻って夜まで休憩した後、浴衣の着付けを済ませて再び街へ出た。
一歩、大通りに入れば、そこは祭りの夜。道の両脇に並んだ屋台からはオッチャンの威勢のいい声が飛び交い。屋台の照明が道行く人々の楽しそうな顔を照らしていた。
スーパーボール、金魚?すくい、射的、ヨーヨーつり、輪投げと、その一帯には日本らしい遊びが並んでいる。
その中の一つである射的にデューイが注目する。
「ユイお姉ちゃん、あれほしい!」
そう言って差した指の先には、射的の景品――ビスケットのお菓子が入った箱があった。
市川は自信無いと言って、代わりに俺にやってほしいと頼んでくる。
市川は自分が注目されるような展開が好きじゃないし、仕方がない。俺は市川の頼みを聞き入れ、射的に挑戦した。
チャンスは二発だったのだが、その二発とも外してしまった。
「ナベウマ、銃を撃つときはもっと脇を締めて、肘を落とすんだ。それから銃身がぶれないよう頬で抑えて、息を止めて――」
「そんなに言うなら、オルガがやってみろよ」
「……ふむ」
パンッパンッ!
棚から二つのビスケットの箱が落下した。
デューイがその二つの箱を抱えて大喜びする。
くぅー、オルガのやつ何でもかんでも卒なくこなしやがってー! たまには「こりゃいかん、失敗してしまった」みたいなところ見せろよ! 面白くない!
そんな調子で、金魚らしき魚をポイですくったり、輪投げしたり、綿飴を食べたり、皆で祭りを楽しんでいく。
ここより離れた地区では、装飾品などを派手に燃やす祭りだったり、いろんな色の粉や水を投げ合う祭りなども行われているらしい。日本では聞いたことの無い祭りだから、他国の祭りだろうか。
「市川さん、あそこのお人形屋さん見に行きませんか?」
「あ、うん」
マリンたちが、また次の店へと駆けていく。
そのマリンの背中を、自然と目で追ってしまう。
……浴衣姿のマリンも可愛いな。
ロングの青髪を団子にしたおかげで、普段は隠れて見えないうなじが露出していて、色っぽい。
「ワーターナーベーくーん」
そんなことを考えてるところにジェニーの声が飛び込んできたもんだから、俺は心臓をドキッとさせた。
「な、何?」
「もうすぐ花火始まるから海の方に行こうよー」
「わ、わかった」
今宵最後の催し物である花火の打ち上げが、海から行われる。それがよく見える場所に俺たちは移動した。
「やった! 席空いてるよ!」
道の隅に、ちょうど全員が座れるベンチが置いてあって、俺を含めて全員が座る。あとは花火が上がるのを待つだけだ。
「渡辺君」
隣に座っている市川がおずおずと声をかけてきた。
「さっきは猫のぬいぐるみ買ってくれてありがとう。お金は絶対返すからね」
市川が猫――正しくはカーバンクルを模したぬいぐるみを両腕で抱きしめながら言った。
「返さなくていいって。俺からのプレゼントだ」
「わ、渡辺君からのプレゼント……ありがとう、大事にするね」
市川は一層強く、けど優しくカーバンクルのぬいぐるみを抱きしめた。
せっかくのプレゼントだ。大事にしてもらえると俺も嬉しい。
そういえば、ミカにも欲しがったネックレスを買ってあげたが、マリンにはまだ何も送ってないな。メシュだって欲しいものジェニーに買ってもらってるっていうのに。
「マリン、祭りで何か欲しい物なかったのか?」
市川とは反対の隣に座っているマリンに聞いた。
「……そうですねぇ、これっていうのは無かったですね」
……マリンってあまり欲が無いよな。欲しい物だって裁縫セット以来聞かないし……前にマリンにはいろいろ言われたけど、マリンも甘えるの下手クソなんじゃ……。
「あのさ、マリンも甘えたかったら甘えていいんだからな? ミカみたいに言いたいことはどんどん言ってくれよ」
「……甘えていいんですか?」
「ああ、いいよ」
「何でも言っていいんですか?」
「おう、言え言え」
「それでしたら……あの……」
マリンが頬を赤く染めて、もじもじと体を動かす。
「ショウマ様に寄りかかってもいいです……か?」
……うん? 寄りかかる?……んんんん?!!!!
「や、やっぱり迷惑ですよね! ごめんなさい!」
「ああいや、全然オッケー! いやもうむしろドンとこーい!って感じ!」
「……本当ですか?」
「ホントにホント!」
「……じゃあ」
俺の肩にマリンが寄りかかる。
俺のバカアァ! 全然オッケーじゃねぇ! マリンの髪が首筋に当たってる! イイ匂いまでしてくる! っていうか何故?! ホワイ?! なんでマリンはそんなことを?! お、おおおお俺に好意を持ってるから?! いやいや、変な期待をするなあぁ! ただちょっと気分が悪くなったから楽にさせてほしかっただけかもしれないだろおおぉ!!!
「あ、きたきた花火だ!」
ミカの言葉で視線を海に向けると、海から何本かの光の筋が夜空へ向かって上がっていた。
その筋が一瞬フッと消えたかと思えば、次の瞬間、光の花が大きく咲いた。続けて、その開花を告げる音が遅れて響いてくる。
アチコチから感動の声がもれ、みんな花火に見惚れていた。
さらに、海の中央から両サイドへ、光の弾が連続で打ち上げられるという美しい演出が入り、また歓声があがる。
しかし、正直、俺は花火どころじゃなかった。
考えてもみろ、好きな女の子に寄りかかられて、まともな思考でいられる高校男子がいるのか? いや、いないだろう。
お前いつも、夜な夜なマリンとくっついてるじゃねぇかと思われるかもしれないが、あれはあくまでマリンが寝ぼけてる状態なのであって。今のマリンは自分の意志でくっついてきているわけであって。
だーっ! マリン、一体何が狙いだあ! 俺を試しているのか! くううぅ!
俺が頭の中をモヤモヤさせている間も、花火は絶えず音を立てて打ち上がっているわけだが、ぶっちゃけ心臓の音が花火の音と区別がつかないくらい大きくなっりちまってる……マリンには聞こえてるんじゃないか、これ。
最高に嬉しい状況ではあるけど、同時に最高につらくもある……。
*
悶々としている間に、花火は終わった。
人々が感動を語り合いながら、帰路へとついていく。
や、やばい。もうずーっと顔が熱くなりっぱなしで、頭クラクラしてきた……早く帰って横にならないと。
「おや、そこのカップルさん。お似合いだねぇ!」
そこへ、カメラを持ったオッチャンが俺とマリンを見比べながら現れた。
「か、カップルって、俺たちはただの主人とパートナーの関係で。な、なぁマリン!」
「は、はい!」
「んー、そうなのかい? でもまぁ、どっちにしても仲が良いのは間違いないだろう? どうだい、一枚撮らないかい?」
ゲッ、写真! ちょっと待ってくれ今の俺、顔が真っ赤――。
「いいねぇ! 撮ろう撮ろう」
ミカがベンチの後ろから、俺に飛びついてくる。
「ば、ミカ! 何勝手に決めて――」
「私も入るー」
「ジェニーが入るなら俺様もだ!」
「ジェニーたちまで!」
「撮るよー。はい、チーズ!」
俺の赤裸々な青春の1ページがバッチリと激写されてしまったのだった。
*
1日目の祭りの夜。和気あいあいとする人々の声は止まずに朝まで続いた。
2日目の祭りの夜にはランタン上げというイベントがあるらしく、今日も楽しい一日なりそうだ。
そのイベントの時間までどこで時間を潰すかという話になったところ、オルガが言った。
「時間があるなら、市川とデューイに能力チェックを受けさせたらどうだ? いつまでも身分証なしにぶらつくのも心許ないだろう」
「……あれって絶対にやらなきゃ駄目か?」
「野宿でもいいのなら、やらなくていい」
転生したばかりの人間が、この世界で野宿する。それは自殺と同じ意味だ。
小心者の市川とまだ幼いデューイに、あれができるかどうか……とにかく、本人たちに話しておくか。
市川たちがしなければならないこと。それは、ネズミモンスターを殺す作業だ。
なんでも、それでレベルの上がり幅を計って、そいつが『階層跳躍』のチート能力かどうか確認しているらしい。ついでに、基本ステータスもチェックされて身分証明書が発行される。
俺が異世界にやってきた日も、マリンと一緒にやった。
短剣を突き刺したとき、モンスターがバタバタと暴れるのは、本当に見てて気分が悪くなったもんだ。
事情を市川たちに説明したところ、やはりいい顔はしなかった。
しかし、それでも遅かれ早かれやらなくてはいけないことならと、市川は覚悟を決めてくれた。
デューイは正直よくわからないといった様子だった。
俺たちは全員で、バミューダの門にいる騎士たちのもとへ訪れた。
祭りのため、門の周辺は人の往来が激しく作業を行える状況ではなかったので、バミューダの入り口からすぐ近くにある騎士の敷地内で行われることになった。
全く、祭りの日にこんなことしなきゃならないとは……まぁ、でも作業自体はそれほど時間がかかるものでもない。市川たちを少し休ませた後、また楽しいところに行って気分を変えよう。
市川は短剣を持つ両手をガタガタと震わせつつも、切っ先をネズミモンスターの喉元へ向ける。
そして、ギュっと固く両目を瞑ったまま、短剣を一気に押し込んだ。
しかし、市川の華奢な腕だ。一撃で終わるはずもない。引いて、押し込んで、引いて、押して込んでを何度も繰り返した。
何とか、作業を完了させた市川は泣きそうな顔で俺に抱きついてきた。
続けてデューイ。
あの子も泣いちゃうだろうな。と、思っていたのだが、意外にも平気そうな顔――よくわからないけど殺さなきゃいけないんだよね?って感じの面でモンスターの息の根を止めていた。
子どもは残酷な一面があるとはよく言うが、こうもあっさりやってのけるとは……後で命の大切さについて道徳心でも説いた方がいいか?
「結果が出た」
兜の隙間から双眸を青く光らせていた騎士から、告げられる。
「二人とも『階層跳躍』だ」
案の定、肌がヒリヒリしている。日焼け止めクリームは一応塗っていたんだがな。
さて、昨日は散々はしゃいだおかげで、皆グッタリしていたわけだが、俺たちはまた炎天下の砂浜に足を運んでいた。しかも、今日は昨日よりも人が倍以上いる。明らかに熱中症で倒れてもおかしくない場所に、こうして訪れている理由はミカだ。
『みんなー! 今日は暑い中集まってくれてありがとー!』
わあぁぁ! きゃあぁ!と、歓声があがる。
ミカも負けじと黄色い声を上げる。
舞台で多くの人々の視線を集めている二人の女性――片方は東洋人の可愛らしい容姿で、もう一人は鼻が高くふっくらした唇の西洋人の顔立ち。彼女たちは異世界ウォールガイヤで有名なユニット、イーウェスタンだ。
前にフィラディルフィアの中央区で、イーウェスタンがバミューダで野外ライブを行うという宣伝ポスターを見かけたが、実はその日程が今日と明日の2日間だったのだ。
前に行きたがっていたミカは、これを見逃すわけもなく、会場に俺たちを連れてきたのだ。
「おい、本当に大丈夫か?」
俺は小声で隣にいた市川に聞く。
大きな音が苦手な市川が、こんな騒がしい場所にいたら気分が悪くなってしまうんじゃないか心配だった。一応、止めはしたのだが「皆が行くなら私も行く」と言ってついてきたのだ。
「――――」
市川が口をパクパク動かして何かしゃべっているのだが、聞こえない。市川の小さな声は、周りの物音や人声で完全に消されてしまっている。
俺が市川に耳を近づけると、聞こえなかったことを察した市川が、今度は俺の耳に余計な音が入らないよう、両手でカバーしながら耳元で囁いた。
「最初から大きな音が出るってわかってれば、平気だと思う」
弱々しい声に混ざって、吐息が当たる。ちょっとくすぐったい。
「うーん、少しでも気持ち悪くなったら、さっき買ってきた耳栓しろよ」
「うん」
ライブが始まる。
バミューダ全体に聞こえてるんじゃないかってくらいの大音量で、二人のアーティストの声が響き渡り、陸海空と俺の身体を振動させる。
市川が肩を震わせたかと思うと、俺の裾をぎゅっと摘んできた。
やっぱりビビっちゃうか。
俺もA君に音ゲーの曲のライブに連れてこられたことがあったが、あの時も圧倒されたもんだ。ステージの照明の点滅とか人々の熱狂とか、何よりも全力で歌う人の姿。
気づけば勝手に体が動いてきて、知らない曲でもだいたいのリズムがわかってくると、ノッてくる。
今流れている曲は、どうやら親友の仲である二人の女の子が同じ男の子を好きになってしまった恋の歌のようだ。
自分の気持ちや友達の気持ちに対して、互いに切なく思う二人の女の子を、二人の歌手がそれぞれを演じるようにして歌っている。
面白いのは、その二つの歌詞が思いっ切りかぶさっているところだろうか。まるで別の曲に別の曲をくっつけたみたい。しかし、大事な部分では歌詞の内容が同じになり、決めるところではしっかり決めてくる。
声量もあって力強い。うん、ミカがハマるのも頷ける。
どれ、市川は……って、市川も俺の裾を掴んでる手とは逆の手を挙げて小刻みに揺らしてるじゃないか。
その後に流れた曲もいいものばかりだったし、トークも楽しいものだった。
ライブも終盤に差し掛かった時には、まさかの新曲が発表された。
「うっひゃー! 聞いた聞いた?! 新曲だってー!」
「イタイイタイ!」
先程まで完全燃焼してクタクタだったはずのミカが新曲発表という言葉に再点火され、全力で俺の肩を叩きながら、マフラータオルを振り回していた。
ライブが終わった後は、アチコチのフード屋台を見て回る。
かき氷、りんご飴、チョコバナナなど、日本のお祭りで定番の品々が並んでいる他、サンドウィッチやピザもある。
屋台がある場所はビーチだけじゃなく、街の大通りにもあって、とても一日だけでは回れないほどの数がある。
ミカの話では、今日と明日の夜には花火も上がるらしい。
それを聞いて俺が、「浴衣でも着て日本の祭り気分でも味わいたいもんだな」と言ったら、ミカが浴衣着てみたいと言って目を輝かせてきた。
ミカはもともと浴衣をいつか着てみたいと思っていたのだが、貧乏故にその機会にこれまで恵まれなかったそうだ。
自分で言っといてなんだが、昨日水着を買ったばかりだというのに、さらに浴衣となると、流石に我が家の財政状況が不安になるというもの。
俺がその旨を伝えると、ミカは「ケチー」と顔をブーブー膨らませた。ミカはすぐ人をケチ呼ばわりする。
「欲しいなら俺が買ってやろう。全員分な」
と、オルガからとんでもない一言が放たれた。
おいおい、本気かよ。全員って結構な値になるぞ。
俺がオルガの財布を心配して言ってやると、オルガは高らかに笑って言った。
「ワハハハ! ナベウマ、大人がイイって言ってるんだ。子どものお前さんは素直に甘えておけ」
「甘える……ねぇ……」
つい最近、それを意識し始めたばかりの俺には、難易度の高い注文だった。
*
宿に戻って夜まで休憩した後、浴衣の着付けを済ませて再び街へ出た。
一歩、大通りに入れば、そこは祭りの夜。道の両脇に並んだ屋台からはオッチャンの威勢のいい声が飛び交い。屋台の照明が道行く人々の楽しそうな顔を照らしていた。
スーパーボール、金魚?すくい、射的、ヨーヨーつり、輪投げと、その一帯には日本らしい遊びが並んでいる。
その中の一つである射的にデューイが注目する。
「ユイお姉ちゃん、あれほしい!」
そう言って差した指の先には、射的の景品――ビスケットのお菓子が入った箱があった。
市川は自信無いと言って、代わりに俺にやってほしいと頼んでくる。
市川は自分が注目されるような展開が好きじゃないし、仕方がない。俺は市川の頼みを聞き入れ、射的に挑戦した。
チャンスは二発だったのだが、その二発とも外してしまった。
「ナベウマ、銃を撃つときはもっと脇を締めて、肘を落とすんだ。それから銃身がぶれないよう頬で抑えて、息を止めて――」
「そんなに言うなら、オルガがやってみろよ」
「……ふむ」
パンッパンッ!
棚から二つのビスケットの箱が落下した。
デューイがその二つの箱を抱えて大喜びする。
くぅー、オルガのやつ何でもかんでも卒なくこなしやがってー! たまには「こりゃいかん、失敗してしまった」みたいなところ見せろよ! 面白くない!
そんな調子で、金魚らしき魚をポイですくったり、輪投げしたり、綿飴を食べたり、皆で祭りを楽しんでいく。
ここより離れた地区では、装飾品などを派手に燃やす祭りだったり、いろんな色の粉や水を投げ合う祭りなども行われているらしい。日本では聞いたことの無い祭りだから、他国の祭りだろうか。
「市川さん、あそこのお人形屋さん見に行きませんか?」
「あ、うん」
マリンたちが、また次の店へと駆けていく。
そのマリンの背中を、自然と目で追ってしまう。
……浴衣姿のマリンも可愛いな。
ロングの青髪を団子にしたおかげで、普段は隠れて見えないうなじが露出していて、色っぽい。
「ワーターナーベーくーん」
そんなことを考えてるところにジェニーの声が飛び込んできたもんだから、俺は心臓をドキッとさせた。
「な、何?」
「もうすぐ花火始まるから海の方に行こうよー」
「わ、わかった」
今宵最後の催し物である花火の打ち上げが、海から行われる。それがよく見える場所に俺たちは移動した。
「やった! 席空いてるよ!」
道の隅に、ちょうど全員が座れるベンチが置いてあって、俺を含めて全員が座る。あとは花火が上がるのを待つだけだ。
「渡辺君」
隣に座っている市川がおずおずと声をかけてきた。
「さっきは猫のぬいぐるみ買ってくれてありがとう。お金は絶対返すからね」
市川が猫――正しくはカーバンクルを模したぬいぐるみを両腕で抱きしめながら言った。
「返さなくていいって。俺からのプレゼントだ」
「わ、渡辺君からのプレゼント……ありがとう、大事にするね」
市川は一層強く、けど優しくカーバンクルのぬいぐるみを抱きしめた。
せっかくのプレゼントだ。大事にしてもらえると俺も嬉しい。
そういえば、ミカにも欲しがったネックレスを買ってあげたが、マリンにはまだ何も送ってないな。メシュだって欲しいものジェニーに買ってもらってるっていうのに。
「マリン、祭りで何か欲しい物なかったのか?」
市川とは反対の隣に座っているマリンに聞いた。
「……そうですねぇ、これっていうのは無かったですね」
……マリンってあまり欲が無いよな。欲しい物だって裁縫セット以来聞かないし……前にマリンにはいろいろ言われたけど、マリンも甘えるの下手クソなんじゃ……。
「あのさ、マリンも甘えたかったら甘えていいんだからな? ミカみたいに言いたいことはどんどん言ってくれよ」
「……甘えていいんですか?」
「ああ、いいよ」
「何でも言っていいんですか?」
「おう、言え言え」
「それでしたら……あの……」
マリンが頬を赤く染めて、もじもじと体を動かす。
「ショウマ様に寄りかかってもいいです……か?」
……うん? 寄りかかる?……んんんん?!!!!
「や、やっぱり迷惑ですよね! ごめんなさい!」
「ああいや、全然オッケー! いやもうむしろドンとこーい!って感じ!」
「……本当ですか?」
「ホントにホント!」
「……じゃあ」
俺の肩にマリンが寄りかかる。
俺のバカアァ! 全然オッケーじゃねぇ! マリンの髪が首筋に当たってる! イイ匂いまでしてくる! っていうか何故?! ホワイ?! なんでマリンはそんなことを?! お、おおおお俺に好意を持ってるから?! いやいや、変な期待をするなあぁ! ただちょっと気分が悪くなったから楽にさせてほしかっただけかもしれないだろおおぉ!!!
「あ、きたきた花火だ!」
ミカの言葉で視線を海に向けると、海から何本かの光の筋が夜空へ向かって上がっていた。
その筋が一瞬フッと消えたかと思えば、次の瞬間、光の花が大きく咲いた。続けて、その開花を告げる音が遅れて響いてくる。
アチコチから感動の声がもれ、みんな花火に見惚れていた。
さらに、海の中央から両サイドへ、光の弾が連続で打ち上げられるという美しい演出が入り、また歓声があがる。
しかし、正直、俺は花火どころじゃなかった。
考えてもみろ、好きな女の子に寄りかかられて、まともな思考でいられる高校男子がいるのか? いや、いないだろう。
お前いつも、夜な夜なマリンとくっついてるじゃねぇかと思われるかもしれないが、あれはあくまでマリンが寝ぼけてる状態なのであって。今のマリンは自分の意志でくっついてきているわけであって。
だーっ! マリン、一体何が狙いだあ! 俺を試しているのか! くううぅ!
俺が頭の中をモヤモヤさせている間も、花火は絶えず音を立てて打ち上がっているわけだが、ぶっちゃけ心臓の音が花火の音と区別がつかないくらい大きくなっりちまってる……マリンには聞こえてるんじゃないか、これ。
最高に嬉しい状況ではあるけど、同時に最高につらくもある……。
*
悶々としている間に、花火は終わった。
人々が感動を語り合いながら、帰路へとついていく。
や、やばい。もうずーっと顔が熱くなりっぱなしで、頭クラクラしてきた……早く帰って横にならないと。
「おや、そこのカップルさん。お似合いだねぇ!」
そこへ、カメラを持ったオッチャンが俺とマリンを見比べながら現れた。
「か、カップルって、俺たちはただの主人とパートナーの関係で。な、なぁマリン!」
「は、はい!」
「んー、そうなのかい? でもまぁ、どっちにしても仲が良いのは間違いないだろう? どうだい、一枚撮らないかい?」
ゲッ、写真! ちょっと待ってくれ今の俺、顔が真っ赤――。
「いいねぇ! 撮ろう撮ろう」
ミカがベンチの後ろから、俺に飛びついてくる。
「ば、ミカ! 何勝手に決めて――」
「私も入るー」
「ジェニーが入るなら俺様もだ!」
「ジェニーたちまで!」
「撮るよー。はい、チーズ!」
俺の赤裸々な青春の1ページがバッチリと激写されてしまったのだった。
*
1日目の祭りの夜。和気あいあいとする人々の声は止まずに朝まで続いた。
2日目の祭りの夜にはランタン上げというイベントがあるらしく、今日も楽しい一日なりそうだ。
そのイベントの時間までどこで時間を潰すかという話になったところ、オルガが言った。
「時間があるなら、市川とデューイに能力チェックを受けさせたらどうだ? いつまでも身分証なしにぶらつくのも心許ないだろう」
「……あれって絶対にやらなきゃ駄目か?」
「野宿でもいいのなら、やらなくていい」
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小心者の市川とまだ幼いデューイに、あれができるかどうか……とにかく、本人たちに話しておくか。
市川たちがしなければならないこと。それは、ネズミモンスターを殺す作業だ。
なんでも、それでレベルの上がり幅を計って、そいつが『階層跳躍』のチート能力かどうか確認しているらしい。ついでに、基本ステータスもチェックされて身分証明書が発行される。
俺が異世界にやってきた日も、マリンと一緒にやった。
短剣を突き刺したとき、モンスターがバタバタと暴れるのは、本当に見てて気分が悪くなったもんだ。
事情を市川たちに説明したところ、やはりいい顔はしなかった。
しかし、それでも遅かれ早かれやらなくてはいけないことならと、市川は覚悟を決めてくれた。
デューイは正直よくわからないといった様子だった。
俺たちは全員で、バミューダの門にいる騎士たちのもとへ訪れた。
祭りのため、門の周辺は人の往来が激しく作業を行える状況ではなかったので、バミューダの入り口からすぐ近くにある騎士の敷地内で行われることになった。
全く、祭りの日にこんなことしなきゃならないとは……まぁ、でも作業自体はそれほど時間がかかるものでもない。市川たちを少し休ませた後、また楽しいところに行って気分を変えよう。
市川は短剣を持つ両手をガタガタと震わせつつも、切っ先をネズミモンスターの喉元へ向ける。
そして、ギュっと固く両目を瞑ったまま、短剣を一気に押し込んだ。
しかし、市川の華奢な腕だ。一撃で終わるはずもない。引いて、押し込んで、引いて、押して込んでを何度も繰り返した。
何とか、作業を完了させた市川は泣きそうな顔で俺に抱きついてきた。
続けてデューイ。
あの子も泣いちゃうだろうな。と、思っていたのだが、意外にも平気そうな顔――よくわからないけど殺さなきゃいけないんだよね?って感じの面でモンスターの息の根を止めていた。
子どもは残酷な一面があるとはよく言うが、こうもあっさりやってのけるとは……後で命の大切さについて道徳心でも説いた方がいいか?
「結果が出た」
兜の隙間から双眸を青く光らせていた騎士から、告げられる。
「二人とも『階層跳躍』だ」
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