18 / 76
第二章 躍動の5年間 初等部編
第16話 魔闘士 ラース・ロドリゲス戦 初等部1年生
しおりを挟む
魔闘士ラース・ロドリゲスという男がいる。
男はプロレスラーである。
男は優しい人物である。
優しさゆえ、魔闘士ではなく、プロレスラーになった。
魔闘士とは、非情な世界である。
トップランカーともなれば、家族と一緒に過ごす時間は限られてくる。
大好きな妻と娘との、時間を作るために、トップランカーだった魔闘士を辞めた。
確かに限界は感じていた。
自分以外のトップランカー達は全員が上級術師だったのだ。
もちろん、技量で魔力の差はひっくり返せる。
それでも、上級の壁は厚かった。
ランクは頭打ちとなり、スポンサー契約も終わっていく。
そんなときに、家計を支えていたのが、プロレスのバイトだった。
バイトと言っても、子どものころから世話になっている団体で、エキシビションマッチをすることだった。
魔闘士のトップランカーがガチバトルをすると言うので、ラースは一気に人気を得た。
団体の社長が正式にスカウトしてくれたのは、その後すぐだった。
「お前をウチの看板レスラーとして迎えたい。もちろん、知っての通り、プロレスは興行だ。ショーとしての一面もある。そこも理解した上で、ウチにこないか?」
「ありがとうございます。そこまで俺を買ってくれてうれしいです。でも、俺には魔闘士が夢なんです」
「あぁ、知ってるよ。でも、スポンサー契約も切られてるんだろ?奥さんのお腹には赤ちゃんもいるんだろ?魔闘士は死ぬこともある危険な仕事だ。もちろんプロレスも危険があるが、比べものにならない。もう、お前だけの夢じゃないんじゃないか?」
「そうですね。おっしゃる通りです。正直言って迷ってました。娘のために安定した収入を得るのも父親の仕事ですね。ありがとうございます。目が覚めました」
1人の魔闘士が死に、1人のプロレスラーが誕生した瞬間であった。
・
・
・
今、俺の前に一流の魔闘士がいる。
さっきまではプロレスラーだったが、俺の一連の動きを見て、スイッチを切り替えたようだ。
「さて、おっちゃんも、本気で行くぞ?このままだったら負けちまうからな。オリビアの前でカッコ悪いとこは見せたくない」
本気の殺気を浴びせてくる。
ちょっ、おじさん、大人気ないよ…。
でも、これを乗り越えないと世界一なんて届かない。
闘志を燃やせ!
※数分前※
「おじさんお帰りなさい」
「おう、今日も来てたのか?どれ、力を見せてみろ!オリビアと勝負だ!」
「え、お父さん、もう、ボクじゃ…」
オリビアは戸惑う。
「ごちゃごちゃいいんだよ!やってみろよ」
「はい!」
俺は元気よく返事した。
そして、オリビアを圧倒して勝利した。
もちろん、女の子を殴るようなことはしなかった。
おじさんの前で殴れば俺が殺されるしね。
「やるじゃないか!正直驚いたぞ?そっちの嬢ちゃんも同じくらいの力をつけたんだな?」
頷く俺とアネモネ。
「そっちのヒョロちいのはまだまだか?」
コクコクと頷くフォール。
「よし、俺と勝負だ。ボウズ!」
※今に戻る※
魔闘とは、魔闘法による肉弾戦のみのバトル。
魔術の使用は一切禁止のインファイトのみ。
使っていい魔法もオーラのみ。
リングは4m四方の正方形。
狭いリングで汗と血が飛び交う肉弾戦。
オーラの技量が勝敗を分ける駆け引きを生む。
この惑星で最も人気の格闘技である。
勝敗はランキング形式で世界中に発信され、トップランカーともなれば、富と名声を得る。
オリビアの父ラースがトップランカーだと聞かされたのは、つい昨日のことだった。
言葉は少ないが、無駄のない合理的な指導をしていたことから、すぐに理解ができた。
そんな世界的な有名人に教えてもらっていたことに驚かされた。
そして、その有名人に認められ、本気の殺気を引き出すことができたことが誇らしかった。
「ボウズ、お前、やっぱり天才だな!しかも、上級だったのか?前とはオーラが違いすぎるぞ?」
「ええ、色々あったんですよ。俺も大好きなアネモネの前で負けるわけにはいかないんで、本気でいきますよ?」
「あぁ、事情は同じだな。それじゃあ、強い方が勝つだけだ!わかりやすい!」
「そうですね!行きます!」
間合いを詰めて、踏み込んだ。
オーラは無色。
ギリギリまでオーラを切り替えないことが相手に動きを読まれなくするコツだ。
先制の一撃として、右足での下段の蹴りを放った。
もちろん、牽制の攻撃なので、オーラは変えない。
ラースは受ける足のオーラを土に変えた。
それを見た俺は、全身を風のオーラに切り替え、空中で体を回転させて、胴回し蹴りを放つ。
必殺である魔速680mpの火のオーラを打撃の当たる直前に足に乗せて。
しかし、ラースは全力の土オーラで受け流す。
ガードであればダメージを蓄積できたが、受け流しであれば、ノーダメージだろう。
技量の差が魔力の差を埋める。
大技を受け流された俺は、体勢を崩しながら着地する。
その隙をラースは見逃さなかった。
ジャブで的確に顔を打ち抜き、最後にストレート。
そこから、ボディへの前蹴りが決まり、俺の体は「く」の字に曲がった。
さらにチャンスと見るや、ラッシュ!ラッシュ!ラッシュ!怒涛の拳打がガードを抜けて体にめり込む。
もちろんラースは無色のオーラは捨て、全身を火のオーラに纏っている。
元世界トップランカーにボコボコにされながらも俺の目は死んでいない。
ラッシュの終わりを待っている。
ラースがトドメとばかりに全身のオーラを拳に集中させた。
満遍なく纏っているオーラを一点に集中させる必殺技だ。
威力は何十倍にも跳ね上がる。
最後の一撃が真上から降り注ぐ。
頭頂を撃ち抜かれ、誰もが、勝負ありと確信した。
しかし、俺は違った。
俺は無色のオーラから切り替え、土のオーラを纏っていたのだ。
俺の隠の魔力は特級、全力でガードに力を注げば、一切のダメージはない。
鉄壁の防御となる。
そう、攻撃は受けたが、ダメージは受けてない。
万全の体勢で最後の一撃を待っていた。
頭頂の一撃を体の回転でそらし、右ショートフックのボディブローを叩き込む。
やりすぎるといけないので、無色のオーラにとどめておく。
ドサリと巨体が地に落ちた。
「どいて!」
アネモネが駆け寄り、ラースに治癒魔術を使った。
アバラが折れて、内臓に刺さっていたようだ。
やりすぎた。
どうやら、頭頂の一撃で勝負ありと、ラースも考えて油断したたらしい。
火のオーラを纏ってたら危なかった…。
しばらくして、ラースは目を覚ました。
「オリビアの前でカッコ悪いとこ見せちまったな」
「ううん。お父さん、かっこよかったよ。ライはもっとかっこよかったけど」
「ぐはぁっ!さっきのパンチより効くぜ!」
ラースはおどけてみせる。
「よかった。冗談が言えるくらい回復したのね」
アネモネが安心したように吐息を吐いた。
実際危なかったのだろう。
殴った時もドゴォッて鳴ってたしね。
「ボウズ、最後のはどういうことだ?お前は陽の上級じゃねぇのか?」
「あぁ、かなりの特異体質みたいで、どっちも上級なんですよ」
特級のことは言えないが、これくらいは言わないと説得力がない。
「そりゃ、ずるいだろ。そんな人間ならゴッドイーターにもすぐなれるだろ」
「ゴッドイーター?」
「あぁ、魔闘士大会のチャンピオンの事だ。5年に1回開かれる、魔闘士のトーナメント戦だ」
「トーナメント戦には出るつもりだったんですけど、優勝者はそんな名前なんですね。」
「あぁ、御伽話の神殺しから取ってるらしいぜ?」
ゴッドイーター、神喰らい、なるほどな。
そりゃ、神殺しだな。
「トーナメントって、子どもも出られるんですか?」
アネモネが聞く。
やる気マンマンだな!
「そうだな。年齢制限はないが、無色のオーラを使えることが条件だ。だから、ボウズたちは出られる」
「ボクもでられる?」
オリビアがおずおずと聞く。
「出られるけど、オリビアは危ないからやめてほしいな。無色のオーラを使えても実践となると、ケガするからなぁ。オリビアにはケガをしてほしくない」
「わかったよ」
「僕はまだムリだな。オリビア、これからもオーラの使い方を教えてくれ」
「いいよ。お父さん、いいよね?」
「おう、ヒョロ坊もがんばれよ!」
「はい、お父さん!」
「お前のお父さんになった覚えはねぇええー!」
ビンタが炸裂した。
フォールはきりもみジャンプをしながら、オリビアに哀れな目で見られたことにショックを受けた。
「試合は出ないけど、応援は行くね!ライ君、アネモネさん!」
「ありがとう、オリビア。また、日が決まったら連絡するよ」
「あれ?たしか、この前ゴッドイーターが決まったところだから、次は5年後じゃないかな?まぁ、詳しいことは、魔闘士協会の窓口に問い合わせると分かるんじゃねーかな?」
「魔闘士協会か、ツバル・シュバルツ教授が役員だったような?」
「おっ、ツバルの旦那を知ってるのか?頼ってみるのもいいだろう。あの旦那も元トップランカーだし、戦い方を教えてもらってもいいんじゃねーか?確実に俺より強いよ」
「へぇー、前はそんなふうに見えなかったのにな。まぁ、会ってみようかな。アネモネはどうする?」
「そうね。アタシも会ってみる」
そこで、フォール君が目覚めたので、解散となった。
フォール君はこの先もロドリゲス家に通うらしい。
俺は両親に事情を説明して、教授へのアポを取ってもらった。
しかし、説明のためオーラを見せた時、両親はポカンとしていた。
まさか、初等部の子どもがこんなレベルでマナを扱えると思っていなかったようだ。
初めは、魔闘士大会のことも反対していたが、最終的には「やれるだけやってみなさい」と言っていた。
少しずつ目標に近づいている感覚が心地よかった。
教授の話を聞くまでは…。
男はプロレスラーである。
男は優しい人物である。
優しさゆえ、魔闘士ではなく、プロレスラーになった。
魔闘士とは、非情な世界である。
トップランカーともなれば、家族と一緒に過ごす時間は限られてくる。
大好きな妻と娘との、時間を作るために、トップランカーだった魔闘士を辞めた。
確かに限界は感じていた。
自分以外のトップランカー達は全員が上級術師だったのだ。
もちろん、技量で魔力の差はひっくり返せる。
それでも、上級の壁は厚かった。
ランクは頭打ちとなり、スポンサー契約も終わっていく。
そんなときに、家計を支えていたのが、プロレスのバイトだった。
バイトと言っても、子どものころから世話になっている団体で、エキシビションマッチをすることだった。
魔闘士のトップランカーがガチバトルをすると言うので、ラースは一気に人気を得た。
団体の社長が正式にスカウトしてくれたのは、その後すぐだった。
「お前をウチの看板レスラーとして迎えたい。もちろん、知っての通り、プロレスは興行だ。ショーとしての一面もある。そこも理解した上で、ウチにこないか?」
「ありがとうございます。そこまで俺を買ってくれてうれしいです。でも、俺には魔闘士が夢なんです」
「あぁ、知ってるよ。でも、スポンサー契約も切られてるんだろ?奥さんのお腹には赤ちゃんもいるんだろ?魔闘士は死ぬこともある危険な仕事だ。もちろんプロレスも危険があるが、比べものにならない。もう、お前だけの夢じゃないんじゃないか?」
「そうですね。おっしゃる通りです。正直言って迷ってました。娘のために安定した収入を得るのも父親の仕事ですね。ありがとうございます。目が覚めました」
1人の魔闘士が死に、1人のプロレスラーが誕生した瞬間であった。
・
・
・
今、俺の前に一流の魔闘士がいる。
さっきまではプロレスラーだったが、俺の一連の動きを見て、スイッチを切り替えたようだ。
「さて、おっちゃんも、本気で行くぞ?このままだったら負けちまうからな。オリビアの前でカッコ悪いとこは見せたくない」
本気の殺気を浴びせてくる。
ちょっ、おじさん、大人気ないよ…。
でも、これを乗り越えないと世界一なんて届かない。
闘志を燃やせ!
※数分前※
「おじさんお帰りなさい」
「おう、今日も来てたのか?どれ、力を見せてみろ!オリビアと勝負だ!」
「え、お父さん、もう、ボクじゃ…」
オリビアは戸惑う。
「ごちゃごちゃいいんだよ!やってみろよ」
「はい!」
俺は元気よく返事した。
そして、オリビアを圧倒して勝利した。
もちろん、女の子を殴るようなことはしなかった。
おじさんの前で殴れば俺が殺されるしね。
「やるじゃないか!正直驚いたぞ?そっちの嬢ちゃんも同じくらいの力をつけたんだな?」
頷く俺とアネモネ。
「そっちのヒョロちいのはまだまだか?」
コクコクと頷くフォール。
「よし、俺と勝負だ。ボウズ!」
※今に戻る※
魔闘とは、魔闘法による肉弾戦のみのバトル。
魔術の使用は一切禁止のインファイトのみ。
使っていい魔法もオーラのみ。
リングは4m四方の正方形。
狭いリングで汗と血が飛び交う肉弾戦。
オーラの技量が勝敗を分ける駆け引きを生む。
この惑星で最も人気の格闘技である。
勝敗はランキング形式で世界中に発信され、トップランカーともなれば、富と名声を得る。
オリビアの父ラースがトップランカーだと聞かされたのは、つい昨日のことだった。
言葉は少ないが、無駄のない合理的な指導をしていたことから、すぐに理解ができた。
そんな世界的な有名人に教えてもらっていたことに驚かされた。
そして、その有名人に認められ、本気の殺気を引き出すことができたことが誇らしかった。
「ボウズ、お前、やっぱり天才だな!しかも、上級だったのか?前とはオーラが違いすぎるぞ?」
「ええ、色々あったんですよ。俺も大好きなアネモネの前で負けるわけにはいかないんで、本気でいきますよ?」
「あぁ、事情は同じだな。それじゃあ、強い方が勝つだけだ!わかりやすい!」
「そうですね!行きます!」
間合いを詰めて、踏み込んだ。
オーラは無色。
ギリギリまでオーラを切り替えないことが相手に動きを読まれなくするコツだ。
先制の一撃として、右足での下段の蹴りを放った。
もちろん、牽制の攻撃なので、オーラは変えない。
ラースは受ける足のオーラを土に変えた。
それを見た俺は、全身を風のオーラに切り替え、空中で体を回転させて、胴回し蹴りを放つ。
必殺である魔速680mpの火のオーラを打撃の当たる直前に足に乗せて。
しかし、ラースは全力の土オーラで受け流す。
ガードであればダメージを蓄積できたが、受け流しであれば、ノーダメージだろう。
技量の差が魔力の差を埋める。
大技を受け流された俺は、体勢を崩しながら着地する。
その隙をラースは見逃さなかった。
ジャブで的確に顔を打ち抜き、最後にストレート。
そこから、ボディへの前蹴りが決まり、俺の体は「く」の字に曲がった。
さらにチャンスと見るや、ラッシュ!ラッシュ!ラッシュ!怒涛の拳打がガードを抜けて体にめり込む。
もちろんラースは無色のオーラは捨て、全身を火のオーラに纏っている。
元世界トップランカーにボコボコにされながらも俺の目は死んでいない。
ラッシュの終わりを待っている。
ラースがトドメとばかりに全身のオーラを拳に集中させた。
満遍なく纏っているオーラを一点に集中させる必殺技だ。
威力は何十倍にも跳ね上がる。
最後の一撃が真上から降り注ぐ。
頭頂を撃ち抜かれ、誰もが、勝負ありと確信した。
しかし、俺は違った。
俺は無色のオーラから切り替え、土のオーラを纏っていたのだ。
俺の隠の魔力は特級、全力でガードに力を注げば、一切のダメージはない。
鉄壁の防御となる。
そう、攻撃は受けたが、ダメージは受けてない。
万全の体勢で最後の一撃を待っていた。
頭頂の一撃を体の回転でそらし、右ショートフックのボディブローを叩き込む。
やりすぎるといけないので、無色のオーラにとどめておく。
ドサリと巨体が地に落ちた。
「どいて!」
アネモネが駆け寄り、ラースに治癒魔術を使った。
アバラが折れて、内臓に刺さっていたようだ。
やりすぎた。
どうやら、頭頂の一撃で勝負ありと、ラースも考えて油断したたらしい。
火のオーラを纏ってたら危なかった…。
しばらくして、ラースは目を覚ました。
「オリビアの前でカッコ悪いとこ見せちまったな」
「ううん。お父さん、かっこよかったよ。ライはもっとかっこよかったけど」
「ぐはぁっ!さっきのパンチより効くぜ!」
ラースはおどけてみせる。
「よかった。冗談が言えるくらい回復したのね」
アネモネが安心したように吐息を吐いた。
実際危なかったのだろう。
殴った時もドゴォッて鳴ってたしね。
「ボウズ、最後のはどういうことだ?お前は陽の上級じゃねぇのか?」
「あぁ、かなりの特異体質みたいで、どっちも上級なんですよ」
特級のことは言えないが、これくらいは言わないと説得力がない。
「そりゃ、ずるいだろ。そんな人間ならゴッドイーターにもすぐなれるだろ」
「ゴッドイーター?」
「あぁ、魔闘士大会のチャンピオンの事だ。5年に1回開かれる、魔闘士のトーナメント戦だ」
「トーナメント戦には出るつもりだったんですけど、優勝者はそんな名前なんですね。」
「あぁ、御伽話の神殺しから取ってるらしいぜ?」
ゴッドイーター、神喰らい、なるほどな。
そりゃ、神殺しだな。
「トーナメントって、子どもも出られるんですか?」
アネモネが聞く。
やる気マンマンだな!
「そうだな。年齢制限はないが、無色のオーラを使えることが条件だ。だから、ボウズたちは出られる」
「ボクもでられる?」
オリビアがおずおずと聞く。
「出られるけど、オリビアは危ないからやめてほしいな。無色のオーラを使えても実践となると、ケガするからなぁ。オリビアにはケガをしてほしくない」
「わかったよ」
「僕はまだムリだな。オリビア、これからもオーラの使い方を教えてくれ」
「いいよ。お父さん、いいよね?」
「おう、ヒョロ坊もがんばれよ!」
「はい、お父さん!」
「お前のお父さんになった覚えはねぇええー!」
ビンタが炸裂した。
フォールはきりもみジャンプをしながら、オリビアに哀れな目で見られたことにショックを受けた。
「試合は出ないけど、応援は行くね!ライ君、アネモネさん!」
「ありがとう、オリビア。また、日が決まったら連絡するよ」
「あれ?たしか、この前ゴッドイーターが決まったところだから、次は5年後じゃないかな?まぁ、詳しいことは、魔闘士協会の窓口に問い合わせると分かるんじゃねーかな?」
「魔闘士協会か、ツバル・シュバルツ教授が役員だったような?」
「おっ、ツバルの旦那を知ってるのか?頼ってみるのもいいだろう。あの旦那も元トップランカーだし、戦い方を教えてもらってもいいんじゃねーか?確実に俺より強いよ」
「へぇー、前はそんなふうに見えなかったのにな。まぁ、会ってみようかな。アネモネはどうする?」
「そうね。アタシも会ってみる」
そこで、フォール君が目覚めたので、解散となった。
フォール君はこの先もロドリゲス家に通うらしい。
俺は両親に事情を説明して、教授へのアポを取ってもらった。
しかし、説明のためオーラを見せた時、両親はポカンとしていた。
まさか、初等部の子どもがこんなレベルでマナを扱えると思っていなかったようだ。
初めは、魔闘士大会のことも反対していたが、最終的には「やれるだけやってみなさい」と言っていた。
少しずつ目標に近づいている感覚が心地よかった。
教授の話を聞くまでは…。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
剣ぺろ伝説〜悪役貴族に転生してしまったが別にどうでもいい〜
みっちゃん
ファンタジー
俺こと「天城剣介」は22歳の日に交通事故で死んでしまった。
…しかし目を覚ますと、俺は知らない女性に抱っこされていた!
「元気に育ってねぇクロウ」
(…クロウ…ってまさか!?)
そうここは自分がやっていた恋愛RPGゲーム
「ラグナロク•オリジン」と言う学園と世界を舞台にした超大型シナリオゲームだ
そんな世界に転生して真っ先に気がついたのは"クロウ"と言う名前、そう彼こそ主人公の攻略対象の女性を付け狙う、ゲーム史上最も嫌われている悪役貴族、それが
「クロウ•チューリア」だ
ありとあらゆる人々のヘイトを貯める行動をして最後には全てに裏切られてザマァをされ、辺境に捨てられて惨めな日々を送る羽目になる、そう言う運命なのだが、彼は思う
運命を変えて仕舞えば物語は大きく変わる
"バタフライ効果"と言う事を思い出し彼は誓う
「ザマァされた後にのんびりスローライフを送ろう!」と!
その為に彼がまず行うのはこのゲーム唯一の「バグ技」…"剣ぺろ"だ
剣ぺろと言う「バグ技」は
"剣を舐めるとステータスのどれかが1上がるバグ"だ
この物語は
剣ぺろバグを使い優雅なスローライフを目指そうと奮闘する悪役貴族の物語
(自分は学園編のみ登場してそこからは全く登場しない、ならそれ以降はのんびりと暮らせば良いんだ!)
しかしこれがフラグになる事を彼はまだ知らない
魔道具頼みの異世界でモブ転生したのだがチート魔法がハンパない!~できればスローライフを楽しみたいんだけど周りがほっといてくれません!~
トモモト ヨシユキ
ファンタジー
10才の誕生日に女神に与えられた本。
それは、最強の魔道具だった。
魔道具頼みの異世界で『魔法』を武器に成り上がっていく!
すべては、憧れのスローライフのために!
エブリスタにも掲載しています。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】
水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】
【一次選考通過作品】
---
とある剣と魔法の世界で、
ある男女の間に赤ん坊が生まれた。
名をアスフィ・シーネット。
才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。
だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。
攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。
彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。
---------
もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります!
#ヒラ俺
この度ついに完結しました。
1年以上書き続けた作品です。
途中迷走してました……。
今までありがとうございました!
---
追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる