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第34話 2人の夏休み⑪
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「大丈夫か?」
「…俺…東京では…無理かも……」
「…そうか…無理しなくていいんじゃないか?」
「え?」
「別に 大学生になりたかったわけでも、東京に行きたかったわけでも、今の専攻を勉強したいわけでも無いんだろ?」
「…うん…」
「家族の希望で頑張って進路変更して、前向きに勉強してて偉いとは思うけど。地元に帰って就職する時にプラスに働くかもだし」
「……」
「でも、一番大事なのは…自分自身だろ?」
「……」
「今みたいに、我慢して、苦しい思いして、変な人間が近寄って来るし…メンタル壊れてからじゃ遅いぞ?一生後悔する。そこは絶対だ」
「あ……」
「家族と島の人が送り出してくれたのは知ってるし、結果出すまで、卒業するまで帰れないって気持ちは分かってるつもりだけど、このままじゃ 心身共に壊れるかもしれないぞ?この前、バイト終わりって言ってたから 熱中症かと思ったけど、ストレスで熱出たり、体調崩したりするんだから…」
「あ……」
「今回…帰省しなかった理由は さっき聞いて分かるし、お前の性格ならな、とは思ったけど、他人の為だけじゃ苦しいだろ?」
「…うん……!!」
これは…コイツに言っているようで…俺自身に向けての…言葉でもあるな…。
俺と…祖父母と…会うことも無い…両親と……。
「…ま、今までの友達付き合いとは違うし…分かんないかもだけど…距離感とか…」
「うん…」
「お前は 既に希望職種で働けるだけの資格とかあるし、ガソリンスタンドでも経験あるし…地元帰っても…仕事は あるわけだろ?家族と島の人が気になるかもだけど、島以外の近場とかでも暮らせるかもだし…東京よりは 地元の方が暮らし易いだろ?麺類のつゆの味も無理に慣れなくてもいいし」
「……」
「今の専攻なら…地元に編入とか、パソコンさえあれば 資格を独学でもいけるし…無理に東京で頑張る必要は無いと思うけど」
「逃げたみたい…負けて…」
「…そういう考え方も…人 次第だな。俺はそうは思わないけど?自分の好きな所で好きな事して生活できるのは 最高の勝ち組だと思ってる」
「!!!」
「東京が一番偉いんじゃないし、凄いんじゃない。皆 東京に呑まれて踊らされて心身共に参る人なんて いくらでもいる。お前が東京に染まるのは、勿体ないと思ってる。普通の人間が経験出来ない事をしてるし、人には無い…真似出来ない 個性があると思うから…」
「…先パイ…」
「…東京とか都会から、移住してる人も多いし…住むのに 合う・合わない、があるんだ 負けじゃない…」
「うん…うん…」
これもまた…どこか…俺自身に向けて 言ってる…な…自分……
「ま、決めるのは お前自身だし、俺が口出しする事じゃないけど。家族でも無いしな。でも、このままだと、お前は潰れるかも、とは一応言っておくだけ。俺も一応「先輩」だから」
もうこれで…俺の「先輩」としての「相談」という役割は終了だ。
後は全く関わるつもりは無い。
自分で言うべき と思った事は伝えた。
後は知らない。
ずっと…顔を埋めて黙ってるけど…。
そろそろ離れてもらわないと。暑いし、神戸さんとの約束もある。
震えてる…微妙に…。こんな時…友達とか先輩なら、ギュッと抱きしめ返すとか、頭や背中を撫でたりするんだろうけど。
俺はしない。直立不動のまま。
親にも そんな事されたこと無いし、甘えた事もない。
もしかしたら、祖父母か保育園の先生なら確実にしてるだろうな。
1才なって すぐから保育園だから。
「先パイ…」
「ん?」
「俺…今、誰にも会いたくない気持ちなんですけど…東京では…どんな風に言えば…相手が怒ったりしないんですか?」
「…あー…そうだなー…用事があるとか、体調悪いとか、言っとけば良いよ」
「嘘でも?」
「うん。皆、そんな風にして上手にかわして…ゆっくりしたい時とか 一人の時間とか、やりたい事に使える時間を作ってるんだ…大体。仕事とか、そんな時は アレだけど…責任があるからな。ズル休みは良くないけど。…正当な理由…本当にキツイ時とかは良いと思う。仕事でも。特にお前は…安全第一だろ?ガソリンスタンドはCMでしか見たこと無いけど…不安定な時には…な」
「うん…」
「お前は…きっと…疲れたんだ。人と居る事に…たぶん」
「…何か…そんな気がする…」
「お前の話、昼に聞いてるだけだけど…島とか実家みたいに 一人の時間の楽しみ方が…出来て無いんじゃないか?今……」
「一人の時間の楽しみ方…?」
「人にもよるけど、一人で ボーっとしたり、景色見たり、散歩したり…そんな時間も大切な人は多いと思うけど…」
「あ…!俺、それや!それ全然して無かった!出来んかった…!ずっと人と一緒で…一人で家の中に居っても…窓も開けられんし…風も無いし…景色も……」
「東京じゃあな…難しいな。海が見える所に住むとか」
「うん…」と言って、また黙るし…もう時間だし…「先輩」は お終いだ。
これで…。
最後に…色々あった「先輩」から、同じ道を辿らないように…「後輩」にアドバイス…というか…
餞《はなむけ》…的な……。
「そろそろ、神戸さんとの約束あるから…」
「あっ!すんません!」
そう言って、アイツはパッと離れたけど…デコも鼻も…腕も…くっきりと赤くなってるし…。
店長達…は 良いとし…よう…外歩く時なぁ…コイツ…まぁいいか…。
「豊洲って知ってるか?」
「あ…市場の?」
「そう。そこの近く…2kmくらい?駅からは近いけど、図書館がある。海が見える所」
「え?」
「実家からの眺めとは 全然違うだろうけど、一人になりたいようで、完全に独りが嫌なら…図書館なら、皆 お前の邪魔をしない。もし、関わって来てもスタッフさんが対応してくれる。これは図書館のルールだし、お前に非は無い。誰が見聞きしても」
「あ…!」
「豊洲市場なら、ずっと食べたがってた地元の魚もあるかもだし、スーパーより少なくとも鮮度は良いだろうし、近くには 海が見える公園とか散歩コースもある。気が向いたら行ってみてもいいし。東京だからクソ暑いし、観光客は図書館以外は多過ぎだけどな……」
「先パイ…!!!」
「疲れたんだよ…お前は…。ちょっと 一人になってみたら?一人で自由になって、夏休みは もう少し残ってるから」
「うん…!そうします…!」
「ん。あと、帽子とかサングラスとか安くてあるから、100均とかでも。顔隠しとけ?東京じゃサングラスしてるの珍しくないし、外国人は大体してる。舗装された道路ばっかで 照り返しで目が痛いしな?」
「!先パイ~~~!!」
「おっ…ちょ、神戸さんと約束あるから」
「は~い!…へへっ 先パイのところ来て良かったぁ~~っ!」
「…そう?ま、じゃ、気をつけてな?」
「はい!」
もう、これが最後。終わりだぞ。もう知らない。
「人違い」だから。これ以上の義理は無い。
コイツなら引きが強そうだし、本当に「友達になりたかった」本人を見つけそうだし。
それこそ、市場で食べ歩きとかしてて…とか。
もう、「ご本人さん」に熨斗《のし》付けて お願いするわ。
俺はよく頑張った 一学期の間。
「…俺…東京では…無理かも……」
「…そうか…無理しなくていいんじゃないか?」
「え?」
「別に 大学生になりたかったわけでも、東京に行きたかったわけでも、今の専攻を勉強したいわけでも無いんだろ?」
「…うん…」
「家族の希望で頑張って進路変更して、前向きに勉強してて偉いとは思うけど。地元に帰って就職する時にプラスに働くかもだし」
「……」
「でも、一番大事なのは…自分自身だろ?」
「……」
「今みたいに、我慢して、苦しい思いして、変な人間が近寄って来るし…メンタル壊れてからじゃ遅いぞ?一生後悔する。そこは絶対だ」
「あ……」
「家族と島の人が送り出してくれたのは知ってるし、結果出すまで、卒業するまで帰れないって気持ちは分かってるつもりだけど、このままじゃ 心身共に壊れるかもしれないぞ?この前、バイト終わりって言ってたから 熱中症かと思ったけど、ストレスで熱出たり、体調崩したりするんだから…」
「あ……」
「今回…帰省しなかった理由は さっき聞いて分かるし、お前の性格ならな、とは思ったけど、他人の為だけじゃ苦しいだろ?」
「…うん……!!」
これは…コイツに言っているようで…俺自身に向けての…言葉でもあるな…。
俺と…祖父母と…会うことも無い…両親と……。
「…ま、今までの友達付き合いとは違うし…分かんないかもだけど…距離感とか…」
「うん…」
「お前は 既に希望職種で働けるだけの資格とかあるし、ガソリンスタンドでも経験あるし…地元帰っても…仕事は あるわけだろ?家族と島の人が気になるかもだけど、島以外の近場とかでも暮らせるかもだし…東京よりは 地元の方が暮らし易いだろ?麺類のつゆの味も無理に慣れなくてもいいし」
「……」
「今の専攻なら…地元に編入とか、パソコンさえあれば 資格を独学でもいけるし…無理に東京で頑張る必要は無いと思うけど」
「逃げたみたい…負けて…」
「…そういう考え方も…人 次第だな。俺はそうは思わないけど?自分の好きな所で好きな事して生活できるのは 最高の勝ち組だと思ってる」
「!!!」
「東京が一番偉いんじゃないし、凄いんじゃない。皆 東京に呑まれて踊らされて心身共に参る人なんて いくらでもいる。お前が東京に染まるのは、勿体ないと思ってる。普通の人間が経験出来ない事をしてるし、人には無い…真似出来ない 個性があると思うから…」
「…先パイ…」
「…東京とか都会から、移住してる人も多いし…住むのに 合う・合わない、があるんだ 負けじゃない…」
「うん…うん…」
これもまた…どこか…俺自身に向けて 言ってる…な…自分……
「ま、決めるのは お前自身だし、俺が口出しする事じゃないけど。家族でも無いしな。でも、このままだと、お前は潰れるかも、とは一応言っておくだけ。俺も一応「先輩」だから」
もうこれで…俺の「先輩」としての「相談」という役割は終了だ。
後は全く関わるつもりは無い。
自分で言うべき と思った事は伝えた。
後は知らない。
ずっと…顔を埋めて黙ってるけど…。
そろそろ離れてもらわないと。暑いし、神戸さんとの約束もある。
震えてる…微妙に…。こんな時…友達とか先輩なら、ギュッと抱きしめ返すとか、頭や背中を撫でたりするんだろうけど。
俺はしない。直立不動のまま。
親にも そんな事されたこと無いし、甘えた事もない。
もしかしたら、祖父母か保育園の先生なら確実にしてるだろうな。
1才なって すぐから保育園だから。
「先パイ…」
「ん?」
「俺…今、誰にも会いたくない気持ちなんですけど…東京では…どんな風に言えば…相手が怒ったりしないんですか?」
「…あー…そうだなー…用事があるとか、体調悪いとか、言っとけば良いよ」
「嘘でも?」
「うん。皆、そんな風にして上手にかわして…ゆっくりしたい時とか 一人の時間とか、やりたい事に使える時間を作ってるんだ…大体。仕事とか、そんな時は アレだけど…責任があるからな。ズル休みは良くないけど。…正当な理由…本当にキツイ時とかは良いと思う。仕事でも。特にお前は…安全第一だろ?ガソリンスタンドはCMでしか見たこと無いけど…不安定な時には…な」
「うん…」
「お前は…きっと…疲れたんだ。人と居る事に…たぶん」
「…何か…そんな気がする…」
「お前の話、昼に聞いてるだけだけど…島とか実家みたいに 一人の時間の楽しみ方が…出来て無いんじゃないか?今……」
「一人の時間の楽しみ方…?」
「人にもよるけど、一人で ボーっとしたり、景色見たり、散歩したり…そんな時間も大切な人は多いと思うけど…」
「あ…!俺、それや!それ全然して無かった!出来んかった…!ずっと人と一緒で…一人で家の中に居っても…窓も開けられんし…風も無いし…景色も……」
「東京じゃあな…難しいな。海が見える所に住むとか」
「うん…」と言って、また黙るし…もう時間だし…「先輩」は お終いだ。
これで…。
最後に…色々あった「先輩」から、同じ道を辿らないように…「後輩」にアドバイス…というか…
餞《はなむけ》…的な……。
「そろそろ、神戸さんとの約束あるから…」
「あっ!すんません!」
そう言って、アイツはパッと離れたけど…デコも鼻も…腕も…くっきりと赤くなってるし…。
店長達…は 良いとし…よう…外歩く時なぁ…コイツ…まぁいいか…。
「豊洲って知ってるか?」
「あ…市場の?」
「そう。そこの近く…2kmくらい?駅からは近いけど、図書館がある。海が見える所」
「え?」
「実家からの眺めとは 全然違うだろうけど、一人になりたいようで、完全に独りが嫌なら…図書館なら、皆 お前の邪魔をしない。もし、関わって来てもスタッフさんが対応してくれる。これは図書館のルールだし、お前に非は無い。誰が見聞きしても」
「あ…!」
「豊洲市場なら、ずっと食べたがってた地元の魚もあるかもだし、スーパーより少なくとも鮮度は良いだろうし、近くには 海が見える公園とか散歩コースもある。気が向いたら行ってみてもいいし。東京だからクソ暑いし、観光客は図書館以外は多過ぎだけどな……」
「先パイ…!!!」
「疲れたんだよ…お前は…。ちょっと 一人になってみたら?一人で自由になって、夏休みは もう少し残ってるから」
「うん…!そうします…!」
「ん。あと、帽子とかサングラスとか安くてあるから、100均とかでも。顔隠しとけ?東京じゃサングラスしてるの珍しくないし、外国人は大体してる。舗装された道路ばっかで 照り返しで目が痛いしな?」
「!先パイ~~~!!」
「おっ…ちょ、神戸さんと約束あるから」
「は~い!…へへっ 先パイのところ来て良かったぁ~~っ!」
「…そう?ま、じゃ、気をつけてな?」
「はい!」
もう、これが最後。終わりだぞ。もう知らない。
「人違い」だから。これ以上の義理は無い。
コイツなら引きが強そうだし、本当に「友達になりたかった」本人を見つけそうだし。
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