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16.新しい家族と新居の夜 *
やっと辺境伯邸に到着した。
お義祖父のジョージアとお義祖母のキャスリンが出迎えてくれ、早速応接室に通される。
二人とも、年輪を重ねたしわが美しい、素敵な笑顔だ。
長く寄り添うと、笑顔まで似てくるのかと思える位に、雰囲気が似ている。
「フィリア、よく来てくださった!年寄り二人だから、ご挨拶に行けずに申し訳ない。でも、ディートが嫁さんを連れて帰って来るなんて、夢のようだ。慣れない土地で気苦労もあるだろうが、困ったことがあれば、何でも言ってくれ。」
「んまぁ、可愛らしいお嫁さんだこと!ディートは口下手だから心配してだけど、良いご縁に恵まれて良かったわ。これからよろしくお願いしますね。」
「フィリアと申します。ディート様と力を合わせて頑張りますので、よろしくお願い致します。」
「お祖父様もお祖母様も、フィリアを頼んだよ。」
ディートだけでなく、優しい家族が増えて、私はとても嬉しい。
早くもこの地で頑張れそうな気がした。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
辺境伯邸で、まず驚いたのは使用人が圧倒的に少ない。
義祖父母が住む本邸に執事を含めて五人、ディートが拠点を置く別邸には、誰もいないという事実に驚愕する。
公爵邸の十分の一もいなかった。
食事や身支度、湯浴みまで使用人に任せていた私にとっては驚きだが、ちょっと面白がっている自分もいる。
人が苦手なディートなら、こんなふうに生活してきたのも分かる気がする。
ディート曰く「大した執務はない」とのことなら、二人ならもっと早く片付く。
そして、空き時間に料理や家事全般をするのは、楽しいかもしれない。
縫い物や刺繍は、母の指導で問題なく出来る。
公爵令嬢から辺境伯夫人になるなら、今までの生活をガラリと変えるチャンスだ。
いろいろプランが頭をぐるぐるしていたら、ディートが心配そうにしている。
「大丈夫か?疲れただろう?」
ディートは、余計な物が何もない、ソファとテーブルと大きなベッドのある別邸の私室に、私を連れて来た。
「ふふ。大丈夫ですよ。本当にシンプルで驚いたけど、嫌じゃないわ。寧ろ今までがごちゃごちゃし過ぎてたかも?」
「そう言ってもらえたら嬉しいよ。フィリアからは何も聞かれなかったから、ここに来てどうするんだろうと思ってたけど、普通に受け入れてくれるんだな。」
「いろいろ考えるのは明日から!取り敢えず…」
しがみついて口付けをすると、ディートが嬉しそうだ。
別邸に使用人はいないし、明るい部屋でというのも新鮮だ。
「恥ずかしいから、灯りは消します?」
「このままがいい。全部見たい。」
ディートが仮面を外すのは、この部屋だけだ。
体だけじゃなく、心まで丸裸にされそうなディートの目に、体が疼く。
夜着を寛げて、お互いの体をしげしげ見る。
薄暗い部屋では気付かなかったディートの体の傷痕は、魔獣征伐のせいだろう。
一つ一つ口付けると、ディートがはぁと小さく喘ぐ。
「この体の傷痕一つ一つがディート様の勲章なのね…皆を守ってくれて、ありがとうございます。無事でいてくれて、ありがとうございます。」
「フィリア…随分と優しい口付けだと思っていたら、そんなこと考えてたんだな。そんなふうに言ってくれる人など、今まで誰もいなかったよ…ありがとう。俺、死ぬまで君を守るよ。」
今度はディートが私の体に吸い痕を付けていく。
胸元だけでなく背中や内腿まで、無数の花びらが散らばった。
「お互いに気持ち良くなろうか。」
ディートは私に唆り立つ肉棒を咥えさせ、自分は陰唇にむしゃぶりついた。
お互いの舌使いに酔いしれながら、善い所も探していく。
「あぁ… ディートさ、ま…イきそう…」
「イっていいよ…何回でも導いてやる。」
咥えたままイくのは初めてで、声を我慢するように肉棒を吸い上げた。
「フィリア、それは…くっ!出るっ!」
ディートも呆気なく達してしまった。
「フィリア、それはずるい…そんな姿を見せられたら、とても我慢出来ない…」
「噛まなくて良かったです。ふふっ…」
「噛むとか、やめてくれ…君はもぅ…」
唇にしゃぶりついて、舌で歯列をなぞる。
溶け合う位に口付けて、舌が胸の蕾に下りて来る。
「可愛いよ、フィリア。どこもかしこも…」
ちゅっちゅっと響く甘美な調べ。
「もう来て…私、我慢出来ない…」
「ああ、もっと気持ち良くなろう。」
ディートの肉棒は浅い所をかき回し、焦らしてくる。
「んぁっ、もっと、し、て…」
奥まで届かない肉棒に、もどかしさを感じ、腰が迫り上がる。
「欲しいか?奥まで…」
「欲しいです!奥、グリグリしてっ!!」
にやりと笑い、ディートは腰を打ちつけた。
私の体はビクッと跳ね上がり、ディートは「はぁ、はぁ」と息が上がる。
「ディート様っ!もぅ…あぁんっ、イくっ、イっちゃいますぅ…」
「一緒に!俺も、出るっっ!!」
最奥がきゅーっと搾り取るように収縮しているのを感じる。
「あぁ、フィリア…吸い取られる…溶けるみたいだ…」
ディートは一緒に達した後、余韻に浸るのが好きみたいだ。
繋がったまま力強く抱き締めて、しばらく動かない。
「達した後も、フィリアの中は凄く気持ちいいんだ…」
「そのまま、また大きくしちゃうくせに。」
「俺は、フィリアに我慢出来ないんだよなぁ…もう少し付き合って?」
「はい、旦那様!」
「また、君は俺を煽って!」
ディートの『もう少し』は『朝まで』のことと気付いたのは、もう陽が昇る頃だった。
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