【完結】 二年契約の婚約者がグイグイ迫ってきます

紬あおい

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22.謁見と承認

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イシュルマ皇帝陛下への謁見はすぐにやって来た。

「ほんとに早かったね。」

待機中でドキドキな私。
たかだか伯爵令嬢が陛下に謁見て、そうは無い。

「だろ?」

ふふんっ!と笑うヘル様。

陛下がいらした。
30歳と聞いているが、見た目は若く、銀髪赤眼、キリッとした美しいお顔立ちだ。
ヘル様とは違うタイプのイケメン。

「帝国の偉大なる皇帝陛下にご挨拶申し上げます。」

ヘル様もこういう時はちゃんとしてる。
一緒にお辞儀する。

「おぅ、ヘルベルト。そなた、最近いろいろ話題が豊富だな。隣りは噂の婚約者か?」

陛下、わくわく楽しそう。

「はい、婚約者のマリアベル・ランカスター伯爵令嬢でございます。本日は陛下に結婚の報告に参りました。」

仕事モードの時と同じヘル様。
にこりともしない。

「ヘルベルトが結婚か!マリアベル嬢、どんな手を使ったらこいつが堕ちたのだ?こいつときたら、どんな美女が口説いても全く相手にしなかったのに!!」

陛下が驚きを前面に出して来る。

私が言い淀んでいるとヘル様が話し出す。

「陛下、逆です。私がマリアベル嬢を口説いて、やっと結婚まで漕ぎ着けたのです。」

キリリとドヤる。

「そうなのか…冷徹公爵をも堕とす女性か…ヘルベルトは2人の時はどんなだ?」

余程、不思議らしい。

「とても誠実な方です。」

ぎこちない微笑みで、無難にまとめる。

「優しいか?」

食い下がる陛下。

「優しくて可愛らしい方です。」

間違ってない。

「か、わ、い、ら、し、い…?」

陛下の知るヘル様とはほど遠いのね…

「陛下、そろそろご勘弁を。マリの口から何が出て来るか、私が気が気ではない…」

ヘル様、ちょっと焦る。

聖剣云々の話をしないかビクビクしてるのだろう。
私もさすがに陛下の前ではしないわ。

「ヘルベルトは帝国で重要な任務にあたる人間だ。早く身を固めてもらうのは良いことだ。早々に承認するから、安心してよいぞ。」

「ありがたき幸せに存じます。」

「で、ヘルベルトは夜の方は大丈夫か?女慣れしてない奴だからなー。世継ぎは大事だぞ?」

陛下がいたずらっ子のように笑う。

「陛下!!」

ヘル様がムッとする。

「すまん、すまん。マリアベル嬢、ヘルベルトを宜しく頼むぞ。浮気もしないし、側室も無縁のクソ真面目な奴だろうから。」

「はい。その片鱗は既に見えていますので、浮気などはしないと安心しております。」

「片鱗とは?ん??」

陛下のニヤニヤが止まらない。

「外での印象とは真逆とだけでお許しください。この後、大変なことになります故。」

上手くごまかせたかしら…

「そうか。外だと、無愛想・無関心・冷徹な奴だからなー。真逆ていうことは、既に溺愛なのだな。ふむふむ。」

陛下にバレてる。

「陛下、もう勘弁してください…」

ヘル様、しょぼん。

「こんなヘルベルトが見られて気分が良いぞ!マリアベル嬢、ありがとう。ヘルベルトを幸せにしてやってくれ!!」

「陛下のお言葉、心に刻みます。」

ヒヤヒヤな謁見は、無事に終わった。
陛下はもっと聞きたかったようだが、ヘル様は鉄壁のディフェンスで衛り通した。

結婚がいよいよ現実味を帯びてきて、嬉しくもあり楽しみでもある。
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