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14.喧嘩
しおりを挟む医者も帰り、2人きりになった部屋。
ソファに向き合って腰掛ける。
「大丈夫か?マリ…」
心配しているようで、物凄く不機嫌そうなヘル様。
「2度目はさすがに痛いですねぇ…やっと治ってきたのに…」
「だから明日にしろと言ったに…しかも、あの男は何だ?従兄弟に求婚されてたよな?」
イライラを隠せないもよう…
「従兄弟とはいえ、弟と仲が良いだけで、そんなに遊んだ記憶もありませんし…ましてや求婚なんて、初耳でしたし…」
「従兄弟が勝手に懸想していたとでも言うのか?婚約したと聞いて、あんなに思い詰めて求婚してきたのに、全く知らなかったとでも言いたいのか?」
「ヘルベルト様は何が言いたいのですか?私が従兄弟を誑かしたとでも?」
「いや、そこまでは言っていないが…」
「じゃあ何なんですか。私の話に聞く耳を持たずに、想像でものを言うのはやめてください…」
悔しくて涙が出てくる。
「そもそも私が悪かったのですか?言い付けを守らずに出掛けたから?たまたま弟達と会ったから?ヘルベルト様が事を荒立てなかったら、私は突き飛ばされたりしませんでしたよね?何故、私が責められなければならないのですか?」
感情が抑えきれずに怒鳴ってしまう。
「いや、それは…すまない…」
ヘル様は消え入りそうな声で言う。
「申し訳ございませんが、離れで休ませていただきます。」
ヘル様の答えも聞かず、部屋を飛び出した。
この前だって、あなたの女性関係でケガしたんじゃない。
私が何をしたって言うのよ!!
当分、顔も見たくない。
信じてもらえないという残念な気持ちが、私の中では怒りに変わってしまった。
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