中身はクズモブなのに『ピュア』だけでゴリ押す第六王子のハーレムは完成する〜非戦闘スキルなのにバトルも無双〜

ahootaa

文字の大きさ
33 / 63

第33話 夜襲

しおりを挟む
 晩御飯はとってもおいしかった。
 みんな笑顔で会話もはずみ、楽しい食事をとることができた。
 ストライク家から譲られた家具たちが大活躍し、食卓の場を華やかにしてくれた。
 先代剣聖は本当に家具好きだったらしく、非常に多くの家具を倉庫にしまいこんでいた。
 ライオネラは処分に困っていたらしく「ちょうどよかった」と喜んでいた。
 なぜか、やたらと「ホッ」とした表情だったのが印象的だった。

「さあ、食事も済んだことだし、順に水浴びをしてこようか」
「人数が多いですものね。それでは、アーサー様、お手伝いいたします」
「ありがとう」
 いつも通りアイリスと水浴びに行こうとする。

「なんかズルいわね」
 サルビアがつぶやく。
「ん? 何がズルいの?」
「だって、私だってアーサーの裸を見たことないのに、同じ年のアイリスは毎晩でしょ?」

「いや、彼女の仕事だし」
 冷静に反論するも、サルビアの口はとがっている。
「そ、そうです。私は仕事でやっています」
 ちょっと、口元がにやけているので、余計に周囲を混乱させる。
「あー、アイリス、役得だと思ってるでしょ! ちょっと交代しなさいよ」
 おいおい……。
 
 僕は幼いころからメイドに水浴びの手伝いをされているせいで慣れ切っていたが、一般では違うらしい。
 フランソワからそれを引き継いで、アイリスもやっていたわけだが、これはダメだったのだろうか?
 いや、水浴びくらい何も感じないんだけどな?
 僕はダラけたいので、誰かが何かをしてくれるなら全てを受け入れる。

「あ、そうだ、アーサー? 私の今の立場って何?」
「僕の婚約者です」
「そうじゃなくて、仕事よ、し・ご・と」
「んー、一応、メイドになりますかね?」
「やっぱり? それじゃ、私が水浴びの手伝いをしても問題ないじゃない」
「いえ、私は王城から派遣されているアーサー様専属メイドです」
「一緒よ。今日は交代ね?」
 仕方ないとばかりにアイリスは首をふる。
 困った表情もかわいい。

 サルビアは勝ち誇った様子で服を脱いでいく。
 みんなの前で。
 わかった、こいつ、バカだな。
 賢者なのにバカってすごい矛盾を持った存在だ。
 まあ、美少女だからOK!
 オールOK!
 
 いや、でも、毎日のことだから気が付かなかったけど、水浴びってエロイベントだったんだな。
 フランソワの体を見たくらいじゃ、何も興奮しなかったからな。
 サイトには悪いけど。
 もちろん、アイリスは水浴び用の服を着ての奉仕だけど、僕は素っ裸だったしな。
 油断していたな。
 アイリスのパンツを見て喜んでいた僕がバカみたいだ。

 その後、僕は全裸のサルビアと一緒に水浴びにいった。
 というか、エロイベントだとわかった今、サルビアの全裸は下半身が反応してしまう。
 ビンビンのまま体を拭かれたのは恥ずかしすぎたので、誰にも言えなかった。
 サルビアからは「やる気マンマンね」とささやかれてドキッとした。

 しかし、彼女とは会えなかった時間が、それなりにあったので、ここまで距離を詰められて安心している。
 そうこうしていると、アイリスはちゃんと奉仕できているか心配だったらしく、なぜか全裸で入ってきた。
 そして「うんうん」とうなずいている。
 サルビアの働き具合を見てなのか、僕のビンビン具合を見てなのかは聞けなかった。
 最終的には、なぜか、ガーベラも入ってきて、水浴び場は女だらけになった。
 僕はガーベラに下半身を見られないようにしゃがんで、美少女の全裸を堪能した。
 
「さあ、裸の付き合いもできたことですし、みんなと仲良くなれて安心しました」
 ガーベラがこの裸祭りに終止符を打ってくれた。
「そうね。みんな、よろしくね」
「はい。アーサー様の水浴びは当番制にしましょう」
 一人、アイリスは仕事の話をしていた。

「さあ、完全に日も落ちたことだし、寝ましょう」
「そうだね。寝よう寝よう」
「私は片付けをしてから寝ます」
「この裸の付き合いをしたメンバーで寝ようよ!」
 また、サルビアが変なことを言いだした。

「そうですね。なんだか楽しそう」
「私は仕事が……」
「もう、アイリス! 明日手伝うから今日は寝ましょう?」
「そうですか? わかりました。でも、奥様がたと同衾するなんてできません」
「もう、奥様なんて言わないで。名前で呼んでよ。年も一緒なんでしょ?」
「そうですが……」

「そうだ! アーサー! 彼女とも結婚すればいいじゃない!」
 ん?
 なんだって?
「そうですね。私、彼女が好きになりました」
 顔が赤い。
 え?
 そういう意味?
 百合ですか?

 いや、冷静に考えろ。
 これはチャンスだ。
 美少女がさらに増えるんだ。
 実際、さっきの水浴びは完全にエロイベントだった。
 アイリスの体もばっちり記憶に刻んでいる。
 小ぶりだが、形のいい胸。
 キュッとくびれた腰。
 ぷっくりかわいいお尻。
 パーフェクトだった。
 彼女が僕のものに?
 なんてことだ。
 神こんな近くにいたのか!

「ああ、結婚しよう」
 養えるかは知らんけど。
 毎日その裸を見せてくれ。
「アーサー様。ありがとうございます。明日からもよろしくお願いします」
 伝わってるよね?
 よくわからない返事をもらった。

 まあ、いいや。
 寝よう。
 みんなで。
 いや、手は出しませんよ?
 結婚前に妊娠すると、ドレスが着られなくなりますからね。

 そんな所へやってきたのだ。
 賊が。
 窓を割って入ってきた。
 黒装束を身に纏っている。
 しかし、僕の両サイドには、剣聖と賢者がいる。
 護衛には『盾』スキルのアイリスもいる。

 剣聖は蝋燭の燭台を持ち、振る。
 音速を超える速さで振られた燭台からは衝撃波が生まれる。
 部屋の中を爆風が遅い、賊を壁に叩きつける。
 賢者は杖も無しに、魔法を使う。
 片手をかざし、氷のつぶてを射出した。
 詠唱なしに唱えた呪文は魔法を作り出し、賊にぶつかり続ける。

 賊は三人、あと一人は僕の前へやってきた。
 アイリスが割って入る。
 もちろん盾なんてない。
 ベッドサイドのローテーブルを盾にして防御する。
 完全に攻撃を『受け』たところへ僕の『剣聖』手刀を入れる。

 黒装束だと思っていたが、胸当てはしていたらしく、僕の手刀がはじかれる。
 僕の右手は金属に音速で直撃し、骨折していた。
「痛ってー!」
 僕が叫ぶと、未来の嫁たちが賊へ襲い掛かる。
 どっちが賊かわからないほどの形相だった。
 
「殺さず情報を引き出そう」
 賊がかわいそうで思わず出た言葉だ。
 だって、相手にしているのは、国家の最高暴力だよ?
 勝てるわけがない。

 ん?
 まてよ?
 国家の最高暴力が僕の両サイドを固めている。
 この状況って誰がみてもヤバイよね?
 今度こそ国家反逆罪に問われたら言い逃れできないよね?
 また?

 まあ、いい。
 今は、この賊だ。
 何者なんだ?
 目の前にはガーベラに縛り上げられた賊三名がいる。
 こいつらから情報を集めなければ。
 一体何者なんだ?

 僕たちは取り調べをすることにした。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。

チート魅了スキルで始まる、美少女たちとの異世界ハーレム生活

仙道
ファンタジー
 ごく普通の会社員だった佐々木健太は、異世界へ転移してして、あらゆる女性を無条件に魅了するチート能力を手にする。  彼はこの能力で、女騎士セシリア、ギルド受付嬢リリア、幼女ルナ、踊り子エリスといった魅力的な女性たちと出会い、絆を深めていく。

【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。 王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。 15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。 国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。 これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。  

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

処理中です...