先パイッ!「ビーエル」って何ですかっ?

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第128話 手土産は…心映え④

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盆と正月前…祖父母に会う時は、髪の毛を それなりにするから、いつもの所に散髪に行くんだけど

バイト先の店長よりも 年上のマスターは ボケ防止を兼ねて…というか

馴染みの常連さんのために 仕事をしているから、予約がある時しか 店を開けなくなった。

だから、前もって…散髪した時に、次回の予約をする。

まだまだ 全然しっかりしてるけど、念の為 忘れないように スケジュール帳には マスターが、店のカレンダーには 客が 次回の予約を書き込む。

電話しても 店に居なかったら 意味が無いからな。

いつ店が 開いてるかも分かんないし。

マスターは ここ数年「もう そろそろ引退だな~」が 口癖だけど、本気な気もする。

年齢的にもだし、腰も悪そうだし、店の維持費も…だ。

そうなると…俺は どこで髪を切ろうか…またSNSに 昔の写真出てるし…散髪は顔隠せないし…。

どうしたもんか…と思っていたら 散髪が終わり、次の予約を書く。

でも、いつもと違うのは マスターは 1月のイベントに参加してくれるから、次回の予約日の前に会う事になる。

「楽しみにしてるよ~?じゃ、いつも ありがとね~ よいお年を~!」

「イベントに参加して頂いて ありがとうございます。お待ちしてます。よいお年をお迎えください」

よいお年を…か。定型文として、時候の挨拶として 今まで 言って来た。

特に何も思わずに。でも、アイツに会ったから…なのか、連れ達…身内とも 呼べるメンバーが 出来たからなのか…。

来年は どんな年に なるんだろう?俺は…と、どうでもいいと思って来た 未来の事を 考えてる自分が 確かに存在してる…。

漫研のビッグイベントは、年末も年末…12月30日、31日開催だ。

昨日、初日の30日は 全員 体調も万全で臨んだが…大盛況だったらしく

目が回る忙しさとは!この事!と、連れ達もアイツの仲良しグループも くたびれ果てていた…

周囲には コスプレ…オタクの群衆…それらから 絶大な支持がある、身内の漫研メンバーは…

完璧な コスプレとメイクで、本当に 本人か 分からない状態だったらしく

更にアウェー感が増し、連れ達は 借りてきた猫 状態だったそうだ。

でも、熱気溢れる会場で…異世界に迷い込んだ感じもして かなり楽しく、陣中見舞いあって良かったぁ~!とメッセージが来た。

帰宅して 疲れ果てて 明日のために すぐ寝た様で

今日の朝、律儀にも メッセージが来て 「今日も頑張る!」「マジで陣中見舞い助かる!」「朝も早過ぎだから!」と。

俺も 本心から、無事に終われたらいいな、上手くいけばいいな、頑張れ と…祖父母宅へ行く支度をしながら 返信した。

二十歳の正月で、成人式には行かないから…皆で過ごそう と言われ

節目でもあるし、本来なら…成人式に行く スーツ姿とかを 写真で送るなりするのが 普通なのかもしれないけど…。

スーツ姿で…祖父母宅に行く…?とか考えたけど…

この大晦日に スーツ着てる人なんて…デパートの店員くらいしか いないだろうし

帰省…みたいなので スーツ着るのも…と思い。

それに、この前のアイツじゃないけど 七五三祝いみたいに…祖父母に

「二十歳になりました。成長を見て下さい。スーツ姿を見て下さい。これで 報告は いいですか」的な事は…俺は…しないな…。出来ない。

でも、アイツの言うのも…一理ある…というか…

祖父母も 保護者をして来て…二十歳の節目、手が離れる…と 目に見える形というか…

もう大丈夫と これからは、自由に過ごしてほしい…という思いが…伝わるように…

やっぱり 七五三の様に、それなりの…スーツ姿では無いけど…ちゃんとした格好で…と考えたら

例の 貰った洋服だな?と思い至った。

黒江先輩が 高級鉄板焼きの店に 着て行って大丈夫と選んだんだ。

セミフォーマル…というやつだろうし?このまま、パリかミラノで 年越し出来そうな感じの服だし?と…

手土産とかを持って、あの七五三の格好で 今 電車に揺られている。

前髪は いつものまま。神奈川じゃ 俺の顔は 結構…同世代なら知ってる人間が多いから。

SNSでも出回ってるし…アイツと一緒の所を…と 大学まで見に来る人間も多いしな…。

いつも、前髪を上げて 顔を出すのは 祖父母宅の近くの 公園とかの 公衆トイレ。

そこの鏡で 髪の毛を整え…までは無いけど、おかしく無い様にするのがルーティン。

今日もそうだ。もうすぐ下車する駅だな と思っていると、スマホにメッセージが…

「完売!!昼前に!全部!!」

「買えなくて 泣いてる人も いっぱいで!!女性ばっかだったから、焦った!!てか困った~!!」

「グッズとかも全部完売!スゲェよなっ⁈マジで陣中見舞い助かった~!!トイレすら行く暇も無かったくらいだったから!!」

「皆 OB、OGの先輩達も感謝してる!サンキュー!!」

そして、写真も送って来て…凄いな…コスプレって…誰が誰だか分かんねぇ。

性別すらも変わってる?好きなキャラになるのに、男女は関係ない…か。

でも、マジで 誰が どれか分かんねぇな…?こりゃ 連れ達も はじめまして?な気分になるわ。

そして、自分達のブース…設営したてで 商品が揃ってる写真には、各々の創作本…薄い本と呼ばれるやつと、グッズも多数。

特に目を引くのが、やっぱり 三ヶ尻先輩の美麗な絵のポスターと…コスプレ衣装は ほとんどが手製と言っていたけど

野尻さんが 特に 手が器用らしく、三ヶ尻先輩のキャラの衣装…もし、等身大で実在してたら ピッタリサイズの物を…

あの耽美主義の世界観そのままに 再現してるのは見事だし、ぬいぐるみ?というのか

クレーンゲームで 商品になりそうな クオリティの創作キャラの ぬいぐるみ達に、創作キャラが 身につけている アクセサリーとかまで…

非売品らしいが、このクオリティなら…ファンが泣いて欲しがるのも 頷ける。

メッセージを返そうとした時、光の加減で スマホ画面に 俺の口元が映った。

口角が少し上がってる…そうだよ、今から 本心から 思ってる事を 返信するつもりだ。

祝福と労いと、気をつけて帰って、良いお年を…と。

俺は変わった…と思う。

良い報告が 俺も 祖父母に出来るように この良い波に乗って…最寄り駅に降りた。

祖父母宅の近くの 公園のトイレで髪の毛を…と思ったら、父親が子供達を遊ばせてる。

この大晦日の寒い日に…掃除の邪魔だからかな?

パパってやつは大変だな…。

俺が 髪をセットしていると「パパ~!トイレ~!」と聞こえて…

あんなに元気いっぱいに遊んでたのに…トイレ行きたかったの?と子供の不思議さを感じていると、声の主がパパとトイレにやって来た。

「え?あ…えっ??」とパパが 俺を見て驚いてる。

さっきまで 前髪で 顔を隠した 怪しい男だったから、大事な子に 何も無いように トイレについて来たんだろう。

「あ、もう出ますので…失礼します」と軽く会釈し、親子の横を 通ろうとしたら…

「あっ!あのっ…サインとかって…頂けますかっ?」

そう パパが言い、親子揃って 俺を見てる。チラッと 豹屋の紙袋を見つつ。

分かるよ?自分で言うのも 何だけど…俺の外見と、今日の黒江先輩セレクトのハイブランドの服に、豹屋の 一番 格式高い紙袋と来たら…

モデルか 何かだと思うよな?

この やり取り…懐かし…。

「あ、いえ…一般人ですので…」

「ふぇっ?嘘…あ、いえ!すみません!!あんまりにも!カッコよすぎてッ!!」

「いえ…では、失礼します…」

そう言って、軽く会釈し トイレから出た。過去1 この類いの やり取りで 愛想よかったな?俺。

子供も居たしな?トイレからは 親子の会話が 丸聞こえで…

「パパ~!お兄ちゃん テレビの人じゃないって~?」

「そうそう!そうだって~!あっ トイレ トイレ!」

…やれやれ…誰だか分かんねぇのに サインとか…

まぁ、これで 他人から見ても それなりに見えるのが 立証されたし?

祖父母にも、それなりに きちんとして 見えるといいな…。

手土産は…心映え、目に見える 気持ちの現れ。

色々…考えて…準備したつもり。

豹屋の羊羹に、交友関係の良好な…仲がいいメンバーが いる事…ちゃんと しっかり食事は摂ってる事…とかを安心してもらうのに…

アイツのレシピの シフォンケーキ、俺が漬けた 魔法のタレと青唐辛子のタレ

それに合う 海鮮の米粉のチヂミ…祖父母の年齢なら、肉より こっちだ。

いつもの 年末年始のメニューの邪魔にもならない。

アイツが教えてくれたのばっかだけど…。

年末年始は 初めての酒を飲もうと 祖父達も 楽しみと言ってくれて…

ツマミとかにも いいし?これを 足掛かりに 大学の事とかの話を広げられれば…

近々で 弁護士さんから ストーカーの報告いってるからな…いい感じの和やかムードになる様に…とイメトレしながら…。

初めての酒で失敗は出来ないから…ラムネまで買って…。

出来る事は…したな?

…「気は心」「土産話」という言葉もあるし…

年末年始は 良い正月になれば…と願って、インターフォンを押した。


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