【完結】 1年であなたを落としたいと婚約式で告げた結果

紬あおい

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8.建国祭のパーティ ③

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ダンスは3曲にも及び、婚約者アピールにしてはやり過ぎ感があったが、ルディガーは問題ないと笑った。

「そろそろ休憩しようか。あっちに行こう。」

会場となる大広間から出て、廊下を進むといくつも部屋があった。
その内の1つに入り、ルディガーは鍵を掛けた。

「これでゆっくり出来るよ。足が痛かったら靴を脱いで構わない。」

少し足が痛かったので、お言葉に甘えて寛ぐことにした。
その間、ルディガーは飲み物を用意してくれた。

「りんごのジュースかな?美味しいわね。」

あまりにもフルーティで飲みやすく、ぐびぐび 
いける。

「あっ!」

3杯目を飲み干したところで、ルディガーが焦り出す。

「ごめん、これ、シードルだ!しかも、アルコール、キツめのやつ!!」

ルディガーが気付いた頃には、私はいい感じに酔っ払っていた。
実は、お酒はお祝いの席でひと舐めする程度しか嗜んだことがない。
なので、3杯でほろ酔いになっていた。

「大丈夫よーこの位!それより、さっき何回、足踏んだっけ?5回までは覚えてるんだけど。」

「全部で8回かな…?でも、罰ゲームは、今日は無しだ!かなり酔ってるぞ?ベル。」

「私は全然酔ってませーーーん!せっかく2人きりなのに、キスもしないなんて、有り得ませーーーん!!おっ、ベッドもあるじゃん。」

ルディガーを力づくでベッドに引っ張って行き、突き飛ばす。

「大人しくするのです!」

ルディガーに馬乗りになる。
どこかで見た光景だ。

「負けた方が罰ゲームの主導権を握るって、おかしいだろう?」

ニヤリと笑いながら、するりと私を交わして、逆にベッドに転がされる。

ルディガーに押さえ付けられて、顔が近付いてくる。

(キスされる!)

思った瞬間、唇は耳朶に触れた。

「俺からは、手を出せない…」

ルディガーは、そのまま私を抱き締めた。

「ルディは、やっぱり一目惚れした人が好きなのね…私ばっかり好きで、馬鹿みたい…きっと親が決めた婚約者だから、他の女のように冷たくあしらえないのね。ごめんね、ルディ。それでも私は、あなたを諦めたくないの…あなたの顔を見ると嬉しくて、触れたら幸せで。あなたを愛してしまったの…ごめんね、ルディ、ごめん…」

涙が溢れてきた。
その涙をルディガーが唇で受け止めているのを感じながら、いつの間にか眠ってしまった。
実際に話したのか、夢の中だったのかは分からないけど、目が覚めた時ルディガーは至って普通だった。

胸が締め付けられそうに悲しくなる位、ルディガーは何事も無かったように優しかった。
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