世界一になるって決めた!〜お隣の似た宇宙に転生してました〜

ahootaa

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第五章 神への挑戦

最終話 世界一の自分

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「ごめんね。完全に巻き込んじゃってるよね」

「いいえ、いいわ。これがアタシの生き方よ」

「そうだな。俺もこっちの方がわかりやすくていいよ。アルターイは見てられなかった。正直、昔の俺はあんなだったんだよ」

「そうだったんだ~。それでも好きになる自信はあるよ~」

「それは私もよ。セオには負けない」

「まぁまぁ、俺は今はこうなったわけだしね。それに、それはアルターイが転生させてくれたからだし」

「そうなんだよね。運命を大きく捻じ曲げてるよね」
 アリエルは悲痛な表情をする。

「だから、いいのよ。アタシも復讐で終わらせるのが良くない気がしたの。それは地球に連れてきてもらったから気づけたわけだし」

「それで~、神とやらの居場所はどこなの~?」

「もうすぐだよ」

 急に視界が切り替わった。
 全体が白い部屋
 何がどこにあるのかさっぱりわからない。
 よく見ると、アネモネとセオを見つけた。
 アリエルは跪いている。
 どうやら、そこに神がいるようだ。

「やあ、はじめまして。私が神だよ」

 どう見ても前世の俺と同じ体系のオッサンだ。
 だらしない体をしている。
 こんなヤツを神と信じろというのか?
 ふと、アネモネとセオの表情を見ても同じような反応をしている。

「まぁ、こんな体系だけど、一応神なんだよ。誰がなんと言おうともね」

「わかったよ。そうじゃないと話が進まないしな。で、お前は何がしたかったんだ? アルターイをうつ病にして、うつ病の俺を転生させて」

「新しい神が欲しかったんだよ。私は別の空間へ移動したかったのさ。そのために、アルターイを使って私を殺させようとした。死ねば自動的に移動できるからね。その計画が狂ったから、今度は神殺しを利用しようとした」

「何言ってんだ?死にたいなら勝手に死ねよ」

「おいおい、ライ君。キミの口からそんな言葉がでるとは思わなかったよ。自殺の怖さは誰よりしってるだろ?」

 確かにそうだった。
 俺は死にたくて死にたくて死にたかった。
 でも、アルターイに殺されるまで死ねなかった。
 そして、家族は苦しんだ。

「そう、キミは知ってるんだよ。自殺の恐ろしさや、その後に待ち構える悲劇を。私の家族は11人の天使さ」

「お前、心を?」

「そりゃ、そうだろ? 私は神だよ? 全知全能なる神だよ? 心くらい読むさ」

 横にいるはずのアネモネがいなくなっていた。
 神にとびかかっていた。
 全開のオーラが今の会話で溜まったのだろう。
 セオも飛び出していた。
 セオも全開のオーラだ。
 どうやら二人とも会話は望んでいなかったらしい。

 まずはアネモネがオッサンの右側から回し蹴りを叩きこむ。
 難なくガードされた。
 セオは見たこともないようなオーラ量を練っている。
 おそらく、初めて見るセオの全力だ。
 アネモネとタイミングを合わせて左からのボディブロウ
 拳がめり込む。
 メキメキといいながら拳が食い込んでいく。
 
 俺も遅れたが、オーラを練り、攻撃に参加する。
 セオが作ったスキに、顔面めがけて右ストレート。
 きれいに入った。
 アネモネも続いて右ストレートを顔面に。
 着弾と同時に吹き飛んでいく。
 壁の無い白い部屋はどこまでも広がる。
 吹き飛んだ先へ行く。

 オッサンは立っていた。
 しかし、満身創痍といった雰囲気だ。
 どうやら攻撃は有効だったらしい。
 全知全能とか言ってるわりにたいしたことない。

「どうした、こんなもんか?」
 煽ってみた。

「いや、驚いたよ。きっと、殺せるよ。よろしく頼む」

 そうか、初めの攻撃こそ、反射的にガードしたが、こいつは死にたいんだ。

「そうだよ。死にたいんだから攻撃をくらうのは当たり前じゃないか」

「そりゃそうだ。よし、目的は達成したし、帰ろうか」

「え?なんで?」
 神が驚いている。

「殺す気だったよね?」

「初めからそんな気はないよ」
 アネモネが言った。
 なんかかっこいい。
 惚れ直した。

「そうだね~。1発殴ろうって言って来たんだもんね~」
 セオもその気だったらしい。
 俺は何も考えずに殴ってたけど。

「そうだろ? ライ君、殺してくれていいんだよ?」

「いや、そんな風に言われたら余計に殺す気なくなったよ。つーか、神やりながら苦しめ。それが最大の復讐な気がしてきた」

「アタシもそう思ってたところ。やっぱりライとは気が合うね。帰って結婚して」

「あ~。私も~」

「そうだな、結婚は俺の年齢的にアウトだから、気持ちのいいセックスしようぜ」

「そうね。ここでしてもいいよ」

「いいね~。その方が燃えるかもしれないね~」

「あーもー、こんなオッサンもアルターイもどうでもよくなってきた。やっぱり、俺は世界一を目指すよ。それが原点だしね」

「そうだね。アタシも成り行きで強くなったし、ライのライバルになるよ」

「あ~、知ってる~? 誰も私に勝ててないんだよ~?」

「うわ! ホントだ! まずはセオを超えるところからだな」

「でも~、エッチな気分になってきちゃったんだ~」



「神様、私たちは何を見せられてるんですか?

「そりゃ、決まってるじゃないかナニだよ」

「・・・・・・セクハラですよ」

「目の前でヤッてるのはセクハラじゃないの?」

「あれは愛です」

「たまには天使らしいこというじゃないか」


 こうして、俺たちはヤりたい放題ヤったあげく、神の間を後にしたのであった。

 神騒動はどうでもよくなったが、アルターイは不憫だ。
 しかし、そのフォローはアリエルが責任をもって取ると言っていたので、任せることにした。

「なぁ、アリエル、俺はアルターイは不幸だと思うんだけど、一緒にいてやってくれよ。きっと死にたいんだろうけど。でも、家族がわかりやすく寄り添っていると幸せにはなれると思うんだよな。俺の前世はタイミングが悪くて、家族からのフォローが少なかったけど、今はアネモネとセオのフォローで楽しいもん」

「そうだね。ずっといるよ。だから、私の宇宙は留守にするよ。その分ひょっとしたら仕事頼むかもしれないけでいいかな?」

「そうだな。程度にもよるけど、アリエルには世話になったし、恩返しさせてよ。あ、あと、俺の元家族はまだ生きてるだろうから、少し気にかけてやってくれないか? アルターイのお世話の間の時間でいいからさ」

「うん。見守っているよ。ピンチの時は助けるし、幸せなことは記録に残しておくね」

「ありがとう。それじゃあ、俺たちは帰って続きをやってくるわ! サンキュな!」

「もう、こんな時に全裸だったら締まらないじゃない」
 アネモネに怒られた。

「いいじゃん~。この後もまだやるでしょ~?」

「そうだけど……」

「ま、そういうことなんで、よろしく頼むよ。」

「神様とは話さなくていいの?」

「あ? いいのいいの。アイツは放置が罰で。それじゃ、ワープよろしく」

「はーい。それじゃね」


 サッと視界が変わり、いつもの俺たちの部屋に戻っていた。
「なんか疲れたな」

「え~。私はまだ元気だよ~?」

「そうね。アタシも足りない」

「あ、そういう意味ね。まあ、いいや。やろう」


 こうして、俺たちはお互いが求めるだけ抱き合った。
 愛と欲をバランス良く。

 明日からは世界一に向けて進まないとな。


 ―――fin―――       ahootaa

【あとがき】

やっと終わりました。
まだまだ書きたいことやネタはあったのですが、放出できずですね。
某サイトでBANされてやる気がなくなったのが一番の原因です。
理不尽なBANはやめてほしいものです。

「いきなり天使…」というエピソード0も置いてますので、そちらもよかったら読んでください。

あー、ほんとは、リアルに世界一になるシステム考えてたんですけど、使えず。
ホントは、ライの前世の家族も救いに行く予定だったのに行けず。
本当は、アルターイも救う予定だったのに、中途半端。
なんだか、これでいいのか? と思うところもありますが、終わりは終わりです。
もう一本のゆるーいのは生きてますので、そっちで細く長くやります。
あー、壮大なプロットの半分以上がゴミなんだけがくやしいけど、自分の実力が足りなかったからですね。
実際、読者離れがひどくて、自分のメンタルも限界でしたし。
また、実力つけて、ライの冒険を書ける日が来ることを願っております。
長らくお付き合いありがとうございました     ahootaa
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