先パイッ!「ビーエル」って何ですかっ?

AnnA

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第49話 適量は半分こ

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「ん~?あれ?嵯峨君兄ちゃん、やっぱ余裕~?笑ってる~?」

「え…いえ…でも、もう…どうしようも無いと言うか?」

「嵯峨君!嵯峨君ごめんね!何もするつもりは 無かったんだよっ?」

「あー…いえ、別に…本当に何もされて無いですし…コイツが先に反応して…」

「お兄ちゃんが こう言ってるからさ~?許してあげる~?別に 許さなくてもいいよ~?空手部は困らないし~♪」

「伊波ッ!!」

「…もう、ここに居る 全員 次は無いっすからね…?」

「OK !OK!ありがと~ねっ!もう、朝日君いない時は 柔道部が嵯峨君守るからさっ?」

「えっ⁈」

「…じゃ、それで 手打ちにします…」

「はっ?いや、おかしいだろ?大体、俺がそんなに狙われる訳ねぇだろっ?」

「いや、東京治安悪りぃし…。何があるか分かんねぇから?手ェ出されんの嫌やけん、しゃーねぇ…」

「はぁ~…?もう…何なの お前~…」

「あはは~♪じゃ、仲直り記念に何か甘いのでも食べて落ち着いたら~?イライラした時は甘いのってね~?奢ってもらいな~?迷惑かけられたからさ~?」

「あっ、じゃあアイスでも…他のデザートでも良いけど~?俺らが奢るわッ!嵯峨君の分も!」

「えっ?いえ…大丈夫です、俺は…」

「俺も…何か…買収された感が…」

「あはは~ じゃ、嵯峨君兄ちゃんに奢ってもらいな~?」

「あっ そうします!」

「へっ?俺っ?」

「お兄ちゃんからの方が 機嫌が直るってやつだよ~?ねぇ~っ?♪」

「うん!♪」

「え…いや…俺…?」

もの凄く…腑に落ちないけど…

え? これ…助けてもらった お礼…なら…
俺が奢るのが筋だけど…

え? これ…俺かな…?
数百円が惜しくて、こう思ってる訳じゃ無いけど…

俺か? これ…???

ま、いいか…数百円で コイツのピリピリしたのが治って…新情報…現代武術とは相性悪いとか 何とかが聞けたし…

「良し」としよう…釈然としないけど…。

そうして、伊波先輩が上手に?その場を収めてくれたから…良かったが…

俺は柔道部の「姫ポジ」にまで 周知され…おかしいだろ?

何で、学内で一番のモブ男が、しかも180cm超えてて ガタイいいから絡まれる事なんて無いのに…。

もう…コイツと関わってから…普通の日々が無いんだけど……

「…アイスで良いのか?」

「うん!俺あんま甘いの食べんし」

「へぇ~?意外だな。この前、お姉さん達のパン食べてたから 甘いの好きかと思った」

「あ~、姉ちゃん達のは 甘さ控えめで~食育とかも しよんけんさ?それに、島ではコンビニとか無いし~、市販のお菓子じゃないで、ほとんど 手作りばっかりやったけん、市販の あんま食べたいと思わんっつーか、食べる習慣が無いけん。俺が食べたいのは、ばーちゃんとか姉ちゃん達の作ったの~。市販の甘過ぎ~俺には」

「そっか…へ~ お姉さん達、食育とかもしてるんだな?」

「うん。保健師の免許も持っとんし、若手やけん、色々 押し付けられるみたいで~?ちなみにアイスも、姉ちゃん達が作ったのか~ドライブ行った時に寄った牧場とかの お土産しかないけんさ~。あんま市販のアイス分からんけん、先パイのオススメ食べる!」

「え?俺も市販の…つーか甘いの食べねぇから…」

「あ、そうなん?プリン食べよったって聞いたけど?」

「あれは、ほろ苦い感じで甘く無いんだよ」

そんな感じで、アイスを奢ってやって、時間も無いし、甘いのそんなに好きじゃないから

定番商品の一口サイズが7粒入りのやつにした。

俺の勝手なイメージでは、青いソーダ味?のアイスが似合うと…コイツと伊波先輩は

でも、コイツはこれを買って

伊波先輩は甘党?小豆と練乳たっぷりのかき氷を買っていた。

…個人的には もっと南国っぽいの食べてるの見たかったけど…。

元のテーブルに戻って 連れ達の顔は、「よくぞ アイスで 元通りになったなッ⁈」と、恐さと安心とが混じった様な…

まあ、分かるわ…。

BL愛好家の面々は言うに及ばす…
徹夜明けで テンションが更におかしい。

コイツの方が まだ、まともに思える程に。

7粒でも多かった…訳じゃないけど、「先パイに半分あげる」…って、俺が買ったんだけど…

日本語的に…「ありがと」と言いつつ貰って…

だって、身内全員が「ナオくんの 機嫌損ねるなッ⁈」の圧が半端ない。分かるけど……。

ま、今日 もう一つ 分かった事と言えば…

このアイスは、ちょうど半分くらいが、俺にとっては適量だな。

超定番のロングセラー商品だけど、俺もコイツも初めて食べたけど。

それに、コイツも そうだったみたいだ。

このアイスの俺らの適量は半分ずつ。
コイツは4粒、俺は3粒。

それが分かった日だけど…

何の役にも立たないけどな。
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