先パイッ!「ビーエル」って何ですかっ?

AnnA

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第70話 絶対譲れないもの①

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昼食の後、一緒に食事をしている身内のほとんどが 3限が空く日だから

いつもなら カフェテリアに残って話してるか、俺は周囲からのBL観察が面倒臭いし、資格の勉強あるから…と

図書室に行くのが いつものパターンで、最近はコイツも「資格の勉強で~、先パイ に教えてもらう~」と俺について来るのが お決まりになっていた。

けど、今回は 資格の勉強はお休みだ。

さっき押しかけて来た クソ共と、起こり得る面倒事を 予想・回避するための情報収集が必要だからだ。

いつもの感じで カフェテリアを後にし、図書室じゃ中々 話せない…というか

元々 静かにしないと駄目な場所だし、誰が どこで聞いてるか、繋がってるか分からないから…

誰でも自由に使える小会議室…ミーティングや自習とかをする個室に入り、コイツと2人で 今までの絡まれたり とかの出来事を振り返った。

「じゃあ、やっぱり大勢で どっかに行った後に絡まれやすい…つーか、女子に声かけられやすいんだな?」

「うん…そう言われたら、そうやな~確かに。ま、普通にバイトの行き帰りとか、バイト中も声かけられたりするけど…」

「それは、お前のファンだろ?「助けて下さい」的なのじゃ無くて」

「ん~…ファンて…でも、そうやな~ 先パイに言われて考えると…バイト中は もちろん「助けて」も言われんし、バイト行く途中も「助けて」的なので話しかけられたりせんしな…バイト帰りに「助けて」系が多いな?」

「それは、帰りの方が時間的に遅いから…って事だけじゃなくて、バイト終わりで用事が無さそうだから ナンパしたら成功率高いって思ってるのと 同じ感覚だろうな」

「え~?マジ迷惑~…。でも、そっか…今までは バイト終わり→時間遅い→絡んで来る様な酔っ払い多い…って思っとたけん、何とも思わんかったけど…」

「気をつけろよ?そういう連中は、すぐ手のひら返して 逆に お前が加害者にされたりするし…それに、お前も分かってるから、柔道部達が 試合に出られるように 面倒事を引き受けてやってるんだろうけど」

「うん…面倒事…暴力沙汰になると、出場停止…とか あるけんな~。せっかく頑張っとんのに、それは可哀想やし…正当防衛でもペナルティになるしな。特に運動部とかは 連帯責任つーか、個人技じゃないスポーツはな…1人欠けるとな~全然違うみたいやん?」

「そうらしいな…」

「うん。高校の時…野球部の友達がな、怪我して…大事な甲子園予選でな~…可哀想やったわ…。自分が一番痛いし キツかったと思うけど、チームの方に迷惑かけたのが 一番苦しかったみたい…最後の夏やったし、少しでも上の順位を目指したいやろうし…甲子園行けんでも プロっつーか、ドラフト?つーのは声かかるけどな?怪我が完治して実力があれば…やけど」

「自分以外のメンバーが…ってやつか…全員プロになりたい わけじゃねぇだろうけど…」

「うん。今まで 頑張って来た事の集大成が…やろうな?有終の美、でもねぇけど…人並みの終わり方じゃないとな~?怪我とかなら しょうがねぇけど、部員が悪い事して出場停止の宙ぶらりんじゃ…納得出来んし、諦めきれんというか…恨んだりもな~…気持ちは分かるわ。真剣にやって来たらな」

「そうだよな。…なぁ、お前から見て 柔道部達の実力って分かるか?その 何つうか…優勝しそうとか、プロになりそうとか…」

「え?いや、俺 練習しよん所は見たこと無いし。ん~良い所は狙えるような感じで 話してないっけ?学校のホームページとかなら、部活の公式戦とかの記録とか出しとらんかな?まあ、伊波先パイは頭一つ出とん感じするけどな~、対戦したこと無いけん、分からんけど…柔道部の副主将も…何となく実力ありそう?な気はするけど…やっぱ対戦するか練習見るか せんとな~」

「そっか…なるほど。サンキュー。ホームページか…」

「うん…何か、先パイが考えとん事が 分かったような気ぃするけど…未成年の飲酒とかタバコとかで 高校スポーツはダメになったりやけど…大学なら成人済みも おるしな?それ以外で…って事…?」

「…そう…なんだよな…」

「…先パイ、何かあった?」

さっきの連中の話 聞けば、俺が過去に何か あったのは100%なのは誰でも分かるわな…

今頃 カフェテリアでは 大いに盛り上がってるんだろうけど…ウザ。

でも…この件は…俺じゃ無くて…

俺が、美大でモデル始めるキッカケになった出来事だった…

「俺じゃ無くて…な」

「…そうなん?」

「ん~…ここだけの話に しといて欲しいんだけど」

「分かった」

「俺の知ってる…つーか 知り合いの 知り合いレベルなんだけど。遊び半分と言うか、モテるのがステイタス…みたいなクソ女達に引っかかって、女が同時進行で何人もと付き合ってて、それで揉めて暴力沙汰になって…男が全員 大学の運動部だったから…公式戦が出られ無かった…っていう事があってな」

「え~っ⁈何それっ⁈クソ女~っ!!」

「だろ?でも、後々…そのクソ女達は承認欲求の塊の素人…じゃ無くて、プロ…つーか 美人局疑惑が出てな?真相は分からねぇんだけど…自分の病的な承認欲求 満たすのに、堕ちる所まで堕ちた…結果と言うか…?」

「美人局疑惑って?どうゆう事…?」

「個人的に…モテる女が偉いって思考で 馬鹿な男を騙して遊んでる…だけなら…法的にも引っかからないけど。バックにそれを指示する人物…とか組織があると話は別だ。全く同じ事してても、法に引っかかる。自分達は手を汚さずに、すぐ切って捨てられる クソ女達を使って…。大人になれば、コネとか金とか色々混じって、特定の人間や大学を優勝させたり、無実の人間を罠に嵌めて 出世コースと言うか、華やかな道から外したい人間がいるからな…」

「そんなっ!!」

そう…あの日、急用でモデルが来れなくなったから…って言われたのは

部活の練習時間が変更になったわけでも、風邪とか体調不良でも無かった…

しばらく…同じ部の人も、共通の友達として 代役としてモデルに来れなかったのも…それが原因だ。

全員、有名な選手じゃ無かった。プロになれる様な…

ただ、連帯責任と…クソ女達が同じ大学内だけじゃ無くて

それぞれ違う大学の…その大学の代名詞とも言える…優勝候補筆頭の名門の部活の男達に手ェ出してたから…

各々、サッカー部、ラグビー部、アメフト部…に泥を塗った形になったし

クソ女達が自分がモテるのを数値化して競う様に…同じ部内でも何人も手ェ出してたらしいからな。

部の内外でボロボロだったらしい。

結局、3~4人のクソ女達に 3校の部活は潰され…ては無いけど

2年間は本来の成績が残せなかったし、個人の夢や努力や将来は潰された。

自主退学した後の事も、部に残って 不完全燃焼で卒業になった後の事も知らないけど…。

「俺は、お前が そんなのに巻き込まれて…と言うか利用されて、潰されたり、退学になったりは 絶対させたく無い」

「先パイ…!」

「クソ女達のレベルにもよるし、個人でも、バックに付いてるのが いるのでも…ヤバイ人間は違法な薬物とか…も使って他人を堕としたりするからな?そんで 一番手っ取り早いのは SNSとかで流す事…だから。自分達が拡散しなくても、赤の他人が面白がって喜んで拡散して、悪事を手伝ってくれる…それも無料でな?」

「あ…!」

「な?恐いぞ SNSとかの世界は…。絶対に 巻き込まれるなよ?いいな?」

「うん!はいっ!!」

「よし。本当に絡まれてたり…ならな、その女子達の今後が…とか思うけど…。そん時は、「交番行こう」って言え?嘘とか、さっきの連中みたいに 検証動画系とかなら、ネタばらしして 大体去る…はずだし。虚偽申告なら、お前が被害者だし、非は無くなる。背骨とか首とかを折らずに…正当防衛の範囲ならな」

「うん!そうする!東京 怖ぇ…つか、姉ちゃん達の言う通り…生きとる人間が一番恐い…な」

「…!。ああ、本当それだ。お姉さん達の言う通りだよ…」

「うん…あと…先パイは やっぱ、超優しくて、超カッケーし、最高やっ!!めっちゃ大好き!!」

「…今は、たまたま…珍しく「先輩」モードだからな?」

「ん~?ふふっ どんなモードでも好きやけど~♪」

「お前な…俺は自分のため、だけどな」

「え?」

「お前の「わざわざ内緒にした秘密」に辿り着くまで、お前を退学にするわけには いかねぇの。お兄さん達からもメッセージカードとお土産も頂いて…あ」

「ん?」

「あの、お土産もバイト先のメンバーで美味しく頂いて、ありがとうございましたって言っといて?」

「あ~!あれな~?OK~美味しかったなら良かった~!」

「店長と神戸さんとか、二日酔いで日曜 使いものになら無くてな…一人で 大変だったけど…そのくらい美味かったよ 飯にも酒にも…あと、土曜にお前が言ってた具材で生姜焼きしたら、過去一の出来になったわ」

「わはは!店長さん達ダウンか~!先パイお疲れ様~♪あれ、生姜焼きにしたんか~ 確かにナイス チョイスやな~!うまそ~」

「お前なら 何作んの?」

「ん?あ~レバニラ的なのと迷ったけど、姉ちゃん達の秘伝の魔法のタレ使った~!クソ旨くて~ 飯3杯いった~!」

「昼にあれだけ食べて3杯か…ま、そんくらい旨いんだろうな。お姉さん達なら納得」

「うん!今度 金曜に持って来ようか?」

「何で金曜?」

「ニンニクとかニラ、ネギ…とにかくヤバイ程 入っとるけんさ?」

「あはは そういう事か。でも、せっかく送ってきてくれたなら、大事に使えよ?無理すんな」

「うん、でも大丈夫~!それに、先パイに「旨い」って言われるの嬉しいもん!先パイ褒めるの上手ってよく言われん?めっちゃ褒めるの上手~!嬉しいし、やる気出る!!もっと やろう!ってさ~」

「…いや、言われた事 無い…というか人を褒めないし」

「えっ?そうなんっ⁈俺 いつも先パイに言われると嬉しいけどな~?あ!ほら、野尻先パイ達もさっ?…さっき…俺、めっちゃビビった~!何か乗り移ったかと思ったも~ん!」

「ふっ ふふっ うん…あれはな~ 俺もビビったわ さすがに ふふっ」

「そうでなっ?やっぱ! 時々あるんやけど…何なんやろうな?先パイと一緒の時に多いんやけどさ~?さっきの連中よか、よっぽど、ヤバイって思って 体勝手に動いたもん!!」

「ふふっ やっぱ そうだったのか。守ってくれようとしたんだ?」

「うん!反射的にな…同じ部の先パイ達に こんな反応ダメやな⁈と思ったけどさ?益々…こう…パワーアップ?して…元カレとかを語りよんし…俺の あの反応に気を悪くして無さそうやけん、そのまま くっついとったけどさ?何か…凄かったやん…?過去1レベルで…」

あ~っ ダメだ!全然分かって無い!!
腐女子とかBLを!!!

お前は火(腐女子)にガソリン(萌?)注いでんのっ!!

バイトでも、ガソリン入れてるかもだけど!

ふふふっ あ~っダメだ!めっちゃクソかわいい奴!!

ヤベェ~…!反則だろコレ…?
それこそ…最強…中毒性とかありそう…

合法的か疑うレベルで、かわいい後輩なんだけど…⁉︎

超かわいい から…このまま しばらくはBL内緒にしよう。そうしよう。

この反応と天然ボケを楽しまなくちゃ…勿体無い!!

あ~…ヤバイ…最強かわいい…

「なん笑いよんの?怖くなかった?野尻先パイ達…」

「いや…怖かった、正直…けど…」

「けど?」

「お前さ…最強の人間って誰と思う?」

「ん?そんなん、簡単やん!「おばちゃん」!!太古の昔から、人類最強の種族は「おばちゃん」!!絶対勝てねぇ!!」

「!はっ…はははっ!ヤバイ!分かる…!分かるけど…!!ふふっ ふふふ…っ!」

「うちの姉ちゃん達だって、歳取れば「おばちゃん」って 益々 最強の身分と称号が手に入るとか楽しみ~♪っち言いよんしな~?」

「あははっ さっすが お姉さん達だな!本当に流石だ。ふふ…でも、一般的には「おばちゃん」って言われたら 気を悪くする人が多いから、気をつけろよ?」

「あ~!それな!姉ちゃん達からも兄ちゃん達からも言われた~!特に東京では気をつけろよっち~!田舎と違うし、西日本とも違うって~」

「うん。分かってるなら、いい…俺もさすがに「おばちゃん」相手じゃ、お前を守れる自信 無いし ふふ…」

「あ~!一緒~!俺も「おばちゃん」相手じゃ 先パイ守れるか 不安やわ~!マジで!!」

誰が相手でも…お前は守る。

卒業までは譲らない…絶対譲れない。

俺にとっては、お前が最強。

けど…確かに、「おばちゃん」世代と交流した事 無いから 対処法が分からないけど…

美人局では…「おばちゃん」は…

これ、声に出したら多方面から攻撃されるな…口は災いの元…。

俺も気をつけとこ。最近よく喋るしな…コイツにつられて。
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