世界一になるって決めた!〜お隣の似た宇宙に転生してました〜

ahootaa

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第四章 ワクドキ学園パラダイス編 12歳

第64話 最愛との決闘

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 アネモネは決闘が好きなのかもしれない。
 この大学に来て3度目だ。
 いくらなんでも、血気盛んすぎる。
 このペースはまずいな。

「わかったよ。そのチケットを賭けて決闘を受けよう。でも、もう1つ条件がある。なんでも決闘で決めるのはもうこれで終わりにしてほしい」

「わかったわ。その約束は私が勝っても守る」

 案外素直だった。
 意外だな。

「ありがとう。アネモネにとっても決闘グセは良くないと思うんだ。わかってくれて嬉しいよ」

「その代わり、本気で来てね。セオには光オーラを常に貯めてもらうから死なない限り大丈夫よ」

「そうだね。小さい時から何度も組み手をしてるけど、大きな試合では俺が勝ってばかりだったもんね。本気で行くよ。セオ、頼んだよ」

「大丈夫だよ~。腕の1本や2本なら再生できるよ~」
 え?
 そんなことできるの?
 オーラすご!
 
「ありがとう。それじゃあ、また、セオにコイントス頼もうかな」

 セオがコインを構える。
 親指で弾いた瞬間、コインが消滅する。
 あ、光オーラ全開だからだ。

 アネモネはもう、オーラを溜め始めていた。
 遅れて俺も溜める。
 しかし、このタイムラグは達人の戦いでは命取りだ。
 1秒の遅れが勝敗を分けることもある。
 初手は完全にアネモネに持っていかれるだろう。

 そこで、俺は透明化の魔術を使い、時間を稼ぐことにした。
 すると、アネモネは先ほどと同じように、瞬間移動のような飛翔で空中へ躍り出て、巨大風弾を放った。
 範囲攻撃で見えなくなった相手をすり潰す作戦なんだろう。
 それを読み切っていた俺は同じく飛翔を使い、アネモネの背後へ回る。
 オーラの糸をつけて時間を止めるべく、ひっそり近づく。
 時間さえ止めてしまえば、場外に落として俺の勝ちとなる。

 しかし、それも読まれていた。
 風弾で作った土埃で透明化した俺の居場所がバレていたのだ。
 アネモネはかまいたちを作る風刃の魔術で俺を切ろうとする。
 慌ててオーラでガード。
 
 ガキン
 
 と、金属音。
 同時にアネモネは音速で間合いを詰める。
 アダマンタイトのナイフで切り付けてくる。
 火オーラで『鋭利』を纏ったナイフは恐らく、俺の腕くらいなら簡単に落とすだろう。
 食らうわけにはいかない。
 俺も瞬間的にセラミックの盾を作り、『硬化』と『不壊』を付与する。
 付与した『不壊』は俺のオリジナルだ。
 昨日考えたところなので誰も知らない。
 左手に装備した盾でガード。
 
 ガチーン

 またしても金属音。
 ガードと同時にアネモネは風刃と炎刃を同時に放ち、俺の盾に着弾させる。
 二つの魔術は同時に着弾し、その場で上昇気流を生み出し、火柱となる。
 俺は火柱に飲まれ、肺を焼かれる。
 呼吸が困難となるも、焦らず、光オーラで回復を試みる。
 
 しかし、回復の隙を与えることなく、アネモネのラッシュが続く。
 二刀流ナイフの連打だ。
 盾一つでは捌き切れず、攻撃が急所をかする。
 回復を諦め、俺も武器を作る。
 イメージした武器はチェーンソー。
 ガード不能の一撃必殺。
 もちろんエンジンがあるわけでは無いので、動力はオーラだ。
 チェーンソーに『回転』と『不壊』と付与する。
 
 見たことのない武器のデザインにアネモネがギョッとする。
 振りかざす俺にナイフ2本でガードする。
 ナイフにチェーンソーが当たり、ガギィンとなる。

 ギャイギャリギャリギャリ

 ナイフを削りながらチェンソーは進んでいく。
 アネモネは焦りながらナイフを捨て、距離をとる。
 それを追う俺を見て、急いでアネモネは盾を作る。
 大盾だ。
 俺は移動中に、チェーンソーに『鋭利』も付与した。
 大盾をギャリギャリ削る。
 
 しかし、俺は大盾に隠れて、重力魔術を展開した。重力10倍魔術だ。
 人間相手に使ったことなかったけど、やってみた。
 アネモネの身長は俺より10cmくらい高いので165cmくらいある。
 恐らく体重は60kgくらいだろう。
 その10倍の重さが加わる。
 600kgだ。
 一気に地面に叩きつけられる。
 
 しかし、何が起こったのかすぐに察知したアネモネは、光オーラで相殺する。

 その瞬間を見逃さなかった。

 光オーラでアネモネの闇と火と風オーラを一気に消し去り、火オーラで強化した拳を脇腹に捩じ込む。
 アネモネはくの字に曲がり、その後吹き飛ぶ。
 受け身はできたようだが、脇腹へのダメージは大きく、戦うことは不可能だろう。
 第一、場外まで吹き飛んでしまったので、負けは確定だ。

「これで勝負ありだな」

「ぐやじい」
 アネモネは脇腹へのダメージが大きいのか話しにくそうにしている。
 しかし、光オーラを出しているので大丈夫だろう。

「それじゃあ~、魔術師大会はライが出場だね~」

「こんばん慰めてくれたら許す」
 アネモネはもう夜のことを考えているらしい。
 やはり、魔力が強大だとすぐに思考も切り替わるようだ。

「そうだな!それじゃあ、しっぽりやりますか」

「そうだね~。私も混ぜてね~」

 セオはいつも爆弾を落とす。

「ど、どういうことかな?セオ君?」
 俺は動揺が隠せない。

「3人でエッチをするってことだよ~」
 何当たり前のこと聞いてんの? みたいな顔をされた。

「ん? セックスはそんな何人も同時にできないよ?」
 ちょっと腹が立ったので、言い返してみる。

「普通はしないだろうけど~、私達みたいな仲良しならするかもね~?」
 真顔で返してきた。
 これは負けておこう。
 俺のために。

「そうだな…」

「そうね。仲良しなんだからやってみましょうよ? ライ?」

 アネモネがなぜか乗り気だ。
 わからん。
 何か企んでいるのか?
 わからん。

「うん。わかったよ」
 
 後ほど、マ○オとク○パの2人に食べられる桃姫でしたとさ。


【あとがき】

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

画像生成AI先生にイラストを作って頂きました。

全てではないですが、15枚程度のイメージ画像を挿絵として入れております。
よろしければ、読み直しを含めてご確認ください。

個人的には大人になったアネモネが1番気に入ってます
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