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第59話 パーリーメンバー
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魔王もどきとの一戦も終わり、パーティ会場の片付けが終わったころお父様とアステリアは公式な会談の場を設けたようだ。
議題は例のダンジョン攻略に向けたパーティの構成だそうだ。
真偽があやしい話でもあるので、どこまで信用できる話なのかを見極める必要があるとお父様はおっしゃっていた。
やはり、ダンジョンの奥地に根城があるということは眉唾のようだ。
アステリアの話を全て信用するならダンジョンを100階層まで攻略する必要がある。
人類は57階層までしか進出できておらず、それ以上へ進むというなら相当の予算や相当の人材が必要である。
おそらく、剣聖や賢者であるガーベラ、サルビアは駆り出されるだろう。
僕もこれでも彼女らの婚約者だ。
やはり心配はしている。
以前なら気にしなかっただろうが、やはり、このところ世話になっているので愛着がわいたのだろうか?
やはり『ピュア』の副作用という面が大きいかもしれない。
純粋に彼女らの婚約者としての行動をとってしまっている。
頭ではどこか、関係がないと考えているんだが、どうも気持ちが追いつかない。
心では彼女らの立派な婚約者であろうとしているのだ。
僕がなれるかは別の話だが、心はそうあろうとしている。
バァン
国王の執務室の扉が大きく開かれた音が大きく鳴り響いた。
僕とガーベラとサルビアはお父様からの呼び出しを受けて執務室前の小部屋で待たされていた。
扉が開いた音がしたので会談も終わったのだろう。
直後、待機用の小部屋がノックされ、お父様とアステリアが入ってきた。
「アーサー、お前たちがダンジョン攻略の中核をになってもらうことになった。国を挙げてサポートするから、好きなメンバーを選んで早速旅立ってくれ」
え?
僕が?
「お父様? 僕がですか? 剣聖や賢者ならわかりますが、僕はただの第六王子ですよ?」
「そうだ。しかし、ただの第六王子ではないだろう? アステリアさんの鑑定によれば、お前はスキルレベル千もあるそうじゃないか? 驚いて鑑定士に鑑定させたら本当だったからおどろいたものだ」
「さっき、一度入室してきた人は鑑定士だったのですね。まったく気づきませんでした。てっきりお茶を持ってきた執事かと思いました」
「だますような真似をして悪かったな。アステリアさんの話を全て真に受けるわけにもいかないので、こっそり鑑定させてたのだよ」
「これで、アステリアさんの望むように文字通り『僕たちも横に並んで戦うこと』になりましたね」
「ええ、すいません。巻き込んでしまって……」
アステリアさんは申し訳なさそうにしている。
僕はアステリアさんのそんな表情を見ることもうれしくて見惚れてしまう。
「……あの、アーサーさん?」
「ああ、すいません。少し考えごとをしていました」
「そうでしたか。それで、考えた結果一緒にダンジョンに潜っていただけますか?」
「ええ、喜んで」
あれ?
口が勝手に返事していた。
美女相手だとカッコよくしようと勝手に口が動いてしまうのだろうか?
いや、僕は美女が相手だと固まる人間だったはずだ。
これもスキルの副作用に違いない。
コミュ症も治るなんてすごいスキルだな。
「僕はいいんだけど、ガーベラやサルビアは大丈夫?」
「ええ、私はダンジョンが好きですので」
ああ、ガーベラは戦闘狂だもんな……。
「私もいいよ。私の魔法があればどんな魔物でも倒せるしね!」
蜘蛛は無理だろ?
まぁ、いいか。
「そうだな。それじゃあ、必要な物を用意しないといけないな。あと、メンバーなんだけど、勇者とタンカーはほしいよね?」
ニヤリと笑うと二人は頷いていた。
サイトとアイリスは外せない。
サイトはレベルアップのスピードが異常だし、アイリスは僕専用の盾として必要だ。
実際、今回の魔王もどきとの戦いにおいても僕は前衛としての体力がなかった。
苦痛は無効にしたが、体力切れはどうしようもない。
つまり、自動的に前衛でガシガシ動くことはできない。
そうなると、いくら剣聖スキルを持っていても後衛の立ち回りが必要になる。
そうすると、前衛が足りない。
タンカーと前衛ができる勇者が増えればサルビアが後衛で僕が中衛をして守ってもらう形がとれる。
それに、せっかくダンジョン攻略に向けて動くなら僕の無数にあるスキルと魔法も使ってみたかった。
そうなると、前衛で失敗して全員を危険な目に合わせなくてすむ中衛くらいがちょうどいい場所とも言える。
剣聖も賢者も持っている僕だからできるポジションとも言い換えることができるだろう。
その後、アステリアさんは本国への使者を出し、平行してダンジョン攻略に向けた行動に移していった。
お父様は勇者サイトと僕のメイドであるアイリスを正式に攻略メンバーとする書状を持たせて使者を放った。
僕とガーベラ、サルビアはそのまま王城の練兵場で僕の訓練に付き合ってくれた。
主に魔法について知りたかった。
「ねぇ、サルビア、魔法はどうやって使うの?」
「あれ? 使ったことなかったっけ? 簡単だよ! ヒューってしてバーンっとするだけだよ」
語彙力がなさすぎる……。
説明になっていない。
「うーん、具体的にどうすればいいのかな?」
「えーっとね、まずは、魔法を覚えるところからかな。どんな魔法が使えるの?」
「え? それって本人で把握できるものなの? 何もわかんないんだけど?」
「そうか、知らなかったんだね?『鑑定』の派生スキルで『詳細鑑定』というスキルがあるんだけど、それで自分の合成スキルの中身を見ることができるよ」
「へぇ、『詳細鑑定』ねぇ」
『鑑定結果 賢者レベル63 炎熱魔法 爆裂魔法 氷結魔法 回復魔法 上級回復魔法 解毒魔法』
おお、できた。
先日大量に覚えたスキルの中に『詳細鑑定』があったということだろう。
正直に言うと、全く自分のスキルを把握していない。
これではっきりしたのは、その大量に覚えたスキルの中に魔法スキルが含まれるということだ。
おそらく『賢者』スキルから派生することで覚えるのだろう。
はやめに『賢者』スキルもコピーしておいて正解だった。
しかし、自己暗示がチートすぎるな。
魔法を使うためには自分の鑑定からする必要がありそうだが、頭の中に流れる文字をすべて覚えるのは無理すぎる。
大量に合成したので、もう把握できない。
軽く百はあったはずだ。
めんどくさいから機械的に合成したことが裏目に出るなんて……。
しかし、その合成があったから『ピュア』のレベルはもう二千を超えている。
一体どこまで成長するんだ?
議題は例のダンジョン攻略に向けたパーティの構成だそうだ。
真偽があやしい話でもあるので、どこまで信用できる話なのかを見極める必要があるとお父様はおっしゃっていた。
やはり、ダンジョンの奥地に根城があるということは眉唾のようだ。
アステリアの話を全て信用するならダンジョンを100階層まで攻略する必要がある。
人類は57階層までしか進出できておらず、それ以上へ進むというなら相当の予算や相当の人材が必要である。
おそらく、剣聖や賢者であるガーベラ、サルビアは駆り出されるだろう。
僕もこれでも彼女らの婚約者だ。
やはり心配はしている。
以前なら気にしなかっただろうが、やはり、このところ世話になっているので愛着がわいたのだろうか?
やはり『ピュア』の副作用という面が大きいかもしれない。
純粋に彼女らの婚約者としての行動をとってしまっている。
頭ではどこか、関係がないと考えているんだが、どうも気持ちが追いつかない。
心では彼女らの立派な婚約者であろうとしているのだ。
僕がなれるかは別の話だが、心はそうあろうとしている。
バァン
国王の執務室の扉が大きく開かれた音が大きく鳴り響いた。
僕とガーベラとサルビアはお父様からの呼び出しを受けて執務室前の小部屋で待たされていた。
扉が開いた音がしたので会談も終わったのだろう。
直後、待機用の小部屋がノックされ、お父様とアステリアが入ってきた。
「アーサー、お前たちがダンジョン攻略の中核をになってもらうことになった。国を挙げてサポートするから、好きなメンバーを選んで早速旅立ってくれ」
え?
僕が?
「お父様? 僕がですか? 剣聖や賢者ならわかりますが、僕はただの第六王子ですよ?」
「そうだ。しかし、ただの第六王子ではないだろう? アステリアさんの鑑定によれば、お前はスキルレベル千もあるそうじゃないか? 驚いて鑑定士に鑑定させたら本当だったからおどろいたものだ」
「さっき、一度入室してきた人は鑑定士だったのですね。まったく気づきませんでした。てっきりお茶を持ってきた執事かと思いました」
「だますような真似をして悪かったな。アステリアさんの話を全て真に受けるわけにもいかないので、こっそり鑑定させてたのだよ」
「これで、アステリアさんの望むように文字通り『僕たちも横に並んで戦うこと』になりましたね」
「ええ、すいません。巻き込んでしまって……」
アステリアさんは申し訳なさそうにしている。
僕はアステリアさんのそんな表情を見ることもうれしくて見惚れてしまう。
「……あの、アーサーさん?」
「ああ、すいません。少し考えごとをしていました」
「そうでしたか。それで、考えた結果一緒にダンジョンに潜っていただけますか?」
「ええ、喜んで」
あれ?
口が勝手に返事していた。
美女相手だとカッコよくしようと勝手に口が動いてしまうのだろうか?
いや、僕は美女が相手だと固まる人間だったはずだ。
これもスキルの副作用に違いない。
コミュ症も治るなんてすごいスキルだな。
「僕はいいんだけど、ガーベラやサルビアは大丈夫?」
「ええ、私はダンジョンが好きですので」
ああ、ガーベラは戦闘狂だもんな……。
「私もいいよ。私の魔法があればどんな魔物でも倒せるしね!」
蜘蛛は無理だろ?
まぁ、いいか。
「そうだな。それじゃあ、必要な物を用意しないといけないな。あと、メンバーなんだけど、勇者とタンカーはほしいよね?」
ニヤリと笑うと二人は頷いていた。
サイトとアイリスは外せない。
サイトはレベルアップのスピードが異常だし、アイリスは僕専用の盾として必要だ。
実際、今回の魔王もどきとの戦いにおいても僕は前衛としての体力がなかった。
苦痛は無効にしたが、体力切れはどうしようもない。
つまり、自動的に前衛でガシガシ動くことはできない。
そうなると、いくら剣聖スキルを持っていても後衛の立ち回りが必要になる。
そうすると、前衛が足りない。
タンカーと前衛ができる勇者が増えればサルビアが後衛で僕が中衛をして守ってもらう形がとれる。
それに、せっかくダンジョン攻略に向けて動くなら僕の無数にあるスキルと魔法も使ってみたかった。
そうなると、前衛で失敗して全員を危険な目に合わせなくてすむ中衛くらいがちょうどいい場所とも言える。
剣聖も賢者も持っている僕だからできるポジションとも言い換えることができるだろう。
その後、アステリアさんは本国への使者を出し、平行してダンジョン攻略に向けた行動に移していった。
お父様は勇者サイトと僕のメイドであるアイリスを正式に攻略メンバーとする書状を持たせて使者を放った。
僕とガーベラ、サルビアはそのまま王城の練兵場で僕の訓練に付き合ってくれた。
主に魔法について知りたかった。
「ねぇ、サルビア、魔法はどうやって使うの?」
「あれ? 使ったことなかったっけ? 簡単だよ! ヒューってしてバーンっとするだけだよ」
語彙力がなさすぎる……。
説明になっていない。
「うーん、具体的にどうすればいいのかな?」
「えーっとね、まずは、魔法を覚えるところからかな。どんな魔法が使えるの?」
「え? それって本人で把握できるものなの? 何もわかんないんだけど?」
「そうか、知らなかったんだね?『鑑定』の派生スキルで『詳細鑑定』というスキルがあるんだけど、それで自分の合成スキルの中身を見ることができるよ」
「へぇ、『詳細鑑定』ねぇ」
『鑑定結果 賢者レベル63 炎熱魔法 爆裂魔法 氷結魔法 回復魔法 上級回復魔法 解毒魔法』
おお、できた。
先日大量に覚えたスキルの中に『詳細鑑定』があったということだろう。
正直に言うと、全く自分のスキルを把握していない。
これではっきりしたのは、その大量に覚えたスキルの中に魔法スキルが含まれるということだ。
おそらく『賢者』スキルから派生することで覚えるのだろう。
はやめに『賢者』スキルもコピーしておいて正解だった。
しかし、自己暗示がチートすぎるな。
魔法を使うためには自分の鑑定からする必要がありそうだが、頭の中に流れる文字をすべて覚えるのは無理すぎる。
大量に合成したので、もう把握できない。
軽く百はあったはずだ。
めんどくさいから機械的に合成したことが裏目に出るなんて……。
しかし、その合成があったから『ピュア』のレベルはもう二千を超えている。
一体どこまで成長するんだ?
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