先パイッ!「ビーエル」って何ですかっ?

AnnA

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第129話 迎春①

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「ピンポーン♪」と鳴り終わらない間に すぐに出てくれたから、側で 今か今かと 待機していてくれたんだろう。

時間通りに来たというのもあるけど。

それに、祖父母の年齢を考えれば 走る様な速さで 急いで玄関に来てくれたと思えるくらい早く…

それも4人揃って…ありがと…。

「久しぶりだね、元気だった?」

「まあ!旭(あき)く~ん!よく来てくれたわね~!皆 元気よ~!」

「まあ!旭くん!とっても よく似合ってるわ~!素敵だわ~!」

「ははは!また少し大きくなったんじゃないかっ?」

「ホントに!何だか 逞しくなった気がするな~!」

「あ~ 横に大きくなったかも…食べ過ぎちゃって…」

「あら、そんな事ないわ~?」

「そうよね~?あら、寒いのに!ごめんなさいねっ さぁ、入って入って!」

「待ったぞ~」

「荷物が多いな?どれか持とうか?」

「あ、これ お土産…というか、俺が作ったんだ 羊羹以外」

「え?あら、豹屋の…まぁ、こんなに気を遣って…!旭くん…」

「羊羹以外って…このケーキみたいな箱は…?」

「ふふ、全部 テーブルで見せるね?大学の後輩が 料理上手で 美味しかったし、おじいちゃん達でも 食べれそうかなって 思って?」

「旭くん…!」

とまぁ、初めの取っ掛かりは…成功だな?良かった…

リビングのテーブルに 店屋の如く、手土産を全て広げ 一つ一つ説明した。

100均の ラッピング用品や小瓶は 見栄えが良くて、紙の型に入って無かったら 自作のケーキと 信じてもらえなかった所だった。

これから、祖母達の用意してくれてる夕食も 年越しそばもあるから

シフォンケーキなら軽いし、冷凍すれば 2週間~最長1ヶ月 大丈夫で

無理に食べなくても大丈夫だから…と伝えたけど、何と 祖父母は全部食べた。

普通のケーキを想像して、お馴染みの1/8カットに祖母が切り分けたけど

生クリームも ついてないし…「あれ?どこ行った?」「口から無くなった?」と口々に不思議がって

冷凍したら この食感は 戻って来ないんじゃないか?と結局 一瞬で全部食べ終わった。

良かった…一応 2回 練習したから…でも、やっぱ…経験値の差だな?

アイツの作った方が 美味しいし、ふんわり ほわほわの…甘くて優しい空気を実体化させたのになる。

ケーキのおかげで、お茶の時間は 和やかに過ぎ…

ケーキを焼き、魔法のタレという万能調味料を作る後輩…と来たら、こう思われても 仕方ない。

「ねぇ、旭くん その 後輩の子って とっても お料理が上手なのね~!」

「とっても美味しかったわ~! 名前は 何ていうの?」

「あ~ 朝日だよ」

「あさひ…女の子…なの?」

「旭くんと 同じ 漢字かい?」

「はは 男だよ。朝日は苗字で、朝に 曜日の方の 日の字だ…った?と思う」

「あら、お料理上手だから てっきり 女の子かと思っちゃったわ~」

「はは 旭くんも、漢字が「朝日」って意味だから 気が合うのかもな?」

「その朝日君の、魔法のタレとか 楽しみだねぇ~!今のケーキから 察するに、とても美味しそうだ。旭くんも 横幅が気になるくらい食べてるみたいだしな?」

「ふふ でも、旭くんは 太ってなんか無いわ?大丈夫よ~?ねぇ、朝日君の 写真は無いの?」

「写真は…」無い。それ所か、連絡先すら知らん。

が…そんな希薄な関係だと…また心配させるだろうし…?

SNSやYour Routeなら、クロエ先輩兄弟とかチャーリー達が アイツの写真を…

いやいや…それのせいで、俺が…俺らが大事になってるんだし…あ!動画!

「最近の動画があるよ?この魔法のタレのレシピを 料理番組みたいに撮ったのが。俺のバイト先の 休憩室で撮ったんだ」

「あら~見たいわ~」

「旭くんのバイト先って…本屋じゃなかったかい?」

これで…バイト先との関係も良好で、時々食事に行く仲であり、アイツや連れ達、身内も含めて交流がある事が証明されて…

祖父母は安心した様子で良かった。

アイツに感謝だし、動画撮ってて良かった。

でも、動画の中の…俺は、声だけ だけど…普段の口調だから…

「先パ~イ、これ 編集してさ~ ポンッと 材料が魔法みたいに カット済み⭐︎!みたいにして~!俺が 魔法使った感が出る感じで~♪」

「え~?いや、編集する必要ねぇって。お前 切るの速かったから。他の工程でな?」

「いや、もう これで 終わりやもん」

「え?終わり?」

「うん!後は コレ全部 瓶に入れて、お任せするだけや」

「お任せって…誰に?」

「ん?冷蔵庫と時間に」

「あ~…はは じゃ、やっぱ 編集要らねぇ。このまま送る」

「え~っ⁈楽しみにしとったのに~!先パイなら 映画並みに出来るって!皆が言うけんさ~っ?」

「それは 俺の専攻外。そういうのは…沼尻さんとか、三ヶ尻先輩の専攻だ」

「え~…あ、あれは?あれあれ!」

「ん~?ああ、あれな?あれは してもいいぞ?」

「やったぁ~!じゃ、飯行こ~!今度は あれにする~!♪」

「ナポリタン?」

「ピンポ~ン♪さっすが先パ~イ!」

なんて事は無い、アイツとの いつもの1ページって感じだけど…俺の口調が…と思ったが…

祖父母にとっては、余所行きでは無い、普通の男子大学生の…ありのままの俺の姿の方が…良かった…安心した様だ。

目を細める…って…本当に 言葉通りだな…。

「朝日君って、元気いっぱいで 楽しい子ね~!それに、とっても顔が可愛いわね~ 目がキラキラしてて」

「本当に~ アイドルみたいじゃなぁい?ひょっとしたら、アイドルよりも イケメンなんじゃない?」

「あはは アイツは大学のアイドルだよ。ファンも多いよ 明るくて 性格も良いし 気が利くし…」

「そうか~ 魔法のタレが 益々 楽しみになって来たな~?旭くんの 冷蔵庫が 頑張ってくれてると良いな?ははは」

「ホントに!旭くんが お気に入りってのを食べてみたいな~。朝日君は 背が高そうだね?旭くんと 同じくらい?」

「タレに関しては、やっぱアイツの作った方が美味しいんだけど 味は大丈夫。保証するよ?背は170cmくらいかな?スタイル良いから 高そうに見えるけど」

とまぁ、こんな感じで…アイツのお蔭で 会話に花が咲き…いつもの静寂とは打って変わって…

祖母達が夕食の準備…は もう終わってるけど、温めたり 皿を出したりの時間まで あっという間に感じた。

そのままの勢いで 夕食になり 俺の作ったのも好評で、やっぱり このタレは万能だ。

双方の祖父母宅にも2種類とも作る事になった。

初めてのビールだったけど、「ラムネ食べとこうかな?」と俺が言い、祖父母が「え?ラムネ?」となり

またしても話が盛り上がって…双方とも 酒が強い家系だそうだが

さすがに 九州は規格外で、アイツの親戚の様に 水と泡盛を間違えて飲んで 普通ではいられない!と、祖父達は 大笑いしていた。

それに、ラムネの効果を試してみようと、皆で食べたけど…効果は明日に分かるのか?

ビールは 俺は好きな感じだ。ラムネ効果は分からないが、全然 酔ったり、熱くなったりしない。

チャイを飲んだ時の方が熱くなったな?スパイスの力は凄い。

それを聞いて、祖母達はカレーを食べたら熱くなるし?と言い、祖父達は熱燗飲んだら汗が出るからと言ったが…

熱燗で…うちのバイト先は 全滅してる話をし、俺が動けなくなったら 大変だからと回避した。

それをキッカケに…バイト先の事、連れ達 身内の事、漫研…送られて来た写真を見せながら

イベントで大盛況だった事、セミプロくらいのレベル揃いな事を伝え…

俺は 創作をやめたけど、心から 他人を応援出来る様になったし

夢に…執着せずに 資格取ったりして…前向きに歩いてる事…とかが

この会話から…伝わってくれたら…と思う。

楽しい時間…と言うのに ピッタリな 夕食を過ごせた。

今までなら、こんなに盛り上がる事は無い。

一般家庭から比べると、それでも 大人しい部類かもしれないが…。

年越しそばの前に 風呂を勧めれ、俺以外は もう入浴済みらしい。

酔って無いから大丈夫だろう。けど、年越しそばの時間もあるし サッと入る。

湯船に浸かり、さっきまでの会話とかを振り返り…大丈夫だったよな…?と考えながら風呂を後にし、リビングへ向かうと…

廊下まで 祖父母の会話が漏れている。

酒も入っているし、過去一 盛り上がった勢いのままだから いつもより 声が大きい様だ。

立ち聞きも…とリビングに入ろうとすると、「朝日君」と聞こえる。

アイツって…どこでも 話のネタになるな…?

少し そのまま 立ち聞きする事にした。

「あ~ 何回も 言ってしまうけれど…良かったわ~…!本当に!」

「本当だね~!大学でもバイト先でも…仲の良い人達が多いみたいだし…!!」

「朝日君が…女の子だったら~…って…思っちゃったわ~…!凄く」

「それは思うよ~?女の子だったら…旭くんの お嫁さんにって…ずっと 一緒に居て欲しいのにな~…我々も安心なんだけど…」

「ホントにね~…!」

その会話を聞いて…ああ…良かった。安心してくれて…と思ったのは、布団に入ってからだった。

それよりもッ!、だ!!アイツが 女だったらっ?冗談じゃない!!

アイツが 男だったから!良かったんだよ!!

女だったら…とんでもない!!

急に抱きついて来たり、膝に座ったり…誕生日にケーキ焼いて来たり…

今までで!1番厄介なストーカーと同じ…いや、それを遥かに上回る!!!

考えただけで…ゾッとする!!アイツが女だったら…女でも…戦闘力とかで…勝てないんだろうな…??

良かったぁ~!アイツが男で!!

恋愛だの 何だの…そんな事は 全く無く!先輩・後輩として、興味がある一族として 謎を探って!

卒業と同時に 後腐れ無く 縁が切れるんだし、連絡とかを 取り合う仲になったって、友人…とかのカテゴリーで

アイツの近況とか…絶対 面白くて笑える話が聞けるから、連絡先交換しても いいなって思ってるけど…!!

あ~!良かった~!アイツが男で!!本当に良かった!!

女だったら、そもそも こんな風には なって無い。

弁護士さん案件にしてただろう。確実に。

男同士の、先輩・後輩だったからこそ!成り立ってるんだ!今が!

年越し目前、本当に年越しそば…に思った 今年の総括は

①アイツが男で本当に良かった!

②祖父母が腐界の住民じゃ無くて、何より!

以上2つだった。
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