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第二章 躍動の5年間 初等部編
第15話 プロレスラー ラース・ロドリゲス 初等部1年生
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アリエルと話してから4ヶ月が過ぎた。
季節は完全に冬になった。
俺が住んでいるのは比較的雪の少ない地方だが、今年の冬は特に寒い気がする。
それは、俺がロリコン疑惑をかけられたからだろうか?
あの後、誤解を解くのに2ヶ月かかった。
おかげで、特訓のスケジュールが遅れてしまった。
誤解を解くのは、厳しい戦いだった。
変態を見る目で見られると、感じたことの無い快感に襲われ、より変態だと思われる。
俺はロリコンではないと訴えると「私のこと好きじゃないの?」と責められる。
「いや、そうじゃない、好きだ」と気持ちを伝えれば、ロリコンだと罵られる。
嬉しいのか、困ったのかよくわからない感情が湧いては消え行きを繰り返す。
最後の方はアネモネが面白がっていたが、この2ヶ月だけで一生分の「好きだ」を伝えた気がする。
しかし、その「好きだ」が復讐に燃えていたアネモネの炎を鎮静化させた気がする。
復讐することはいいと思うが、復讐に取り憑かれて、何もできなくなっては本末転倒だ。
さて、この4ヶ月は遊んでいたわけではない。
ちょっと寄り道はしたが、基本的には目標に向かって一直線である。
魔術ではなく魔法だということがわかった、オーラの使い方を徹底的に鍛えた。
まずは、俺は隠の魔力を、アネモネは陽の魔力を使って、最大限のマナを変換し、薄く纏う練習や、一部分に集める練習、オーラの濃度を薄めて広範囲に広げる練習を中心に行った。
俺の前世の記憶にある某Hunterマンガを参考にした。
あと、陽の魔力と隠の魔力を瞬時に切り替える練習を何度もしていくうちに、両方同時に使えるということが分かった。
不思議なことに、色が無く、非常に見えにくい。
コレができるようになってからは、街中でもオーラを纏うようにした。
しかし、オーラの正体がわからないことが気になっていた。
そこで、ある人物に相談することにした。
「やぁ、ある人物ちゃん、今度、放課後に時間のある日はあるかい?」
「だれだい?ある人物って…?」
「ごめんごめん、こっちの話。なんか久しぶりだな!オリビア!」
「そんなことないよ?学校で毎日顔を合わせてるじゃないかい?」
「あぁ、そうだったな!すまんすまん!それで、ちょっと相談したいことあるんだけど、いい?」
「いいよ。ボクはいつでも大丈夫だけど、お父さんは、来週の月曜まで仕事だよ?」
「おお、なんか気を遣わせて悪いな?」
「いいよいいよ。ボクで力になれるなら、ボクも協力するよ?」
「ありがとう!それじゃ、早速だけど、俺のオーラ見てくれない?」
「いいよ。出して?」
ボッと小さい音を立てて大きめの、透明オーラを出す。
「あ、すごいね。ボクもできるよ?見てて?」
ポッと鳴って小さくオーラが出る。
「すごいな。」
オリビアの優秀さに驚かされる。
「そうでしょ?頑張ったもん。でも、ライ君にオーラの大きさ負けてるの悔しいな」
「そうか?密度の問題だから、体積は関係ないよね?」
「みつど?たいせき?って何?」
「あぁ、1年生には難しいよな。ごめんごめん。まぁ、オーラの大きさくらいで強さはわからないってことだよ。だから、気にすんなって」
「そうだね。気にしないでおくよ。それで、無色のオーラについて知りたいの?」
「そうそう!ってか、コレって無色のオーラって名前なんだな。やっぱ、オリビアはすごいな!」
「そんなことないよ。お父さんから聞いただけだし」
「またまたー、そんなとこもかわいいね!」
娘として。
「かわいいだなんて…」
顔が赤い。
かわいいなぁ。
デュフフ。
「おい、やめろよ!」
クラスメートAが現れた。
いや、名前は知ってる。
フォール・アイスブランドだ。
確か、俺の次の成績だったはず。
ちなみにその次は、オリビアだ。
オリビアは座学が苦手なようだ。
実技は全て満点なんだけどね。
1年生で座学が苦手なのは心配だな。
「フォール君、大丈夫だよ?」
オリビアがフォローしてくれる。
「いや、だめだろ?嫌がってたじゃないか」
「イヤじゃないからいいんだよ?」
ご馳走様です。
オリビアの初恋頂きました。
「じゃあ、僕がいやなんだよ!」
あれれ?三角関係?
「どういうことかわからないよ!」
そうだよね、1年生には難しいよね。
「放課後、2人っきりで遊ぶんだろ?それがイヤなんだ!」
おお!カッコいい!
「そんなこと言ったって、ボクもライ君と遊びたいんだから、フォール君にとやかく言われたくないよ!」
イヤン、キュンとしちゃう。
「それじゃあ、僕も行く!」
フォール君が宣言した。
カッコいいから乗ってあげよう。
「あぁ、俺もそれでいいよ。オリビアもいいよな?」
「ライ君がいいなら、ボクもいいよ?」
こうして、3人で遊ぶ?ことになった。
・
・
・
翌週の火曜日、オリビアの家に向かって歩いている。
3人で。
あまり会話は弾まない。
アネモネも来たそうにしていたが、フォール君の恋心を説明すると、諦めて帰っていった。
今日教えてもらったことは、アネモネにも伝達講習をしようと誓った。
オリビアの家についた。
「おじさん、こんにちは!ちょっと、魔闘法について教えてほしいんだ。」
「あぁ、オリビアから聞いたぞ。もう無色のオーラをマスターしたんだってな?あれ?この前の嬢ちゃんは今日はいないのか?それと、俺はお前のお父さんではないからな、おじさんでもいいけど、ラースって名前もあるんだ。覚えておけ」
「ええ、おじさん、わかりました。アネモネ、先日の彼女は、今日は別の友達が来ることになったから、遠慮しました。」
「なんだ、遠慮するこたぁないのに!まぁ、いいか!ガハハ!で?改めて教えて欲しいってことは、行き詰まってるってわけだな?」
「はい!よろしくお願いします」
「ガハハ!よしよし!素直な子どもは大好きだ!いくらでも教えてやろう!」
「お、おい?魔闘法ってなんだ?僕には話が見えないぞ?」
「あぁ、知らなかったか?スマンスマン!オリビアのお父さんはプロレスラーで、魔闘士なんだよ。魔闘士くらいは知ってるだろ?」
「もちろん。超人的な身のこなしで戦う戦士のことだろ?テレビで見たことあるよ」
ちなみに、この惑星のテレビは、マナの光で映し出す液晶テレビだ。LEDは開発されておらず、全てはマナの光で代用されている。
「あぁ、それだよ。魔闘士が超人的な動きをする戦闘方法が魔闘法というわけさ」
「なるほどね。それを僕にも教えてくれますか?お父さん?」
「お前にお父さんと呼ばれる筋合いはねぇぇぇぇーー!!」
思い切り振り抜かれたビンタが炸裂した。
きりもみしながら吹き飛び、転がったフォールは動けなくなった。
気絶したようだ。
「さぁ、邪魔者もいなくなったことだし、本題にもどりますか!」
俺は本音が漏れていた。
「よかったのかな?」
オリビアは狼狽している。
「いいよいいよ。どうせ、ついて来れなかったし」
「オリビア、そっちのボウズは縁側で寝かせてやってくれ。母さんを呼んで、看病しといてくれるか?ちょっと、この後は、激しい動きをしそうだしな」
「はい。お父さん、ライ君にケガさせないでよ?」
「わぁーってるよ!安心しろ!」
すると、おじさんは、棒で庭に4メートル四方の正方形を描いた。
「これが、リングだ。ここから出ることは許さねー。無色のオーラを全力で纏いな。」
ぶっきらぼうに、言うと、おじさんも無色のオーラを纏った。
どうやら、オーラを圧縮して薄く纏っているようだ。
俺も同じように全力のオーラを纏い、対峙した。
なんの合図もなく、おじさんは右ストレートを、放ってきた。
驚き、両手でガード。
「ほう、よく練られてるいいオーラだ」
相変わらず、言葉は少ないが的確な指摘だった。
無色のオーラは光と闇の合成マナで、合成後は、半分の量しかマナが残らない。
光にするときも半分、闇にするときも半分、さらに無色にするときも半分で、4分の1になる。
俺の魔力は陽が680mpで、隠が特級だ。
無色のマナは同量の光と闇のマナを必要とするため、毎分680mpのマナを生成できる。
しかし、無色のマナを合成すると、4分の1になるので、170mp分となる。
対して、おじさんは隠の中級、陽は下級のはず。上限で計算しても、200mpとなる。
それの4分の1だから、50mpとなるのだ。
だから、そのおじさんのパンチをガードする分には、俺のオーラで十分おつりが来る計算になる。
理論上、俺が負けるはずがない。
しかし、初めの右ストレート以外は、全ての攻撃でダメージを受けているし、俺の攻撃は全てガードされている。
狭いリングでは十分動けず、正面から打ち合う形になりやすい。
受け流されているわけではなく、ガードをされている。
できるわけがない。
「できるわけがないと思っただろう?それができるんだよ。コレが魔闘法の真髄だ。魔力が強けりゃ勝てるってもんじゃねぇ。悔しかったら、よく見てみな」
なるほど、よく見たらわかった。
おじさんは攻撃の瞬間、火のオーラを拳に纏い、攻撃し、防御の瞬間、土のマナに切り替え、防御をしている。
あくまで、無色のマナは保険なんだ。
バトルの状況に合わせてオーラの種類を使い分けると4分の1に減衰させない純粋な火力が生まれるわけだ。
「わかったようだな?少し本気をだすぞ?」
怒涛の攻撃だった。
今知ったばかりの俺になす術はなく、一方的にボコボコにされた。
「さて、こんなもんかな?だいたいわかったろ?俺ら魔闘士はこれを使いこなしてるんだ。ちなみに、オリビアもそこそこできるぞ!?来週からは俺はまた興行で家を空けるから、オリビアと練習するといいだろう。庭を使ってもいいぞ」
「え?オリビアが?すごい!」
「そうだろ?俺のオリビアは天才だからな!よし、母さん、明日からこのボウズが練習に来るから茶くらい出してやってくれ」
オリビアを褒められて嬉しそうだ。
ってか、4ヶ月も悩んでないで、さっさと相談したらよかった!
「お父さん、ありがとう!練習がんばります!…プベァァ!!」
火のオーラマックスで無言のビンタが飛んできた
「俺の娘はやらねー!」
ギリギリ、土オーラの防御が間に合い、致命傷を避けた。
「すいません。そういう意味ではありません。あと、前に連れてきた女の子も呼んでいいですか?」
「あぁ、あの嬢ちゃんも見込みあるしな!いいぞ!そこで、転がってる坊主も来たいって言ったら連れてこい。オリビアの友達なら大歓迎だ!」
こうして、授業中に、オーラ操作の練習が増え、アネモネと、フォール君とオリビアの4人での特訓の日々が始まった。
下の画像はフォール・アイスブランドのイメージ画像です。
季節は完全に冬になった。
俺が住んでいるのは比較的雪の少ない地方だが、今年の冬は特に寒い気がする。
それは、俺がロリコン疑惑をかけられたからだろうか?
あの後、誤解を解くのに2ヶ月かかった。
おかげで、特訓のスケジュールが遅れてしまった。
誤解を解くのは、厳しい戦いだった。
変態を見る目で見られると、感じたことの無い快感に襲われ、より変態だと思われる。
俺はロリコンではないと訴えると「私のこと好きじゃないの?」と責められる。
「いや、そうじゃない、好きだ」と気持ちを伝えれば、ロリコンだと罵られる。
嬉しいのか、困ったのかよくわからない感情が湧いては消え行きを繰り返す。
最後の方はアネモネが面白がっていたが、この2ヶ月だけで一生分の「好きだ」を伝えた気がする。
しかし、その「好きだ」が復讐に燃えていたアネモネの炎を鎮静化させた気がする。
復讐することはいいと思うが、復讐に取り憑かれて、何もできなくなっては本末転倒だ。
さて、この4ヶ月は遊んでいたわけではない。
ちょっと寄り道はしたが、基本的には目標に向かって一直線である。
魔術ではなく魔法だということがわかった、オーラの使い方を徹底的に鍛えた。
まずは、俺は隠の魔力を、アネモネは陽の魔力を使って、最大限のマナを変換し、薄く纏う練習や、一部分に集める練習、オーラの濃度を薄めて広範囲に広げる練習を中心に行った。
俺の前世の記憶にある某Hunterマンガを参考にした。
あと、陽の魔力と隠の魔力を瞬時に切り替える練習を何度もしていくうちに、両方同時に使えるということが分かった。
不思議なことに、色が無く、非常に見えにくい。
コレができるようになってからは、街中でもオーラを纏うようにした。
しかし、オーラの正体がわからないことが気になっていた。
そこで、ある人物に相談することにした。
「やぁ、ある人物ちゃん、今度、放課後に時間のある日はあるかい?」
「だれだい?ある人物って…?」
「ごめんごめん、こっちの話。なんか久しぶりだな!オリビア!」
「そんなことないよ?学校で毎日顔を合わせてるじゃないかい?」
「あぁ、そうだったな!すまんすまん!それで、ちょっと相談したいことあるんだけど、いい?」
「いいよ。ボクはいつでも大丈夫だけど、お父さんは、来週の月曜まで仕事だよ?」
「おお、なんか気を遣わせて悪いな?」
「いいよいいよ。ボクで力になれるなら、ボクも協力するよ?」
「ありがとう!それじゃ、早速だけど、俺のオーラ見てくれない?」
「いいよ。出して?」
ボッと小さい音を立てて大きめの、透明オーラを出す。
「あ、すごいね。ボクもできるよ?見てて?」
ポッと鳴って小さくオーラが出る。
「すごいな。」
オリビアの優秀さに驚かされる。
「そうでしょ?頑張ったもん。でも、ライ君にオーラの大きさ負けてるの悔しいな」
「そうか?密度の問題だから、体積は関係ないよね?」
「みつど?たいせき?って何?」
「あぁ、1年生には難しいよな。ごめんごめん。まぁ、オーラの大きさくらいで強さはわからないってことだよ。だから、気にすんなって」
「そうだね。気にしないでおくよ。それで、無色のオーラについて知りたいの?」
「そうそう!ってか、コレって無色のオーラって名前なんだな。やっぱ、オリビアはすごいな!」
「そんなことないよ。お父さんから聞いただけだし」
「またまたー、そんなとこもかわいいね!」
娘として。
「かわいいだなんて…」
顔が赤い。
かわいいなぁ。
デュフフ。
「おい、やめろよ!」
クラスメートAが現れた。
いや、名前は知ってる。
フォール・アイスブランドだ。
確か、俺の次の成績だったはず。
ちなみにその次は、オリビアだ。
オリビアは座学が苦手なようだ。
実技は全て満点なんだけどね。
1年生で座学が苦手なのは心配だな。
「フォール君、大丈夫だよ?」
オリビアがフォローしてくれる。
「いや、だめだろ?嫌がってたじゃないか」
「イヤじゃないからいいんだよ?」
ご馳走様です。
オリビアの初恋頂きました。
「じゃあ、僕がいやなんだよ!」
あれれ?三角関係?
「どういうことかわからないよ!」
そうだよね、1年生には難しいよね。
「放課後、2人っきりで遊ぶんだろ?それがイヤなんだ!」
おお!カッコいい!
「そんなこと言ったって、ボクもライ君と遊びたいんだから、フォール君にとやかく言われたくないよ!」
イヤン、キュンとしちゃう。
「それじゃあ、僕も行く!」
フォール君が宣言した。
カッコいいから乗ってあげよう。
「あぁ、俺もそれでいいよ。オリビアもいいよな?」
「ライ君がいいなら、ボクもいいよ?」
こうして、3人で遊ぶ?ことになった。
・
・
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翌週の火曜日、オリビアの家に向かって歩いている。
3人で。
あまり会話は弾まない。
アネモネも来たそうにしていたが、フォール君の恋心を説明すると、諦めて帰っていった。
今日教えてもらったことは、アネモネにも伝達講習をしようと誓った。
オリビアの家についた。
「おじさん、こんにちは!ちょっと、魔闘法について教えてほしいんだ。」
「あぁ、オリビアから聞いたぞ。もう無色のオーラをマスターしたんだってな?あれ?この前の嬢ちゃんは今日はいないのか?それと、俺はお前のお父さんではないからな、おじさんでもいいけど、ラースって名前もあるんだ。覚えておけ」
「ええ、おじさん、わかりました。アネモネ、先日の彼女は、今日は別の友達が来ることになったから、遠慮しました。」
「なんだ、遠慮するこたぁないのに!まぁ、いいか!ガハハ!で?改めて教えて欲しいってことは、行き詰まってるってわけだな?」
「はい!よろしくお願いします」
「ガハハ!よしよし!素直な子どもは大好きだ!いくらでも教えてやろう!」
「お、おい?魔闘法ってなんだ?僕には話が見えないぞ?」
「あぁ、知らなかったか?スマンスマン!オリビアのお父さんはプロレスラーで、魔闘士なんだよ。魔闘士くらいは知ってるだろ?」
「もちろん。超人的な身のこなしで戦う戦士のことだろ?テレビで見たことあるよ」
ちなみに、この惑星のテレビは、マナの光で映し出す液晶テレビだ。LEDは開発されておらず、全てはマナの光で代用されている。
「あぁ、それだよ。魔闘士が超人的な動きをする戦闘方法が魔闘法というわけさ」
「なるほどね。それを僕にも教えてくれますか?お父さん?」
「お前にお父さんと呼ばれる筋合いはねぇぇぇぇーー!!」
思い切り振り抜かれたビンタが炸裂した。
きりもみしながら吹き飛び、転がったフォールは動けなくなった。
気絶したようだ。
「さぁ、邪魔者もいなくなったことだし、本題にもどりますか!」
俺は本音が漏れていた。
「よかったのかな?」
オリビアは狼狽している。
「いいよいいよ。どうせ、ついて来れなかったし」
「オリビア、そっちのボウズは縁側で寝かせてやってくれ。母さんを呼んで、看病しといてくれるか?ちょっと、この後は、激しい動きをしそうだしな」
「はい。お父さん、ライ君にケガさせないでよ?」
「わぁーってるよ!安心しろ!」
すると、おじさんは、棒で庭に4メートル四方の正方形を描いた。
「これが、リングだ。ここから出ることは許さねー。無色のオーラを全力で纏いな。」
ぶっきらぼうに、言うと、おじさんも無色のオーラを纏った。
どうやら、オーラを圧縮して薄く纏っているようだ。
俺も同じように全力のオーラを纏い、対峙した。
なんの合図もなく、おじさんは右ストレートを、放ってきた。
驚き、両手でガード。
「ほう、よく練られてるいいオーラだ」
相変わらず、言葉は少ないが的確な指摘だった。
無色のオーラは光と闇の合成マナで、合成後は、半分の量しかマナが残らない。
光にするときも半分、闇にするときも半分、さらに無色にするときも半分で、4分の1になる。
俺の魔力は陽が680mpで、隠が特級だ。
無色のマナは同量の光と闇のマナを必要とするため、毎分680mpのマナを生成できる。
しかし、無色のマナを合成すると、4分の1になるので、170mp分となる。
対して、おじさんは隠の中級、陽は下級のはず。上限で計算しても、200mpとなる。
それの4分の1だから、50mpとなるのだ。
だから、そのおじさんのパンチをガードする分には、俺のオーラで十分おつりが来る計算になる。
理論上、俺が負けるはずがない。
しかし、初めの右ストレート以外は、全ての攻撃でダメージを受けているし、俺の攻撃は全てガードされている。
狭いリングでは十分動けず、正面から打ち合う形になりやすい。
受け流されているわけではなく、ガードをされている。
できるわけがない。
「できるわけがないと思っただろう?それができるんだよ。コレが魔闘法の真髄だ。魔力が強けりゃ勝てるってもんじゃねぇ。悔しかったら、よく見てみな」
なるほど、よく見たらわかった。
おじさんは攻撃の瞬間、火のオーラを拳に纏い、攻撃し、防御の瞬間、土のマナに切り替え、防御をしている。
あくまで、無色のマナは保険なんだ。
バトルの状況に合わせてオーラの種類を使い分けると4分の1に減衰させない純粋な火力が生まれるわけだ。
「わかったようだな?少し本気をだすぞ?」
怒涛の攻撃だった。
今知ったばかりの俺になす術はなく、一方的にボコボコにされた。
「さて、こんなもんかな?だいたいわかったろ?俺ら魔闘士はこれを使いこなしてるんだ。ちなみに、オリビアもそこそこできるぞ!?来週からは俺はまた興行で家を空けるから、オリビアと練習するといいだろう。庭を使ってもいいぞ」
「え?オリビアが?すごい!」
「そうだろ?俺のオリビアは天才だからな!よし、母さん、明日からこのボウズが練習に来るから茶くらい出してやってくれ」
オリビアを褒められて嬉しそうだ。
ってか、4ヶ月も悩んでないで、さっさと相談したらよかった!
「お父さん、ありがとう!練習がんばります!…プベァァ!!」
火のオーラマックスで無言のビンタが飛んできた
「俺の娘はやらねー!」
ギリギリ、土オーラの防御が間に合い、致命傷を避けた。
「すいません。そういう意味ではありません。あと、前に連れてきた女の子も呼んでいいですか?」
「あぁ、あの嬢ちゃんも見込みあるしな!いいぞ!そこで、転がってる坊主も来たいって言ったら連れてこい。オリビアの友達なら大歓迎だ!」
こうして、授業中に、オーラ操作の練習が増え、アネモネと、フォール君とオリビアの4人での特訓の日々が始まった。
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