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仮面の男、襲撃

仮面の下の表情

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「そうですね、あの身体から放たれている威圧感はまさしくマスターのものです。」
創一が驚いていないところからやはり気づいていたか。
「だが、中に入っているのは俺ではないな。色々とおかしすぎる。」
そう、確かにあの身体は俺のだったがまるで中の人間は使いこなせていなかった。まるで借り物の身体を使っているかのように。
それに放たれた魔力も俺のとは違う。あれほどの禍々しい魔力は俺のものではない。
だとすると、アレは・・
「多分あいつだな。」
「マスターも同じことを思っていましたか・・」
「あぁ、恐らく間違いない。あの魔力は奴だな・・」


「チッ!やはりまだまだ勝てないか・・」
先程、陸斗によって異次元に蹴り飛ばされた仮面の男は特にダメージがあった様子はなく、ただ怒りのみを爆発させていた。
「この仮面も随分と窮屈になったもんだ。」
そう言って男が仮面を外すとそこには陸斗と同じ顔があった。
「ふぅ、こいつの姿になったのは癪だがものすごい力を感じる・・」
そう言って男は魔力を放出させる。それは先程よりも強くなっていた。
「まぁ、いい。これくらいじゃなきゃ潰し甲斐がない。見ていろリクト、お前の大事なものを根こそぎ破壊してやる。手始めに教国から破壊してやる。」
男はそう言って闇の中に消えていった。

その頃、フィル達はアイリ達にこのことを伝えていた。
「仮面の男・・?」
「はい、あまり強くはなかったのですが・・」
「倒しきれなかったのには理由があるんでしょ?」
横からエイフィーが話しかけた。
「はい・・」
「恐らくそいつは教国に戻ったわね。」
「なんでそんなことを・・」
「だってそいつリクト様を恨んでる感じだったんでしょ?でもまだ力が足りないから教国で力を蓄えてるんだと思う。」
「今回の戦いでまだ差があることに気づいたなら教国で再び力を蓄えるはずよ。今のうちに潰さないと。」

何故か教国に行こうとしている2人にメイが話しかける。
「あの・・教国には変な結界が張られてて通れないんです・・」
「だったら、力づくで通るしかないでしょ?私達ならそれくらい出来るわ。」
このクランは何故こうも化け物揃いなのか、メイの思考はそれでいっぱいだった。


「やっぱり2人とも行くと思ったよ。はい、これ。」
そう言って陸斗は2人に転移石を渡した。
「教国の近くまでならこれで行けるからね。ただ、入ることは結界のせいで無理だけど。」
まぁ、結界もあるけど法律もあったしね、と陸斗は呟いた。
「じゃあ、私達で終わらせてきます。」
「うん、万が一のことがあったら早く戻ってきて。」
「分かりました。」
そう言って2人は転移した。
「これで一件落着となればいいんですがね・・・」
「まぁね。アレは一筋縄では行かないよ。念のため2人が危機に陥ったら眷属転移で連れ戻すけど。」
陸斗はこの戦いは長引くと感じていたのだった。

眷属転移・・自分の部下にしたものに命の危険が迫った場合強制的に自分の元へ転移させるスキル。便利ではあるが使用者と転移者両方の魔力を使うという欠点がある。
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