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事件の真相<前編>
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「さて、今日皆にここに集まってもらったのは他でもない。持ち出し厳禁の戦術書紛失事件の全容解明のためだ」
事務室内に入るとすでにラーラや室長を含めた事務チームメンバーと3人ほどの騎士団員そして魔術師団長のヴィンス様がいました。
って、魔術師団長? いつも忙しくて面会予約などほぼ不可能、才能はあるけれども気まぐれで、気に入った人としか仕事をしないはず。それに基本的には王室内トラブルの管轄は騎士団であり、魔術師団は関係のないはずですのに……どうしてここへ?
「どうしてヴィンス様がここにいるのよっ!」
ちょうど私が疑問に思っていたことをラーラが聞いてくださいました。ラーラは前回の捕縛事件のときにヴィンス様といろいろあったようなのでトラウマになっているみたいですが。
「……今日は、面白いものが見られるとクレイグから聞いてね……クレイグ、もう全員揃ったろ? 早く始めよう……」
ヴィンス様は私を見てニヤリと笑います。すると、ヴィンス様からの視線を遮るようにクレイグ様が割って入ってきました。
「さぁ、今回の事件については、セシルが勝手に戦術書を持ち出したということで間違いはないか?」
クレイグ様が問いかけます。
「そうよ! 私と室長がセシルの机の中から戦術書を見つけたの。セシルが犯人に違いないわ」
ラーラが勝ち誇ったように言います。
それにしてもよくもまぁこんなにも嘘がベラベラつけますわね。きっと日ごろから嘘まみれの生活をしているのでしょうね。かわいそうに。
「ではなぜセシルは戦術書など持ち出そうとしたのだろうか。戦術書は戦争の記録であり、セシルには関係のない内容だ。つまり、動機がない」
「それは……セシルはご存知の通り喋ることが出来ない。この国にいても嫁ぎ先もない。だから戦術書を持って国外逃亡する予定だったんじゃないか? 日ごろから我が国の重要情報を取り扱っていたんだ。スパイだった可能性もあるぞ」
「……」
室長は戦術書を持ち出しの罪だけではなく、さらにスパイ容疑までかけようとしているのでしょうか。私なりに一生懸命真面目に働いていたのに、そういう風にみられてしまうだなんて。元々信頼していなかった相手とは言えかなりショックです。それで私は確信しました。きっとラーラと室長はグルなのだと。
過呼吸になりそうな私を落ち着かせるように、クレイグ様が背中に手を当ててくださいました。大丈夫、私はクレイグ様を信じます。
「なるほど。それではそんな罪を犯した者はどういう刑を受けるのが最適だろうか」
「一番厳しいと言われている北の修道院送りはどうかしら」
「前代未聞の重大事件なんだ。家族もろとも島流しでもいいだろう」
二人とも半笑いで、好き勝手私の処遇について話しています。
「……」
酷い、酷すぎます! 私、そこまで何か恨みを買うようなことしましたか? ミスを指摘しただけで、ここまでの仕打ちを受けないといけないのでしょうか。あまりのことに強く握りしめた手が痛みます。
「そうか、わかった。それでは今回の戦術書紛失事件を引き起こしたラーラ = ミルズ男爵令嬢を北の修道院送りに、ウォーレス = パーソンズ伯爵を家族もろとも島流しの刑に処す!」
クレイグ様が高らかに宣言しました。一体、どういうことなのでしょうか。
事務室内に入るとすでにラーラや室長を含めた事務チームメンバーと3人ほどの騎士団員そして魔術師団長のヴィンス様がいました。
って、魔術師団長? いつも忙しくて面会予約などほぼ不可能、才能はあるけれども気まぐれで、気に入った人としか仕事をしないはず。それに基本的には王室内トラブルの管轄は騎士団であり、魔術師団は関係のないはずですのに……どうしてここへ?
「どうしてヴィンス様がここにいるのよっ!」
ちょうど私が疑問に思っていたことをラーラが聞いてくださいました。ラーラは前回の捕縛事件のときにヴィンス様といろいろあったようなのでトラウマになっているみたいですが。
「……今日は、面白いものが見られるとクレイグから聞いてね……クレイグ、もう全員揃ったろ? 早く始めよう……」
ヴィンス様は私を見てニヤリと笑います。すると、ヴィンス様からの視線を遮るようにクレイグ様が割って入ってきました。
「さぁ、今回の事件については、セシルが勝手に戦術書を持ち出したということで間違いはないか?」
クレイグ様が問いかけます。
「そうよ! 私と室長がセシルの机の中から戦術書を見つけたの。セシルが犯人に違いないわ」
ラーラが勝ち誇ったように言います。
それにしてもよくもまぁこんなにも嘘がベラベラつけますわね。きっと日ごろから嘘まみれの生活をしているのでしょうね。かわいそうに。
「ではなぜセシルは戦術書など持ち出そうとしたのだろうか。戦術書は戦争の記録であり、セシルには関係のない内容だ。つまり、動機がない」
「それは……セシルはご存知の通り喋ることが出来ない。この国にいても嫁ぎ先もない。だから戦術書を持って国外逃亡する予定だったんじゃないか? 日ごろから我が国の重要情報を取り扱っていたんだ。スパイだった可能性もあるぞ」
「……」
室長は戦術書を持ち出しの罪だけではなく、さらにスパイ容疑までかけようとしているのでしょうか。私なりに一生懸命真面目に働いていたのに、そういう風にみられてしまうだなんて。元々信頼していなかった相手とは言えかなりショックです。それで私は確信しました。きっとラーラと室長はグルなのだと。
過呼吸になりそうな私を落ち着かせるように、クレイグ様が背中に手を当ててくださいました。大丈夫、私はクレイグ様を信じます。
「なるほど。それではそんな罪を犯した者はどういう刑を受けるのが最適だろうか」
「一番厳しいと言われている北の修道院送りはどうかしら」
「前代未聞の重大事件なんだ。家族もろとも島流しでもいいだろう」
二人とも半笑いで、好き勝手私の処遇について話しています。
「……」
酷い、酷すぎます! 私、そこまで何か恨みを買うようなことしましたか? ミスを指摘しただけで、ここまでの仕打ちを受けないといけないのでしょうか。あまりのことに強く握りしめた手が痛みます。
「そうか、わかった。それでは今回の戦術書紛失事件を引き起こしたラーラ = ミルズ男爵令嬢を北の修道院送りに、ウォーレス = パーソンズ伯爵を家族もろとも島流しの刑に処す!」
クレイグ様が高らかに宣言しました。一体、どういうことなのでしょうか。
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