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56.名前呼びと指輪
しおりを挟む思いの外、封印の儀が早く完了したので、皇宮でゆっくり過ごしている。
辺境地に帰る前に、陛下が夜会を開いてくださるというで、もう少し首都に滞在することになった。
ドレスやアクセサリーは、陛下が別枠ご褒美としてくださるそうだ。
ちょっと楽しみである。
なんてことを考えていたら、ヴィル様が急に言い出した。
「そう言えば、サラは俺のこと『ヴィル』って呼んでくれないねぇ。そのうち、って言われてから、だいぶ経つけど…」
何故、今思い出したんだ?
「あぁ、そうでしたね。ヴィル様って呼び慣れちゃったから…歳も下だし、尊敬もしてるし…」
「サラとは対等でいるから、呼び捨てでいいよ。寧ろ、周りに親密さをアピールしたいから呼び捨てで!」
「親密さアピール、今更要ります??私達が仲良しなことを知らない人はいない気がする…」
あ…気付いちゃったサラーシュ。
「夜会があるからですね?」
「うん。サラが着飾ったら、男どもがうるさいだろうし。仲良しアピールしたい。」
「これが…執着…」
「え…ダメ?」
「ダメじゃないですけど、私は人目を引くような容姿じゃないですよ?寧ろヴィルを私のものアピールしなきゃですね。他の女が手を出さないように、ずっと一緒ですからね?」
「サラは自分の魅力に無頓着だな。あと人たらし!だから片時も離れず、傍にいるよ。ほんの数分でサラに手を出そうとした奴がいるし。」
「ほんの数分で、サラーシュを馬車に乗せて攫った人もいましたね?ふふふっ!」
「あれがあって今が在る。幸せだ。」
ヴィル様の笑顔を見ていると、私も幸せだ。
「あと、指輪を準備しよう。結婚指輪。北部に帰る前に、二人でデザインを決めて手配しよう。俺が準備することも考えたけど、やっぱり俺達は一緒に相談した方がいいと思ってな。」
何か照れてる。
「ありがとうございます。一緒がいいです。楽しみですね。」
「取り敢えず、夜会は俺が準備した仮の結婚指輪で我慢してくれる?領地に居た時、内緒で手配したんだ。デザインは同じだけど、はめ込んだ宝石が、サラは金で俺はアメジスト。お互いの瞳の色だ。気に入ってくれたらいいんだが。」
「うわぁ素敵!お互いの瞳の色って最高です。このまま、これを結婚指輪にしてもいいですよ?その位、気に入りました!!」
本当に綺麗だし、不思議な位にサイズがぴったり。
「サラは欲がないのか?別で買ってもいいのに。でも、気に入ってくれたことは嬉しいよ。」
ヴィル様は満足気。
「でも、何でサイズがぴったりなんですか?」
「寝てる間に測った。サラは意識飛ぶとなかなか起きないから。」
夫からすると、チョロい妻ですね。
でも、基本クソ真面目なヴィル様からのサプライズの指輪、本当に嬉しい。
うちの旦那様、最高だ。
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