【短編集】 白い結婚でしたよね? 〜人見知りな夫の過剰な愛〜

紬あおい

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3.【ある日の夫婦喧嘩編】白い結婚でしたよね? 〜人見知りな夫の過剰な愛〜

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(ライル様がおかしい…イッチャン様って誰なの!?)

結婚して三年目、閨をともにするようになって一年。
ライルと本当の夫婦になれたと思っていたマリエラに、ある晩、衝撃が走る。

「あぁ、君が好きだ。イッチャン、イッチャン!君を愛している!!」

おかしな気配に目が覚めて、目を閉じて寝た振りをしていたマリエラは、夫のライルの行動に驚愕した。

(ライル様に愛するお方が…?イッチャン様と仰る方なの…?毎朝毎晩私を抱きながら、ライル様はイッチャン様を想っていらしたのね…)

マリエラは押し潰されそうな想いに、そっと枕を濡らした。
濡らすどころかぐっしょりだ。

そして、そんな夜が十日続いた日、思い切ってライルに告げた。
枕カバーの替えも尽きたのだ。

「ライル様、離縁してください。他の方を想うあなたと一緒にはいられません。」

今度はライルに衝撃が走る。

「はっ!?何故だ、マリエラ!俺には君しかいない!他の女など気にしたこともない!!」

マリエラは悲しかった。
ライルが本当の気持ちを話してくれないことが。

「だって、ライル様は、夜な夜なイッチャン様に愛を呟いているじゃないですか!好きだ、愛してるって、仮にも、妻の私の横で!もう嘘を吐くのはやめてください!!私だけがライル様を想っているなんて、愛しているなんて、そんなの嫌っ!!つら過ぎます!!!」

マリエラは泣きながら夫婦の寝室を飛び出そうとした。
その瞬間、ライルがマリエラの腕を強く引っ張り抱き締める。

「マリエラ、君はそんなに俺を愛しているのかい?可愛い顔で泣かないでおくれ。」

思いの外、優しいライルの声にマリエラは腹が立った。

「今は、私の気持ちの話をしているのではありません!ライル様のばかっ!あなたなんか大嫌い!!」

ライルはマリエラを更に強く抱き締めた。
イッチャンが発射する寸前で良かったなとライルは考えながら。

「マリエラ、俺は本当に、君だけを愛してるよ?こっちを向いて?ちゃんと話そう。」

そこでマリエラが明かされた事実は、彼女の想定を上回る事実だった。

「イッチャンは女性ではないんだ。」

「へっ!?では…まさか男性なのですか…ライル様、そっち…?」

唐突なライル両刀疑惑である。
一瞬、イッチャンが縮こまる気配がした。

「男性というか…これ?」

マリエラはライルが指差す方を見た。

「はい?」

「だから、これだ…」

股間だ。どうみても股間を指している。

「ライル様、ふざけないでください。今は真面目なお話を…」

「イチモツのイッチャンだ。」

「イチモツ…ノ、イッチャン…」

「イッチャンと名付けたんだ…」

「やだ…ライル様ったら…イッチャン…イッチャン…イッチャン…」

マリエラは、自分の夫ながら阿呆かと真剣に悩んだ。三秒ほど。
秒のカウント方法は、1イッチャン、2イッチャン、3イッチャンだった。
そして、ライルに理由を聞いた。

「どうして、イッチャンと夜中にお話をしていらしたの?」

ライルは恥ずかしそうに、しかし、マリエラに全てを告げる覚悟を決めた。

「三回じゃ足りなくて…でも、マリエラにあまり無理をさせたら、可哀想だし…だから、マリエラの寝顔や体を見ながら、イッチャンの上下運動を…その時の君というのは、もちろんマリエラのことだ。」

ライルに一年、好き勝手に抱き潰されていたにも関わらず、マリエラには上下運動の意味が分からなかった。

「ちょっとイメージが掴めません。やってみてください。」

「はへっ!?イッチャンと?」

「百聞は一見にしかずと、東方の国では言うらしいので、是非見せてください。」

「マリエラは帝国だけでなく、東方の文化にも知見があるのか!なんて素晴らしい妻だ!!」

「ライル様、話を逸らそうとしても無駄です。さあ、イッチャン、私に見せて?」

ライルは誤魔化すのに失敗した。
やはり聡いマリエラには敵わないのだ。
悩ましく艶やかに笑うマリエラに、イッチャンは喜びの立っちをした。

ライルは下ばきをずり下げると、イッチャンは、元気よくびょーんと唆り立つ。
そして、ライルは諦めて本人が渋くてカッコいいと思って疑わない低い声で言った。

「イッチャン、全てを曝す時が来た。」

マリエラには、未だにその低い声がカッコいいとライルが思っていることは伝わっていない。
そもそも、カッコつけるところが間違っている。

その後、マリエラが見たイッチャンの上下運動の全貌は、それはそれは男性の摩訶不思議を物語っていた。

「イッチャン…痛くないの?」

「寧ろ、善い。」

「触っても?」

「あぅっ、んんん、くはぁぁぁ!」

マリエラが手を伸ばした瞬間、イッチャンが発射しライルは股間を押さえて蹲った。
せめて、触るまで待てないのだろうか。

ライルが蹲ったのは、単に恥ずかしさのせいだけである。
決してイッチャンを責めてはいない。
ライルは己の精神の弱さを悔いたのだ。

「すまない…」

マリエラはマリエラで、ライルとイッチャンに申し訳なさを感じていた。

「ライル様、私の体を気遣ってくださっていたのですね…でも、相談して欲しかったです。夫婦なんですから、一緒に乗り越えていけばいいじゃないですか。」

マリエラは可愛いだけでなく天使だった。
マリエラの視線や言葉ひとつで、イッチャンがいつでも発射準備完了であることは、まだマリエラは知らないが。

「マリエラ…これでも、結婚当初よりはイッチャンは大人しくなったのだよ。でも、まだまだだな…すまない…」

「ライル様、そんなにしょんぼりしないでください!これから妊娠したらイッチャンはもっと大変でしょう?だから、繋がらなくてもイッチャンが発射出来るように、私も頑張るわ!」

「どうやって?」

「ライル様、ベッドに仰向けに寝てください。」

ライルは、これから起こることにドキドキして、心臓が喉ちんこ辺りまで出て来ていた…ような気がした。

「ライル様はじっとしていてね?イッチャン、ちょっと触りますね?」

マリエラはイッチャンに触れた。唇で。

「あひゃっ!マリエラ!?」

今までのイッチャンなら発射しただろう。
しかし、マリエラはイッチャンの付け根をぎゅっと握っていた。

そう、ライルだけでなくマリエラも閨事の本で勉強していたのだ。
イッチャンが発射することを『達する』とか『イく』などと表現することも学んでいた。

そして、マリエラは付け根を握ったまま、じゅぶじゅぶとイッチャンを可愛らしいお口と舌で愛でる。

「あああー、マリエラ!イッチャンがっ、イッチャンがっ!!」

(イッチャンがイっちゃう、みたいな駄洒落をライル様が言ったら面白いのに…)

マリエラは冷静にライルを観察していた。
そして、我慢に我慢を重ねたイッチャンを解き放つ瞬間、付け根を握った手を緩め、陰嚢をやわやわと撫でた。

「マ、マリエラ!出るっ、イッチャンがイっちゃうっ!!」

マリエラの思惑通りだった。
ちなみに、ライルは糞真面目なので冗談は言わない。

マリエラはイッチャン汁を全て飲み込んだ。
心の中ではマズっ!と思ったが、ライルがあまりにも派手に達して、吐き出す余裕がなかったのだ。

「あぁ、マリエラ…飲み干してくれたのか…ありがとう…」

ちゅぽんと吸って唇を離すと、ライルは感動のあまり涙ぐんでいる。

「愛してるよっ、マリエラ!君ほど素晴らしい人は何処にもいない!!」

こうして、マリエラはお口でイッチャンを制する術を身に付け、更にライルの愛情は、今までよりもっとマリエラに向かうこととなった。

マリエラのお口の奉仕はイッチャンのお気に入りとなり、まさに『口淫矢の如し』みたいなスピードで発射した。

こんなに仲良しな夫婦なので、この後すぐに第一子を妊娠したが、愛するライルの為に、悪阻が酷い時はお手々で、悪阻が治まるとお口とまんこでイッチャンを満足させた。

マリエラは思う。
ライルの最初の二年は何だったのかと…
それでも、ライルはマリエラ一筋なことが日々伝わってくるので、幸せな結婚生活に満足している。

ライルとイッチャンも、もちろん幸せだ。






⌘ ⌘ ⌘ ⌘ ⌘

お礼

拙い小説にたくさんの皆様が目を通してくださり、ありがたく思います。

ひっそりと掲載しているのに、予想外の反響をいただき、驚いております。

お気に入り、いいね、しおり
皆様のご厚意、泣いて喜びます。

くすっと笑えたり、えっ?とか、はっ!?と思えていただけましたら幸いです。

何分至らぬことだらけの作者ですので、あたたかい目で見ていただけますと助かります。
独自の世界観に拘り、数十分から数日で勢いで書いています。

既に長編1つ、短編2つ掲載しておりますが、これからいろいろ掲載する予定ですので、引き続きよろしくお願い申し上げます。

皆様の貴重なお時間、ここにお立ち寄りくださいまして、本当にありがとうございます。 (๑˃̵ᴗ˂̵)♡

2025.06.13
紬あおい


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