琥珀の夜鷹_ep1. 星降りの守り人

朝河 れい

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EP1_2章

2章_4 カレッタ事件の真相

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 「やる気まんまんじゃないか、見上げたもんだな。」
マルスは嫌味たっぷりのトーンで言った。


「無駄に時間を費やすより良いと思ったんですよ。
早く片付けて、帰還しようじゃないですか。」

カムランは明るく返した。

「さあ、明日からは野営地。
今日くらいは割り切って楽しまないと!」

ぐずるマルスを半ば引っ張り出すように、
二人は街に繰り出した。

城の外に出ると、粒の小さな雨が降っている。
二人は雨にかまわず街の雑踏を進み、
適当に見繕った酒場に入ることにした。

大皿のベーコンを肴に、
カムランとマルスは酒を酌み交わした。


「何ですか、さっきの女は。カレッタさんでしたか。
随分冷たくあしらっていたようだけれど。」

酒の勢いを借りて、カムランは問い詰めてやることにした。
しばらくだんまりだったマルスの口が開く。


「昔の想い人だよ。
久しく見たら綺麗で驚いた。それだけだ。」

予想もしなかった回答にカムランは思わず噴き出した。


「マルス、あれは惚れた女に取る態度じゃない。
邪魔だからあっちへ行けというような態度だった。」

笑いの止まらないカムランを肘で小突く。

「余計なお世話だ。まったく馴れ馴れしい野郎だ。」


最初よりだいぶ大きな声で、
マルスはお代わりを注文した。

カレッタ事件で思わぬ盛り上がりを見せたこともあり、
二人は揃って深酒をしてしまった。


雨も上がり、星々が夜を彩る夜美しい更け頃、
その壮麗な光景を乱すように、
二人の酔っ払いがふらふらと城へと歩いていった。


翌朝、重い頭を起こし、
カムランは出発の準備を始めた。

深酒の次の日というものは、
決まって後悔から始まるものだ。

重い身体を無理やりに動かして準備をする一方で、
向こうのベッドではまだマルスが伸びている。


当初の腹の内では心底気に入らない男だと思っていたが、
昨日までのやりとりでその認識も随分変わっていた。

不器用極まりないが、さして嫌な人間でもないのだろう。
そんなマルスに、カムランは枕を放り投げた。

「さあ、マルス。もう行かないと。
飲みすぎて行けませんでしたなんてメリッサ様にはとても報告出来ない。」

もう一つ、枕を放った。

良いところに入ったのか、うっ、といううめき声と、
何やらよくわからない言葉が聞こえた。


出発前に再びコーエン将軍に挨拶をし、城を出る。
あいにくの曇り空の中、
正門の厩に預けていた二頭の手綱を手に、ふらつく足で馬に跨る。

ため息のような吐息と共に、
マイラとレブロの二頭は緩やかな足取りで星石鉱を目指した。
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