ヲタクで腐女子な私にリアル乙女ゲームは攻略不可

大神ヒラメ

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15話 誰も知らないおとぎばなしの始まり

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やばいどうしよう・・・。
生徒指導とか初めてなんだけど・・・。
私は不安と恐怖で一日中生きた心地がしなかった。いつもは真面目に聞いている授業も、今日は何一つ内容が頭に入ってこなかった。放課後にならないようにと無謀な事をただ願うばかりであった。
しかし、時間は刻一刻残酷と進んで放課後になった。

「帰りたい!帰らせて!」
私は珊瑚に泣きつき、喚いていた。
行きたくない!このまま生徒会の活動したいよ!
「ダメだよ~、ちゃんと行かないと~。一応生徒会役員でしょ?」
珊瑚は呆れたようにため息をつき、私を生徒指導室に連行していた。
「お主もだろー!助けて!このまま生徒会行くー!」
珊瑚は私と同じ生徒会役員で、役職は書記である。同じ生徒会役員という縁で、このまま生徒会室に連れて行って欲しい。生徒指導室行きたくない!怖い!
「役員のみんなには伝えておくから・・・。てか、このままサボる方がヤバいと思うよ・・・。」
「ま、まぁ・・・確かに・・・。」
珊瑚の説得により、私はしぶしぶ生徒指導室へと向かった。

あー・・・帰りたいなぁ・・・。なんて言い訳しよう・・・。親呼び出しとか困るんだけど・・・。
私は扉の目の前でグルグルと思考を巡らせていた。
うわぁー嫌だー。でも、行かなきゃ・・・。
ドアノブに手を伸ばし、引っ込めたり、傍から見ると中々頭のおかしい事をしてると思う。
でも!この気持ち分かるでしょ!
子供の時にお茶碗割って、正直に言うか、事実を隠すか悩んだことある人いるでしょ!?いるよね!?
悩んでもしょうがない。行こう。死ぬわけじゃないんだから・・・(泣)
覚悟を決めた私は、ドアノブに手を伸ばし、扉を開けた。
「し、失礼します・・・。」
恐る恐る扉を開けると、そこには先程のイケメン先生、盛岡先生がタバコを吸っていた。
「あ、やっと入ってきたね。」
先生はタバコを携帯灰皿に仕舞い、こちらに向き直った。タバコちゃんと止めてくれるんだ・・・、いい人。
てか、やっと入ってきた・・・って。知ってたのか・・・、私が扉の前でウロウロしてた事・・・。
「え?先生って生徒指導の先生でしたっけ?あれ?」
私は混乱してこめかみに手を当てた。
違うよね?盛岡先生って担任だよね?
「あれ?指導されると思ってた?違うよ。ちょっと高松さんに話があってね・・・。ここに呼び出したんだ。」
あ、なるほど。指導されるんじゃないのね。良かった・・・。そしたらもっと誤解のないように言って欲しかったな・・・。
私は緊張が解け、肩の力が抜けた。
「高松さん・・・。乙女ゲームに興味ない?」
「・・・はい?」
私は先生の言っている事をすぐには理解出来ず、素っ頓狂な声をあげてしまった。
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