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13.誤解
しおりを挟む頭のケガは順調に回復していき、包帯が外せるようになった。
そろそろ外出したいので、ヘル様に許可を得る。
「書店に行きたいのですが、よろしいでしょうか。」
そう、ヘル様は急ぎの仕事で本邸から出られないのだ。
「明日ではダメなのか?一緒でないと心配なのだが…」
そわそわしているヘル様。
「カリーナを連れて行こうかと思います。すぐに戻りますので、騎士は必要ないかと。だから、ご心配なさらないで?」
「そうか…気を付けて行くんだぞ!」
欲しい本の目星は付いているので、遅くなったりしない筈。
早速カリーナと馬車で出掛ける。
書店の並びにスイーツ屋さんがあったので、ヘル様にお土産も買おう。
久々のお出掛けに心が弾む。
まず書店に行き、お目当ての本を買う。
経済学の本と、お気に入りの小説の新刊だ。
次はスイーツをと思い、書店を出ると弟のカルロスと従兄弟のケイシーと遭遇した。
「姉上!」
「あ、カルロスとケイシーじゃない!偶然ね。あなた達も本を買うの?」
弟のカルロスは3歳歳下で15歳。
クラランス家のケイシーは、従兄弟で20歳だ。
「そうだよ!父上に『少しは勉強しろ!』って言われてさー。姉上の本は難し過ぎるから、もっと分かりやすいのを買いに来た。ケイシーに選んでもらおうと思ってさ。」
「そうなのね。お父様に言われるって、随分とサボってたのね。」
カルロスらしくて笑ってしまう。
「姉上は元気にしてた?公爵様と上手くいってるかい?」
姉上大好き甘えん坊なカルロス、心配らしい。
「公爵様はお優しいわよ。快適に過ごしてます。カルロスは、少し大人っぽくなって背も伸びたわねー!」
おねーちゃん、嬉しいわ!!
「マリアベルは、このまま結婚するのか?」
先程まで、姉弟の会話を黙って聞いていたケイシーが口を挟む。
「一応そのつもりよ。」
従兄弟とは言え、余計なことは言うべきではないからね。
「一応って…その気が無いなら、僕と結婚するのはどう?」
結構真面目な顔で言う。
「はっ?何それ??」
青天の霹靂…
「だから、僕と!」
ケイシーが私の腕を掴んだ瞬間、ヘル様降臨。
「何だ、貴様は?マリの腕を離せ!!」
目つきの鋭いヘル様、私とケイシーの間を割って入る。
「僕はマリアベルの従兄弟だ。彼女に話があるんだ!マリアベル、お願いだ、話を聞いてくれ!!
再度、私の腕を掴もうとしてバランスを崩したケイシーは、私を突き飛ばした。
「キャーッ!」
突き飛ばされた私は、街路樹にしこたま頭をぶつけ、また流血…
「マリ!大丈夫か?!今止血してやるから!!」
私のドレスの下の方をビリビリと破いて包帯替わりにするヘル様。
私、消えたい…このまま…恥ずかしい…
そのまま抱き抱えられ、馬車で公爵家へ。
いつか見た光景ですね?
侍女ちゃん達、大慌てよ??
カリーナが必死に付いてこなければ、書店に置き去りにされるところだったらしい。
ヘル様のお部屋に運ばれ、医者に手当てをされた。
この件がきっかけでヘル様と拗れに拗れまくるとは、この時は考えもしなかった。
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