世界一になるって決めた!〜お隣の似た宇宙に転生してました〜

ahootaa

文字の大きさ
24 / 76
第二章 躍動の5年間 初等部編

第22話 進級試験・準備 初等部5年生

しおりを挟む
 バイエルさんの訪問から月日が流れ、5年の夏休みが来た。
 初等部最終学年ということで、進級試験が始まる。
 初等部の進級試験はダンジョンの攻略である。
 ダンジョンと言っても、俺の目標とするダンジョンマスターになるための特別級ダンジョンではなく、子どもでもクリアできる、下級ダンジョンでもよい。
 つまり、どんなダンジョンでもクリアしたという証があればよいのである。
 ダンジョンにはフロアボスと呼ばれるボスがいて、そのボスのドロップアイテムを持ち替えれば合格となる。
 しかし、進級試験とは名ばかりで、全員を安全に合格させることを目的としているため、多くの生徒が近くの市場でドロップアイテムを購入してくる。
 また、クリアするにしても助っ人を依頼することも可能であるため、一種の卒業旅行のような雰囲気となっている。
 しかし、伝説の主席でえるアネモネは1人で中級ダンジョンをクリアしてしまっている。
 彼女は、本来高等部で学習する魔闘法を1人だけすでに使えるようになっていたので、可能であったらしい。

 ということで、しっかりパーティを組んで、上級に挑んでみることにした。
 パーティメンバーは、前衛タンクに俺、前衛アタッカーにフォール君、中衛にオリビア、後衛にアネモネである。
 アネモネは助っ人という立ち位置だが、自身の進級試験も兼ねている。
 中等部はダンジョン攻略にその際のレポートが必要とされている。
 中級部も安全に配慮するために、本来であれば、下級のクリアとレポートでいいのだが、「上級へ行く」と言えば、即答で「アタシも行く」とのことであった。
 何にせよ、俺とアネモネは特級術師、魔術も攻防バランスの取れた配分としている。
 滅多なことがない限り、楽勝でクリアのはずである。
 心配なのは、オリビアとフォールの2人であったが、どうやら、俺が大学でトレーニングしている間のトレーニングで、オリビアは中級術師として、フォールは上級術師として、魔闘法をマスターしていたようだ。実戦においても、ラースと組み手をすることで、鍛えたり、フォールの血統魔術である「冰剣」が、かなり強力らしい。
 冰剣は魔術で杖の周りに強固な氷の剣を作り出し、それで戦闘するスタイルのことだ。
 ここで重要なのは、この冰剣はオーラを纏えることにある。
 市販の武器であれば、オーラを極めた俺にとってはオーラを纏わせることができるが、かなりのマナを消費する。
 マナを無駄に消費し続ければ、周囲のマナ枯渇や、自身の疲労に繋がるので、回避したい。
 しかし、この、冰剣は実は誰にでも作ることができた。
 ただし、上級以上の魔力が必要だが。
 そして、冰剣を作る術式を杖に付与した状態でないと使えない。
 杖一本で剣を持ち歩けると考えるとかなりお得である。
 是非とも付与すべく、アネモネ師匠に相談していた。

「できないことはないけど、杖の容量が心配だね。アタシだったら、大抵の魔術を付与できるけど、ライの杖には16節までの術式しか付与できないからギリギリね」

 そう、杖には容量が決まっていて、その容量までしか付与できない。全て埋めてしまうと、消すには時間が5分程度かかり、戦闘中にはできない。
 俺の杖は16節までで、すでに、ラージファイア8節とライトヒール4節を付与しており、短剣程度の冰剣3節を追加付与するともうほとんど何も入らない。
 今回のダンジョン攻略には、土の大魔術と火の下級魔術と水の小魔術と、ミドルヒールは欲しい。
 欲を言えば、氷大魔術やラージヒールもあれば安心だろう
 氷魔術もオーラにできるが、水の上位版というだけでマナ変換効率が悪く魔闘法としては通常使わない。
 ちなみに、風の上位属性に雷が存在するが、身体能力が上がりすぎてコントロールが難しいとされている。
 それは、他の魔術においても同様のことが言える。
 そこで、前述の魔術構成にした場合、土大で8節、火下で2節、水小で2節、中級治癒で4節、大氷なら12節、大治癒なら8節、の容量が必要となる。
 最低でも16節、最大で36節必要である。
 杖は普通、2.4.8.16.32.64…と増えるので、36節入れるためには、64節の超高級な杖が必要となる。
 中古相場でも10万丸はする。
 新品だと最低でも15万丸というところだ。
 これで、中級ダンジョンクリアメンバーの装備というところだ。
 しかし俺の杖はピエトロ工房の3万の杖。
 拡張機能がついている。
 杖の柄にある触媒を高級な素材と交換することで、容量アップができる。触媒の値段は3万で32節5万で64節だ。
 まぁ、今の手持ちにそんな大金はないが…。
 ちなみにフォールは血統魔術で、術式は血に付与されているため、冰剣を作るだけなら杖はいらないので、容量には若干の余裕があるそうだ。
 オリビアは中級魔術くらいまでが、実用に耐えるレベルらしく、ライトヒールと、中土魔術アースアタックだけを入れていくそうだ。

「そうなんだよね。それに、俺今回はタンクでしょ?だから、土剣を作るか、土盾を作るかにしようかと思ってるんだ」

「なるほどね。土なら、土オーラとの相性も良いものね。わかった。それじゃ、バイトして、杖を買いましょう?」

「バイト?なんかあるの?」

「ええ、とっておきのバイトだよ!」

「わかった。やってみようか」

 俺たちはバイトをすることになった。
 フォールも呼んできたら効率があがるらしい。
 オリビアだけ仲間外れ…。かわいそう。
 多めに働いたら、一緒に買ってやろう。

「ついたよ」

「ここって…」

 マナ抽出所じゃ?

「マナ抽出所?」
 フォールが尋ねる。

「そうだよ。今の時期、暑いからマナがいくらあっても足りないんだってさ。だから、ここは上級術師を常に求めてるのさ。困っている人を助けて、お金をたっぷり稼ぐ。かんぺきだろ?」

 そういって、ズイズイと中へ入っていった。
 市役所のような雰囲気のロビーに雑多な人種がひしめき合っている。
 裕福そうなドワーフに、屈強なエルフ、3mはありそうな幼い顔の巨人、子どものような身長で無精髭を生やした小人。全員同じ目的である。
 国の重要拠点、竜脈に集まった労働者である。
 その全員が3箇所に分かれて集まっている。
 オープンと同時にダッシュが始まった。
 おそらく、本日の職場争奪戦なのだろう。
 ここにパパンも入っているのかもしれない。
 俺たちは、焦ることなく、VIPルームだ。
 上級は人数が少ないため、焦る必要はない。
 むしろ、優遇される。
 担当に案内されて、優雅に現着する。
 仕事と言ってもやることは簡単、2本のレバーを持ち、左のレバーで竜脈からマナを吸い上げ、右のレバーにマナを送るだけの仕事。
 魔闘法を極めた俺たちには造作もないことだった。

「ライ、わかってると思うけど、自重しなさい?機械を壊すとややこしいことになるよ?」

「オッケー。どのマナを注げばいいかな?」

俺もアネモネも魔力が成長するので、陽も隠も1000を超えている。

「ライはもともと陽なんだから、火と風を1000mpと光を500mpにすればいいよ。手元のメーターを見ればわかるでしょ?」

 そんなやりとりをしながら、午前中の4時間で俺たちは60万mpものマナを抽出した。
 同じくフォールは34万抽出した。

 そして、俺は6万丸という大金を得た。
 1mp0.1丸という換算にはびっくりした。
 しかしながら、びっくりするほど退屈な仕事だった。
 マナさえ送ればおしゃべりし放題。
 両手が塞がるので他には何もできないが。
 アネモネはどうやら、ちょくちょくバイトをして、小遣いを貯めていたらしい。
 およそ、子どもが持ってていい金額ではないが、さっそく、5万の触媒を買う。
 どうやら、珍しい鉱石らしい。
 触媒には、珍しい鉱石や、魔物の一部を用いる。
 そう、魔物が存在するのである。
 ダンジョンというところは、使われていない竜脈のことらしい。
 そこに生物が年単位で長時間棲息すると、魔物と化すそうだ。
 そして、現在使われている竜脈はヒトがダンジョンを踏破し、使えるようにしたものも含まれている。
 この国ジンパッグは特にダンジョンの多い国として知られており、世界中から冒険者が訪れている。
 その結果、人種のるつぼと化し、先ほどの多種多様な人種構造となったとされている。

「さて、触媒も手に入ったことだし、付与しちゃうね?何がいい?」

「そうだなー。4種の大魔術と大治癒は欲しいかな。闇魔術は何か付与できる?例えば重力魔術とか!」

「うーん…」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者

哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。 何も成し遂げることなく35年…… ついに前世の年齢を超えた。 ※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。 ※この小説は他サイトにも投稿しています。

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)

荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」 俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」 ハーデス 「では……」 俺 「だが断る!」 ハーデス 「むっ、今何と?」 俺 「断ると言ったんだ」 ハーデス 「なぜだ?」 俺 「……俺のレベルだ」 ハーデス 「……は?」 俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」 ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」 俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」 ハーデス 「……正気……なのか?」 俺 「もちろん」 異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。 たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!

猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る

マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・ 何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。 異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。  ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。  断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。  勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。  ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。  勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。  プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。  しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。  それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。  そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。  これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

処理中です...