おねえさんのおしゃべりラジオ!

しんしょう

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#20 イキリ少女の黒歴史

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《はーい本番いきまーす、5、4、3、2、・・・》

 「はい、始まりました、【おねえさんのおしゃべりラジオ!】 当ラジオの司会進行を務めます、寝る前は音楽聴いてリラックス、篠原 怜(しのはら れい)です」

 「そして本日のゲストは、こちらの方です」

 『・・・黒川 響(くろかわ ひびき)』

 「はい、黒川(くろかわ)さんですね。よろしくお願いします」

 『・・・』

 「おや? どうしましたか? 先程から虫歯で歯が痛むようなしかめっ面をして」

 『別に・・・』

 「何かありました? ここに来るまでに」

 『別に、早く番組が終わんねーかなって思ってるだけ』

 「はぁ、そうですか。そう思っているのに、なぜ、今日はゲストとして出演されたのですか? 」

 『・・・この番組に出たら注目されるって聞いたから、ちょっと顔出そうかなって思っただけ』

 「あら、そうなのですね。・・・まぁ注目されるのはあながち間違いではないですけど」

 『そうじゃなかったらこんな番組出ねぇっつの』

 「はぁなるほど、それでそういう態度なのですね」

 『何? なんか文句ある? 』

 「いいえ別に? 」

 『あっそ』

 「それでは、今日は私の一人トークとしましょうか。黒川(くろかわ)さんも気になったら、どうぞご自由に入ってきて下さい」

 『入るわけないじゃん』

 「そうですか。では最初に伝えた通り、私はよく音楽を聴きます。特に素人というか、まだ名前が知られていないような人の曲が好きなのです」

 「最近はブラックエコーさんって人の曲を聴いているんですよね」

 『ッ! 』

 「これがまぁ~ハチャメチャな歌詞でかつ、ガチャガチャした曲調なんですよね」

 『・・・』

 「だけど、なぜかクセになるんです。〔君の愛に溺れる〕だとか、〔私には翼がみえる〕とか、歌詞はメッッッチャ寒いんですけどね」

 『ちょ、ちょっと』

 「だけど、聴いていると一生懸命さだったり、気持ちが歌声にこもってるような感じがして、引き込まれてしまうのです」

 「なかなかいないですよ? 私の興味を引く音楽を作れる人は。もう百年に一人の逸材ですよ、このブラックエコーさんは」

 『も、もういいから! 分かりました! 私が悪うございました! 』

 「? はい? いきなりどうしましたか? 」

 『いきなりじゃないでしょ?! さっきから私の恥ずかしい事ばっかりしゃべって! 』

 「? いえ、私はブラックエコーさんの話しかしていませんよ」

 『だぁかぁら、それが恥ずかしいんだっつの! 』

 「もしや、あなたがブラックエコーさんなのですか? 」

 『絶対知ってて言ってたでしょ?! 』

 「いいえ、そんな事はありません。えー、まさか、黒川(くろかわ)さんがあの、ブラックエコーさんだったとはーーー」

 『きぃい! むかつくーーー! 』

 「まあまあ、そんなに怒らないで下さい。それに、本当に努力をされていて、すごいと思いますよ。曲だって簡単に作れるものではないのですから」

 『そ、そう? あなた、なかなか見る目があるじゃない? 』

 「まぁ寒いしイッタイ曲ですけどね」

 『ウガーーー!! 』


《この番組は、誰でも自由に作品を、アルファポリスの提供でお送りしました》
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