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11.悪女の恋人は策士でないとね
しおりを挟むこちらは『大切な人と愛する人』のスピンオフ
エミリオンの妹のグレイシアと恋人のサイファのお話となっております(°▽°)
本編をお読みいただかないと分かりにくい部分もあります
また、本編との兼ね合いで、不定期に更新しております
ご了承くださいm(_ _)m
ーーーーーーー
傷害事件の後、意識は割りと早めに戻っていた。
エミリオン様と違って、俺はまだ若いし、回復力は化物並みなのだ。
しかし、このまま大したことのない事件にしてしまうと、ブランフォード侯爵と愛人のオーレリアに決定的な罰を与えるには理由が弱い?いや、一国の王太子傷害事件だけで充分?などと考えていたら、目を開けるタイミングを失ってしまった。
一日中、俺の傍で手を握り、心配そうに声を掛けてくるグレイシアに、申し訳ないと思いながらも、嬉しくて仕方なかった。
(あぁ、グレイシア、可愛い、大好き!)
ハーレント公爵邸からエヴァンス公爵邸へ移る馬車の中で、俺を抱き締め涙するグレイシアがあまりにも愛おしくて、うっかり目を開けたら、ヴェリティ様と目が合ってしまった。
瞬きで内緒ね?と訴えたら、動揺しつつも理解してくれて安心した。
隣のエミリオン様は、すぐに察して、ぷるぷる笑っていたが、この瞬間に俺は天才エミリオンを実感した。
俺がこの後、どう動くか、全てお見通しなんだろう。
そして、グレイシアにも意識が戻ったと認識させた時、泣きながら微笑むグレイシアが、もう可愛くて可愛くて、襲ってしまいそうになった。
「グレイシアは悪くないよ。俺が勝手に飛び出したんだから。
刺されずに、あの女を排除出来たら良かったんだけど…
あの女、思ったよりも素早かったよ。あんなドレスですげぇよな。
鬼のような顔してたぞ?あはははっ!」
「笑い事じゃないわ、サイファ!」
グレイシアは怒ったような悲しいような、複雑な表情をした。
そんなグレイシアを見て、俺はちゃんとグレイシアに愛されていると実感して嬉しかった。
そして、今度こそグレイシアを娶る為、グラナード公爵やファビオラ夫人の前では、国の責任は問わないと断言し、グレイシアへの求婚に話をすり替えた。
話が拗れて、ヴェリティ様が自分を責めたら、エミリオン様との結婚が怪しい雲行きになる。
それは、絶対に避けなければ!と、グレイシア並みに喋り倒した。
最後は、グラナード公爵を義父上と呼ぶまでに持って行けたのは、グレイシアとの会話で習得した長台詞のおかげだろう。
無事に、エヴァンス公爵夫妻から結婚の許しを得た時、俺は心の中で万歳三百唱位はしただろうか。
グレイシアに恋をして約三年。
期間としては、エミリオン様の三分の一以下でも、心はしんどかった。
(エミリオン様の執着には敵わない。絶対に敵に回したくないな…)
後日、エミリオン様も俺に対して同じことを思ったと話したのは、二人きりの秘密だ。
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