琥珀の夜鷹_ep1. 星降りの守り人

朝河 れい

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EP1_4章

4章_18 大公の意地

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 「敵将よ、名乗ってみよ!」
大公はロキシェル将軍に向かって剣を向け、
病に、傷に押し負けまいと叫ぶ。


「メルヴィアの将、ロキシェル。
貴様を殺す者だ。冥土で自己紹介に添えるといい。」

ロキシェル将軍も剣を構え、
迫り来る大公に答える。


「・・そうか。名を変え、国を変え、なお生きていた、ということか。」

独り言のように呟くと、大公は力強く足を踏み込み、
ロキシェル将軍に切りかかった。


それは一瞬だった。

大公の鋭い剣撃はロキシェル将軍の首を捉えていた。

しかしその刹那、
ロキシェル将軍はすんでのところで身をかわし、
大公の懐に深く刃を突き刺す。


鮮血に染まり、崩れ落ちていく大公の姿は、
メリッサには静止画のように映っていた。

地に膝を屈した大公に剣を向け、
そのまま首級を取ろうとするロキシェル将軍に、
再び敵兵をすり抜け、追い付いたカムランが
数人の近衛兵と共に剣を向けて立ち塞がる。


息も絶え絶えの大公エオメルに詰め寄ろうとしたその時、
伝令が一人、ロキシェル将軍の下にやってきた。


「緊急であります、将軍。東門の我が軍が、
敵将ポズナン率いる奇襲隊の前にほとんど崩れかかっております!」

伝令の報告内容にロキシェルは怒りの表情で伝令を睨み付けた。


「あの東門の大軍勢が、奇襲で崩れかかっている?
まさか大公自らが囮だったとは。身を挺して国を守ったか。」

あきれたような声で呟くと、
踵を返して陣に戻り、指示を出した。


「この場はもういい、既に最大の目的を達した。
東門を立て直し、そのまま引き上げる。
北門にも伝えて。捕らわれた兵は人質交換でなんとでもなる。行くぞ。」


地に伏せる大公を前に、
意気消沈としたブラナス軍は追撃することもできず、
引き上げていくメルヴィア軍を黙って見送る他無かった。
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