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第一章:視点はだいたい橘礼人

全員集結

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 橘と如月はその後、李の指示に従いお互いにリビングにある空いているソファーに座り、しばらく人が集まるのを待つことにした。

 その間、橘は改めてリビングの中を見回した。

 この館のリビングが広いことは知っていたが、久しぶりに見ても、やはりとても広く感じた。リビングの両側には木製の豪奢な箪笥が並び、その上にはこの館の主人の趣味なのか、動物の置物などが多く飾ってある。中央には巨大な木製のテーブル(三十人近くは囲めるくらいのもの)、その周囲にはテーブルを囲むようにロの字型に今橘らが座っているソファーが設置され、そこから少し離れた場所に、物騒な警告文が映し出されたテレビが置かれている。天井には金色に光り輝くシャンデリアがぶら下がり真っ白な壁を照らし、床には真っ赤なカーペットが敷かれている。真っ白な壁にはテーブルを挟む形で、金色の縁で覆われた豪奢な丸時計が二つ。時計が示す時刻を見るに、今はちょうど正午らしい。

 リビングの奥には扉があり、(李に睨まれながら)見に行ってみるとその扉の先には巨大な台所と巨大な冷蔵庫があり、中にはたくさんの食糧が冷凍保存されていた。

 少しだけおなかがすいていたが、食べていいものかどうか迷い(李に叱られそうだったから)結局手を付けず、ソファーに戻る。その後は学校の宿題のことなどを思い返しつつ、だらけていた。

 李がこちらを侮蔑するまなざしで見ていた気がするが、まあ気のせいだろう。

 そして、李の言った通り、約五分おきに二人ずつこのリビングに集まり、誰もが如月がしたのと同じような質問をした後、李に説得されてリビングで待つことに。結果、橘がリビングに着いてから約四十分後、総員二十四名が集まった時点で突然テレビの画面が切り替わった。
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